2007年10月 シャトーメルシャン研修ツアー |
みなさんこんにちは。普段は引きこもってることが多い人見です。 先日10月17日、1日まるまるつかってシャトーメルシャンの研修ツアーに参加いたしました。今回のツアーは、シャトーメルシャンの現在の主要な畑と、これから最も重要になるであろう畑をみてまわり、なおかつ熟成庫をまわるという非常に興味深いものでした。最近の国産ワインの台頭の裏側を肌で感じることができ、いろいろな問題点や可能性について、僕の思うところをありのままにレポートしていきたいと思います。それでは、よろしくおねがいします!! |
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| *マリコヴィンヤード* |
朝8時に新宿を貸し切りバスにて出発。朝早いですねぇ。高速にのり3時間かけて、長野県上田市丸子町にある「マリコ(椀子)ヴィンヤード」へ。 名前の由来は昔々聖徳太子の時代にいた椀子皇子(まろこのみこ)という人がいて、その人の所有地は丸子と呼ばれるようになり、現在でも全国各地にその名を残すらしいです。ここ丸子町もその一つで、そこからマリコという名をとったらしいです。 ここはメルシャンの自社畑で、将来メルシャンのフラッグシップになるかもしれないワインの畑。 ![]() そもそもなぜ今になって自社畑を作る必要があるのかというと、シャトーメルシャンのワインはその大部分が契約農家に委託してブドウを栽培してもらっています。 その契約農家は高齢化が進み、後継者がいないという現状があり、将来20年30年後にブドウの安定供給が望めない可能性が出てきたことにより、自社畑をもつという気運が社内で高まってきたことによるそうです。 |
2003年春にブドウの植え付けを開始。冬にも植え付けをし、2003年で5.6ha。 2004年にも2回植え付けをし、6.5ha。 現在約12haの広さを持っています。 さらに2008年に4ha、さらに2009年にも4ha植え付け予定で、将来的には20haになる予定です。 来年に植え付けをする畑は、今年地元の農家の方が蕎麦を植えてくれたそうで、土の質を改善してくれているそうです。 標高600m、風通しの良い丘の上にあります。内陸性気候で降水量も少なく、年間1000mmをきるそうです。 これは、ブドウが病気になりにくい条件を満たしていますね。 今のところ除草剤などは一切使ってないそうです。ただ、いまのところ12haの畑を4人で管理しているので、将来20haになったときには使うかもしれないとのことでした。 もともと牧草地であったためにブドウの周りには牧草やタンポポなどが生えていて、小さな虫もたくさんいました。土壌が健康な証ですね。 その土壌は粘土質で、保水性のある土壌。 (左:牧草の生えた畑の様子、右:粘土質土壌) |
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![]() 主要な品種はメルローとシャルドネです。 そのほかにも試験的にカベルネソーヴィニヨン、シラー、カベルネフラン、ソーヴィニヨンブランなどが植わっています。 もうお気づきの方も多いと思いますが、日本のブドウ栽培の主要なつくり方は棚式栽培ですが、 このマリコヴィンヤードはすべてヨーロッパ式の垣根式になっております。 |
| この違いについては、おいおい進めていくことにして、 僕が行った10月17日には、すでにほとんどが収穫を終えていて、カベルネフランのみがまだ収穫前でしたので、そちらを見学に。 まだ樹齢も若いので、木も細いです。個人的にカベルネフランの実物を見るのは初めてで、ちょっぴり感激しました。そして、恒例の一粒試食させてもいました。(*´∀`) まだ糖度が少し足りないので、収穫は来週になるとのことでしたが、もう十分美味しかったです。一房をいただき、お土産にしました。 植え付けをしたのが2003年なので、まだまだ収穫量は少なく、2005年に1t、2006年に10tでした。そして今年2007年はというと、梅雨明けは天候に恵まれ、ブドウの生育も良く、逆に良すぎるくらいで気温が上がりすぎた日もあったようです。日中は33〜34℃にもなったそうですが、やはり標高の高さでしょうか、朝は暑くても20〜22℃くらいだそうです。 この一日の寒暖の差が、ブドウの糖度をあげる要因になるのですね。そこまでは順調にきていたのですが、5月に雹の被害にあってしまって、辺り一面真っ白になるほどだったとか。せっかく出てきていたブドウの芽も傷ついてしまい、予定していた収穫量20tのうち、実際の収穫量は10t程度になったそうです。 どんなに人間ががんばっても、天候だけはどうにもならないということを、改めて実感しました。将来的には120t〜180tの収穫量をみこんでいるそうです。楽しみですね。 |
| *桔梗ヶ原* |
![]() その後バスに乗り1時間半。こちらは言わずと知れたメルシャンのトップキュベ、桔梗ヶ原メルローをつくりだす畑です。 この桔梗ヶ原では、明治時代の終わりごろからブドウ造りが盛んになった地域で、棚式でコンコードやデラウェアを多く作っている土地です。 バスで走っていると、いたるところに棚式のブドウ畑が目に飛び込んできます。きれいですねぇ。 30年ほど前から、ヨーロッパ型のブドウ品種を導入し、今日に至っています。 |
メルシャンでは現在約40件の契約農家の方の畑と自社の畑があり、約12ha。収穫量は120t〜150t。大部分は契約栽培のものです。自社の畑では1999年からすでに垣根式でメルローを植えて8年たちますが、契約農家の方の畑はそのほとんどがまだ棚式です。 現在はまだ2件の農家の方だけが垣根式で作っているそうですが、将来的には垣根式でつくってもらいたいようですね。 |
さきほどからでてきている棚式と垣根式の違いについてですが、棚式で栽培する方法は日本の伝統的な作り方で、ブドウの枝を高くし、屋根のように張り巡らせる方式です。その昔、病気にかかりやすかった日本のブドウをこの棚式にすることで解決したのです。(下の写真が棚式) 垣根式は枝を低く保ち、風通しをよく、なおかつ日光を直接ブドウにあてられるという作り方で、ヨーロッパではこちらが主流です。(上の2つの写真が垣根式)棚式だと、日光がブドウに当たりにくいという欠点があり、そこにまだ日本のワインの弱点があるのではないかと個人的に思っています。逆を言えば、まだまだこれから伸びる余地がそれだけあるということですよね。 だからといってすぐ全部垣根式にしたらいいじゃないかと思いがちですが、今ある棚式のブドウを全部引っこ抜いて垣根式にしても、すぐにはブドウはなりません。 農家の方のその間の収入がゼロになってしまうので、話は簡単ではないのです。それに加え、垣根式はブドウの実をつける位置が非常に低く、収穫作業はかなりの重労働になるため、高齢化が進む現状では難しいといわざるをえません。 そのためのマリコヴィンヤードなんでしょうね、きっと。 桔梗ヶ原の標高は、700m〜720m。内陸性気候でこちらも昼夜の寒暖の差が激しいです。土壌は火山灰の層(約2m)の下に川が運んできた砂利質の扇状地になっていて、水はけがよい土地です。 さて、勉強熱心な読者の皆様ならお気づきになったと思いますが、ボルドーの左岸と右岸の土壌の違いが、セパージュの違いを生んでいることはご存知ですね。先ほどのマリコヴィンヤードは粘土質で、ボルドー右岸の地質に似ています。こちらの桔梗ヶ原は砂利質で、ボルドー左岸に似ています。 ではなぜ、桔梗ヶ原にカベルネソーヴィニヨンではなく、メルローなのか。この疑問を担当の方にぶつけてみると、メルローとカベルネでは成熟する時期がずれていて、カベルネの方が遅いんです。桔梗ヶ原でカベルネを植えてしまうと、完熟する前に霜が降りてしまうとのことでした。 なるほど、そういうことですか!(o'ω') |
今年2007年は天候にも恵まれ順調に収穫も進み、あとは自社畑のメルローの収穫を残すのみとなりました。そして、そちらを見学に。 これがあの桔梗ヶ原メルローです! ここでもやはり恒例の一粒試食。(*´∀`) 甘い!うまい! これでもまだ酸度が高いので、収穫は10月24日頃の予定だそうです。 ここでもお土産に一房頂きました。 |
![]() そして意外なことに、シラーもほんの数本だけ植わっていました。 こちらも一粒試食。(*´∀`) 残念ながら、お土産にはもらえませんでした。。 形は細長いです。やっぱり少しタニックな印象でしたね。 |
| *山梨分場* |
| ここからまた移動で、山梨県山梨市にあるシャトーメルシャンのワインが熟成のためにねむっている山梨分場へ。 もともとウィスキーの熟成庫だったところを、メルシャンが買い取り、今は約2000樽のワインがねむっています。 |
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こちらで、シャトーメルシャンのチーフ・ワインメーカーの味村 興成氏の説明を受けながら、まずは2006年桔梗ヶ原メルローを樽試飲。 ステンレスタンクで醗酵、樽熟成、新樽100%ボルドー産バリックを使用。2006年はブドウにとって難しいヴィンテージだったそうです。難しいとはいえ、さすがさすがの桔梗ヶ原メルロー。まだまだバッチバチの若さと樽香ですが、チョコレートのような甘味も持ち合わせていて、楽しみです。 次に、な、なんと、2006年マリコヴィンヤード メルローをテイスティング。 まだ樹齢3年で、ほぼ初なりのファーストヴィンテージです。最初はアリエ産のフレンチオークで熟成しているものから。 やはりまだ樹齢の若さを感じさせる出来で、酸度も高いですが、非常に上品な印象をうけました。次に、同じく2006年マリコヴィンヤード メルローのアメリカンオークで熟成させたものをテイスティング。フレンチオークのものよりも、香りは甘く芳醇。口の中の水分が吸い取られる感覚です。樽の違いでここまで違うものになるんですねぇ。非常に勉強になりました。 メルシャンでは、様々な樽(9社)をつかっているそうです。では、なぜそこまでいろいろな樽をつかうのか?それは、ワインに複雑味をあたえるためです。納得ですね。 このマリコヴィンヤードの2006はまだ樹齢も若いので、単一でのリリースはしないそうです。もし、うまくいったら、長野メルロー2006に少し入れるかもしれないと伺いました。要チェックです。 あと5年、10年したらこのマリコヴィンヤードから偉大なワインが生まれてくれることを切に願っております。 |
| *テイスティング* |
| このあと、川口園というバーベキューのできるお店に移動後、8種類のブラインドテイスティング。時間の関係上、怒涛のブラインドテイスティングでした。 2種類ずつ4回のブラインド、 ●1回戦は、メルシャンのワインはどっち? ・シャトーメルシャン 甲州シュールリー2006 ・原茂ワイン 甲州シュールリー2006 ななんと、正解しました(・∀・)よかったよかった。 今でこそ甲州をシュールリーで仕込むというのは当たり前のようになってきていますが、 1983年、日本で初めてメルシャンがシュールリーをはじめたそうです。 ●2回戦は、ブラインドではなかったです。・シャトーメルシャン 甲州きいろ香2006 ・シャトーメルシャン 甲州きいろ香2007 2004年がファーストヴィンテージだったきいろ香。最初の年はあっという間に完売。話題になりましたね。 2005年のものは生産をぐっと増やし、品質も向上しました。とてもよかった印象があります。2006年きいろ香は、今までで一番の出来だとうかがいました。すっきりとした酸と柑橘系の香り。アフターはやわらかく、心地よい余韻が口の中に広がっていきます。 そしてこの白いのが2007年きいろ香。樽に入っていたものを特別に持ってきていただきました。 やはり酵母くささは否めませんが、僕の印象では2006年よりもいい仕上がりをみせそうです。期待してます。 ●3回戦は、シャトーメルシャンのシャルドネはどっち? ・何かのシャブリ(忘れました) ・シャトーメルシャン 長野シャルドネ2006 これはもうみなさん大正解。圧倒的にシャトーメルシャン 長野シャルドネのほうが好きという意見でした。いやすごいですね。このシャルドネは。千曲川流域のシャルドネだそうです。 ●最後4回戦、シャトーメルシャンのメルローはどっち? ・シャトーメルシャン 長野メルロー2004 ・ポムロールの何か(また忘れました)2004 価格ではポムロールのほうが倍近くするのですが、長野メルローのほうが、バランスが高いところでとれていました。 ●そして、ここで、本日のスペシャル。 桔梗ヶ原メルロー 2002 シグネチャー シャトーメルシャンがつくる最高のキュベ。年間生産量1800本。悪い年にはつくられないものです。 今飲んでも、強くて強くてもったいないです。10年20年先に飲みたいですね!! そのほかにもたくさんいただきました。 ・シャトーメルシャン ベリーA&メルロー2005 ・シャトーメルシャン 山梨ベリーA 2004 ・シャトーメルシャン カベルネ&メルロー 2003 ・シャトーメルシャン 桔梗ヶ原メルロー 2001 このほかにも飲みましたが、たくさんありすぎてかけません! 最後にチーフ・ワインメーカーの味村さんと2ショット。 |
![]() 非常に勉強になった1日になりました。 「マリコヴィンヤード」これから注目していきたいですね! |
| >>2006年勝沼研修旅行でのシャトー・メルシャン訪問記はこちら |
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先日10月17日、1日まるまるつかってシャトーメルシャンの研修ツアーに参加いたしました。今回のツアーは、シャトーメルシャンの現在の主要な畑と、これから最も重要になるであろう畑をみてまわり、なおかつ熟成庫をまわるという非常に興味深いものでした。最近の国産ワインの台頭の裏側を肌で感じることができ、いろいろな問題点や可能性について、僕の思うところをありのままにレポートしていきたいと思います。それでは、よろしくおねがいします!!
朝8時に新宿を貸し切りバスにて出発。朝早いですねぇ。
2003年春にブドウの植え付けを開始。
今のところ除草剤などは一切使ってないそうです。


まだ樹齢も若いので、木も細いです。個人的にカベルネフランの実物を見るのは初めてで、ちょっぴり感激しました。
メルシャンでは現在約40件の契約農家の方の畑と自社の畑があり、約12ha。収穫量は120t〜150t。大部分は契約栽培のものです。
垣根式は枝を低く保ち、風通しをよく、なおかつ日光を直接ブドウにあてられるという作り方で、ヨーロッパではこちらが主流です。(上の2つの写真が垣根式)
今年2007年は天候にも恵まれ順調に収穫も進み、あとは自社畑のメルローの収穫を残すのみとなりました。


ステンレスタンクで醗酵、樽熟成、新樽100%ボルドー産バリックを使用。2006年はブドウにとって難しいヴィンテージだったそうです。
●2回戦は、ブラインドではなかったです。