2023.05.10

ロゼワインは白・赤とどう違う?製造方法や美味しい飲み方、おすすめ10選も紹介

ロゼワインは白・赤とどう違う?
製造方法や美味しい飲み方、おすすめ10選も紹介

白ワインと赤ワインの中間的な存在、ロゼワインは今や世界では赤ワイン消費量を上回るとされています。ロゼワインをまだあまり飲んだことはないけれど、興味を持たれている方も多いのではと思います。
本記事では白、赤、ロゼにどのような違いがあり、またロゼワインの中でもどういったスタイルの違いがあるのかを解説していきます。

更新日: 2023/05/30

高松 亨
高松 亨 CMS認定 マスターソムリエ

オーストラリア・シドニー出身。当時24歳にして世界最難関とも呼ばれるマスターソムリエに最年少、日本人として初めて合格。
現在は地域おこし協力隊として北海道・余市のドメーヌ・タカヒコにて研修中。

Contents

ロゼワインとは?

“ロゼ”とはフランス語で”薔薇色”や”ピンク色”という意味です。
ピンク色をしたワインの事を総称して“ロゼワイン”と呼びます。
色調はその名の通りピンク色から淡い赤色で、技術的な規定は特にありません。
スティルからスパークリングまで、そのスタイルも多種多様です。

日本でも徐々に注目されて来ているロゼワインですが、実はヨーロッパ各地ではデイリーワインとして古くから愛されており、フランスでは白ワインの消費量を上回るほどの人気となっています。
その華やかな色合いから被写体としても人気があり、パーティーシーンには欠かせない存在です。
特に初夏~夏にかけて露出が増え、バカンスの時期に家族や友人たちと集まって飲む事が多いです。

ロゼワインの特徴や味わい

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ロゼワインは白ワインと赤ワインの中間に位置するスタイルで、
両方の良さを兼ね備えたワインとも言えます。

短時間でも、果皮との接触のあるロゼにはほんのりとタンニンが溶け込んでいます。
繊細さがありながら、ボリュームも感じることができるため
様々なお料理と合わせやすく
前菜や軽めの魚介料理から、ある程度しっかりとしたメインのお肉料理まで
ペアリング守備範囲の広い、フードフレンドリーなワインです。

ピンクの可愛らしい色調から、ロゼワインは甘い、と思われる方が少なくないですが、実はすっきりとシャープな辛口タイプが主流です。
また、産地を知ることによって甘口か辛口かを予測することが可能です。
フランスのロワールでは辛口から甘口まで幅広くのスタイルがあり、プロヴァンスやローヌでは辛口がメインとなっております。

ロゼワインの色のバリエーション

ロゼワインの色調は幅広いですが、大きく3つの色に分類することができます。 ① オレンジ ② サーモン ③ ピンク 上記の基本的な色合いに「淡い・薄い・濃い・深い」等の形容詞を付け足すことにより バリエーション豊かな表現が可能になります。 その他に花や食べ物の色に例えて表現されるケースもあります。 薔薇色や玉ねぎの皮の色、などさまざまですが、こちらも「濃い薔薇色」など、形容詞をプラスすることによって一段とはっきりとした表現が可能になります。

ロゼワインと赤ワイン、白ワインの違い

基本的に赤ワインは黒ブドウから、白ワインは白ブドウから作られますが、 赤ワインの色素は黒ブドウを醸す(ブドウを皮ごと果汁に漬け込む)際に 果皮・種のエキスが果汁に染み出すことによって生まれます。 この醸し期間を短くしたものが一般的なロゼワインになります。

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ロゼワインの製造方法

ロゼワインの製造方法は主に3つあり、セニエ法、直接圧搾法、そして混醸法です。

セニエ法

最も一般的なロゼワインの製法です。発酵タンクに破砕した黒ブドウを入れ、数時間(長くても約48時間)浸します。 その後、少し色づいた果汁のみを抜き取り発酵を続けて仕上げる方法です。 セニエは、フランス語で「血抜き」を意味します。 元来、セニエ法とは赤ワインをつくる際の工程で、発酵途中に液体部分だけをすこし抜き取る作業の事でした。その際に抜き取られた果汁を発酵させて出来た、いわば副産物がロゼワインでしたが、現在はロゼワインを作る事だけを目的としてこの製法が使われる事も多いです。

直接圧搾法

こちらもセニエ法と同様に黒ブドウを用いる醸造方法です。 白ワイン製法と同様で、ブドウを直接または破砕してからプレス機で絞る方法です。 果皮との接触は最小限なので色調もとても薄く、僅かに搾汁工程中に果皮からアントシアニン(赤ワインの色素)が果汁に移行します。

混醸法

混醸法では、白ブドウと黒ブドウを一緒に混ぜてから、セニエ法と同様に発酵をして仕上げます。 一般的に、スパークリングワイン以外は、発酵後の赤ワインと白ワインを混ぜてロゼワインを造ることを禁じている国が多いです。

ロゼワインを美味しく飲むポイント

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温度を6?10℃前後にする

ロゼワインは基本的には冷やして飲むのがおすすめです。冷蔵庫に入れ忘れた時は、1・2杯分を小さめのカラフェに移して氷水につけると急速に冷えます。 スタイルによっておすすめの温度が異なりますので、甘み、酸味、渋みを意識して温度を変えてみてください。 低めの温度で味わうとシャープな酸味が引き立ち、また甘さが抑えられてスッキリとした飲み口になります。 一方で、温度が低いと渋みは目立ってしまうので、色の濃いロゼワインやタンニンがよく抽出されたスタイルのものを飲む際には、少し高めの温度がおすすめです。 個人的におすすめの飲み方としては、「一度冷えた状態から温度が上がっていくにつれての変化を楽しむ」ことです。温度帯によって目立つアロマも変わってくる為、低い温度では感じることの出来なかったアロマも、温度が上がるにつれて徐々に現れます。温度変化に伴う香り・味わいの移り変わりを観察することで、そのワインの全体感を楽しむことが出来ます。 少し変化球な飲み方としては、プロヴァンスやシドニーの海辺のレストランでは 氷を入れたオンザロックや、フルーツと合わせてカクテルにするなど、 アレンジを加えて楽しまれる事も多いです。

料理で甘口と辛口を飲みわける

ペアリングに迷ったらロゼワイン!というほどまでに、あらゆる料理に合います。 甘口のロゼワインには、生ハムやチーズなどの塩味のしっかりとしたもの・フルーツやスイーツなどの甘いものを合わせるのがお勧めです。 辛口のロゼワインでペアリングに迷ったときは、色調に注目してみましょう。濃いピンクなど赤に近いようなものには赤身のお肉やマグロ、トマトソースのお料理。サーモンピンクなど色の薄いものには桜鱒やエビ、豚肉など。色と色を合わせるだけで簡単です。勿論、付け合わせやソースによって多少のアレンジは必要になりますが、基本的なペアリングとしてはしっくりくると思います。

おすすめの人気ロゼワイン

ミラヴァル ロゼ 2021

ミラヴァル ロゼ 2021

価格:5,060円(税込)

フランス最大のロゼワイン産地である、プロヴァンスのワインです。 品種はサンソー、グルナッシュ、ロール(ヴェルメンティーノ)、 シラーを使用しています。 色調は濃いサーモンピンク。
香りは果実味豊かで、柑橘系のオレンジやグレープフルーツから始まり、奥に野苺、 ほんのりとハーブやミント、潮風のようなフレッシュさがあります。

味わい| フレッシュで、爽やかな酸味とライトボディなスタイルにしっかりとグレープフルーツやレッドカラントの果実味があり、口の中にバラのような華やかさが広がります。
余韻にはすっきりとしたハーブ、そしてレモンの香りが続きます。
幅広い料理と合わせることが可能なワインですが、サーモンのコンフィにディルを使用した前菜系のお料理や、鮭を使ったシンプルな和食とのペアリングがお勧めです。温度は低めの6度前後で。

キューザ・グランデ テッレ・カサーリ チェラスオーロ・ダブルッツオ 2021

キューザ・グランデ テッレ・カサーリ チェラスオーロ・ダブルッツオ 2021

価格:1,419円(税込)

生産地はイタリアのアブルッツォ州で品種は土着品種のモンテプルチアーノです。 色調は深みのあるピンク色。
香りはベリー感溢れる果実味が特徴的です。標高300mに位置する畑からできるブドウは寒暖差が大きく、しっかりと酸が残ります。

灌漑が広く行われているアブルッツォですが、キューザ・グランデでは灌漑には雨水を使用しています。

味わい|程よいボディとラズベリーやいちごの味わいはミディアムレアなローストビーフなどにぴったりです。

カリフォルニア・ルーツ ロゼ カリフォルニア 2020

カリフォルニア・ルーツ ロゼ カリフォルニア 2020

価格:1,738円(税込)

カリフォルニアのさまざまな産地から収穫されたフィールドブレンドのロゼ。 ジンファンデルやシラーなどしっかりとボディのある品種は親しみやすいすっきりとしたロゼに仕上がっています。
食前酒として、キンキンに冷やして一杯目に飲むのもよし。 エビのスパイスマリネのグリルのような地中海料理と合わせてもよし。 コスパの良いロゼです。

味わい|酸を保つために低温発酵させてからステンレスで熟成されたこのワインは柑橘とベリー感の両方を味わうことのできる、一年通して楽しめるスタイルになっています。

ピッツォラート スプマンテ ロゼ バイオレット エクストラ・ドライ NV

ピッツォラート スプマンテ ロゼ バイオレット エクストラ・ドライ NV

価格:1,980円(税込)

イタリア、ヴェネト州のスパークリングロゼ。 ラボーソとプロセッコでも使用されるグレラというブドウ品種で作られた辛口ロゼ。
マルチユーズのコンセプトを元にデザインされたボトルは、飲み終わった後もインテリアとして使用できます。 豪華なボトルに入ったこのワインはホームパーティーの手土産にもおすすめです。

味わい|チェリーの風味とバランスの良い酸味が特徴的です。

ボデガス・プロトス プロトス クラレテ 2021

ボデガス・プロトス プロトス クラレテ 2021

価格:2,365円(税込)

生産地はスペイン、品種はテンプラニーリョ主体のロゼです。 チェリーや苺などの赤系果実味に、タイムやローズマリーなど、野生的で清涼感溢れるハーブのニュアンス。

味わい|酸をしっかりと感じるキレのある辛口ワインです。濃く鮮やかな色調から分かるように、赤ワインに近いコクがあるロゼですので、濃いめのお料理とのペアリングがお勧めです。黒酢酢豚や、北京ダックなど中華料理との相性も良さそうです。

E.ギガル タヴェル ロゼ 2021

E.ギガル タヴェル ロゼ 2021

価格:3,080円(税込)

フランスの3大ロゼの1つとされるタヴェルロゼです。 ぱっと目を引く華やかな色調が特徴的。濃いめのチェリーピンク色です。香りはストロベリーキャンディ。

味わい|赤ワインのように力強い味わいなので、メインディッシュのお肉料理にも負けずに合わせられます。少し贅沢に、料理酒として、煮込み料理やお肉のソースにするのもよいかもしれません。

フリードリッヒ・ベッカー プティ・ロゼ 桜 2021

フリードリッヒ・ベッカー プティ・ロゼ 2022

価格:3,630円(税込)

ドイツのロゼワイン。もともとは醸造所の創業者が自宅用に作っていたワインです。 自家消費用に作っていたワインなので、毎年品種・セパージュが変わるところがポイントです。 2021年はピノノワールが主体で、色合いは淡めのサーモンピンク。

味わい|フルーティで芯が通った力強さを感じる仕上がりになっています。元々は家庭で楽しまれていたワインということで、シャルキュトリーの盛り合わせなど気軽なペアリングがお勧めです。

ファン・ロッゲレンベルグ ブレイク・ア・レッグ サンソー
              ブラン・ド・ノワール 2021

ファン・ロッゲレンベルグ ブレイク・ア・レッグ サンソー ブラン・ド・ノワール 2021

価格:3,520円(税込)

生産地は南アフリカ、品種はサンソー100%で造られた、ブランドノワールのロゼです。

味わい|フレッシュで豊かな果実味が広がり、ほどよいスパイス感。土や森のしっとりとしたニュアンスに、重厚感もあります。 スモークサーモンやいぶりがっこなど、スモーキーなお料理とのペアリングが面白いかと思います。

ジャンツ プレミアム・ロゼ NV

ジャンツ プレミアム・ロゼ NV

価格:5,071円(税込)

生産地はオーストラリアのタスマニア州で、セパージュはピノノワール70%とシャルドネ30%。このワインはシャンパーニュと同じ製法で作られており、18ヶ月の瓶内二次発酵を実地しています。 グラスの中にはエキゾチックなイチゴのキャンディと芳醇なバラの香りが広がります。

味わい|クリーミーな舌触りと濃厚なベリー感がありながらもフレッシュでバランスの取れた余韻が残ります。 少し大きめのグラスで飲むことによってふくよかさが表現されるワインです。

ココ・ファーム・ワイナリー(10Rワイナリー) こことあるシリーズ
              ぴのろぜ 2020

ココ・ファーム・ワイナリー(10Rワイナリー) こことあるシリーズ

価格:4,620円(税込)

ぴのろぜ 2020 生産地は日本の北海道。
余市町の木村農園で栽培されたピノノワールを、岩見沢市の10Rワイナリーで野生酵母を使用して醸造されたワインです。

味わい|柑橘、ベリー系の果実、プラムなど複雑なアロマが印象的で、味わいも僅かにタンニンがありながら白ワインのようにすっきりとした飲み口は飽きることのない素晴らしいワインです。 温度が上がってくるとスパイス感も出てくるので幅広いお料理に合わせることができる、S万能なワインです。

まとめ

ロゼワインはシンプルだが奥の深いスタイルで、甘口から辛口まであるのでさまざまなお料理と合わせることができます。 色合いも美しくいろいろな場面で飲むことができるので是非、カーヴドリラックスのオンラインストアで自分に合う一本を探してみてください。