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【ワインコラム~福村編 ワイナリー訪問記 その2】サントリー登美の丘ワイナリー

fukumura-san

皆様こんにちは。
今月のワインコラムは日本を代表するワイナリー、サントリーの登美の丘ワイナリーです。


【アクセス】
〒400-0103
山梨県甲斐市大垈(おおぬた)2786
営業時間:9:30~17:00(最終入場16:30)
休業日:火・水曜日 ※8月~11月は水曜日のみ
休業期間:1月~3月下旬甲府駅よりバスまたはタクシーにて約30分

読んで字のごとくまさに登って美しい‘登美の丘’は山梨県北部の甲斐市にあり、韮崎市(にらさき)と甲府市の間に位置します。
現在もあえてスイッチバックの道路を残しているという急峻な坂道を登ると標高600mの畑に辿り着きます。

眺望台から眺める富士山はため息のでる美しさでした。

富士山の写真

明るすぎてうまく写ってないですが、富士山がみえますでしょうか???

メルロの畑

標高600mのメルロの畑

1909年に開園し、敷地は約150ha。登美の丘の気候は8月の一番暑い時期で36度、朝は20度〜21度と朝晩の気温差が大きく、その気温差が葡萄の成熟を助けます。様々な条件を考慮して、最適な場所で最適なぶどう品種を育てるため、ぶどう畑を約50の区画に分けて管理しています。
土壌は火山性の堆積シルトと粘土が主体でpHは6.8〜7.2で葡萄栽培に適したpHの値です。

台木標高が一番高い畑にはMerlotが植えられており、Merlotの台木にはRGM(Riparia Gloire de Montpellier)が使われています。RGMはPhylloxeraの耐性も高く、Limestoneでない肥沃な土壌に向く台樹です。
根が横に伸びるのが特徴。日本のような雨が多い土地に適しています。特に登美の丘は土壌が比較的硬く、土壌の下の方に水分を保持しやすい為、根を深く伸ばすより、根を横に伸ばすことで葡萄の樹に適度に水分ストレスをかけることで良い葡萄ができます。
このようにワイン作りに適した良い葡萄を得る為に、色々な工夫がなされています。

案内して下さった吉野さん 吉野さんが今手をかざしているところから葡萄の房の上だけにレインカットを掛けるそうです。

案内して下さった吉野さん
吉野さんが今手をかざしているところから葡萄の房の上だけにレインカットを掛けるそうです。

登美の丘をはじめ日本では湿気が多い為、カビによる葡萄への害が一番の問題になります。
やはり登美の丘でも晩腐病による害が多く、さらにハモグリダニなども問題になるそうです。ハモグリダニの発生により葉の光合成が減り葡萄の成熟を阻害します。
このような病害を乗り越え1年間手塩にかけて育てても、天候や病害に大きく左右され、収量が大幅に減ったりします。
さらに日本では台風があり、降水量も多い為、葡萄ひとつひとつに傘掛けたり、レインカットの設備にも高いコストと労力を要します。
そんな大変なワイン作りのお話を聞くと、より一層ワインに思い入れができますよね。私はイタリアワインとスペインワインのバイヤーをしておりますが、特に思い入れのある生産者のものは、可愛い娘をお嫁に出す気分になっています。笑
テイスティングしたワイン

畑とセラーの見学の後はテイスティングです。

さて、登美の丘でも素晴らしいワインがありますが、あえて1本選ぶとすれば長野県塩尻で栽培されたマスカットベーリーAを使った‘塩尻マスカットベーリーAミズナラ樽熟成’が特に素晴らしいです。ミズナラの木で熟成されたユニークなマスカットベーリーAです。

可愛らしいベリーの香りにエキゾチックな甘草や八角などのスパイスの香りが特徴的です。味わいはとても優しく穏やかな酸とタンニンもきめ細かく、余韻のスパシーさがあるので山椒などを使った和食にとても良く合うと思います。これからの季節にうなぎに山椒や朴葉味噌に山椒を合わせたお料理などにも良さそうです。

さて、いよいよ今年の秋はイタリアに行く予定にしておりますので、ワイナリー巡りイタリア編も乞うご期待!

今回も最後までお目通し頂きましてありがとうございました。次回は別府担当のコラムです。