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【ワインコラム~福村編ワイナリー訪問記】その1 都農ワインワインコラムスタートしました!! 今回のコラムの担当は、虎ノ門スタッフの福村真弓です。 ■イタリア大使館公認ソムリエ 今回第1回目は都農ワイン訪問記です。 はじめまして。 隔月でコラムを担当させていただきますカーブドリラックスの福村真弓です。 近年、日本でもワイナリーにカフェやレストラン、さらには宿泊施設なども併設され、観光としても楽しむことが出来きるようになってきました。 日本では北は北海道から、南は九州までなんと果実酒製造場所は344箇所(国税庁資料)にも上ります。実際に畑や気候・風土を感じて飲むワインはより一層美味しく感じ、産地の違いを感じられるのもまたひとつのワインの楽しみ方ですよね。 さて、記念すべき第1回目は宮崎県都農町の都農ワインです! 私がお邪魔したのは2月でしたが、気候も暖かく過ごしやすくなって参りましたので、これからの季節の訪問もとてもおすすめです。 秋のワイナリーも素敵ですが、春のワイン畑も可愛い芽が出ていて、美しい緑の畑を眺めながら飲むワインは格別です。 【都農ワイン】 設立は平成8年(1996年)。昭和の町興しとして第3セクターとしてはじまりました。 畑の標高は約200mで、宮崎県の中央部に位置し宮崎市と延岡市の間にあります。海に面しており稲作には向かないことから、戦後から果樹栽培が盛んな場所でした。宮崎県は温暖な気候なので萌芽が早く収穫も早い為、お盆前には収穫ができます。お盆を過ぎて葡萄の値段が下がる前に、他の産地より早く出荷できる為、葡萄の栽培が盛んに行われてました。 現在、宮崎県内にワイナリーは4軒あり、近い将来さらに1軒増える予定です。 気候は日照時間が長く、降水量は4,000mmを超えることもあります。葡萄栽培に向く降水量は700mm~900mmと言われていますので驚異的な量です。ただし、どか降りの為に日照量は多くなります。 台風の通り道でもある為、栽培は非常に大変で、台風とゲリラ豪雨で灰カビ、ベト病に悩まされます。特に2014年は今までで一番ひどかったそうです。 対策はビニールをかけることでとっていますが、労働のコストなども考えると1kgあたりのブドウのコストは非常に高くなります。ここには書けませんが一般的に取引価格が高いと言われているシャンパーニュ地方のブドウにかかるコストよりはるかに高いです! 土壌のph4.8~5.2とやや酸性です。火山性土壌で特に鹿児島の近くは重い土壌ですが、都農は軽くて鉱物、ミネラル分が少ない土壌です。水はけがとても良い為、降水量が多くても、ブドウを育てることができます。 堆肥には鶏糞(餌にトウモロコシなどを食べる為、窒素の含有率が高い)が使われています。 さすがは畜産王国、九州ですね。
![]() このヒョロヒョロ出ているのが気根です。気根は普通は水分ストレスで出てくるのですが、都農の場合は湿度が高いので出てくるそうです。 ![]() こちらはレインカットの骨組みです。 ![]() グラッパも造ってます。 さて、最後になりましたが大変お待たせ致しました! やはり都農ワイナリーさんで特筆すべきはキャンベルアーリーを使ったロゼワインです。 有名なワインジャーナリストの世界のワイン100本にも選ばれた事がある日本を代表するロゼワインです。
キャンベルアーリー ロゼ2015 10.5% adv プレスは2時間。発酵温度は12~13度で2週間。ブラッシュですが色が結構でるのが特徴です。 イチゴキャンディやアセロラグミのような可愛いらしい香りに、華やかなお花の香りがとても心地よく感じられます。穏やかな酸と果実味が豊かで味わいにもイチゴを頬ばったような甘酸っぱい風味が広がります。都農ワイナリーのカフェから眺める景色の中で飲むロゼは本当に最高でした。
都農ワイナリーで全てのワインに使用する栓はゾークという栓で、リサイクルが可能です。コストはコルクより高いですが環境を配慮した都農ワイナリーさんのこだわりです。飲まれた際は、ぜひリサイクルに出してくださいね。
では、第一回ワインコラムをお目通し頂きましてありがとうございました。次回のワインコラムは別府担当のコラムです。お楽しみに!! |