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【セミナーレポート】2018年11月27日開催「南アフリカの新鋭 アルヘイト・ヴィンヤーズ シングルヴィンヤード セミナー 」こんにちは!遠田です。 久しぶりのセミナーレポートです。 が、しかし気付けばここ1年ほど全然レポートをアップしておりませんでした。猛省して、来年は興味深いセミナーの数々をキチッとお伝えしていく所存です。 さて今回レポートするのは、先日11月27日に六本木店で開催されました、「南アフリカの新鋭 アルヘイト・ヴィンヤーズ シングルヴィンヤード セミナー 」です。 講師はご存知(?)新アフリカワインの伝道師、文屋さんを、ラフィネ社よりお迎えして開催致しました。 まずは現在の南アフリカワインシーンについて・・・ 現在の南アフリカワインシーンの概要 ■ まだワインを造り始めて10~15年くらいの若い後発世代が活躍。 ■ かつては原料ぶどうはKWVに流れ、樹齢10年だろうが50年だろうが一緒くたに混ぜて大量に生産される、“質より量”スタイル。現在若手の生産者を中心に“量より質”スタイルに転換中。 今まさに変貌を遂げつつあるワイン産地という雰囲気。 では改めて南アフリカのワイン産地ってどんなとこ? 南アフリカここがすごい 350年。アメリカ、オーストラリアよりも歴史がある。 ■ 気候条件がいい 南極に程近く日本と同じように四季がはっきりとしているが、湿度は低い ■ 環境が良い ワイン産地のほとんどが2004年に世界遺産に登録された自然保護地域内に位置しているため、自然の生息地とワイン栽培の共存が持続的に行えるよう、減農薬、減酸化防止剤など世界一厳しい法の下ワインが造られています。 ■ ワインのスタイル かつてはカベルネソーヴィニヨン、シャルドネなどメジャー品種で国際市場を意識したワイン。または量産型のハイブリッドであるピノタージュなど。 南アフリカでは自然保護の観点からぶどう畑を所有するには最低45haの畑に加えて1.1倍の自然な土地を同時に設けるよう法律で決まっているそうです。小規模生産者にとっては自前の畑を持つことが難しいので、ほとんどは信頼できるぶどう農家からぶどうを購入してワインを作っています。 そのために重要になってくるのが高樹齢・高品質のぶどう樹の畑を見つけること。 若手生産者はそのような情報をシェアしながら、互いに切磋琢磨してワイン造りをおこなっています。 また新たな生産地団体・生産者団体の創設し、世界中を回りプロモーションを 行い南アフリカワイン界を牽引しています。 はい。ここまでおさらい。 アルヘイトヴィンヤーズは2011年にファーストヴィンテージ、カルトロジーをリリースして瞬く間に南アフリカで最も評価され、注目をあびるようになったワイナリー。 クリスとスザーン・アルヘイト夫妻によって設立されたワイナリー。 一番最初に2011年にカルトロジーを造り一躍ヨーロッパで人気になり一躍南アのトップヴィンードの一つに躍り出ます。 クリス・アルヘイトは若干36歳! さて、今回の試飲はそのアルヘイトヴィンヤーズの誇るシングルヴィンヤードのワインとカルトロジーを7種類試飲するという何とも贅沢にして無二なセミナーです。ちなみに彼らが造るのは白ワインだけ。
(別名義でもう少しリーズナブルなラインで1種類だけサンソーを作っています)今回試飲するワインは全て2017年。2017年は冷涼なヴィンテージ。ラフィネさんが扱い始めて一番硬い年とのこと。 全てシュナン・ブランベース。標高300メートル以上で、海風や山おろしのある乾燥した区画で無灌漑の古樹のブッシュヴァインが植わる畑を探しグロワーと協力して限りなく自然な農法で栽培された葡萄を使用しています。彼らの畑はあちこちに散らばりその距離南北に500km. 車で5時間ほどだそうです。その間未舗装の道あり、標高差ありの道程だそうですよ。 新樽は一切使用していません。 アルヘイト ヴィンヤーズ カルトロジー 2017 ¥5,000 品種 :シュナン・ブラン、セミヨン 石灰っぽい煙い香りに青リンゴ、栗。バシッとした酸があるのですが丸いミネラルがそれを受け止めてくれます。最後は旨みとポンカンのようなジワっとした果実味がひろがります。うん。美味しい。 アルヘイト ヴィンヤーズ ヘメラルド・ヴァイン・ガルデン 2017 ¥4,500 Hemelrandは標高360メートル、砂利の粘土、砂岩に位置しています。寒くて風が強く、非常に辺境のある場所で、葡萄はゆっくりと成熟します。このワインは2017年が3回目のヴィンテージとのこと。
唯一の標高300m以下の畑。False Bayの二つの畑Rustenhof(標高60m)とKaribib(標高220m)より。花崗岩土壌。ちなみにこのワイン以降の↓のワインは値段が上がっていくに伴い標高も上がって行きます。カリンの香り。味わいは焼きリンゴ、ジューシーな酸。アフターに長くピンとしたミネラル。時間経過と共にミネラルがどんどんボリュームを増していきます。
このパールドバーグの山は、現在の南アワインを代表するセイディーファミリー、バーデンホースト、デイヴィッド&ナディアなどのヒーロー達の本拠地です。花崗岩土壌のこの地から生まれるシュナン・ブランはピュアで明快、力強いが重くないワインになります。
こちら、アンフォラで仕込まれるキュヴェ。アンフォラはHout Bayのに住む陶芸家に、Bottelaryのふもとのレンガ工場の土を使って焼いてもらっているそうです。1200度以上で焼成され完全にガラス化しているため、イタリアやグルジアなどで造られるテラコッタとは全然違うアンフォラだそうです。またこのキュヴェ今回が最後のヴィンテージ。旱魃の為、野生動物に葡萄樹が食べられてしまったそうです。
非常に赤い鉄分豊富な砂質の土壌で標高520m。接木無しの畑。
ハイルクランスとはこの畑にあるがけの名前です。「涙する崖」の意味で雨が降ると崖肌を涙のように雨水が伝うことが由来のようです。 コレも、バランス良し。ほんの少しゼラニウムの香り。ミネラル、つやのある口当たり、酸味が一番こなれている印象。 このワインもアフターがとてもとても長いです。 さてさて、こんなにシュナン・ブランばっかり試飲するのも初めてでしたが、もう南アとかシュナンとか自然派とかそういうカテゴライズを超越したワインでした。 ほんのわずかですが販売もしております。 文屋さん、本当にありがとうございました! またよろしくお願いします! |