【セミナーリポート】フーバーナイト!! 生産者Skypeセミナー

THE CELLAR Roppongiの実店舗では当店スタッフはもとより、インポーターさんからお招きした講師陣や、
ときには国内外の造り手さんから直にリアルなお話を聴ける多彩なセミナーを開催しております。
今回は12/7(木)に開催致しました、「フーバーナイト!! 生産者Skypeセミナー」のセミナーリポートをお届けします。
世界最高峰の”ピノ・ノワールの聖地ブルゴーニュ”に追いつけ追い越せ!のドイツワイナリー
「ベルンハルト・フーバー醸造所」の噂はご存知の方も多いのではないでしょうか。
一体どんな方が作っているのか・・?
実際のお味は・・・?
かなり気になりますが、ブルゴーニュの最新ヴィンテージも試したいし・・・中々チャレンジ出来ずにいる方も多いのではないでしょうか。
今回は「ドイツのピノ・ノワール実際どうなのか?!」というトコロを生産者の魅力も交えてお伝えしちゃいます( ´∀`*)ノ
早速、リポートに参ります。
案内人は、お馴染みのへレンベルガーホーフ山野社長です!
お初の方はこちらをどうぞ↓↓↓【セミナーリポート】ゲオルグ・ブロイヤー リースリングセミナー
【セミナーリポート】ゲオルグ・ブロイヤー リースリングセミナー

ベルンハルト・フーバー醸造所は現当主ユリアン氏の父、ベルンハルト氏が1987年に設立しました。
スイスとの国境沿にあるバーデン地方。かつてピノ・ノワールの名産地であったこの地で当時ドイツの主流であった甘口白ワインでなく、あえてピノ・ノワールの栽培にこだわりました。
特筆すべきは、なんと僅か20年でドイツのトップ生産者に上り詰めた点でしょう。
ブルゴーニュと見紛う程のピノ・ノワールは、すぐに世界中で話題となりました。

早速一杯目をいただきましょう。
本日の乾杯、ドイツの泡と言えば・・・もちろんゼクトです!
試飲① ブラン・ド・ブラン ゼクト・ブリュット・ナトゥーア

シャルドネ100%。瓶内二次発酵。瓶内熟成5年。ドザージュ・ゼロ。
シャンパーニュに比べブドウの収穫を遅らせ、種が茶色くなるほど完熟させます。
十分な日照量を与えることで糖度とアルコール度を高め、爽やかでありながら余韻の長い味わいを実現しています。
◎乾杯には勿体無いほどのクオリティ!とても瑞々しく、美味しいゼクトです。
泡も程よく、ドライな中にも蜜っぽい風味がほんのりと奥にあり、癒されるお味でした。
さて、ヘレンベルガーホーフ山野社長のご家族とフーバー家にはかなり親密な関係があります。
家族ぐるみのお付き合いを続けること数十年・・・
なんと先代のベルンハルト氏ご夫婦には、結婚式の仲人まで務めていただいたそうなのです!
もちろん現当主ユリアン氏とも、子供時代から気心の知れた間柄。
そういった経緯もあり、今回のSkypeセミナーが実現しました!
創設者のベルンハルト氏は職人気質な人柄で、ピノ・ノワールの栽培醸造にとりわけ大きな情熱を傾けていました。
ゼロから醸造所を立ち上げ、努力と才能で僅か20年でドイツワインのトップへ上り詰めた正真正銘の”スター醸造家”でありました。
そんな先代でしたが2014年、突然の病により55歳の若さで永眠されました。
病気発覚の後、宣告された余命を大きく伸ばしての2年間で息子のユリアン氏にワイン造りの極意を伝えました。

今では、フーバー醸造所の看板を立派に背負って立つ27歳の若き当主、ユリアン氏。
父の教えを継ぎながら、より良いワインを目指し歩み続けています。

続いて白ワインの試飲です!
試飲② フーバー ヴァイサーブルグンダー 2015

ヴァイサーブルグンダー100%。
ブドウ本来の白い花のような優しい香りに、一部を樽熟成している分ふくよかさも加わり広がります。
繊細な果実味とのバランスが絶妙で、クリーミーな味わいは和食などアッサリとしたお料理にも相性抜群です。
◎飲み口は、一瞬ムルソーのようなトロッと感がありました。
余韻は程良く引き締まり、香りだけフワッと儚く残ります。
驚くほど美味しく、綺麗な味わいの白ワインです。
「ヴァイサーブルグンダー」なんて、ドイツ語にするとなんだか戦闘機の様なイカツイ名前ですが、
フランスの「ピノ・ブラン」と同一品種です。「ヴァイサー」が白、「ブルグンダー」がブルゴーニュとなります。
ちなみに、シュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)の「シュペート」は遅いと言う意味だそうです。
ピノ・ブランは少し馴染みの薄い品種ですが、フランスのアルザス地方やイタリア産スパークリングワインの醸造には欠かせない白品種です。
高品質な赤ワインで有名なベルンハルト・フーバー醸造所ですが、ユリアン氏に世代交代して以降は白ワインも非常に評価が高まっています!
丁寧に作っているのだなぁと、実感させられる味わい。皆さまも是非、極上「ピノ・ブラン」をお試しください!
試飲③ フーバー シュペートブルグンダー 2014

比較的樹齢の若いぶどうをブレンド。
小樽で12か月熟成。しなやかでバランスのよい味わいです。
◎チャーミングな印象です。造り込まれ過ぎず、安心感のある美味しさでした。
第一印象は香り、味わい共にブルゴーニュのピノ・ノワールに近いニュアンスです。
グラスを回していくとシュペートブルグンダーらしい香りの軽さと酸が感じられました。
個人的意見ですが、ドイツのシュペートブルグンダーは、香りと味わいがバラけてしまい、もう少し厚みが欲しい・・と感じる事も多いのです。
しかし、さすが赤の造り手!違和感なく一体感のあるワインでした。
こうなると、本家!?のブルゴーニュ・ルージュと並べてブラインド試飲してみたいですね!
続きまして、フーバー入門編ともいうべきシュペートブルグンダーの後に試して頂きたいのがグラン・クリュにあたるワイン2種をご紹介します。
試飲④ フーバー マルターディンガー・ビーネンベルグ・シュペートブルグンダー レセルヴァ 2014

マルターディンゲン村の、ビーネンベルクという畑から収穫されたブドウで造られています。
VDP(ドイツの格付け組織)では、特級畑を「グローセ・ラーゲ」、その畑で造られたワインを「グローセス・ゲヴェクス」と定めていますが、2008年にビーネンベルクも晴れてグローセス・ゲヴェクスに認定されました。
このビーネンベルクは日当たり良く、古木が多い畑です。優しくて複雑性に富んだ味わいに仕上がります。
シュペートブルグンダーに対する常識が180度覆される、フーバーの最高峰ワインです。
◎非常にキチッとしていて、厳格な印象を受けました。
ユリアン氏によると少なくとも後5年、出来れば10年以上寝かせると良いそうです。
飲み頃はまだまだ先ですが、熟成させたのちの味わいが非常に楽しみな逸品です!
試飲⑤ フーバー ベックリンガー・シュロスベルグ・シュペートブルグンダー レセルヴァ2014

ヘックリンゲン村のシュロスベルクという畑のブドウを使用。
シュロスベルクは、真南向きの最大約70度にもなる急斜面の畑です。
ブドウの樹齢は比較的若いですが、根が地中深くまで伸び白い石灰岩の地層より様々な成分を吸収するため、塩味のようなミネラルも感じられます。
水はけ良く、急斜面に深く根を張ったブドウから複雑さと凝縮感のあるワインが造られます。
◎非常にブルゴーニュワインに近い香りで、エレガントな印象です。
味わいは深みがあり、すでに果実味やボリューム感が感じられ高級感のあるお味でした!
「マルターディンガー・ビーネンベルグ」と「ベックリンガー・シュロスベルグ」は
グラン・クリュの畑違い、さらに同じ2014ヴィンテージの比較となりました(贅沢!!)
畑ごとのテロワールの違いを存分に感じることができました!!
試飲の合間に、ユリアン氏より畑の様子を生中継していただきました↓↓↓

生出演のユリアン氏に、会場も大盛り上がり!
現在27歳、子供の頃はワイン造りなんて大変で厳しい仕事は嫌だ!絶対継がない!!
なんて10秒も持たずに逃げ出してしまうような少年だったそうです(笑)
しかし、今やそんな面影を少しも感じさせません。
フレンドリーな雰囲気で「試飲ワインの飲み頃」をはじめ、「樽の使用率」などマニアック!?な質問にも丁寧に回答していただきました。
現地の様子は写真では伝わりにくいですが、セミナーでは気候や畑の形状、畑と畑の距離感などリアルに体感することができました。
ブドウ畑の上から見下ろすと、物凄い急斜面!これは作業がかなり大変そう・・・
写真は「ベックリンガー・シュロスベルグ」の畑の様子です。

そんな険しい環境の中、厳しい収量制限やブドウの栽培管理には一切手を抜かず、細部まで徹底して行われています。
使用するブドウは房の半分をカットし、1粒あたりの凝縮度を高めます。

こうした丁寧な畑作業に加え、選果も徹底しています。
通常はブドウを収穫した後、醸造所内の選果台で使えないブドウを選り分ける作業が行われますが、
フーバー醸造所では腐ったブドウは全て畑で選別し、醸造所内に一切持ち込まないとという徹底ぶり!
そんなユリアン氏の目指すワインは「ピュアなワイン」だそうです。
その為に「畑や醸造の仕事に対し、細部まで妥協せず忠実である事」を何よりも大切にしています。
ラストは、爽やかな甘口白ワインでしめましょう!
試飲⑥ フーバー マルターディンガー・ムスカテラー 2015

ムスカテラー(ミュスカ)100%。
洋ナシ等の華やかな香りとややスパイシーな香り。
酸と甘みが絶妙なバランスをとり、ボリューム豊かな味わいが楽しめます。
ミュスカの魅力を再発見できるワインです。
◎きっちりとしたシュペートブルグンダーの後に、上品で優しい甘さがホッとするお味でした。
今回のSkypeセミナーでは、大人気のユリアン・フーバー氏に生出演していただきました!
お集まりいただいたフーバーファンの皆様からも多くの質問が寄せられ、ユリアン氏との交流はもちろん、畑の急傾斜や日当たり、畑間の距離感などリアルタイムで現地の様子が体感出来る貴重なセミナーとなりました。
案内役を務めてくださいました山野社長、ユリアン氏、そしてご参加の皆様、誠にありがとうございました!

THE CELLAR Roppongiではこれからも多彩な内容のセミナーをお届けしていきます。
今回ご参加できなかった方も、次回以降のセミナーでぜひお待ちしております♪
1月20日(土)【Special Seminar】 ルー・デュモン来日セミナー【満員御礼】
1月22日(月) 【Special Seminar】 ドメーヌ・アンリ・グージュ来日試飲会【満員御礼】
2月13日(火)14日(水)毎月恒例!テイスティングパーティ
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みなさまのご参加を心よりお待ちしております!