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【セミナーレポート】世界のプレミアムシラーセミナー 講師:本名

THE CELLAR Roppongiの実店舗では当店スタッフはもとより、インポーターさんからお招きした講師陣や、ときには国内外の造り手さんから直接リアルなお話を聴ける多彩なセミナーを開催しております。

今回は、「世界のプレミアムシラーセミナー」と題しまして、THE CELLAR Roppongiスタッフである私、本名が恐縮ながら講師としてその名のとおり著名なシラーをご紹介いたしました。

もうご存知の方は飛ばしてもらって構いませんが、まずシラーとはなんぞやという説明から・・・

【 シラー とは? 】
シラーはフランス・ローヌ河中流域を原産地とする黒ブドウ品種です。

単一品種とブレンドの両方に適しており、樹勢が強く比較的容易に様々な気候条件で栽培可能なこと。
さらには若いうちからでも熟成させても異なる魅力を見せてくれる万能さが好評を得て、2010年には白と黒ブドウ合わせて世界で6番目に多い栽培面積を誇る人気品種となりました。

この品種がDNA解析されてそのルーツが判明したのは1998年です。カリフォルニアのデイヴィス校と南フランス、モンペリエの研究者たちがシラーは南フランス原産のモンデューズ・ブランシュとテュレザ・ノワールの掛け合わせだと発表しました。

また、一説によるとシラーの3代前にピノ・ノワールのDNA細胞があるとも言われています。
確かに今回飲んだシラーたちはどれも艶やかでエロティックな香りと味わいでした。

【 味わいの特徴 】
原産地であるフランス・ローヌ地方とオーストラリアが2大産地で、それぞれ異なった味わいを生みます。
よく「スパイシー」という言葉で表現される特徴的な黒胡椒の香りは、ローヌ地方で特に強く表れます。
それに対してオーストラリアでは熟した果実味が前面に出るスタイルです。

また、シラーズとはオーストラリアにおけるシラーの別名です。
真偽のほどはわかりませんが、シラーズはイランの都市の名前が由来だとされています。
そうなると実は全くの別物なのかも知れませんね。

【 その他 】
シラーはブレンド用の品種としても重要で、ローヌ地方南部から地中海沿岸の南フランスの一帯ではグルナッシュやムールヴェードル、カリニャンなどとブレンドされて、ワインに構造や長期熟成能力を与えています。
ブレンドのスタイルはオーストラリアをはじめ、カリフォルニアや南アフリカなどでも見られます。
また、オーストラリアではカベルネ・ソーヴィニヨンとのブレンドも広く採用されています。
豆知識ですが、19世紀までのボルドーワインには、しばしばワインにコクを添えるために、コート・デュ・ローヌ産のシラーがブレンドされていたという話があります。
それどころか一級シャトーであるラフィットはイギリス向けの樽にエルミタージュのシラーを混ぜていたようですし、ラトゥールは畑の一画にシラーを植えていたといいます。

そう考えると何だかワクワクしてきますよね!!!
ということでテイスティングコメントを交えつつ、それぞれのワインを説明します。

 

さて今回のワインリスト。

 

 

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◆マチルド・エ・イヴ・ガングロフ コート・ロティ セレン・ノワール 2011

Domaine Mathilde & Yves Gangloff Cote-Rotie la Seren Noir 2011

〈店頭価格〉 17,000円+tax
〈産地〉 フランス/ローヌ

〈詳細〉
すっかりカルトワインの仲間入りをしてしまった北ローヌのスタードメーヌ。
雑誌や評論家のインタビューを受けることを嫌い、マスコミに登場することも稀。
山奥で黙々とぶどうと向き合いワインと話し合いながら、理想のワインを造るガングロフ。
2000年のイギリスの評論家ジャンシス・ロビンソン女史が携わる「オックスフォード・コンパニオン・トゥ・ワイン」に唯一名前が取り上げられ、その中で「最も将来有望な28人」の一人に選ばれました。そして、ただ一度の登場にも関わらず、翌年以来予約しなくては買えないワインとなってしまいました。
生産本数は僅か4,000本。樹齢40~60年。手摘みで収穫。
醸造は、50%除梗。ステンレススティールタンクで自然酵母を用い醗酵。
SO2の使用量は極僅か。醸造期間はトータルで2週間、その間ピシャージュを何回か行いました。新樽60%と2~4年のオークの小樽40%を用い23か月熟成。
無濾過、無清澄でボトリングしています。

《 テイスティングコメント 》

10時間前抜栓しましたこのワイン。正直一番楽しみなワインでした。いわゆる”ビオ”らしい香りというものはなく、いい意味でイヤらしい香り。ただまだ何かを纏っているようなそんなチラ見せがまたたまりません。味わいも何がすごく突出しているという感じはありません。ザ・ナチュラルとでもいいましょうか。”計算されたナチュラル”のような緻密で充実した味わいが印象的でした。
熟成するとどうなってしまうんだろう。という期待感をかなり持たせてくれたワインです。
参加されたお客様もガングロフを気に入ってくれた方は多かったです。

 

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◆プロヴィダンス シラー 2006 
Providence Syrah 2006
〈店頭価格〉 18,000円+tax
〈産地〉 ニュージーランド/マタカナ

〈詳細〉
ニュージーランド北島、オークランドから北へ60kmのマタカナの地にオーナー兼ワインメーカーであるジェイムズ・ヴルティッチ氏が1990年に設立しました。

1996年、初ヴィンテージのプライベート リザーヴ1993が、世界の著名ワインが並ぶブラインドテイスティングにて「シュヴァル ブラン」「ペトリュス」90年に並んで供され、見事一位を獲得。ニュージーランドで最高の赤ワインの一つと評されています。

 2haの自社畑があるマタカナは、降水量が少なく、日照時間の長い地域。昼夜の寒暖差が18℃を超え、酸味とバランスの良い熟成を可能にします。恵まれた気候と火山性の鉄分を含む水はけの良い粘土質土壌により、ブドウは地中深くに根を貼り養分を豊富に吸い上げ、凝縮味を持ちます。

栽培は、除草剤、化学肥料を使わず、自然に還元することの出来る有機肥料のみを使用し、すべて手摘みで収穫。葉や未熟な実は除かれ、優しく除梗されます。自然に存在する天然酵母のみで発酵を行います。ニヴェルネ産の樹を使用したフレンチオークの新樽100%で24ヶ月熟成。
最終ブレンドは18ヶ月後に決定され、その後更に熟成。ワインにストレスを掛けない為に、自然の重力によって瓶詰めされます。酸化防止剤や保存料も一切使用せず、ブドウ作りから醸造、熟成まで一貫して自然に任せながら造られます。

 ※ちなみにこの2006年のシラーには極少量の亜硫酸が添加されています。ジェイムズ氏によると「亜硫酸を添加したらどうなるのか、試してみたかったんだ。結果が出るには3~4年はかかるだろうね。」とのことでした。結果的に、添加しなかった場合と大きな差がなかったため、2007年以降の亜硫酸の添加は行っていないようです。

《 テイスティングコメント 》

4時間前に抜栓をしたときに一番輝いていたのは実はプロヴィダンスでした。シラーとは思えないほどのチャーミングさ、梅やあんずなどちょっと甘酸っぱい味わいがありました。
これは個人的なイメージですが、ちょっとぼやっとした果実の中に、芯のような中心部分が一直線にながーーーく繋がっているような感覚が香り、口、喉と伝わります。
“良いワイン”に共通する広がりと余韻の長さを感じることができました。
ただ一つ残念だったのは、思った以上にヘタってしまったことです。
もし、このワインをお持ちの方がいれば今が絶好の飲み時なのでぜひ空けちゃってください。

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◆トルブレック ザ・ファクター 1999 
Torbreck The Factor 1999 
〈店頭価格〉 17,800円+tax
〈産地〉 オーストラリア/バロッサヴァレー
〈評価〉ワイン・アドヴォケイト誌 97P 、ワイン・スペクテーター誌 92P

〈詳細〉
トルブレックというワイナリーの名前は、オーナーであるデイヴィット・パウエルがスコットランドできこりをしていた時の、思い出深い森の名前に由来しています。
デイヴィットのワイン造りの原点には、ポール・ジャブレ・エネや、シャーヴなどローヌの素晴らしい造り手に触発されたというきっかけがあり、そこから全て独学で一からワインを学び、1994年からワインを造り始める事になりました。
それ以降、彼はローヌの影響を受けたオーストラリアの赤ワインの傑作を生み出す天才として、世界中に知られるようになっていきました。

南オーストラリア、バロッサ・ヴァレーの古樹からなる熟した果実に、ヨーロッパの繊細さとエレガントさを、絶妙なバランスでワインに反映させています。その実力は言わずもがな、特にトルブレックのフラッグシップである「ラン・リグ」はリリースする全てのヴィンテージがパーカーポイント95点以上と驚異的な評価を得ています。もちろん、「ラン・リグ」だけでなく、一番お手軽な「ウッドカッターズ」シリーズでさえ、使用しているのは若樹ではありますが、その収量制限をかけることで、しっかりとしたスタイル、また高い品質を保っています。トルブレックは、現在の世界中にあるワインの中でも、間違いなくトップクラスのワインの一つです。
そして、彼のワインで生産量が最も少ないワインがファクターです。
シラー100%のキュヴェは樹齢50~130年の古木から240ケースしか造られません。

《 テイスティングコメント 》

なかなかお目にかかれないオーストラリアワインのバックヴィンテージ。
オーストラリア、特にバロッサヴァレーのシラーズというとなんとなーく想像ができてしまうようなところが意外と親しまれている要因でしょうか。
ただここの産地の葡萄は樹齢がものすごく古い木が生き残っている場所でもありますので、ただ単調に濃いという訳ではありません。口当たりだけでなく、下に深く沈み込むようなかなりdeepな世界観があります。一人で夜中に飲んでいるとワインに吸い込まれそうになるような謎のパワーを発していたような気がします。単純に「濃い」「美味しい」というワードでは語りつくせない、シンプルだけど奥ゆかしい味わいがありました。
(ワインラヴァーたちにはあまり響かなかった模様ですが。。)

 

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◆コルギン ナンバー・ナイン・エステート シラー 2009 
Colgin Cellars IX Estate Syrah Napa Valley 2009 
〈店頭価格〉 32,000円+tax
〈産地〉 アメリカ/ナパヴァレー
〈評価〉ワイン・アドヴォケイト誌 95P 、ワイン・スペクテーター誌 95P

〈詳細〉
オーナーのアン・コルギン女史は、1992年コルギン・シュレイダー・セラーズを設立。
前夫フレッド・シュレイダー氏と離婚後はコルギン・セラーズとなり、現在は再婚し夫ジョー・ウェンダー氏と共に、ロバート・パーカーに「葡萄栽培の桃源郷」と言わしめたプリチャード・ヒルにあるナンバー・ナイン・エステートにて究極の優美さを目指したワインを紡ぎ出します。
この自社畑からのワインと、ナパのトップクラス畑の買い葡萄によるワインは、違うテロワールからであっても「コルギンの優美さ」をまといパーカー100点を連発するワインが造られます。

長い間、カベルネ系品種の巧みな造りで、筆頭カルトの一翼を担ってきたコルギンが未踏の境地(シラー)へ踏み込んだ年が2002ヴィンテージ。エステイトレッドと同じく、ワインと同名の自家畑、ナンバーナイン(IX)からの果実を用い、ここに栽培されるシラー種を由縁として“IXシラー”が誕生しました。
ヒルサイドの急傾斜や岩石の多い土壌を北部ローヌ渓谷に見立てて、コルギンではこの地から本気で世界トップクラスのシラー造りを目論みます。
4つの異なるブロック毎に分かれて収穫される果実は、十分な完熟により、このワインに備わるべきと判断された黒系果実やワイルドベリー、動物的ニュアンスが醸し出されます。発酵から醸造に至る過程では、古典的造りにのみ縛られることなく、重力を利用したグラヴィティシステムや、オープントップの大樽と密閉式ステンレスタンクの併用など、総じてコンビネーションが重視されます。
フレンチオーク新樽100%×19ヶ月間熟成。清澄濾過なしでボトル詰め。

《 テイスティングコメント 》

実は本名が短いワインキャリアの中でカリフォルニアでナンバーワンだと思っているコルギン。
昨年、中川ワイン様主催のポール・ロバーツさんのセミナーに参加させていただき衝撃を覚えたのを今でも忘れません。
何といってもコルギンの特徴はそのテクスチャ。ワインによって上下左右に広がり方が違います。
複雑という感じではなく、飲み物そのものに相当なパワーがあります。
いつまでも続くような余韻を今でも覚えているワインは両手で数えるほどありません。
このワインは10時間前に抜栓しましたが、恐ろしく濃く、むしろ物体でした。飲むことも躊躇してしまうほどの圧倒的なパワーに「昨日から開けて置くべきだった・・・」と落胆しましたが、そんなことは心配ご無用でした。セミナーが始まって一番輝いていたのはこのワインでした。
皆さんの反応も「をををを」というような声にならない声が聞こえてきたような。
カリフォルニアにあまり良いイメージがない方も衝撃をうけること間違いなしです。
このレポートを読んでしまったならコルギンは死ぬまでに一度飲んでいただきたいです。
それくらいオススメです。

 

・・・・すいません。熱くなってしまいました。

まだ見えていなかったシラーの世界に足を踏み入れてしまい、もう二度と出てこれないのではないかと思っています。

さて、オチも特にないかるーいレポートで申し訳ないですが、もしもっとディープに浸かりたいということでしたら個人的に第二弾もやりたいと思っていますので、来年あたりにいいアイテムこさえて開催しちゃいます。
お楽しみにどうぞ!!

最後に、ご参加いただきました皆様、またこの拙いレポートを読破してくれた皆様、どうもありがとうございました。

今後も面白いセミナーやイベント、多数企画してまいります。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。