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【セミナーレポート】ルー・デュモン生産者来日セミナー

ブルゴーニュで活躍する、日本人醸造家の仲田晃司氏を招いて開催したセミナーをリポートしました!

仲田氏は、輸入元の資料によると、職人的、細部まで徹底的にこだわった丁寧で決め細かいワイン造りを行っているとのこと。

厳しく選別したワインを購入して、それぞれのテロワールを徹底的に研究した上で、樽の種類、焼き具合、熟成期間等、最もふさわしいと思える理想的な方法を採用しているそうです。

ワインの神様・故アンリ・ジャイエ氏から「自分自身のアイデンティティをワインに表現せよ」との薫陶を受け、「日本人であるということ」「自然と人間に対する真摯な尊敬の念」の象徴として
「天・地・人」のラベルが生まれました。

そんな仲田氏が来日中、THE CELLAR Roppongi にてプチセミナーを開催して頂けることになりました。
仲田氏の「職人的」なこだわりをじっくり伺うことができましたよ。

もう、セミナーの後に乗る電車の時間まで
ピチッと決まっているまさに分刻みなタイトなスケジュールの中
仲田さん到着後早速セミナー開始です!

ルー・デュモン仲田さん

95年に渡仏した仲田氏はボーヌのワイン学校を卒業後
数多のドメーヌやネゴシアンで修行し2000年にネゴシアン“ルー・デュモン”設立。
2008年には念願の自社畑を取得し、醸造所を併設したカーヴをジュヴレシャンベルタンに設立しました。
ルー・デュモンは現在、年産5万本 そのうち20%が自社畑産、80%がネゴスものです

seminar01

■ ルーデュモン ムルソー 2013 
Lou Dumont Meursault 2013
2013年は凄い雨が多かった年で、5月~7月の中ごろまでに普段の年だったら1年分の量の雨が降った。
カビが多く、有機栽培の畑はカビの害で5割減の収穫。
その為、選果をしないとダメだった年でした。
厳格な選果を施した、結果ピュアで飲みやすいヴィンテージとなりました。

このムルソーに関しては新樽を50%以上使っているが樽の香りは強くありません。

仲田さんは樽の香りが付かない木目が細かい樽を選ぶ。

例えばアリエ産は目が大きく香りが強く出ますが、ジュピーユ産、センター産等は目が細かく樽の香りが強くでないそうです。

オークションなどで落とす400年以上の樹齢の樽などは本当に目が細かいそうです。

因みに気になる樽のお値段は・・・
アメリカンオーク 350ユーロ
ハンガリーオーク 400ユーロ
フレンチは安くても 580ユーロ
400年のものは 800ユーロとか

ドミニク・ローランのところのは1200ユーロもするそうです!

どの樽を選ぶかというのが生産者の個性の出しどころでもあると仰っていました。

1995年~2005年は力強いワインが流行

2005~はエレガントなワイン。今は樽を使わないのが流行。
近年、樽を使わない生産者が増えてきました。

ここで参加者の方から、「このムルソー、飲み頃はいつごろでしょうか?」との質問がありました。

このムルソーのおすすめは1~2年は寝かせた方が良いそうです。
5~10年経ってピークを越えた頃がナッツ、バター、バニラなどの香りが出てきてお勧め。

樽は10%使っても凄く樽のニュアンスが付くものと、100%使っても樽のニュアンスが強くないものがあるそうです。

それは樽の種類と焼き加減による。

 

 

赤ワイン

■ ルーデュモン ラドワ ルージュ 2013 
Lou Dumont Ladoix Rouge 2013
90%除梗。

凝縮していて比較的飲み易い。

一般的にはラドワはそんなにタンニンが強くないものが多いが、ルーデュモンのラドワは国道沿いの区画でヴィンテージに寄っては力強くタンニンが強いそうです。

確かに、長い鉄っぽいタンニンの余韻が印象的。普通のラドワに感じる可愛らしい果実味というイメージとは一味違います。

ただこのルーデュモンのラドワとても色が薄いんです。
仲田さんは低温マセレーションを施さず色を抽出していない為色が薄いのです。また安定剤も添加していないので、樽の中でもどんどん色が薄くなるそうです。

その為割合と濃い味わいにも関わらず色を見ながらテイスティングすると薄く感じるようです。
ある試飲会では完全に目隠しをしてテイスティングしたところ、その試飲会で出ているワインの中で2番目に濃いワインに選ばれたそうです。

熱弁をふるう仲田さん

■ ルーデュモン モレサンドニ 2013 
Lou Dumont Morey-Saint-Denis 2013
50%除梗。
まだ若いが紅茶やほうじ茶のような香りが良く出ていて、既に美味しく感じます。

出荷した時にまだ若いとはいえ何とか飲める状態に持ってく為に、仲田さんは瓶詰めしてから最低6ヶ月は熟成してから出荷しているそうです。

したがって2014年は3月15日位から日本で販売スタート。今回は2013年の試飲です。
因みに、2014年から全房醗酵を増やして試しているとのこと。

2012年から自社畑で収穫できるようになり、買い葡萄も自分達で選果瓶詰めするようになったそうです。

「買い葡萄にはキロで買うか、区画で買うか2パターンある。
キロで買うのはヴィンテージによるリスクはないが、やはり量で値段が決まるのでどうしても悪い実が混ざる。
区画で買うのはヴィンテージによって大きく収穫量が減るリスクはあるが自分達で選果できる。」と仲田さん。

もちろん仲田さんは区画買いです。

2014年はスズキ虫という害虫が蔓延した。
その虫はアジアから来た家具と一緒に来たそう。
葡萄の皮に穴を開けて底が酸化してヴィネガーみたいな香りを出すそうです。その為少しでもスズキ虫に冒された葡萄果が混じるとワイン全体がヴィネガーの香りになってしまうので選果がとても重要になりました。

因みにこの年ブルゴーニュで働く「スズキさん」という名前の日本人は肩身のせまい話を他のセミナーで伺いました(笑)

■ ルーデュモン ジュヴレシャンベルタン 2013 
Lou Dumont Gevrey Chambertin 2013
除梗率はモレサンドニと変わらず50%・・・
けど、強い!お客様からも「すごい強い!」との声が上がっていました。

仲田さんは228リットルの樽を立ててそこで醗酵させて手でピシャージュしているそうです!
このやり方はブルゴーニュでも仲田さんくらいしかやってないとのこと。

茎を入れて醗酵させるとつぶれると青臭くなってしまうので自分達の手と足でつぶしているそうです。

因みに樽醗酵→樽熟成の方がステンレスタンク→樽熟成より樽香が弱いらしいです。
なぜならば、醗酵させてる間にバクテリアが樽の成分を食べちゃうからだそうです!
私はてっきり樽醗酵の方が樽の香りが強くなってしまうものかと思っていました。

■ ルーデュモン レア セレクション シャンボールミュジニー 2001 \7,400(+tax)→\6,980(+tax)
Lou Dumont Lea Selection Chambolle Musigny 2001

仲田さんの長女レアちゃんの名前とレアものの「レア」をかけた名前のレアセレクション。
元々、仲田さんが古酒を好きなので分けてもらいビンで買い付けてるもの。

ルー・デュモンでは何もしていないという意味で白いラベルだそうです。

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とここで、time is up!
超過密スケジュールの仲田さんが乗らなければいけない電車の時間が迫ってまいりました。
最後に記念撮影後、その場でお買い上げ頂いたお客様のボトルに超特急でサインを頂き、

 

記念撮影

私と人見だけでちゃっかり記念撮影して頂き、
仲田さんは小走りで去っていかれました。

 

仲田さんは色々な意味で大きな方でした。語り口は、とっても穏やか。
でも内に秘めた情熱とワイン造りに対する愛情がほとばしり出る感じ。
一時間強のセミナーでしたが私も含め参加者の皆様もすっかり仲田さんに魅せられてしまいました。
仲田さん、参加者の皆様ありがとうございました!