造り手のホンネに迫る。
THE CELLAR ワイン特集シャトー・ラトゥール - プリムールから離脱した、唯一無二の1級シャトー -
メドック地区ポイヤック村にあり、パリ万博の際に作成された1855年メドック格付けの第1級シャトー。1993年からグッチやサンローランなどの高級ブランドを傘下に持つケリング・グループの会長フランソワ・ピノ―氏によって買収。 1995年にLintas、Mars&Co等の経営コンサルタント会社に勤務していたフレデリック・アンジェラ氏を招聘。その後、彼は1998年にシャトー・ラトゥールの支配人に就任。 プリムールから離脱した、唯一無二の1級シャトー 2024.06.24 --- writer Kasahara web サイト https://www.chateau-latour.com/en/ 目次 シャトー・ラトゥールの概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 017年シャトー・ラトゥールのテイスティング 秘密の部屋には秘蔵の大容量ボトル! 1. シャトー・ラトゥールの概要 メドック地区ポイヤック村にあり、パリ万博の際に作成された1855年メドック格付けの第1級シャトー。1993年からグッチやサンローランなどの高級ブランドを傘下に持つケリング・グループの会長フランソワ・ピノ―氏によって買収。 1995年にLintas、Mars&Co等の経営コンサルタント会社に勤務していたフレデリック・アンジェラ氏を招聘。その後、彼は1998年にシャトー・ラトゥールの支配人に就任。 1999年から2003年にかけて、シャトーの全体の施設をフルリノベーションする。 2012年には、その年(2011年ヴィンテージ)を最後にボルドーの商習慣であるプリムール・システムからの脱却を表明。以後はシャトーが飲み頃と判断した時期に販売を行うようになった。 現在シャトー・ラトゥールが生産するワインは以下の3つがある ・シャトー・ラトゥール ・レ・フォール・ド・ラトゥール ・ポイヤック(1989年より、元々はレストラン向けワインとして生産) 2. ワイナリーの歴史 シャトー・ラトゥールの名前が歴史に登場したのは1331年。シャトーの名前の由来となっている「ラ・トゥール(塔)」は、もともとポイヤック村とサン・ジュリアン村の中間に位置するサン・ランベール地区を防衛する為の要塞の役割を果たしていた。...
シャトー・ラトゥール - プリムールから離脱した、唯一無二の1級シャトー -
メドック地区ポイヤック村にあり、パリ万博の際に作成された1855年メドック格付けの第1級シャトー。1993年からグッチやサンローランなどの高級ブランドを傘下に持つケリング・グループの会長フランソワ・ピノ―氏によって買収。 1995年にLintas、Mars&Co等の経営コンサルタント会社に勤務していたフレデリック・アンジェラ氏を招聘。その後、彼は1998年にシャトー・ラトゥールの支配人に就任。 プリムールから離脱した、唯一無二の1級シャトー 2024.06.24 --- writer Kasahara web サイト https://www.chateau-latour.com/en/ 目次 シャトー・ラトゥールの概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 017年シャトー・ラトゥールのテイスティング 秘密の部屋には秘蔵の大容量ボトル! 1. シャトー・ラトゥールの概要 メドック地区ポイヤック村にあり、パリ万博の際に作成された1855年メドック格付けの第1級シャトー。1993年からグッチやサンローランなどの高級ブランドを傘下に持つケリング・グループの会長フランソワ・ピノ―氏によって買収。 1995年にLintas、Mars&Co等の経営コンサルタント会社に勤務していたフレデリック・アンジェラ氏を招聘。その後、彼は1998年にシャトー・ラトゥールの支配人に就任。 1999年から2003年にかけて、シャトーの全体の施設をフルリノベーションする。 2012年には、その年(2011年ヴィンテージ)を最後にボルドーの商習慣であるプリムール・システムからの脱却を表明。以後はシャトーが飲み頃と判断した時期に販売を行うようになった。 現在シャトー・ラトゥールが生産するワインは以下の3つがある ・シャトー・ラトゥール ・レ・フォール・ド・ラトゥール ・ポイヤック(1989年より、元々はレストラン向けワインとして生産) 2. ワイナリーの歴史 シャトー・ラトゥールの名前が歴史に登場したのは1331年。シャトーの名前の由来となっている「ラ・トゥール(塔)」は、もともとポイヤック村とサン・ジュリアン村の中間に位置するサン・ランベール地区を防衛する為の要塞の役割を果たしていた。...
シャトー・ラフルール・ド・ペトリュス - ムエックス流を体現するポムロールの隠れた名シャトー
ポムロール地区にあるシャトー・ペトリュスとシャトー・ラ・フルールの間に位置することから名づけられたシャトー・ラ・フルール・ド・ペトリュスは、18世紀からの歴史を持っている。1950年にジャン・ピエール・ムエックス氏が最初に取得したポムロールのシャトー。 当初は僅か9ヘクタール程だったが、その後周辺のブドウ畑を段階的に ムエックス流を体現するポムロールの隠れた名シャトー 2024.06.26 --- writer Kasahara web サイト https://www.moueix.com/en/pomerol/lafleur-petrus 目次 シャトー・ラフルール・ド・ペトリュスの概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 2019年のシャトー・ラフルール・ド・ペトリュスのテイスティング 1. シャトー・ラフルール・ド・ペトリュスの概要 ポムロール地区にあるシャトー・ペトリュスとシャトー・ラ・フルールの間に位置することから名づけられたシャトー・ラ・フルール・ド・ペトリュスは、18世紀からの歴史を持っている。1950年にジャン・ピエール・ムエックス氏が最初に取得したポムロールのシャトー。 当初は僅か9ヘクタール程だったが、その後周辺のブドウ畑を段階的に取得。現在は3ブロックに分かれて畑があり、全部で18.7ヘクタールある。 1990年代に入って、ジャン・ピエール・ムエックス氏の息子である2代目のクリスチャン・ムエックス氏が品質向上に努めた。現在はムエックス家の3代目にあたるエドゥアール氏も加わり、2012年時にシャトー・ル・パンの隣にあったシャトー・ギヨが所有していた畑を同氏が中心となって取得した。 2. ワイナリーの歴史 ペトリュスから道路を隔てた向かい側、ラ・フルールに隣接するこのシャトーは、ポムロールでも歴史あるシャトーのひとつである。 1950年 ー 1950年にジャン・ピエール・ムエックス氏が買収した最初のポムロールのシャトーで、その後ムエックス家は同シャトーの近隣にある、シャトー・トロタノワを1953年に、シャトー・セルタン・ジロー(現在のシャトー・オザンナ)を1999年にそれぞれ取得している。 1994年 1994年に隣接するシャトー・ル・ゲイの古木からなる区画を新たに取得。 2005年...
シャトー・ラフルール・ド・ペトリュス - ムエックス流を体現するポムロールの隠れた名シャトー
ポムロール地区にあるシャトー・ペトリュスとシャトー・ラ・フルールの間に位置することから名づけられたシャトー・ラ・フルール・ド・ペトリュスは、18世紀からの歴史を持っている。1950年にジャン・ピエール・ムエックス氏が最初に取得したポムロールのシャトー。 当初は僅か9ヘクタール程だったが、その後周辺のブドウ畑を段階的に ムエックス流を体現するポムロールの隠れた名シャトー 2024.06.26 --- writer Kasahara web サイト https://www.moueix.com/en/pomerol/lafleur-petrus 目次 シャトー・ラフルール・ド・ペトリュスの概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 2019年のシャトー・ラフルール・ド・ペトリュスのテイスティング 1. シャトー・ラフルール・ド・ペトリュスの概要 ポムロール地区にあるシャトー・ペトリュスとシャトー・ラ・フルールの間に位置することから名づけられたシャトー・ラ・フルール・ド・ペトリュスは、18世紀からの歴史を持っている。1950年にジャン・ピエール・ムエックス氏が最初に取得したポムロールのシャトー。 当初は僅か9ヘクタール程だったが、その後周辺のブドウ畑を段階的に取得。現在は3ブロックに分かれて畑があり、全部で18.7ヘクタールある。 1990年代に入って、ジャン・ピエール・ムエックス氏の息子である2代目のクリスチャン・ムエックス氏が品質向上に努めた。現在はムエックス家の3代目にあたるエドゥアール氏も加わり、2012年時にシャトー・ル・パンの隣にあったシャトー・ギヨが所有していた畑を同氏が中心となって取得した。 2. ワイナリーの歴史 ペトリュスから道路を隔てた向かい側、ラ・フルールに隣接するこのシャトーは、ポムロールでも歴史あるシャトーのひとつである。 1950年 ー 1950年にジャン・ピエール・ムエックス氏が買収した最初のポムロールのシャトーで、その後ムエックス家は同シャトーの近隣にある、シャトー・トロタノワを1953年に、シャトー・セルタン・ジロー(現在のシャトー・オザンナ)を1999年にそれぞれ取得している。 1994年 1994年に隣接するシャトー・ル・ゲイの古木からなる区画を新たに取得。 2005年...
シャトー・ル・パン - 世界中にポムロールというワイン産地を一躍有名にしたシャトー
ヴュー・シャトー・セルタンを所有しているティエンポン家のジャック・ティエンポンが前オーナーのマダム・ロービー氏より1979年に1.5ヘクタールの畑を買い取った事から始まる。(その後隣の畑を購入した事により、現在は2.7ヘクタールある。)シャトーの名称は現在もワイナリーの前に植わる、「松の木」に由来。(フランス語で松は「ル・パン」) 世界中にポムロールというワイン産地を一躍有名にしたシャトー 2024.06.24 --- writer Kasahara web サイト https://francois-thienpont.com/vin/le-pin/ 目次 シャトー・ル・パンの概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 2023年のテイスティング (おまけ)2007年ヴィンテージ 1. シャトー・ル・パンの概要 ヴュー・シャトー・セルタンを所有しているティエンポン家のジャック・ティエンポンが前オーナーのマダム・ロービー氏より1979年に1.5ヘクタールの畑を買い取った事から始まる。(その後隣の畑を購入した事により、現在は2.7ヘクタールある。)シャトーの名称は現在もワイナリーの前に植わる、「松の木」に由来。(フランス語で松は「ル・パン」) ▲ シャトーの由来となった象徴的な松の木、今でもワイナリーの前に現存 ▲ 非常にミニマムながら印象的なデザインはベルギーの建築家ポール・ロブレによるもの 1982年のヴィンテージをリリースした際に、世界中にポムロールというワイン産地を一躍有名にしたのがこのシャトー・ル・パンである。ワイン評論家ロバート・パーカー氏のテイスティングで満点の100点を獲得したからだ。年間生産量は僅かに6,000本程度という事もあり、市場で見かける事も少ない。セパージュは100%メルロだが、畑では混植でカベルネ・フランも少量ある。(シャトー・ル・パンには使用されない。) ベルギーの建築家であるポール・ロブレヒトによってデザインされた現在のワイナリーは2011年9月に落成した。 2. ワイナリーの歴史 1979年 ヴュー・シャトー・セルタンの共同経営者であるジャック・ティエンポン氏は、ヴュー・シャトー・セルタンの隣にある小さな区画の畑を手に入れた。これがシャトー・ル・パンの始まりである。 この区画は前オーナーのマダム・ロービー氏時代は、ワイン造りの為ラランド・ド・ポムロールのワインメーカーと契約をしていた。1979年当時、セラー設備は何も無く、1基のステンレスタンクとワイン造りに必要な数のフレンチオークのみを取り揃えてのスタートだった。始めた当時の数年は、資金を節約するためにヴュー・シャトー・セルタンで使用した樽をシャトー・ル・パンで使用。この事が偶然にも樽の中でマロラクティック発酵を行う、という醸造方法へとつながり、シャトー・ル・パンはこの技術を行った最初のシャトーとして有名となる。...
シャトー・ル・パン - 世界中にポムロールというワイン産地を一躍有名にしたシャトー
ヴュー・シャトー・セルタンを所有しているティエンポン家のジャック・ティエンポンが前オーナーのマダム・ロービー氏より1979年に1.5ヘクタールの畑を買い取った事から始まる。(その後隣の畑を購入した事により、現在は2.7ヘクタールある。)シャトーの名称は現在もワイナリーの前に植わる、「松の木」に由来。(フランス語で松は「ル・パン」) 世界中にポムロールというワイン産地を一躍有名にしたシャトー 2024.06.24 --- writer Kasahara web サイト https://francois-thienpont.com/vin/le-pin/ 目次 シャトー・ル・パンの概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 2023年のテイスティング (おまけ)2007年ヴィンテージ 1. シャトー・ル・パンの概要 ヴュー・シャトー・セルタンを所有しているティエンポン家のジャック・ティエンポンが前オーナーのマダム・ロービー氏より1979年に1.5ヘクタールの畑を買い取った事から始まる。(その後隣の畑を購入した事により、現在は2.7ヘクタールある。)シャトーの名称は現在もワイナリーの前に植わる、「松の木」に由来。(フランス語で松は「ル・パン」) ▲ シャトーの由来となった象徴的な松の木、今でもワイナリーの前に現存 ▲ 非常にミニマムながら印象的なデザインはベルギーの建築家ポール・ロブレによるもの 1982年のヴィンテージをリリースした際に、世界中にポムロールというワイン産地を一躍有名にしたのがこのシャトー・ル・パンである。ワイン評論家ロバート・パーカー氏のテイスティングで満点の100点を獲得したからだ。年間生産量は僅かに6,000本程度という事もあり、市場で見かける事も少ない。セパージュは100%メルロだが、畑では混植でカベルネ・フランも少量ある。(シャトー・ル・パンには使用されない。) ベルギーの建築家であるポール・ロブレヒトによってデザインされた現在のワイナリーは2011年9月に落成した。 2. ワイナリーの歴史 1979年 ヴュー・シャトー・セルタンの共同経営者であるジャック・ティエンポン氏は、ヴュー・シャトー・セルタンの隣にある小さな区画の畑を手に入れた。これがシャトー・ル・パンの始まりである。 この区画は前オーナーのマダム・ロービー氏時代は、ワイン造りの為ラランド・ド・ポムロールのワインメーカーと契約をしていた。1979年当時、セラー設備は何も無く、1基のステンレスタンクとワイン造りに必要な数のフレンチオークのみを取り揃えてのスタートだった。始めた当時の数年は、資金を節約するためにヴュー・シャトー・セルタンで使用した樽をシャトー・ル・パンで使用。この事が偶然にも樽の中でマロラクティック発酵を行う、という醸造方法へとつながり、シャトー・ル・パンはこの技術を行った最初のシャトーとして有名となる。...
フリードリッヒ・ベッカー - “雑草にだって役割がある”
ドイツの小さな村、ファルツ地方に足を踏み入れた瞬間、時間がゆっくりと流れる温かな空気を感じた。ファルツはドイツ西部、フランス・アルザスとの国境沿いに位置する、ドイツ屈指のワイン産地。今回はこの魅力あふれるファルツ地方を訪れ、その魅力を探りに来た。場所はフリードリッヒ・ベッカーのワイナリー。ワイン文化とそこで生まれるワインたちの魅力、そしてファルツでの滞在を通じて感じた、ワインと共に過ごす豊かな暮らしのヒントをお届けしよう。 “雑草にだって役割がある” 自然と共に歩むワイン哲学が、ファルツの未来を醸す。 2024.08.01 --- writer Ito web サイト https://friedrichbecker.de/ 目次 ファルツの特徴|ドイツが誇るワイン産地の秘密 フリードリッヒ・ベッカーの歴史に学ぶ、粘り強さとは 畑と醸造の特徴|「無理をしない勇気、させない美学」 今夜はベッカーで乾杯!|ワインの楽しさを引き出すヒント まとめ|ファルツの未来とフリードリッヒ・ベッカーの影響力 ドイツの小さな村、ファルツ地方に足を踏み入れた瞬間、時間がゆっくりと流れる温かな空気を感じた。ファルツはドイツ西部、フランス・アルザスとの国境沿いに位置する、ドイツ屈指のワイン産地。今回はこの魅力あふれるファルツ地方を訪れ、その魅力を探りに来た。場所はフリードリッヒ・ベッカーのワイナリー。ワイン文化とそこで生まれるワインたちの魅力、そしてファルツでの滞在を通じて感じた、ワインと共に過ごす豊かな暮らしのヒントをお届けしよう。 1. ファルツの特徴|ドイツが誇るワイン産地の秘密 ファルツ地方は、ドイツワイン好きにとって見逃せないエリアである。その理由は、地理的な特性や豊かな自然環境、そして長い歴史に根ざしたワイン文化にありそうだ。その魅力を3つのキーワードに絞って紐解いてみよう。 地理と気候:ヴォージュ山脈の麓、土の匂いと戦争の記憶が交わる場所 ▲ ベッカーさんの畑はボージュ山脈の麓に位置する ▲ ベッカー家の方が、マジノ線(独: Maginot-Linie)という場所に連れて行ってくださった。場所は国境を越えてお隣フランスへ。そこは国境を中心に構築されたフランスの対ドイツ要塞線。 歴史はワインとともに。ファルツ地方のシュヴァインゲンにあるベッカー家の畑、その70%はフランスの領土に広がっている。歴史的にはドイツとフランスの国境が度々変わり、戦争の影響を受けてきた。その名残を感じながら、ワインがどのように発展してきたかを感じ取れる土地だ。 ファルツ地方の気候は、ドイツ西部に位置する緑豊かな地域で、ヴォージュ山脈の雨陰効果は比較的温暖で乾燥した気候となり、ブドウに最適な育成条件を提供している。またドイツでも特に日照時間が長いこの地域では、リースリングをはじめとするブドウが最適な条件で育つ。ネガティブな要素は1つも見当たらない。 土壌:雑草も味方にする、ベッカー家の哲学 ▲...
フリードリッヒ・ベッカー - “雑草にだって役割がある”
ドイツの小さな村、ファルツ地方に足を踏み入れた瞬間、時間がゆっくりと流れる温かな空気を感じた。ファルツはドイツ西部、フランス・アルザスとの国境沿いに位置する、ドイツ屈指のワイン産地。今回はこの魅力あふれるファルツ地方を訪れ、その魅力を探りに来た。場所はフリードリッヒ・ベッカーのワイナリー。ワイン文化とそこで生まれるワインたちの魅力、そしてファルツでの滞在を通じて感じた、ワインと共に過ごす豊かな暮らしのヒントをお届けしよう。 “雑草にだって役割がある” 自然と共に歩むワイン哲学が、ファルツの未来を醸す。 2024.08.01 --- writer Ito web サイト https://friedrichbecker.de/ 目次 ファルツの特徴|ドイツが誇るワイン産地の秘密 フリードリッヒ・ベッカーの歴史に学ぶ、粘り強さとは 畑と醸造の特徴|「無理をしない勇気、させない美学」 今夜はベッカーで乾杯!|ワインの楽しさを引き出すヒント まとめ|ファルツの未来とフリードリッヒ・ベッカーの影響力 ドイツの小さな村、ファルツ地方に足を踏み入れた瞬間、時間がゆっくりと流れる温かな空気を感じた。ファルツはドイツ西部、フランス・アルザスとの国境沿いに位置する、ドイツ屈指のワイン産地。今回はこの魅力あふれるファルツ地方を訪れ、その魅力を探りに来た。場所はフリードリッヒ・ベッカーのワイナリー。ワイン文化とそこで生まれるワインたちの魅力、そしてファルツでの滞在を通じて感じた、ワインと共に過ごす豊かな暮らしのヒントをお届けしよう。 1. ファルツの特徴|ドイツが誇るワイン産地の秘密 ファルツ地方は、ドイツワイン好きにとって見逃せないエリアである。その理由は、地理的な特性や豊かな自然環境、そして長い歴史に根ざしたワイン文化にありそうだ。その魅力を3つのキーワードに絞って紐解いてみよう。 地理と気候:ヴォージュ山脈の麓、土の匂いと戦争の記憶が交わる場所 ▲ ベッカーさんの畑はボージュ山脈の麓に位置する ▲ ベッカー家の方が、マジノ線(独: Maginot-Linie)という場所に連れて行ってくださった。場所は国境を越えてお隣フランスへ。そこは国境を中心に構築されたフランスの対ドイツ要塞線。 歴史はワインとともに。ファルツ地方のシュヴァインゲンにあるベッカー家の畑、その70%はフランスの領土に広がっている。歴史的にはドイツとフランスの国境が度々変わり、戦争の影響を受けてきた。その名残を感じながら、ワインがどのように発展してきたかを感じ取れる土地だ。 ファルツ地方の気候は、ドイツ西部に位置する緑豊かな地域で、ヴォージュ山脈の雨陰効果は比較的温暖で乾燥した気候となり、ブドウに最適な育成条件を提供している。またドイツでも特に日照時間が長いこの地域では、リースリングをはじめとするブドウが最適な条件で育つ。ネガティブな要素は1つも見当たらない。 土壌:雑草も味方にする、ベッカー家の哲学 ▲...
ドメーヌ・デュガ・ピィ - ドメーヌの強みはほぼ全ての畑がヴィエイユ・ヴィーニュという事で、そ...
コート・ド・ニュイのアペラシオンの中でもヴォーヌ・ロマネと双璧の人気も持つ、ジュヴレ・シャンベルタン。人気もさる事ながら、畑の総面積でもコート・ド・ニュイにある村の中でも最大級、全部で約500ヘクタール以上ある。約70%がヴィラージュ、残りの30%がグラン・クリュとプルミエ・クリュという構成だ。グラン・クリュはシャンベルタン他、 ▲ 案内人:ロイック・デュガ 氏 「ドメーヌの強みはほぼ全ての畑がヴィエイユ・ヴィーニュという事で、それはまた私たちドメーヌ・デュガ・ピィのシンボルです。」ロイック・デュガ氏 2024.06.21 --- writer Kasahara web サイト http://www.dugat-py.com/ 目次 ジュヴレ・シャンベルタン村の概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 マゾワイエールに自信有り! 赤の名手が造る極小量の白ワイン 1. ジュヴレ・シャンベルタン村の概要 コート・ド・ニュイのアペラシオンの中でもヴォーヌ・ロマネと双璧の人気も持つ、ジュヴレ・シャンベルタン。人気もさる事ながら、畑の総面積でもコート・ド・ニュイにある村の中でも最大級、全部で約500ヘクタール以上ある。約70%がヴィラージュ、残りの30%がグラン・クリュとプルミエ・クリュという構成だ。 グラン・クリュはシャンベルタン他、これまたニュイ最多となる9つのグラン・クリュを誇り、プルミエ・クリュもカズティエ、コンブ・オー・モワンヌなど人気畑が名を連ねる。ワインの味わいは土っぽく、硬いタンニンが特徴と言われており、重厚なワインが好きな方が特に好まれるアペラシオンだろう。 さてデュガ・ピィはそんなジュヴレ・シャンベルタン村の中でも長い歴史を持つ名家で、今回案内役をしてくれた現当主ロイック・デュガ氏はなんと13代目だそうだ。 2. ワイナリーの歴史 デュガ家は17世紀初頭からジュヴレ・シャンベルタンのアペラシオンでワイン造りを行ってきたまさに長い歴史を持った名門ドメーヌ。父ベルナール・デュガ氏は12代目にあたり1975年に初めてドメーヌで醸造行った。その後1979年にジョセリーヌと結婚。1994年から旧姓であるPyをデュガに加えた、現在のドメーヌの名称となる「デュガ・ピィ」とする。他にも同じ名称のデュガという名前は沢山居る為、分かるように母方の性を付けて、デュガ・ピィとしたそう。1997年から今回案内をしてくれた13代目となるロイック・デュガは父ベルナールとドメーヌで長い間仕事をしてきた。 「代々仕事を受け継いでいく事は非常に大事なので、長く父と一緒に仕事をしてきた訳です。いわば非常に長い研修みたいなものですね。」 と話すロイック氏の言葉は、まさにドメーヌの長い歴史の重みを感じるには十分なものだった。 「ヴィニュロンの仕事は農業(栽培)学、そしてワイナリー内での醸造学、熟成についての知識・経験、それに加えてドメーヌの経営学も必要で、このように異なる3つの仕事が一緒になっています。」...
ドメーヌ・デュガ・ピィ - ドメーヌの強みはほぼ全ての畑がヴィエイユ・ヴィーニュという事で、そ...
コート・ド・ニュイのアペラシオンの中でもヴォーヌ・ロマネと双璧の人気も持つ、ジュヴレ・シャンベルタン。人気もさる事ながら、畑の総面積でもコート・ド・ニュイにある村の中でも最大級、全部で約500ヘクタール以上ある。約70%がヴィラージュ、残りの30%がグラン・クリュとプルミエ・クリュという構成だ。グラン・クリュはシャンベルタン他、 ▲ 案内人:ロイック・デュガ 氏 「ドメーヌの強みはほぼ全ての畑がヴィエイユ・ヴィーニュという事で、それはまた私たちドメーヌ・デュガ・ピィのシンボルです。」ロイック・デュガ氏 2024.06.21 --- writer Kasahara web サイト http://www.dugat-py.com/ 目次 ジュヴレ・シャンベルタン村の概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 マゾワイエールに自信有り! 赤の名手が造る極小量の白ワイン 1. ジュヴレ・シャンベルタン村の概要 コート・ド・ニュイのアペラシオンの中でもヴォーヌ・ロマネと双璧の人気も持つ、ジュヴレ・シャンベルタン。人気もさる事ながら、畑の総面積でもコート・ド・ニュイにある村の中でも最大級、全部で約500ヘクタール以上ある。約70%がヴィラージュ、残りの30%がグラン・クリュとプルミエ・クリュという構成だ。 グラン・クリュはシャンベルタン他、これまたニュイ最多となる9つのグラン・クリュを誇り、プルミエ・クリュもカズティエ、コンブ・オー・モワンヌなど人気畑が名を連ねる。ワインの味わいは土っぽく、硬いタンニンが特徴と言われており、重厚なワインが好きな方が特に好まれるアペラシオンだろう。 さてデュガ・ピィはそんなジュヴレ・シャンベルタン村の中でも長い歴史を持つ名家で、今回案内役をしてくれた現当主ロイック・デュガ氏はなんと13代目だそうだ。 2. ワイナリーの歴史 デュガ家は17世紀初頭からジュヴレ・シャンベルタンのアペラシオンでワイン造りを行ってきたまさに長い歴史を持った名門ドメーヌ。父ベルナール・デュガ氏は12代目にあたり1975年に初めてドメーヌで醸造行った。その後1979年にジョセリーヌと結婚。1994年から旧姓であるPyをデュガに加えた、現在のドメーヌの名称となる「デュガ・ピィ」とする。他にも同じ名称のデュガという名前は沢山居る為、分かるように母方の性を付けて、デュガ・ピィとしたそう。1997年から今回案内をしてくれた13代目となるロイック・デュガは父ベルナールとドメーヌで長い間仕事をしてきた。 「代々仕事を受け継いでいく事は非常に大事なので、長く父と一緒に仕事をしてきた訳です。いわば非常に長い研修みたいなものですね。」 と話すロイック氏の言葉は、まさにドメーヌの長い歴史の重みを感じるには十分なものだった。 「ヴィニュロンの仕事は農業(栽培)学、そしてワイナリー内での醸造学、熟成についての知識・経験、それに加えてドメーヌの経営学も必要で、このように異なる3つの仕事が一緒になっています。」...
ドメーヌ・ルフレーヴ - トップ・ドメーヌの名声と功績を引継ぎ、 更なる変革と発展をもたらす
ドメーヌ・ルフレーヴの本拠地である、ピュリニー・モンラッシェ村。まずはこの村の概要から紐解いていくと、全体で約245ヘクタールある畑のうち、99.5%が白ワインの畑で、間違いなく世界的に超有名な白ワインの銘醸地だ。またその約半分がプルミエ・クリュ、グラン・クリュの畑となっており、「超有名な白ワインの銘醸地」だけではなく、「<最>高級白ワイン」を生み出すエリアでもある。グラン・クリュだけで約30ヘクタールあるが、グラン・クリュが4つあり誰もが羨む畑ばかり。 ▲ 案内人:ブリス・ド・モランディエール 氏 トップ・ドメーヌの名声と功績をアンヌ・クロード女史から引継ぎ、更なる変革と発展をドメーヌにもたらすブリス・ド・モランディエール氏 2024.06.19 --- writer Kasahara web サイト https://www.leflaive.fr/en_US/ 目次 ピュリニー・モンラッシェ村の概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 モランディエール氏のお勧め ルフレーヴの “ マコン ” 1. ピュリニー・モンラッシェ村の概要 ドメーヌ・ルフレーヴの本拠地である、ピュリニー・モンラッシェ村。まずはこの村の概要から紐解いていくと、全体で約245ヘクタールある畑のうち、99.5%が白ワインの畑で、間違いなく世界的に超有名な白ワインの銘醸地だ。またその約半分がプルミエ・クリュ、グラン・クリュの畑となっており、「超有名な白ワインの銘醸地」だけではなく、「<最>高級白ワイン」を生み出すエリアでもある。グラン・クリュだけで約30ヘクタールあるが、グラン・クリュが4つあり誰もが羨む畑ばかり。 隣接するシャサーニュ・モンラッシェにまたがる、ル・モンラッシェとバタール・モンラッシェ、そして残りの2つはこの村のみにあるシュヴァリエ・モンラッシェとビアンヴニュ・バタール・モンラッシェがある。この村から生み出される白ワインの味わいは、張り詰めたような果実味で、力強いが、繊細でミネラル感が強いなどの特徴がある。 そして今回ご紹介するドメーヌ・ルフレーヴはこの村に存在する全てのグラン・クリュを所有しているまさにピュリニー・モンラッシェ村を代表する最も偉大な生産者の1人である事は間違いない。 2. ワイナリーの歴史 ▲ あくまでブルゴーニュにある一軒家風の建物...
ドメーヌ・ルフレーヴ - トップ・ドメーヌの名声と功績を引継ぎ、 更なる変革と発展をもたらす
ドメーヌ・ルフレーヴの本拠地である、ピュリニー・モンラッシェ村。まずはこの村の概要から紐解いていくと、全体で約245ヘクタールある畑のうち、99.5%が白ワインの畑で、間違いなく世界的に超有名な白ワインの銘醸地だ。またその約半分がプルミエ・クリュ、グラン・クリュの畑となっており、「超有名な白ワインの銘醸地」だけではなく、「<最>高級白ワイン」を生み出すエリアでもある。グラン・クリュだけで約30ヘクタールあるが、グラン・クリュが4つあり誰もが羨む畑ばかり。 ▲ 案内人:ブリス・ド・モランディエール 氏 トップ・ドメーヌの名声と功績をアンヌ・クロード女史から引継ぎ、更なる変革と発展をドメーヌにもたらすブリス・ド・モランディエール氏 2024.06.19 --- writer Kasahara web サイト https://www.leflaive.fr/en_US/ 目次 ピュリニー・モンラッシェ村の概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 モランディエール氏のお勧め ルフレーヴの “ マコン ” 1. ピュリニー・モンラッシェ村の概要 ドメーヌ・ルフレーヴの本拠地である、ピュリニー・モンラッシェ村。まずはこの村の概要から紐解いていくと、全体で約245ヘクタールある畑のうち、99.5%が白ワインの畑で、間違いなく世界的に超有名な白ワインの銘醸地だ。またその約半分がプルミエ・クリュ、グラン・クリュの畑となっており、「超有名な白ワインの銘醸地」だけではなく、「<最>高級白ワイン」を生み出すエリアでもある。グラン・クリュだけで約30ヘクタールあるが、グラン・クリュが4つあり誰もが羨む畑ばかり。 隣接するシャサーニュ・モンラッシェにまたがる、ル・モンラッシェとバタール・モンラッシェ、そして残りの2つはこの村のみにあるシュヴァリエ・モンラッシェとビアンヴニュ・バタール・モンラッシェがある。この村から生み出される白ワインの味わいは、張り詰めたような果実味で、力強いが、繊細でミネラル感が強いなどの特徴がある。 そして今回ご紹介するドメーヌ・ルフレーヴはこの村に存在する全てのグラン・クリュを所有しているまさにピュリニー・モンラッシェ村を代表する最も偉大な生産者の1人である事は間違いない。 2. ワイナリーの歴史 ▲ あくまでブルゴーニュにある一軒家風の建物...