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THE CELLAR NEWS

リースリング・ツアー in Germany ④

7/10

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晴れ。

今日はラインガウから次の地域ミッテルラインへライン川くだりです。

船に乗っちゃいます!

ドイツにきたらやってみたいことの一つがまた叶いました。

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結構な満席具合で、あまり見晴らしの良い席はとれませんでしたが、写真は撮れました。

ラインガウの西の端っこの、私が滑り落ちそうになったベルク・シュロスベルクの畑です。

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ベルク・シュロスベルクを直訳すると、山・城山です。

西へ流れていたライン川が90度北へまがるところがここです。

関所的な役割だっと思われます。

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歴史を感じますね。

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ライン川くだりはどんどんすすみます。

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古城ファンにはたまらない光景がつづきます。

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あの城のところの畑に後で行くそうです。

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町並みも綺麗ですね。

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なんだかんだで1時間半くらいの川下りは終了。

目的地のバッハラッハ村へ到着です。

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なんか奥にありえない角度の斜面が見えますが、きっと気のせいでしょう。

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船が到着すると、今回の2軒目の訪問先であるラッツェンベルガーの当主ヨハンさんが笑顔でお出迎えしていただき、早速ワイナリーへ車で向かいます。

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到着が正午すぎだったこともあり、早速ランチです。

ワイナリーと畑にはさまれたすてきなお庭で、愛犬の名前わすれましたが狩猟犬のとても賢い子といっしょに食事です。

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池が好きなようで、ずっと眺めてました。

ヨハンさんが飛び込んでいいよ!っていったら勢いよくとびこんでヨハンさんが跳ね返った水でびしょびしょになってました。

あはははー、ぬれちゃったよーとヨハンさん。

ゆるやかな時間がながれます。

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そんなゆったりとしたランチとは裏腹に、すぐ隣にそびえる崖、いや畑。畑?畑だよね?

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気になって食事もなんとなく上の空。

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食事も終わって中庭でひとまず記念撮影。

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わお!

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今日と明日泊まるところはなんとラッツェンベルガーのワイナリーに併設されているゲストハウス。

生産者のおうちに宿泊です。

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めちゃきれい!

ちょうど2部屋あり、リビングまであります。

少しの休憩後、畑へご案内いただくことに。

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ラッツェンベルガーのケラーマイスター(セラーマスター)のクリスチャンさんに案内していただき、まずはワイナリーの目の前の畑「ザンクト ヨースト」へ。

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やばいです。これは崖です。

下からみてもその厳しさはわかっていましたが、上から見ると足が竦みます。

樹齢60年。彼らにとってはグランクリュの畑。所有は3ha。品種はリースリング。

去年の2018年はめちゃくちゃ暑くて、9月10日から収穫したそうです。それは例年の1ヶ月は早かったそうです。

斜度は驚愕の60~70度。

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70度!

なんだそりゃ。。。

土壌はスレート(粘板岩)だらけで水はけが良すぎるので、ブドウの樹の根がとても深いそうです。

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スレートはこの山ごとスレートで黒色。黒なので熱をかなり蓄えるので夜も暖かい。

ザンクト ヨーストの畑は特にこのスレートが多いのが特徴です。

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畑はすべて南向きなので、日当たりは抜群。谷を挟んで向かい側にも山があります。

その北側はなにもない森になっていて、南側はまた畑です。

ミッテルライン地方は昔はワイン産地として世界でも最高評価を得ており栄えたそうですが、いまは産地としてはドイツでもワースト3にはいる小ささです。

まあこの斜面で作業をしたいと思う人が年々減っていくのは想像に難くないです。

次の畑へ移動する途中にあった、スレートむき出しの崖がありました。

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すごい。

どこまでも黒色粘板岩。

山ごとスレートだ、といわれて納得。

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これは滑りまくって上れないよね。畑はもうすこし表土があったけど、これじゃあ歩けないよ。

どうやって作業してるんでしょうか。。。

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そんな絶望感にも似た感情を抱きながら、次の畑へ移動です。

ボルフスヘーレ。5ha所有。

樹齢は60年くらい。接木なしの自根です。リースリングのみ。

ここでは先ほどの黒色スレートは風化して白っぽくなってきていそうです。

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お次は一番ライン川に近い畑、ポステンです。

見張台という意味だそうで、

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その見張台は今も残っています。

どれがそれなのかは忘れました。

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先ほどの船から見えたあたりの畑と思われます。所有は1ha。

樹齢は20年くらいと若めです。こちらもリースリングのみ。

ライン川に近いこともあり、その反射熱によってミッテルラインでは一番あたたかい畑です。

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ポステンの畑でリースリング ポステン 2015を試飲します。

アルコール11.5%でドライ。酸の乗ったヴィンテージで、とてもきれい。

写真もライン川、古城、畑、町並み、ワイングラスと全部いれた欲張りな一枚となりました。

絵葉書級のきれいな光景ですね。

つづきまして、

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先ほどの斜面をおりて(車で)、谷を越えて山をのぼったところにある畑、クロスター フュルステンタールの畑。

樹齢は若め。標高は200-180mで、ライン川が近いこともありあたたかいので、収穫のタイミングは早いのが特徴。

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写真をみていただくとわかると思いますが、今までの畑は斜面に対して上下に畝が伸びていたかとおもいますが、この畑はテラス状、つまり左右に畝が伸びています。

作業効率を考えれば圧倒的にこっちですよね。

ちなみにこの畑のブドウはラッツェンベルガーのスパークリング用のブドウにしているそうです。

リースリングのほかにピノノワールなども植えています。

このあとまた移動です。

南側に山を下りて、谷を越えてまた山をのぼると、

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着きました、シュロス フュルステンベルクの畑です。

相変わらずの斜面です。

ここはラッツェンベルガーが2,3年前にこの山ごと購入した畑です。10ha畑はあるようですが、今は改植しているので収穫できるのは4ha。

放置されていた畑にすこしずつ手をいれているところです。

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階段つきの畑をドイツに来てはじめて見ましたが、よくみるとこの階段もスレートです。

ここの土壌もやはりスレート主体です。

そしてもうお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、畑の名前にシュロスとついています。

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 そう、城です。

山ごとかったので、城がついてきました。

さっき船から見えた古城ですね。

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 500年くらい前にうち捨てられた古城なので、結構ボロボロです。

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でもまあここまできたら、入ってみたいですよね。

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しかしそんな前から放置されてるのに、よく残ってますね。

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3人で力を合わせてのぼっていきます。

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結構しんどいです。

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なんとなくそれっぽいところまで上って来たら、塔の前に到着。

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写真では伝わりにくいですが、20mくらいあります。

中に入れるよ、とクリスチャンさんに言われたので、そりゃ入るしかないですよねー、と。

これが間違いでした。

上の写真をみていただければわかりますが、窓がないです。

中は真っ暗、めちゃめちゃホコリっぽくて暑くて結構きびしい環境。

スマホの明かりを頼りになぜかかかっていた脚立をのぼると、板張りのフロアへ。

またそこに脚立があってそこを登るとまた板張りのフロア。

これをあと2回繰り返して5階とおもわれるところにくると、

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ようやく窓が。

真っ暗の狭い空間てあまりよいものではないですね。。。

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また降りるときが高所恐怖症の私は地獄でした。

心もとない脚立を真っ暗な中降りる恐怖の体験をさせていただきました。

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いやな汗をかきましたが、畑周りはこれで終わりです。

部屋に戻って休憩のあと、バッハラッハ村の歴史に触れてみる?というヨハンさんの提案で、町の教会へ連れて行っていただきました。

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非常に長い歴史をもつ教会でした。

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そういえばミッテルラインはユネスコ世界遺産に登録されています。

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この教会を管理しているクリスチャンさん(ケラーマイスターの人とは別人)に教会内部を案内していただきながら、村の歴史をうかがいました。

ここで一旦ヨハンさんは帰宅。忙しいみたいです。

ペストが猛威をふるった頃、バッハラッハ村の生き残りは4家族だったというのが一番印象的でした。

教会の一番上にある鐘のある部屋もみせていただき、なんなら鳴らしてくれました。

こんな中途半端な時間に鐘をならして大丈夫なんでしょうか・・・

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その鐘をタイマーでならす仕掛けがこちら。

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すごい年期の入った機械ですね。

これを手動でねじをまいて使うそうで、ちょっとだけやらせてもらいました。

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結構重くて3回転くらいでやめました。

このあとクリスチャンさんの庭園に案内されていろいろなこだわりの逸品を数々みせていただきました。

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そんなこんなで夕食の時間です。

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古城を改装してつくられた、博物館兼レストランです。

ここも船で通ったときに見ましたね。 

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日本にももっとこういうのが地方にあったりして、気軽に入れたりするとよいなぁと勝手に思ったりしました。

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ライン川沿いにある古城なので、景色は最高。

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ヨハンさんが箱でワインを持ち込んでいたので、まさか全部あけるわけないよな、3人で6本もあけないよな、と思いながらディナーがスタート。

日本でも某ワイン漫画でとりあげられて、爆発的な人気を博したスパークリングです。

もともと好きでしたが、やはり抜群に美味しい。

酸がキレイで泡も細かくてクリーミー。コクもあって香りも華やか。

このワインに文句をつけろというのは無茶があります。しかも安い。

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お次はワイナリーの目の前の斜度70度の畑、ザンクトヨーストの2011年のファインヘルプ(半辛口)と、

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同じザンクトヨーストの辛口2014年の飲み比べ。

個人的には2014の端整でミネラルが強く、人を寄せ付けない斜面の厳しさを表現したこのワインのほうが好みでした。

ファインヘルプも美味しいので、料理やシチュエーションにもよるかなと。

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この季節にとれるキノコと肉のスープ。

めちゃくちゃうまい。

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夜9時をまわってもまだこんな感じで日が沈みません。

メインの鹿肉の煮込みとデザートは、話が盛り上がりすぎて写真わすれました。

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そして最後に出てきたのがこれ!

ボルフスヘーレ畑のアウスレーゼ 1992!

先ほどの2つのワインにも言えましたが、熟成しているのにフレッシュです。

酸が生き生きとしていて、酸化したニュアンスをぜーんぜん感じません。

醸造段階での酸化を徹底的に排除しただけでは、こうはならないのできっとブドウのポテンシャルなのだと思います。

甘いけどべたつかない。

爽やかで、それでいて熟成からくるとおもわれる旨味がすごい。

これは貴重な体験をさせていただきました。

ヨハンさんありがとうございました!

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まだ明日もラッツェンベルガーです!