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  • はじめての収穫体験日記

    はじめての収穫体験日記

    目次 北海道・余市での初収穫体験 - 初秋の空気を感じながら 初めて手にする用具と、学んだ収穫の基本 ピノ・ノワール収穫に挑戦 想像以上の重労働!連携プレーの重要さ 収穫完了!ワインになる日を楽しみに 01 ― 北海道・余市での初収穫体験 - 初秋の空気を感じながら 2年前に日本ワインコラムの取材もしていますが、私自身は今回が初めての訪問です。 🍇 日本ワインコラム 【北海道・余市 安藝農園】をチェックしてみてください! 〉〉日本ワインコラム そしてこの、収穫日和!な天気には内心ほっと一安心。というのも、昔からイベント事がある日はいつも雨。楽しみにしていたお出かけの日も雨。さらには、さっきまで降っていなかったのに自分が外に出ると雨が降り出す、といった感じで雨女っぷりがどうしようもなく… 先日、日本ワインコラムの取材で岡山に行った際も、視界不良で危うく東京に引き返すところでした。しかし、今回は幸いにも雨が降らずに快晴に恵まれました! 02 ― 初めて手にする用具と、 学んだ収穫の基本 ▲ 畑に入ると看板犬のモモちゃんがお出迎え! 既に収穫作業を始めていた安藝農園のスタッフの皆さんを追うように畑の奥へと進んで行きます。畑仕事なんてやる機会が無いものだから、この日の為に用意した着慣れない服装と、初めて使う用具達になんだかソワソワ。 ▲ 収穫用のハサミ。刃で枝を切り、反対側のピンセットで傷んだ箇所などを取り除く。...

    わたし流。いまイチオシのワインたち

    はじめての収穫体験日記

    目次 北海道・余市での初収穫体験 - 初秋の空気を感じながら 初めて手にする用具と、学んだ収穫の基本 ピノ・ノワール収穫に挑戦 想像以上の重労働!連携プレーの重要さ 収穫完了!ワインになる日を楽しみに 01 ― 北海道・余市での初収穫体験 - 初秋の空気を感じながら 2年前に日本ワインコラムの取材もしていますが、私自身は今回が初めての訪問です。 🍇 日本ワインコラム 【北海道・余市 安藝農園】をチェックしてみてください! 〉〉日本ワインコラム そしてこの、収穫日和!な天気には内心ほっと一安心。というのも、昔からイベント事がある日はいつも雨。楽しみにしていたお出かけの日も雨。さらには、さっきまで降っていなかったのに自分が外に出ると雨が降り出す、といった感じで雨女っぷりがどうしようもなく… 先日、日本ワインコラムの取材で岡山に行った際も、視界不良で危うく東京に引き返すところでした。しかし、今回は幸いにも雨が降らずに快晴に恵まれました! 02 ― 初めて手にする用具と、 学んだ収穫の基本 ▲ 畑に入ると看板犬のモモちゃんがお出迎え! 既に収穫作業を始めていた安藝農園のスタッフの皆さんを追うように畑の奥へと進んで行きます。畑仕事なんてやる機会が無いものだから、この日の為に用意した着慣れない服装と、初めて使う用具達になんだかソワソワ。 ▲ 収穫用のハサミ。刃で枝を切り、反対側のピンセットで傷んだ箇所などを取り除く。...

    わたし流。いまイチオシのワインたち
  • ポルトガルワインとは?基本知識や製法、種類とともにヴィーニョ・ヴェルデも紹介
    基本知識や製法、種類とともにヴィーニョ・ヴェルデも紹介

    ポルトガルワインとは?基本知識や製法、種類とともにヴィーニョ・ヴェルデも紹介

    ポルトガルは古くからワイン造りが盛んな国で、豊富な土着品種とさまざまな気候風土の産地の組み合わせにより、オリジナリティ溢れるワインが特徴です。産地によって味わいが異なるので、今回はポルトガルワインの基礎知識やヴィーニョ・ヴェルデをはじめとする代表的なワインを解説し、ポルトガルの特徴が楽しめるおすすめのワインも3本に厳選してご紹介していきます。 目次 ポルトガルワインの基本 ポルトガルワインの種類 おすすめのポルトガルワイン3選 まとめ 1. ポルトガルワインの基本 ポルトガルには250種を超える土着品種があり、多種多様な気候と土壌が特徴です。国際的な評価も高く、世界遺産に登録されている「ドウロ」や「アレンテージョ」はワイン産地の観光地としても人気で、ワインツーリズムの観点からも支持を受けている場所です。以下にポルトガルワインの特徴や製法について解説していきます。 ポルトガルとは ポルトガルは南北に560km、東西に160kmの小さな国で、国土は日本の約4分の1の大きさです。北部は丘陵地帯で南部は平地が広がっているため、南北で平均気温や降水量が大きく異なります。また、西は大西洋、南は地中海の影響を受け、内陸は大陸性気候となっている ため、決して広大な土地があるとはいえないものの、地方によって気候や土壌が異なり多様性が豊かです。そのため、同一地域でも土壌タイプは異なり、土着品種も非常に多いことから、オリジナリティ溢れるワインが多いのが特徴です。また、ワインに必要不可欠な天然コルクは、全世界の約半分がポルトガルで生産されていることでも有名です ポルトガルワインの特徴 ポルトガルは古くからワイン造りが盛んな土地で、ポルトガルの土着品種はイタリアやスペインよりも多く、現在では約250種あると言われています。 ■ ヴィーニョ・ヴェルデ:ポルトガルの最北部、大西洋寄りの「ヴィーニョ・ヴェルデ」は完熟前の緑色のブドウを収穫しています。比較的アルコール度数が低くフルーティーな味わいが特徴です。 ■ ドウロ:また、ポルトガルの北部のポルト市からスペイン国境までのドウロ川に沿った地域を「ドウロ」と呼び、ここではポートワインが長年造られていましたが、最近では力強く重厚なステイルワインが造られる産地になっています。 ■ ダン:ポルトガル中北部の内陸部にある「ダン」は標高の高い地域にブドウ畑が広がっており、ゆっくりと熟したブドウを使い、酸味とアロマにあふれたワインが造られています。 ■ アレンテージョ:ポルトガル南部の大半を占める「アレンテージョ」では近代的なワイン造りが行われており、 ■ バイラーダ:大西洋の海岸沿いに位置する「バイラーダ」は粘土の地区と呼ばれるほど粘土質の多い土壌が広がっています。赤ワインが主流で、果実味がありしっかりとタンニンを感じられるポルトガルワインが楽しめます。 ■ ポート:ポートワインの産地である「ポート」は寒暖差が激しく乾燥した地域で、伝統的な美しいブドウ畑が広がっており、世界遺産にも登録されている場所として知られています。 ポルトガルワインの製法 ポルトガルでは伝統的にブドウをブレンドする製法が行われています。とはいえ近年では単一のブドウ品種から造られるワインもあり、ワインごとに製法が異なります。また、ポルトガルといえば昔ながらの手法で造られている「酒精強化ワイン」が有名です。酒精強化ワインとは、ワインを発酵させる途中の段階でスピリッツを添加してアルコール度数をあげたワインです。酒精強化ワインは発酵を途中で止めることでワイン中の残糖度を調整し、甘口から辛口まで造ることができます。ポルトガルで造られているマデイラワインとポートワインの造り方や味わいは後述します。 2.ポルトガルワインの種類 ポルトガルワインは固有品種の種類が豊富で、多彩な気候や土壌との組み合わせにより、さまざまなワインがあります。ここではポルトガルワインの代表格と言える世界三大酒精強化ワインのポートワインとマデイラワイン、そして弱発泡の低アルコールで人気のヴィーニョ・ヴェルデについて解説していきます。...

    ワインの豆知識
    基本知識や製法、種類とともにヴィーニョ・ヴェルデも紹介

    ポルトガルワインとは?基本知識や製法、種類とともにヴィーニョ・ヴェルデも紹介

    ポルトガルは古くからワイン造りが盛んな国で、豊富な土着品種とさまざまな気候風土の産地の組み合わせにより、オリジナリティ溢れるワインが特徴です。産地によって味わいが異なるので、今回はポルトガルワインの基礎知識やヴィーニョ・ヴェルデをはじめとする代表的なワインを解説し、ポルトガルの特徴が楽しめるおすすめのワインも3本に厳選してご紹介していきます。 目次 ポルトガルワインの基本 ポルトガルワインの種類 おすすめのポルトガルワイン3選 まとめ 1. ポルトガルワインの基本 ポルトガルには250種を超える土着品種があり、多種多様な気候と土壌が特徴です。国際的な評価も高く、世界遺産に登録されている「ドウロ」や「アレンテージョ」はワイン産地の観光地としても人気で、ワインツーリズムの観点からも支持を受けている場所です。以下にポルトガルワインの特徴や製法について解説していきます。 ポルトガルとは ポルトガルは南北に560km、東西に160kmの小さな国で、国土は日本の約4分の1の大きさです。北部は丘陵地帯で南部は平地が広がっているため、南北で平均気温や降水量が大きく異なります。また、西は大西洋、南は地中海の影響を受け、内陸は大陸性気候となっている ため、決して広大な土地があるとはいえないものの、地方によって気候や土壌が異なり多様性が豊かです。そのため、同一地域でも土壌タイプは異なり、土着品種も非常に多いことから、オリジナリティ溢れるワインが多いのが特徴です。また、ワインに必要不可欠な天然コルクは、全世界の約半分がポルトガルで生産されていることでも有名です ポルトガルワインの特徴 ポルトガルは古くからワイン造りが盛んな土地で、ポルトガルの土着品種はイタリアやスペインよりも多く、現在では約250種あると言われています。 ■ ヴィーニョ・ヴェルデ:ポルトガルの最北部、大西洋寄りの「ヴィーニョ・ヴェルデ」は完熟前の緑色のブドウを収穫しています。比較的アルコール度数が低くフルーティーな味わいが特徴です。 ■ ドウロ:また、ポルトガルの北部のポルト市からスペイン国境までのドウロ川に沿った地域を「ドウロ」と呼び、ここではポートワインが長年造られていましたが、最近では力強く重厚なステイルワインが造られる産地になっています。 ■ ダン:ポルトガル中北部の内陸部にある「ダン」は標高の高い地域にブドウ畑が広がっており、ゆっくりと熟したブドウを使い、酸味とアロマにあふれたワインが造られています。 ■ アレンテージョ:ポルトガル南部の大半を占める「アレンテージョ」では近代的なワイン造りが行われており、 ■ バイラーダ:大西洋の海岸沿いに位置する「バイラーダ」は粘土の地区と呼ばれるほど粘土質の多い土壌が広がっています。赤ワインが主流で、果実味がありしっかりとタンニンを感じられるポルトガルワインが楽しめます。 ■ ポート:ポートワインの産地である「ポート」は寒暖差が激しく乾燥した地域で、伝統的な美しいブドウ畑が広がっており、世界遺産にも登録されている場所として知られています。 ポルトガルワインの製法 ポルトガルでは伝統的にブドウをブレンドする製法が行われています。とはいえ近年では単一のブドウ品種から造られるワインもあり、ワインごとに製法が異なります。また、ポルトガルといえば昔ながらの手法で造られている「酒精強化ワイン」が有名です。酒精強化ワインとは、ワインを発酵させる途中の段階でスピリッツを添加してアルコール度数をあげたワインです。酒精強化ワインは発酵を途中で止めることでワイン中の残糖度を調整し、甘口から辛口まで造ることができます。ポルトガルで造られているマデイラワインとポートワインの造り方や味わいは後述します。 2.ポルトガルワインの種類 ポルトガルワインは固有品種の種類が豊富で、多彩な気候や土壌との組み合わせにより、さまざまなワインがあります。ここではポルトガルワインの代表格と言える世界三大酒精強化ワインのポートワインとマデイラワイン、そして弱発泡の低アルコールで人気のヴィーニョ・ヴェルデについて解説していきます。...

    ワインの豆知識
  • 広島・三次ワイナリー

    広島・三次ワイナリー

    日本ワインコラム |広島三次ワイナリー 「三次」と書いて「みよし」と読む。広島県の北部、中国地方の中心部に位置し、江の川、馬洗川、西城川の3本の大きな川が巴状に合流する盆地である。ブドウ栽培が始まったのは1955年頃からと言われており、今では“黒い真珠”と称されるピオーネの一大産地として有名な場所だ。 1994年に広島県初のワイナリーとしてこの地に誕生したのが、今回の訪問先である広島三次ワイナリー。今年創業30周年を迎える歴史のあるワイナリーだ。第三セクターとして誕生したという背景もあり、当初は観光ワイナリー的な位置づけで捉えられていたが、昨今は国内外から高く評価される本格的なワインで名を馳せ、多くのファンを魅了する。 ▲ 広島三次ワイナリーの外観。赤い屋根と高い塔が印象的で、外観からも広々した場所なのが分かる。沢山の方が訪れる場所で、到着した日も駐車場はほぼ満車! 質の高いワインを造り出す秘密はどこにあるのか?生粋の三次っ子だという製造課マネージャーの沖田さんに色々とお話を伺った。 ▲ 安心感のある語り口の沖田さん。広島三次ワイナリー栽培・醸造チームのインスタに“好青年を装った毒舌男”と紹介されていたのが気になる…笑。我々には“好青年“としか思えなかったです!! 観光ワイナリーからの脱却 広島三次ワイナリーは三次市やJAひろしま等が出資する第三セクターとして誕生。生食用ブドウを栽培する過程で出る大量の規格外のブドウを活用するという目的から創設された経緯もあり、設立当時は観光ワインとしての色合いが強いものだった。ワイナリーには観光客向けの施設も充実しており、集客も業績も安定していたが、日本ワインブームの到来と共に、土地の個性を活かした本格的なワインに注目が集まり、観光ワインが淘汰されつつあるという現実も目の当たりにする。 ▲ ワインショップの前には白い椅子が沢山並び、ゆったり過ごせるスペースも。 ▲ ワインショップの中の様子。ワインがずらり並ぶ! このままでは生き残れない…という危機感が募り、経営陣は1つの大きな決断をする。これまでの観光ワイナリーとして位置付けから経営方針をシフトし、原料から見直したのだ。2007年に自社圃場を確保しブドウ栽培を開始、2008年には三次産ブドウ100%で造るTOMOEシリーズをスタートした。 更に、2つ目の大きな決断となったのが、2013年に後にワイナリー長となる太田直幸氏を迎え入れたことだ。 ▲ 広島三次ワイナリーのHPより。優しい笑顔が素敵な太田氏。 太田氏はニュージーランドのリンカーン大学でブドウ栽培とワイン醸造の勉強をし、現地の農園やワイナリーで長く働いた経験を持つ。沖田さん曰く、太田氏は「ブドウのいいところを最大限に引き出す」という考えをお持ちで、これまでとは異なるアプローチで、質を重視した栽培や醸造を徹底したそう。その結果、ワインの質が向上し味わいも本格的に。国内外の数々のコンクールで受賞するまでになったのだ。 経営方針を180度変え、一から新しい文化を作り上げた広島三次ワイナリー。強いリーダーシップなしには成しえなかったと思うが、三次という場所の優位性、栽培家や醸造家一人一人の情熱も忘れてはいけない。まずは畑から見ていこう。 恵まれた畑の環境 盆地ならではの優位性 ワイナリーから車で程近く、山間部を切り開いた場所に畑がある。標高350m前後、一番高いTOMOEシリーズ「シャルドネ新月」の畑は標高400mに位置する。どの畑も開けた場所にあるので、日の出から日の入りまでしっかりと太陽が当たる。また、盆地ならではの気候で、昼夜の寒暖差が大きく、ブドウがゆっくり熟す環境にある。山肌を通る風も吹くので、比較的病気になりにくい環境なのも嬉しいところだ。 ▲ さーっと視界が開けた場所にあるブドウ畑。太陽の恵みを感じながら、心地よい風も吹き抜ける。 恵まれた環境とは言え、温暖化の影響はある。「シャルドネ新月」は、新月の夜に収穫するナイトハーベストを行っていたことから命名されたワインだが、昨今は夜間も気温が高い日が多く、夜に収穫するメリットが下がってきていることと、夜間の作業は摘み残しも起こりやすいことから、昼間に収穫した後、ブドウをしっかり冷蔵し酸化や腐敗を防ぐという手法に切り替えたそう。 ▲ 棚栽培されている「シャルドネ新月」の畑。棚の高さは奥に進むほど低くなっているそうで、「手前は問題ないのだけど、奥に行くほど中腰で辛くなる…けど、すごくいい農家さんが手入れしてくれて、素晴らしいブドウができている」と、沖田さん。 日本で珍しい貴腐ブドウが育つ場所...

    日本ワインコラム

    広島・三次ワイナリー

    日本ワインコラム |広島三次ワイナリー 「三次」と書いて「みよし」と読む。広島県の北部、中国地方の中心部に位置し、江の川、馬洗川、西城川の3本の大きな川が巴状に合流する盆地である。ブドウ栽培が始まったのは1955年頃からと言われており、今では“黒い真珠”と称されるピオーネの一大産地として有名な場所だ。 1994年に広島県初のワイナリーとしてこの地に誕生したのが、今回の訪問先である広島三次ワイナリー。今年創業30周年を迎える歴史のあるワイナリーだ。第三セクターとして誕生したという背景もあり、当初は観光ワイナリー的な位置づけで捉えられていたが、昨今は国内外から高く評価される本格的なワインで名を馳せ、多くのファンを魅了する。 ▲ 広島三次ワイナリーの外観。赤い屋根と高い塔が印象的で、外観からも広々した場所なのが分かる。沢山の方が訪れる場所で、到着した日も駐車場はほぼ満車! 質の高いワインを造り出す秘密はどこにあるのか?生粋の三次っ子だという製造課マネージャーの沖田さんに色々とお話を伺った。 ▲ 安心感のある語り口の沖田さん。広島三次ワイナリー栽培・醸造チームのインスタに“好青年を装った毒舌男”と紹介されていたのが気になる…笑。我々には“好青年“としか思えなかったです!! 観光ワイナリーからの脱却 広島三次ワイナリーは三次市やJAひろしま等が出資する第三セクターとして誕生。生食用ブドウを栽培する過程で出る大量の規格外のブドウを活用するという目的から創設された経緯もあり、設立当時は観光ワインとしての色合いが強いものだった。ワイナリーには観光客向けの施設も充実しており、集客も業績も安定していたが、日本ワインブームの到来と共に、土地の個性を活かした本格的なワインに注目が集まり、観光ワインが淘汰されつつあるという現実も目の当たりにする。 ▲ ワインショップの前には白い椅子が沢山並び、ゆったり過ごせるスペースも。 ▲ ワインショップの中の様子。ワインがずらり並ぶ! このままでは生き残れない…という危機感が募り、経営陣は1つの大きな決断をする。これまでの観光ワイナリーとして位置付けから経営方針をシフトし、原料から見直したのだ。2007年に自社圃場を確保しブドウ栽培を開始、2008年には三次産ブドウ100%で造るTOMOEシリーズをスタートした。 更に、2つ目の大きな決断となったのが、2013年に後にワイナリー長となる太田直幸氏を迎え入れたことだ。 ▲ 広島三次ワイナリーのHPより。優しい笑顔が素敵な太田氏。 太田氏はニュージーランドのリンカーン大学でブドウ栽培とワイン醸造の勉強をし、現地の農園やワイナリーで長く働いた経験を持つ。沖田さん曰く、太田氏は「ブドウのいいところを最大限に引き出す」という考えをお持ちで、これまでとは異なるアプローチで、質を重視した栽培や醸造を徹底したそう。その結果、ワインの質が向上し味わいも本格的に。国内外の数々のコンクールで受賞するまでになったのだ。 経営方針を180度変え、一から新しい文化を作り上げた広島三次ワイナリー。強いリーダーシップなしには成しえなかったと思うが、三次という場所の優位性、栽培家や醸造家一人一人の情熱も忘れてはいけない。まずは畑から見ていこう。 恵まれた畑の環境 盆地ならではの優位性 ワイナリーから車で程近く、山間部を切り開いた場所に畑がある。標高350m前後、一番高いTOMOEシリーズ「シャルドネ新月」の畑は標高400mに位置する。どの畑も開けた場所にあるので、日の出から日の入りまでしっかりと太陽が当たる。また、盆地ならではの気候で、昼夜の寒暖差が大きく、ブドウがゆっくり熟す環境にある。山肌を通る風も吹くので、比較的病気になりにくい環境なのも嬉しいところだ。 ▲ さーっと視界が開けた場所にあるブドウ畑。太陽の恵みを感じながら、心地よい風も吹き抜ける。 恵まれた環境とは言え、温暖化の影響はある。「シャルドネ新月」は、新月の夜に収穫するナイトハーベストを行っていたことから命名されたワインだが、昨今は夜間も気温が高い日が多く、夜に収穫するメリットが下がってきていることと、夜間の作業は摘み残しも起こりやすいことから、昼間に収穫した後、ブドウをしっかり冷蔵し酸化や腐敗を防ぐという手法に切り替えたそう。 ▲ 棚栽培されている「シャルドネ新月」の畑。棚の高さは奥に進むほど低くなっているそうで、「手前は問題ないのだけど、奥に行くほど中腰で辛くなる…けど、すごくいい農家さんが手入れしてくれて、素晴らしいブドウができている」と、沖田さん。 日本で珍しい貴腐ブドウが育つ場所...

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  • ラリュー ブルゴーニュ・アリゴテ ヴィエイユ・ヴィーニュ 2020

    ラリュー ブルゴーニュ・アリゴテ ヴィエイユ・ヴィーニュ 2020

    Go to slide 1 Go to slide 2 Go to slide 3 Go to slide 4 小山田 わいじょりーな 吉川 本名 いとう 山本 人見 時田 菅原 吉永 CASE 01 秋晴れのお天気に誘われて・・・ Cave...

    Staff Blog ~僕の、私の、ワインのある暮らし

    ラリュー ブルゴーニュ・アリゴテ ヴィエイユ・ヴィーニュ 2020

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  • ドメーヌ デ ロッシュ ヌーヴ - ボルドーからロワール、そしてビオディナミへ
    優しさとフィネス感じる、エモーショナルなワイン

    ドメーヌ デ ロッシュ ヌーヴ - ボルドーからロワール、そしてビオディナミへ

    ボルドーからロワール、そしてビオディナミへ。元々、ボルドーのヴィニュロン家系に生まれ育ったティエリー・ジェルマン氏がビオロジックを志して移り住んだのが、ロワールという歴史ある地。風景、土壌、光、そしてロワール川に惹かれ、「ドメーヌ・デ・ロッシュ・ヌーヴ」を引き継ぐ提案があったのも幸いしソミュールの地でヴィニュロンになることを決意した。クロ・ルジャールのシャルリー・フコーや、著名なビオディナミコンサルタントのフランソワ・ブーシェ、そしてルーションのドメーヌ・ゴビーのジェラール・ゴビーに出会ったのがきっかけで、ビオディナミを実践していくこととなった。 ボルドーからロワール、そしてビオディナミへ 2022.11.10 --- writer Honna web サイト https://rochesneuves.com/ 目次 「ぶどう樹を対等な存在として敬意を払い理解する」という哲学 醸造の過程もぶどうに対して愛があふれる 丁寧な仕事ぶりとロワールのエモーションを感じるワイン 現地の評価の高さから、日本でもいずれ人気になることは間違いない 造り手のホンネに迫る?|質問状 元々、ボルドーのヴィニュロン家系に生まれ育ったティエリー・ジェルマン氏がビオロジックを志して移り住んだのが、ロワールという歴史ある地。風景、土壌、光、そしてロワール川に惹かれ、「ドメーヌ・デ・ロッシュ・ヌーヴ」を引き継ぐ提案があったのも幸いしソミュールの地でヴィニュロンになることを決意した。 クロ・ルジャールのシャルリー・フコーや、著名なビオディナミコンサルタントのフランソワ・ブーシェ、そしてルーションのドメーヌ・ゴビーのジェラール・ゴビーに出会ったのがきっかけで、ビオディナミを実践していくこととなった。 1. 「ぶどう樹を対等な存在として敬意を払い理解する」という哲学 ぶどうの樹に愛を注げば注ぐほど、ぶどう樹はその愛に応えてくれると語るティエリー氏。 発芽前には、樹液の流れを妨げないように、樹の生え方などに応じて樹の語りかけを聞きながら選定。発芽の時期はぶどう樹が垂直に育つよう、新梢が重ならないよう、自由に呼吸できるよう、自然な流れで育てる。そして、夏季はぶどうの蔓を伸ばし、ぶどう自身の生育サイクルを妨げず、実が育つよう導く。なにより、ポジティヴな気持ちで仕事をすること。 彼のぶどうに対する考え方はまるで大切な我が子を育てているかのよう。畑仕事は流麗であり、それがワインの味わいにも反映されている。自然の力を秘めた、美しいワインができあがる。 2. 醸造の過程もぶどうに対して愛があふれる 一番驚き、なるほどと思ったのが「育ったテロワールに合わせて、醸造・熟成する容器を選択していること。」 粘土質豊かな土壌はスペースが必要であり、力強さがある土壌だから広さが必要で、円形の幅の広い樽で熟成させる。一方で、石灰質豊かな土壌は垂直的だから、楕円形の縦型の樽を使用する。 土壌=容器と考えている生産者は世界中を見回してもそういないだろう。 この話を聞くだけで、彼の土壌違いのワインを試したくなるのは私だけではないはず。 3.丁寧な仕事ぶりとロワールのエモーションを感じるワイン 洗練されたブルゴーニュのようなピノ・ノワールと、ピュアでエレガントなドイツのリースリングと表現されるように、ロッシュ・ヌーヴのワインにはフィネスと洗練された奥行きのある味わいが感じられる。...

    造り手のホンネに迫る。
    優しさとフィネス感じる、エモーショナルなワイン

    ドメーヌ デ ロッシュ ヌーヴ - ボルドーからロワール、そしてビオディナミへ

    ボルドーからロワール、そしてビオディナミへ。元々、ボルドーのヴィニュロン家系に生まれ育ったティエリー・ジェルマン氏がビオロジックを志して移り住んだのが、ロワールという歴史ある地。風景、土壌、光、そしてロワール川に惹かれ、「ドメーヌ・デ・ロッシュ・ヌーヴ」を引き継ぐ提案があったのも幸いしソミュールの地でヴィニュロンになることを決意した。クロ・ルジャールのシャルリー・フコーや、著名なビオディナミコンサルタントのフランソワ・ブーシェ、そしてルーションのドメーヌ・ゴビーのジェラール・ゴビーに出会ったのがきっかけで、ビオディナミを実践していくこととなった。 ボルドーからロワール、そしてビオディナミへ 2022.11.10 --- writer Honna web サイト https://rochesneuves.com/ 目次 「ぶどう樹を対等な存在として敬意を払い理解する」という哲学 醸造の過程もぶどうに対して愛があふれる 丁寧な仕事ぶりとロワールのエモーションを感じるワイン 現地の評価の高さから、日本でもいずれ人気になることは間違いない 造り手のホンネに迫る?|質問状 元々、ボルドーのヴィニュロン家系に生まれ育ったティエリー・ジェルマン氏がビオロジックを志して移り住んだのが、ロワールという歴史ある地。風景、土壌、光、そしてロワール川に惹かれ、「ドメーヌ・デ・ロッシュ・ヌーヴ」を引き継ぐ提案があったのも幸いしソミュールの地でヴィニュロンになることを決意した。 クロ・ルジャールのシャルリー・フコーや、著名なビオディナミコンサルタントのフランソワ・ブーシェ、そしてルーションのドメーヌ・ゴビーのジェラール・ゴビーに出会ったのがきっかけで、ビオディナミを実践していくこととなった。 1. 「ぶどう樹を対等な存在として敬意を払い理解する」という哲学 ぶどうの樹に愛を注げば注ぐほど、ぶどう樹はその愛に応えてくれると語るティエリー氏。 発芽前には、樹液の流れを妨げないように、樹の生え方などに応じて樹の語りかけを聞きながら選定。発芽の時期はぶどう樹が垂直に育つよう、新梢が重ならないよう、自由に呼吸できるよう、自然な流れで育てる。そして、夏季はぶどうの蔓を伸ばし、ぶどう自身の生育サイクルを妨げず、実が育つよう導く。なにより、ポジティヴな気持ちで仕事をすること。 彼のぶどうに対する考え方はまるで大切な我が子を育てているかのよう。畑仕事は流麗であり、それがワインの味わいにも反映されている。自然の力を秘めた、美しいワインができあがる。 2. 醸造の過程もぶどうに対して愛があふれる 一番驚き、なるほどと思ったのが「育ったテロワールに合わせて、醸造・熟成する容器を選択していること。」 粘土質豊かな土壌はスペースが必要であり、力強さがある土壌だから広さが必要で、円形の幅の広い樽で熟成させる。一方で、石灰質豊かな土壌は垂直的だから、楕円形の縦型の樽を使用する。 土壌=容器と考えている生産者は世界中を見回してもそういないだろう。 この話を聞くだけで、彼の土壌違いのワインを試したくなるのは私だけではないはず。 3.丁寧な仕事ぶりとロワールのエモーションを感じるワイン 洗練されたブルゴーニュのようなピノ・ノワールと、ピュアでエレガントなドイツのリースリングと表現されるように、ロッシュ・ヌーヴのワインにはフィネスと洗練された奥行きのある味わいが感じられる。...

    造り手のホンネに迫る。