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  • 【スタッフ体験レポート】ドメーヌ・ペロ・ミノ 生産者ディナー
    価格への印象が一変。生産者ディナーで知る、今のペロ・ミノ。

    【スタッフ体験レポート】ドメーヌ・ペロ・ミノ 生産者ディナー

    生産者ディナーの概要 こんにちは。 株式会社ファインズ社主催のブルゴーニュ「ドメーヌ・ペロ・ミノ」の生産者ディナーに先日参加しましたので、内容を一部ご紹介します! ペロ・ミノは20年ヴィンテージ頃のかなり強気な値上げを受け、一気に試飲機会がなくなり、高くて買えなくなってしまった造り手の一人、という印象でした。アルマン・ルソー並みの価格になっていたので、その値段なら他のドメーヌ買うよね・・・と私でも思っていました。 しかし、この晩でその考えが覆りました。 「最近のペロ・ミノ、 絶対に飲んだ方がいいです!」 クリストフ・ペロ・ミノ氏とは? 【生産者】 クリストフ・ペロ・ミノ氏 醸造責任者・12代目当主 現当主であり12代目のクリストフ氏は、1980年代にパリでファッションデザインを学んだ後、クルティエの仕事を経て、1993年に実家であるドメーヌを引き継ぐことになりました。 そして現在はベタンヌ+ドゥソーヴ5つ星、ル・ギード・デ・メイユール・ヴァン・ド・フランス3つ星という高い評価を獲得するまでに至っています。 スタイリストとして働いていたことから、ディティールを極めるということにこだわりをもつクリストフ氏。華やかで繊細な作業というものの基礎となりました。星付きのレストランと同じような感覚でワイン造りにあたっています。 ドメーヌのこだわり・哲学 高樹齢 畑の多くは樹齢が高く、平均で約70年に達します。 これらの古樹は、ワインの個性と奥行きを形づくる重要な基盤の一つです。 徹底した選果 「量より質」を選び、各テロワールの個性を誠実かつ精密に表現する、繊細で純粋、エレガントで洗練されたワインを造ることを志してきました。 畑での作業は非常に緻密で、収穫時のブドウ選果も同様に徹底しています。畑での一次選果の後、ブドウはセラーで二重選果(手作業の後に光学選別)を行い、最良の粒だけを残します。 この厳格さゆえに時に大きなロスが出ることもありますが、それも哲学の不可欠な一部です。特に選果については、父アンリ氏とは考え方が異なっており、しばしば対立することもあったそう。 ビオディナミ カレンダー 畑でもセラーでも、自然のリズム、とりわけ月のカレンダーを重視し、栽培作業にも瓶詰にもそれを反映させています。 バレルテイスティングの段階で、このワインに対して「もっとテンションを上げたい」場合は花の日に、「もっと丸みを与えたい」場合は果実の日に、瓶詰の日を決定するそうです。 そして、ディナーイベントの時はなんと「果実の日」。 そりゃ、こだわりがあるもの、旨いわけだ! クリストフ氏の格言 「月の満ち欠けで自分の味の感じ方が変わるのか、ワインの味が変わっているのかは正直わからない。ただ何かしら月の影響はある。」...

    わたし流。いまイチオシのワインたち
    価格への印象が一変。生産者ディナーで知る、今のペロ・ミノ。

    【スタッフ体験レポート】ドメーヌ・ペロ・ミノ 生産者ディナー

    生産者ディナーの概要 こんにちは。 株式会社ファインズ社主催のブルゴーニュ「ドメーヌ・ペロ・ミノ」の生産者ディナーに先日参加しましたので、内容を一部ご紹介します! ペロ・ミノは20年ヴィンテージ頃のかなり強気な値上げを受け、一気に試飲機会がなくなり、高くて買えなくなってしまった造り手の一人、という印象でした。アルマン・ルソー並みの価格になっていたので、その値段なら他のドメーヌ買うよね・・・と私でも思っていました。 しかし、この晩でその考えが覆りました。 「最近のペロ・ミノ、 絶対に飲んだ方がいいです!」 クリストフ・ペロ・ミノ氏とは? 【生産者】 クリストフ・ペロ・ミノ氏 醸造責任者・12代目当主 現当主であり12代目のクリストフ氏は、1980年代にパリでファッションデザインを学んだ後、クルティエの仕事を経て、1993年に実家であるドメーヌを引き継ぐことになりました。 そして現在はベタンヌ+ドゥソーヴ5つ星、ル・ギード・デ・メイユール・ヴァン・ド・フランス3つ星という高い評価を獲得するまでに至っています。 スタイリストとして働いていたことから、ディティールを極めるということにこだわりをもつクリストフ氏。華やかで繊細な作業というものの基礎となりました。星付きのレストランと同じような感覚でワイン造りにあたっています。 ドメーヌのこだわり・哲学 高樹齢 畑の多くは樹齢が高く、平均で約70年に達します。 これらの古樹は、ワインの個性と奥行きを形づくる重要な基盤の一つです。 徹底した選果 「量より質」を選び、各テロワールの個性を誠実かつ精密に表現する、繊細で純粋、エレガントで洗練されたワインを造ることを志してきました。 畑での作業は非常に緻密で、収穫時のブドウ選果も同様に徹底しています。畑での一次選果の後、ブドウはセラーで二重選果(手作業の後に光学選別)を行い、最良の粒だけを残します。 この厳格さゆえに時に大きなロスが出ることもありますが、それも哲学の不可欠な一部です。特に選果については、父アンリ氏とは考え方が異なっており、しばしば対立することもあったそう。 ビオディナミ カレンダー 畑でもセラーでも、自然のリズム、とりわけ月のカレンダーを重視し、栽培作業にも瓶詰にもそれを反映させています。 バレルテイスティングの段階で、このワインに対して「もっとテンションを上げたい」場合は花の日に、「もっと丸みを与えたい」場合は果実の日に、瓶詰の日を決定するそうです。 そして、ディナーイベントの時はなんと「果実の日」。 そりゃ、こだわりがあるもの、旨いわけだ! クリストフ氏の格言 「月の満ち欠けで自分の味の感じ方が変わるのか、ワインの味が変わっているのかは正直わからない。ただ何かしら月の影響はある。」...

    わたし流。いまイチオシのワインたち
  • 【初心者必見】ワイングラスの持ち方を解説!日本と海外のマナーによる違いも紹介
    持ち方のポイントや、ローカルマナー・国際マナーについてご紹介

    【初心者必見】ワイングラスの持ち方を解説!日本と海外のマナーによる違いも紹介

    ワイングラスにはさまざまな持ち方があり、地域によってもマナーが異なります。本記事では、ワイングラスの部位ごとの名称や特徴、持ち方のポイントや、ローカルマナー・国際マナーについてご紹介します。 ワイン初心者の方も、最後までお読みいただくとワイングラスの持ち方に自信が持てるようになるかもしれません。 目次 ワイングラスの部位ごとの名称 日本と海外のワイングラスの持ち方 シーン別の注意点 ワイングラスの形状別・おすすめのワイン3選 まとめ 今すぐワインをチェック! 1. ワイングラスの部位ごとの名称 ワイングラスは大きく分けて4つの部位から構成されています。各部位の名称と役割をご紹介します。 プレート ワイングラスがテーブルと接する部分を『プレート』と言います。ワイングラスが倒れないように、平らに置いて支える役割を持つ部位です。テイスティング時には、人によってはプレートを持って行う場合があります。 ステム ワイングラスを持ち上げる際に握られることの多い、細い柄の部分を『ステム』と言います。ステムを持つことで、ワインへダイレクトに体温が伝わらないという利点があります。プレートと、次に紹介するボウルの部分を繋いでいる部位です。昨今では、ステム部分のないワイングラスも普及してきています。 ボウル 注がれるワインを受ける部分を『ボウル』と言います。曲線を描いた形状で、カーブの角度やボウルの広さなどにより、ワインの香りの広がり方に違いが生まれます。グラスの底の表面積が ”広い” グラスほど酸化が早く進むので、香りを開かせたい場合やフレッシュなワインに使用し、グラスの底の表面積が”小さい” グラスは熟成したワインなどデリケートなワインに使用します。 リム ワイングラスの縁にあたる飲み口部分を『リム』と言います。ワインを飲む際に直接唇が触れる箇所なので、ワインの口当たりや温度感などに影響を与える重要な部位です。リムの形状が違うと、ワインが口に入ってくるスピードが変わるため、感じ方が異なります。 2. 日本と海外のワイングラスの持ち方 日本と海外では、ワングラスの持ち方や認識の傾向に若干の違いがあります。以下に主な違いをご紹介します。 日本ではステムを持つことが多い 日本では、ワイングラスのステムを持って飲むスタイルがメジャーです。ステムを持つときには、親指・人差し指・中指の3本をメインに使います。手の熱がワインに伝わりづらい持ち方なので、ワインの風味を損ねることありません。また、見た目の優雅さも表現できますね。海外では、ソムリエのようなプロの持ち方として認識されていることが多いようです。 海外ではボウルを持つケースもある 海外では、ボウルに手を添えて持つスタイルも珍しくありません。指同士でステムを挟みながら、ボウルを下から支えるように持ちます。立食パーティーのように、動き回りながらワインを楽しむことも多い文化であることから、不安定でこぼれる心配のないように、より安定感のあるスタイルが浸透しているようです。アンティークなど、ステム部分に装飾が施されたグラスの良さを活かしたり傷つけないようにするため、ボウルを持つ文化が普及したとされる説もあります。...

    ワインの豆知識
    持ち方のポイントや、ローカルマナー・国際マナーについてご紹介

    【初心者必見】ワイングラスの持ち方を解説!日本と海外のマナーによる違いも紹介

    ワイングラスにはさまざまな持ち方があり、地域によってもマナーが異なります。本記事では、ワイングラスの部位ごとの名称や特徴、持ち方のポイントや、ローカルマナー・国際マナーについてご紹介します。 ワイン初心者の方も、最後までお読みいただくとワイングラスの持ち方に自信が持てるようになるかもしれません。 目次 ワイングラスの部位ごとの名称 日本と海外のワイングラスの持ち方 シーン別の注意点 ワイングラスの形状別・おすすめのワイン3選 まとめ 今すぐワインをチェック! 1. ワイングラスの部位ごとの名称 ワイングラスは大きく分けて4つの部位から構成されています。各部位の名称と役割をご紹介します。 プレート ワイングラスがテーブルと接する部分を『プレート』と言います。ワイングラスが倒れないように、平らに置いて支える役割を持つ部位です。テイスティング時には、人によってはプレートを持って行う場合があります。 ステム ワイングラスを持ち上げる際に握られることの多い、細い柄の部分を『ステム』と言います。ステムを持つことで、ワインへダイレクトに体温が伝わらないという利点があります。プレートと、次に紹介するボウルの部分を繋いでいる部位です。昨今では、ステム部分のないワイングラスも普及してきています。 ボウル 注がれるワインを受ける部分を『ボウル』と言います。曲線を描いた形状で、カーブの角度やボウルの広さなどにより、ワインの香りの広がり方に違いが生まれます。グラスの底の表面積が ”広い” グラスほど酸化が早く進むので、香りを開かせたい場合やフレッシュなワインに使用し、グラスの底の表面積が”小さい” グラスは熟成したワインなどデリケートなワインに使用します。 リム ワイングラスの縁にあたる飲み口部分を『リム』と言います。ワインを飲む際に直接唇が触れる箇所なので、ワインの口当たりや温度感などに影響を与える重要な部位です。リムの形状が違うと、ワインが口に入ってくるスピードが変わるため、感じ方が異なります。 2. 日本と海外のワイングラスの持ち方 日本と海外では、ワングラスの持ち方や認識の傾向に若干の違いがあります。以下に主な違いをご紹介します。 日本ではステムを持つことが多い 日本では、ワイングラスのステムを持って飲むスタイルがメジャーです。ステムを持つときには、親指・人差し指・中指の3本をメインに使います。手の熱がワインに伝わりづらい持ち方なので、ワインの風味を損ねることありません。また、見た目の優雅さも表現できますね。海外では、ソムリエのようなプロの持ち方として認識されていることが多いようです。 海外ではボウルを持つケースもある 海外では、ボウルに手を添えて持つスタイルも珍しくありません。指同士でステムを挟みながら、ボウルを下から支えるように持ちます。立食パーティーのように、動き回りながらワインを楽しむことも多い文化であることから、不安定でこぼれる心配のないように、より安定感のあるスタイルが浸透しているようです。アンティークなど、ステム部分に装飾が施されたグラスの良さを活かしたり傷つけないようにするため、ボウルを持つ文化が普及したとされる説もあります。...

    ワインの豆知識
  • 京都・丹波ワイン

    京都・丹波ワイン

    日本ワインコラム | 丹波ワイン 京都という言葉を聞くだけで心が躍るのはなぜだろう。神社仏閣、京料理、芸能など、伝統文化が色濃く残りながらモダンで魅力が色褪せない。はんなりした京言葉が行き交う小粋な大人の街といった印象で、とにかくオシャレな「和」の筆頭を走るのだ。そんな「和」の世界に「洋」のワインを融合させたのが今回の取材先、1979年創業の丹波ワインだ。京都市内から車で45分程度、京都府のほぼ中央部にある京丹波に居を構える。 なぜ京都でワインを造ることになったのか。「和」と「洋」が融合する味わいが生みだされる秘訣はどこにあるのか。ワイン造りのきっかけとなった豪快な創業者、そしてその意を汲んで日々知恵を出し合い、実践を重ねるスタッフの皆さんがいるからこそ、丹波ワインという形が出来上がっている。今回はその足取りをお届けしたい。 ▲ 丹波ワインの看板の背後にある建物が醸造所。写真右手奥には自社畑が広がる。 京都の食文化に合うワインを目指して 往々にして創業者は強い好奇心と高い行動力を有するものだが、丹波ワインの創業者、故・黒井哲夫氏もかなり大胆で豪快な方だったようだ。当時、照明器機メーカー、クロイ電機(株)の社長だった黒井氏が、出張先の海外の駅のホームやカフェで気軽に楽しめるワインの美味しさに感動し、ワインをお土産として持ち帰った。だが、日本で同じワインを飲んでも感動が蘇らない。なぜだろうと考えを巡らせ見えてきたのが、その土地の自然環境や人々の日々暮らし、他地域との往来など、長い歴史を経て形成されてきた食文化との相性だ。 ▲ 創業者である故・黒井哲夫氏のご子息で、丹波ワイン現社長の黒井衛氏。とても気さくで物腰が柔らかいお人柄! たいていの人は、「ああ、そういうことか」で終わる話だが、黒井氏は一味も二味も違う。クロイ電機の社長業を辞め、私財を注ぎ込み、「京都の食文化に合うワイン造り」を目指すのだ。そして1979年、当時生食用ブドウ園を経営していた元丹波町長の山崎高明氏と協力し、丹波ワインを誕生させたのだ。行動力の高さに目を見張る一方、生活がかかっている家族は反対しなかったのだろうか…と心配になった。「幼少期の父親のイメージはお酒が好きな人。家族が反対している様子もなかったし驚きもなかった」と、哲夫氏のご子息で現社長の黒井衛氏(以降、黒井社長)は振り返る。家族が心配する暇を与えない程のスピード感とバイタリティで物事が進んでいったのかもしれない。尚、黒井社長自身は「お酒があまり強くない」そうで、前社長のアルコール分解能力は遺伝しなかったようだ。笑 京丹波の環境に応じたブドウ栽培 京丹波は丹波高原の木々に囲まれた里山で、食の宝庫と呼ばれる程、京料理に欠かせない食材が多数実る豊かな場所だ。栗、黒豆、松茸、牛肉など、「丹波ブランド」と呼ばれる特産物は全国的にも有名なので、ご存知の方も多いだろう。因みに、丹波ワインでは、丹波栗入りのデザートワインも作っている。栗の甘みを感じる上品な和菓子を彷彿とさせる味わいなので、栗好きの方に是非オススメしたい。 ▲ 販売所に展示されていたマップ。醸造所と各畑の位置関係がよく分かる。 「向上野」では主にシャルドネとサンジョヴェーゼを、「千原」ではタナを、そして「平林」ではメルロ、ピノ・ノワール、タナ、ピノ・グリ、ソーヴィニヨン・ブラン、シュナン・ブランなどを植えている。 因みにタナが植わっていた場所ではもともとカベルネ・ソーヴィニヨンを育てていたが、生育が悪く最近植え替えたものだ。 そんな自然豊かな場所に、丹波ワインは21,000坪(約7ha)という広大な敷地を持つ。もともとクロイ電機の工場建設予定地だった場所を開墾して造られた場所だ。敷地には、自社畑、醸造所、ワインショップ、レストラン等の施設が揃っている。自社畑はワイナリーに併設する「鳥居野」、そこから道路を挟んで隣接する「向上野」と「千原」、そして車で5分程の場所にある「平林」の4ヶ所で、合計4.5haある。これらの畑では、京丹波の環境を理解した上で管理がなされている。具体的に見ていこう。 西日本の中では雨は少なめ、それでも必須の雨対策 京丹波は内陸性気候と日本海式気候の特徴を持ち合わせる。冬は雪の降る日はあるものの積雪はそこまで多くなく、内陸性気候の影響もあり、年間、1,500mm前後と西日本の中では比較的降雨量は少ない。但し、7月後半頃に京丹波で発生し京都市内へと流れていく積乱雲、通称「丹波太郎」の影響でゲリラ豪雨的な夕立が毎日のように起こり、「この時期は、毎夕畑作業がいったん休止になります」と、販売業務営業部エグゼクティブ・マネージャーの坂本さんと栽培部の岡市さんは声を揃えた。 ▲ 坂本さんの語り口は優しく、話のネタが多い!沢山の引き出しから興味深いお話をお聞かせ頂いた。 ▲ 今年から畑作業をリードする立場に昇格した岡市さん。丁寧な説明と真摯な眼差しが爽やかで、「ザ・ナイス・ガイ」と言いたくなるお方だ。 本の中では降雨量は少なめかもしれないが、やはり病気を予防する上で雨対策は必須だ。丹波ワインでは全て垣根仕立てでブドウ栽培されており、垣根全体を覆うレインカット又はフルーツゾーンのみの雨よけを施している。「雨に当てないことで、病気をかなり抑えられます。例えばピノ・ノワールは果実が密集して小さな房状になることから病気になりやすいですが、レインカットを施すことで病害をかなり抑えることが出来ています」と、岡市さんは手応えを語る。 ▲ 手前側は、垣根全体のレインカットを施されている。通路を挟んで左側がセミヨン、右側にピノ・ノワールが植わっている。 よりよい土壌環境を目指して続く改良 京丹波は黒ボク土が多く、肥沃で保水性と排水性が大きいのが特徴だ。この土があるからこそ、様々な農産品が育つのだろう。丹波ワインの畑も黒ボク土を含むが、粘土質が多い土壌のため、排水性が悪いところには暗渠を設置し、水はけのよさを確保している。また、除草剤は一切使わずに草生栽培を行い、刈り込んだ草は土に混ぜ込んで緑肥として利用。その他にもブドウを搾汁した後に残る種や皮などの搾りかすやワインの澱を畑の一角で発酵堆肥化し、有機肥料として畑に還元している。地道な作業の積み重ねにより、土壌の構造と質の改良が進んでいる。...

    日本ワインコラム

    京都・丹波ワイン

    日本ワインコラム | 丹波ワイン 京都という言葉を聞くだけで心が躍るのはなぜだろう。神社仏閣、京料理、芸能など、伝統文化が色濃く残りながらモダンで魅力が色褪せない。はんなりした京言葉が行き交う小粋な大人の街といった印象で、とにかくオシャレな「和」の筆頭を走るのだ。そんな「和」の世界に「洋」のワインを融合させたのが今回の取材先、1979年創業の丹波ワインだ。京都市内から車で45分程度、京都府のほぼ中央部にある京丹波に居を構える。 なぜ京都でワインを造ることになったのか。「和」と「洋」が融合する味わいが生みだされる秘訣はどこにあるのか。ワイン造りのきっかけとなった豪快な創業者、そしてその意を汲んで日々知恵を出し合い、実践を重ねるスタッフの皆さんがいるからこそ、丹波ワインという形が出来上がっている。今回はその足取りをお届けしたい。 ▲ 丹波ワインの看板の背後にある建物が醸造所。写真右手奥には自社畑が広がる。 京都の食文化に合うワインを目指して 往々にして創業者は強い好奇心と高い行動力を有するものだが、丹波ワインの創業者、故・黒井哲夫氏もかなり大胆で豪快な方だったようだ。当時、照明器機メーカー、クロイ電機(株)の社長だった黒井氏が、出張先の海外の駅のホームやカフェで気軽に楽しめるワインの美味しさに感動し、ワインをお土産として持ち帰った。だが、日本で同じワインを飲んでも感動が蘇らない。なぜだろうと考えを巡らせ見えてきたのが、その土地の自然環境や人々の日々暮らし、他地域との往来など、長い歴史を経て形成されてきた食文化との相性だ。 ▲ 創業者である故・黒井哲夫氏のご子息で、丹波ワイン現社長の黒井衛氏。とても気さくで物腰が柔らかいお人柄! たいていの人は、「ああ、そういうことか」で終わる話だが、黒井氏は一味も二味も違う。クロイ電機の社長業を辞め、私財を注ぎ込み、「京都の食文化に合うワイン造り」を目指すのだ。そして1979年、当時生食用ブドウ園を経営していた元丹波町長の山崎高明氏と協力し、丹波ワインを誕生させたのだ。行動力の高さに目を見張る一方、生活がかかっている家族は反対しなかったのだろうか…と心配になった。「幼少期の父親のイメージはお酒が好きな人。家族が反対している様子もなかったし驚きもなかった」と、哲夫氏のご子息で現社長の黒井衛氏(以降、黒井社長)は振り返る。家族が心配する暇を与えない程のスピード感とバイタリティで物事が進んでいったのかもしれない。尚、黒井社長自身は「お酒があまり強くない」そうで、前社長のアルコール分解能力は遺伝しなかったようだ。笑 京丹波の環境に応じたブドウ栽培 京丹波は丹波高原の木々に囲まれた里山で、食の宝庫と呼ばれる程、京料理に欠かせない食材が多数実る豊かな場所だ。栗、黒豆、松茸、牛肉など、「丹波ブランド」と呼ばれる特産物は全国的にも有名なので、ご存知の方も多いだろう。因みに、丹波ワインでは、丹波栗入りのデザートワインも作っている。栗の甘みを感じる上品な和菓子を彷彿とさせる味わいなので、栗好きの方に是非オススメしたい。 ▲ 販売所に展示されていたマップ。醸造所と各畑の位置関係がよく分かる。 「向上野」では主にシャルドネとサンジョヴェーゼを、「千原」ではタナを、そして「平林」ではメルロ、ピノ・ノワール、タナ、ピノ・グリ、ソーヴィニヨン・ブラン、シュナン・ブランなどを植えている。 因みにタナが植わっていた場所ではもともとカベルネ・ソーヴィニヨンを育てていたが、生育が悪く最近植え替えたものだ。 そんな自然豊かな場所に、丹波ワインは21,000坪(約7ha)という広大な敷地を持つ。もともとクロイ電機の工場建設予定地だった場所を開墾して造られた場所だ。敷地には、自社畑、醸造所、ワインショップ、レストラン等の施設が揃っている。自社畑はワイナリーに併設する「鳥居野」、そこから道路を挟んで隣接する「向上野」と「千原」、そして車で5分程の場所にある「平林」の4ヶ所で、合計4.5haある。これらの畑では、京丹波の環境を理解した上で管理がなされている。具体的に見ていこう。 西日本の中では雨は少なめ、それでも必須の雨対策 京丹波は内陸性気候と日本海式気候の特徴を持ち合わせる。冬は雪の降る日はあるものの積雪はそこまで多くなく、内陸性気候の影響もあり、年間、1,500mm前後と西日本の中では比較的降雨量は少ない。但し、7月後半頃に京丹波で発生し京都市内へと流れていく積乱雲、通称「丹波太郎」の影響でゲリラ豪雨的な夕立が毎日のように起こり、「この時期は、毎夕畑作業がいったん休止になります」と、販売業務営業部エグゼクティブ・マネージャーの坂本さんと栽培部の岡市さんは声を揃えた。 ▲ 坂本さんの語り口は優しく、話のネタが多い!沢山の引き出しから興味深いお話をお聞かせ頂いた。 ▲ 今年から畑作業をリードする立場に昇格した岡市さん。丁寧な説明と真摯な眼差しが爽やかで、「ザ・ナイス・ガイ」と言いたくなるお方だ。 本の中では降雨量は少なめかもしれないが、やはり病気を予防する上で雨対策は必須だ。丹波ワインでは全て垣根仕立てでブドウ栽培されており、垣根全体を覆うレインカット又はフルーツゾーンのみの雨よけを施している。「雨に当てないことで、病気をかなり抑えられます。例えばピノ・ノワールは果実が密集して小さな房状になることから病気になりやすいですが、レインカットを施すことで病害をかなり抑えることが出来ています」と、岡市さんは手応えを語る。 ▲ 手前側は、垣根全体のレインカットを施されている。通路を挟んで左側がセミヨン、右側にピノ・ノワールが植わっている。 よりよい土壌環境を目指して続く改良 京丹波は黒ボク土が多く、肥沃で保水性と排水性が大きいのが特徴だ。この土があるからこそ、様々な農産品が育つのだろう。丹波ワインの畑も黒ボク土を含むが、粘土質が多い土壌のため、排水性が悪いところには暗渠を設置し、水はけのよさを確保している。また、除草剤は一切使わずに草生栽培を行い、刈り込んだ草は土に混ぜ込んで緑肥として利用。その他にもブドウを搾汁した後に残る種や皮などの搾りかすやワインの澱を畑の一角で発酵堆肥化し、有機肥料として畑に還元している。地道な作業の積み重ねにより、土壌の構造と質の改良が進んでいる。...

    日本ワインコラム
  • 楠ワイナリー 日滝原 2020

    楠ワイナリー 日滝原 2020

    極寒の日の白ワインってどうでしょうか 統括マネージャー HITOMI 雪とヒタキハラと私 鰻、初詣、時々ワイン Cave de Relax 管理部 兼 オンラインストアリーダー HATANO 人を幸せにする究極の一品と なんでもない休日 graphic designer わいじょりーな SUSHI、SASHIMI・・・ 雪国で迎える新年に。 the cellar online store ストアマネージャー HONNA 縁の下の力持ちのような存在。 のんびり、温かく、和やかな年始に web designer ITO...

    Staff Blog ~僕の、私の、ワインのある暮らし

    楠ワイナリー 日滝原 2020

    極寒の日の白ワインってどうでしょうか 統括マネージャー HITOMI 雪とヒタキハラと私 鰻、初詣、時々ワイン Cave de Relax 管理部 兼 オンラインストアリーダー HATANO 人を幸せにする究極の一品と なんでもない休日 graphic designer わいじょりーな SUSHI、SASHIMI・・・ 雪国で迎える新年に。 the cellar online store ストアマネージャー HONNA 縁の下の力持ちのような存在。 のんびり、温かく、和やかな年始に web designer ITO...

    Staff Blog ~僕の、私の、ワインのある暮らし
  • ペンフォールズ マギル・エステート ワイナリー

    ペンフォールズ マギル・エステート ワイナリー

    今回の訪問では、ワイナリーのセラードア体験ツアーを通じて、オーストラリアワインのアイコン的存在であるペンフォールズの歴史を辿るとともに、現在も実際に使われている歴史的な醸造設備の見学、そしてテイスティングを体験しました。 オーストラリアワインのパイオニア writer Komazawa web サイト https://us.penfolds.com/ 目次 Magill Estate Wineryの概要 ペンフォールズの歴史 ペンフォールズの哲学 各ワインのテイスティング 今回の訪問では、ワイナリーのセラードア体験ツアーを通じて、オーストラリアワインのアイコン的存在であるペンフォールズの歴史を辿るとともに、現在も実際に使われている歴史的な醸造設備の見学、そしてテイスティングを体験しました。 1. Magill Estate Wineryの概要 ▲ 畑の右上に見えるのが当時のオフィス 今回、訪れたマギル・エステート・ワイナリーは、200年近い歴史を誇るペンフォールズの中でも創業当時から存在する最古のワイナリーです。クリストファー・ローソン・ペンフォールド博士とその妻であるメアリー夫人によって1844年に開業されたペンフォールズは、当初はこのマギル・エステートを拠点に医療用の酒精強化ワイン・スピリッツを製造していましたが、ワインが娯楽になると共に、徐々に非酒精強化ワインの醸造を開始し現在に至ります。 最初に訪れたのは畑の中に建つ、開業当時に使われていたという平屋建てのオフィス・病棟・ラボです。ペンフォールの始まりが医療と共にあったという事を裏付けるように当時の様々な医療器具、実験器具や記録を見ることができました。 開業医として外科医でもあったペンフォールド博士はこの施設で医療を行うとともに、強壮薬としてのアルコールに非常に高い関心を持ち、オフィス・ラボとして様々な研究を行っていたそうです。 ▲ 当時の薬瓶等 1950年頃には当時の醸造長であるマックス・シュワーバー氏がボルドーのグランヴァンを手本にグランジの実験的醸造を開始。この頃に現在も続くペンフォールズの伝統でもあるワインをセラーの番号で管理するBinのナンバリングが始まりました。現在は、マギルエステートは醸造所としての使用は限定的ですが、当時はマギルエステートを中心にグランジをはじめとする様々なワインを醸造していました。 ▲ セラーごとに番号が振られています 今回の訪問では、当時から使われている醸造棟から始まり、セラー設備を見学することができました。現在、醸造の多くはより新しいワイナリーで行われるそうですが、マギル・エステートでも一部のバロッサバレー、そしてマギルエステートの葡萄を醸造しているそうです。...

    造り手のホンネに迫る。

    ペンフォールズ マギル・エステート ワイナリー

    今回の訪問では、ワイナリーのセラードア体験ツアーを通じて、オーストラリアワインのアイコン的存在であるペンフォールズの歴史を辿るとともに、現在も実際に使われている歴史的な醸造設備の見学、そしてテイスティングを体験しました。 オーストラリアワインのパイオニア writer Komazawa web サイト https://us.penfolds.com/ 目次 Magill Estate Wineryの概要 ペンフォールズの歴史 ペンフォールズの哲学 各ワインのテイスティング 今回の訪問では、ワイナリーのセラードア体験ツアーを通じて、オーストラリアワインのアイコン的存在であるペンフォールズの歴史を辿るとともに、現在も実際に使われている歴史的な醸造設備の見学、そしてテイスティングを体験しました。 1. Magill Estate Wineryの概要 ▲ 畑の右上に見えるのが当時のオフィス 今回、訪れたマギル・エステート・ワイナリーは、200年近い歴史を誇るペンフォールズの中でも創業当時から存在する最古のワイナリーです。クリストファー・ローソン・ペンフォールド博士とその妻であるメアリー夫人によって1844年に開業されたペンフォールズは、当初はこのマギル・エステートを拠点に医療用の酒精強化ワイン・スピリッツを製造していましたが、ワインが娯楽になると共に、徐々に非酒精強化ワインの醸造を開始し現在に至ります。 最初に訪れたのは畑の中に建つ、開業当時に使われていたという平屋建てのオフィス・病棟・ラボです。ペンフォールの始まりが医療と共にあったという事を裏付けるように当時の様々な医療器具、実験器具や記録を見ることができました。 開業医として外科医でもあったペンフォールド博士はこの施設で医療を行うとともに、強壮薬としてのアルコールに非常に高い関心を持ち、オフィス・ラボとして様々な研究を行っていたそうです。 ▲ 当時の薬瓶等 1950年頃には当時の醸造長であるマックス・シュワーバー氏がボルドーのグランヴァンを手本にグランジの実験的醸造を開始。この頃に現在も続くペンフォールズの伝統でもあるワインをセラーの番号で管理するBinのナンバリングが始まりました。現在は、マギルエステートは醸造所としての使用は限定的ですが、当時はマギルエステートを中心にグランジをはじめとする様々なワインを醸造していました。 ▲ セラーごとに番号が振られています 今回の訪問では、当時から使われている醸造棟から始まり、セラー設備を見学することができました。現在、醸造の多くはより新しいワイナリーで行われるそうですが、マギル・エステートでも一部のバロッサバレー、そしてマギルエステートの葡萄を醸造しているそうです。...

    造り手のホンネに迫る。