赤ワイン2023.07.14

カベルネ・ソーヴィニヨンの特徴とは?品種の比較をしてわかりやすく解説

 

ワインには数多くのブドウ品種がありますが、その中でも「カベルネ・ソーヴィニヨン」は特に人気のある赤ワイン用ブドウ品種として知られています。その味わいの深さと複雑なアロマ、そして幅広い料理との相性の良さから、多くのワイン愛好家に支持されています。
カベルネ・ソーヴィニヨンは赤ワインの代表的な品種の一つですが、どんな特徴があるのかわからない人も多いかと思います。本記事では、カベルネ・ソーヴィニヨンの特徴を詳しく解説し、他の品種との比較や、おすすめのカベルネ・ソーヴィニヨンを3本に厳選してご紹介します。

カベルネ・ソーヴィニヨンとは?

カベルネ・ソーヴィニヨンは、赤ワイン品種の王者と呼ばれることもある代表的なワイン用ブドウ品種です。カベルネ・ソーヴィニヨンの起源は諸説ありますが、フランスのボルドー地方が原産地と言われています。病気や害虫に対する耐性が強く、暖かい気候で水はけのよい土地であれば世界各国どこでも栽培できるというポテンシャルの高さが特徴です。また、カベルネ・ソーヴィニヨンは「カベルネ・フラン」と「ソーヴィニヨン・ブラン」の交配によって生まれたブドウ品種です。そのため、それぞれの名前をとり、「カベルネ・ソーヴィニヨン」という名前がつきました。

生産地

カベルネ・ソーヴィニヨンは、フランスのボルドー地方を原産地とするブドウ品種です(諸説あり)。ボルドーの中でも「左岸」地区と言われるメドックやグラーヴ、ポイヤックなどでよく栽培されています。しかし、現在では新世界のワイン産地でも広く栽培されており、カリフォルニア、チリ、オーストラリア、アルゼンチンなどでも高品質なカベルネ・ソーヴィニヨンが生産されています。カベルネ・ソーヴィニヨンは日照量が多く、暖かい土地を好むので、比較的温暖な地域で栽培されています。
また、カベルネ・ソーヴィニヨンは、栽培される産地によってアロマに大きく差が出るのも特徴です。イタリア北部やアメリカのワシントン州などの冷涼な気候の産地では、赤果実や青胡椒のようなアロマが感じられます。一方でアルゼンチンやオーストラリアなどの温暖な気候の産地では、黒果実やカカオのようなニュアンスが強くなり、アルコール度数も高く仕上がる傾向にあります。

香りや味わい

カベルネ・ソーヴィニヨンで造られるワインは、若いうちはピーマンやミントといった清涼感のある青々したアロマが出ることもありますが、熟成が進むに連れて黒果実の香りやスパイス、レザーの香りなどが出てきます。深いルビーの色調を持ち、味わいはフルボディで、しっかりとしたタンニンが感じられます。さらに樽や瓶内での熟成を経ることで複雑な味わいが生み出されます。
カベルネ・ソーヴィニヨンは小粒で皮が厚いため、皮や種由来のタンニンが豊富です。タンニンとはワインに含まれる天然の化合物で、特に赤ワインで感じられる成分です。口の中で渋みを感じたり、引き締まったニュアンスを与える要素になります。カシスやブルーベリーを思わせる濃厚な果実味が感じられ、しっかりした味わいに仕上がることが多いです。

合う料理

カベルネ・ソーヴィニヨンは、その力強さと豊かな味わいから、赤身肉や熟成チーズとの相性が特に良いとされています。また、ハーブやスパイスを用いた料理とも合わせやすいです。重厚感のあるフルボディの飲み口なので、合わせる料理もボリューミーな料理が好まれます。赤身肉のビステッカや牛肉の赤ワイン煮込み、ボロネーゼソースのトマトパスタ、豚肉のトマト煮込みなどと合わせるのがおすすめです。樽熟成を効かせたカベルネ・ソーヴィニヨンなら、樽の香りと合わせて燻製した肉や炭火で焼いたステーキなどとの相性が良いです。

カベルネ・ソーヴィニヨンと他の品種の特徴を比較

カベルネ・ソーヴィニヨンはフルボディで渋みがしっかりしているという特徴がありますが、他のブドウ品種とはどういった違いがあるのでしょうか。今回は赤ワイン用ブドウ品種で代表的な「メルロー」と「ピノ・ノワール」の特徴と比較してみましょう。

メルロー:メルローは、カベルネ・ソーヴィニヨンと同じくフランスのボルドー地方が原産地ですが、より味わいに丸みがあり、フルーツの風味が豊かで、タンニンはややソフトです。カベルネ・ソーヴィニヨンと比較すると、若いうちから飲むことが可能なワインが多いのも特徴です。タンニンがなめらかなので、比較的親しみやすい味わいに仕上がります。
フランスのボルドー他、カリフォルニアやスペイン、イタリアなど世界各国で栽培されています。飲み口はミディアムボディ?フルボディです。
ピノ・ノワール:ピノ・ノワールは、ブルゴーニュ地方を原産地とするブドウ品種で、デリケートで飲み口がエレガントなスタイルのワインが多いです。ラズベリーやレッドチェリーのようなフルーティーな赤果実の香りと、やや軽めのボディが特徴で、きのこ料理や鴨肉などとの相性が良いとされています。カベルネ・ソーヴィニヨンと比べると酸味があり、タンニンは少なめなライトボディです。ただ産地や生産年、生産者によって味わいも大きく変わります。ピノ・ノワールは赤ワインだけでなく、シャンパーニュやロゼワインも造られています。

品種 渋み 酸味 色調 ボディ
カベルネ・ソーヴィニヨン 強い やや弱い 濃い赤紫 フルボディ
メルロー 強い やや弱い 濃い赤紫 ミディアムボディ?フルボディ
ピノ・ノワール やや軽い やや強い 明るい赤 ライトボディ?ミディアムボディ

おすすめのカベルネソーヴィニヨン3選

カベルネ・ソーヴィニヨンを楽しみたい方におすすめのワインを3本紹介します。

ベンド カベルネ・ソーヴィニヨン カリフォルニア 2021


クローブやリコリスのようなスパイスを感じさせるアロマが特徴の赤ワイン。リッチな果実味があり、ステーキやコクのあるチーズ、ピザやトマト系のパスタと相性が良いです。注目すべきは1,500円以下で手に入れられるコスパの良さ。飲み口は渋みがしっかりと感じられつつも後味に甘みが残るので、デイリーに楽しめる赤ワインです。

J.ローアー セブン・オークス・カベルネ・ソーヴィニヨン 2019

カベルネ・ソーヴィニヨンを主体に、プティ・シラー、プティ・ヴェルド、メルロ、カベルネ・フラン、シラーをブレンド。カリフォルニアのパソ・ロブレスで造られるボルドースタイルのワインです。樽熟成由来のアロマがしっかりと感じられ、タンニンはまろやかで酸も穏やかにおさえられています。ビーフステーキと合わせるのにぴったりのフルボディの赤ワインです。


シャトー・カマンサック 2019

AOCオー・メドックの格付け第5級のボルドー産赤ワインです。酸味は控えめで、ソフトなタンニンでまろやかな舌触りに仕上がっています。2016年ヴィンテージなので、今開けても楽しめますが、セラーで寝かせて手元においておき、特別な日に開けるのもおすすめです。デミグラスのハンバーグやビーフシチューなど、日常よりも少し贅沢なメインディッシュと合わせるのがおすすめです。


まとめ

カベルネ・ソーヴィニヨンはその力強いタンニンと深みのある味わいから、世界中のワイン愛好家に長く愛されてきたブドウ品種です。どっしりとして濃厚な風味が楽しめるカベルネ・ソーヴィニヨンは、食事とのペアリングを楽しむのにぴったりのワインです。
今回ご紹介したカベルネ・ソーヴィニヨンは、各々が生産地の個性とカベルネ・ソーヴィニヨンの特性を生かしたワインです。ぜひワイン選びの参考にしていただければ幸いです。カベルネ・ソーヴィニヨンのワイン選定に悩んでいたり、プロのおすすめを聞きたい場合はぜひカーヴ・ド・リラックスにいらしてください。経験豊富なスタッフが、最適なワイン選びのサポートをいたします。

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この記事を書いた人

吉川 大智

吉川 大智

JSA認定 ソムリエ

バーテンダー、ワインバーのマネージャーを経てワインのPRライターに。過去には40カ国200都市の酒場とワイナリーを訪問した経験あり。
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