トップ>アピシウス シェフソムリエ 情野氏 に訊く、“今”オススメのワイン
ソムリエ
情野 博之氏
有楽町フランス料理店「アピシウス」シェフソムリエ。
ワイン専門誌への連載のほか、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』にて密着取材が放送されるなど、メディアでも活躍。
■ 国際ソムリエ協会認定 インターナショナル・ソムリエ
■ ゴ・エ・ミヨ ガイド2019「ソムリエ オブ ザ イヤー」
■ シャンパーニュ・アンリオ アンバサダー
■ 自由が丘ワインスクール主任講師
■ 女子栄養大学非常勤講師
■ シャンパーニュ騎士団 認定オフィシエ
こんにちは、ソムリエの情野博之です。
ソムリエを生業にしてから約30年、数えられないほどの様々なワインを飲んできました。
本業は40年続く有楽町のフレンチレストラン「アピシウス」のシェフソムリエですが、 それに加え、ワイン雑誌やメディア関連、インポーターさんの試飲会などを含めるとワインの試飲数は年間2000本近くになります。
このコンテンツではその出会ったワインの中から、自分の舌で確信した「美味しいから本当に飲んで欲しい!」をベースに 「気軽に楽しく飲める旨いワイン」を紹介させて頂きます。

このコンテンツをご覧の皆様こんにちは。情野です。
コロナが落ち着きを見せてきた状況ですが、まだ『おうち飲み』されている方が多いようです。今回は新緑が深くなるこの季節に、アウトドアでも楽しめそうな美味しいワインのご紹介です。
ポイントはワインオープナーを使わずにワインが開けられ、飲み残しても安心なスクリューキャップ。そして『冷やしても美味しい赤ワイン』。
試飲してみると総じて渋みが穏やかな赤ワインは冷やしても良い感じです。よく言われる『赤ワインは室温で』は一旦置いておいて、渋くないワインは少し冷やすと引き締まって味わいに立体感が出てきます。
このワイン達で暑い季節もビールに逃げることなく、ワインも楽しんでいただけると思います。
今回を持ちまして『アピシウス シェフソムリエ 情野氏 に訊く、“今”オススメのワイン』最終回になります。このコンテンツをご利用の皆様誠にありがとうございました。また機会がありましたらよろしくお願いします。
お手軽に楽しめるオレゴンピノ
イーラス
ピノ・ノワール 2017
税込3,696円
情野ソムリエのオススメポイント
地球温暖化も進み、近年暑くなる季節には『冷やし赤』という、赤ワインを冷やして楽しむスタイルが増えてきました。
冷やして良い赤ワインは『渋みの少ない赤ワイン』が鉄則だと思いますが、ピノ・ノワールは元々タンニン分が少ないので冷やすことで、味わいに渋みが増すように感じます。この『オレゴン・ピノ』はアルコールのボリュームは程々あるので、冷やしても良し、室温でも良し。幅広くシチュエーションにマッチします。
ゴマの香りが効いた冷シャブシャブとはお互いに引き立て合う組み合わせです。詳しく見る
黄色い果実溢れる華やかな味わい
ノーティラス・エステート
ピノ・グリ 2020
税込3,498円
情野ソムリエのオススメポイント
フランスのピノ・グリは『しっかりコクのある』というスタイルですが、フランス以外のピノ・グリは『軽やかで、飲みやすい』という食前から楽しめるカジュアルに仕上げるスタイルが特徴です。
酸味も穏やかで後味にほんのりとピノ・グリらしい苦味が感じられ、軽く飲むだけでなく味わいが引き締まった印象です。
シザーサラダなど野菜料理にはよくマッチします。カラッとした太陽の下で楽しみたいワインです。詳しく見る
キリっと冷やして飲みたいハイクオリティリースリング
ドクター・ターニッシュ
ターニッシュ リースリング 2018
税込2,475円
情野ソムリエのオススメポイント『ドイツの白ワイン=甘い』の固定観念は捨ててください。近年のドイツの白ワインは『オフ・ドライ』。ほんのりとした甘味ぐらいの仕上がりが世界での認識です。
このワインは日本市場では馴染みの深いモーゼルの名門『ドクターターニッシュ』。
アルコール分も控えめで、暑い季節には喉で楽しめます。氷を入れて炭酸で割って『スプリッツァー』で楽しんでもいいかもしれません。
ツナやチーズのホットサンドとは『塩味と甘味』の絶妙なバランスです。詳しく見る
アウトドアと言えば牛肉!牛肉と言えばマルベック!
カテナ
アラモス オーガニック マルベック 2020
税込1,947円
情野ソムリエのオススメポイント
Decanter誌のマン・オブ・ザ・イヤーに選ばれているニコラス・カテナが率い、国内外の高い評価でアルゼンチンのプレミアム・ワイナリーとして知られる『カテナ』。
カテナのセカンドライン、アラモスは比較的気楽に楽しめるブランドです。ブドウもアルゼンチンを代表するマルベックを使い、果実味も程よく渋みも控えめな仕上がり。赤ワインが苦手な人にもおすすめです。
イメージではジャージャー麺などはドンピシャな組み合わせだと思います。少し冷やすと引き締まった味わいに立体感が出てきます。詳しく見る
上質な泡立ちと複雑味があり、万能選手
リョパール
リョパール ロゼ ブリュット・レセルバ 2019
税込3,740円
情野ソムリエのオススメポイント
スペインのスパークリング事情ですが、『脱・カバ』の傾向が顕著にみられます。カバよりもブドウの栽培地を狭め、ペネデス限定、地域100%オーガニック、熟成18ヶ月を行い、EUに認証を受けたスパニッシュ・スパークリング『コルピナット』が、プレミアム・スパークリングワイン産地として独立しました。
このロゼの搾汁は良質な『一番搾り果汁』のみを使い、雑味がなくピュアな味わいです。
ロゼなのでお料理の組み合わせも幅広く、ピザなどのフィンガーフードと合わせて楽しめます。ぜひ新たなスパニッシュ・スパークリングを一度お試しください。詳しく見る
おまとめ5本セット
情野さんおすすめ5本セット
税込13,750円
上記ワインをすべてお入れしたワインセットをご用意しました。
おまとめセット特価(15%OFF)にて販売いたします。詳しく見る
今月の聖杯
ドメーヌ・ウィリアム・フェーヴル
シャブリ・グラン・クリュ ブーグロ コート・ブーグロ 2017
税込16,720円
情野ソムリエのオススメポイント
僕がソムリエになり始めた約30年前のシャブリの立ち位置はレストランでは『なくてはならない』ワインリストの重要な白ワインでした。『白ワイン=シャブリ』しかなかったと言うソムリエの先輩方が多いです。これがその後、ブルゴーニュの他の『樽を効かせた』ムルソーやモンラッシェなどが日本の市場に紹介されるようになるとシャブリもすっかり影を潜めてしまいました。
ですが、実際僕の勤めるアピシウスのリストでも15年前は5アイテムしかシャブリはオンリストしていませんでしたが、今は20アイテムほどにボリュームが増えました。それは市場にシャブリの決定的な味わいの要素、『スッキリ・爽やか・クセがない』が再評価され始めたのかと思います。
今回のウィリアム・フェーブル社の所有するグラン・クリュは、ブーグロの中でも南向き、且つ最大傾斜45度の浅い土壌の区画をコート・ブーグロと名付けています。この区画はシャブリ・グラン・クリュの中で最も斜度がキツいのですが、南向きでブドウの成熟も良くしっかりと厚みのある味わいのシャルドネが取れます。
味わいのポイントは『キレとコク』。確かにスッキリしているのですが、コート・ブーグロ畑の特徴のボリューム感が上手にマッチしています。しかも余分な樽の香りが無くて飲み疲れません。余分な味わいは完全に削ぎ落しています。
ウィリアム・フェーブル社のワインメーカーでワインメーカー・オブ・ザ・イヤーのディディエ・セギエ氏が生み出す、まさに芸術品。ブドウのピュアさを存分に楽しんでいただけます。まさしく『ネイキッド・シャルドネの決定番』。汗ばむ季節に持ってこい、『いくらでも飲めそうな感覚』に襲われる白ワインです。飲むたびに納得する味わいです。
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