デザートワインには明確な定義が存在しないものの、一般的には甘口ワインを指します。とはいえ甘口と一言にいっても、やさしい甘みのものから、極甘口でとろりと濃厚なタイプまで幅広いバリエーションがあります。また、造り方やアルコール度数、味わいも各国によって多種多様です。これらはブドウの品種、栽培地域のテロワール(気候や土壌)、さらにはワイン造りにおける発酵や糖度管理の手法によっても大きく変わります。以下で造り方や種類、風味などについて説明します。
デザートワインの造り方
デザートワインの造り方は大きく分けて2種類あります。
1つ目は、糖度が25度以上あるブドウを用いる方法です。ブドウ果汁に含まれる糖分は通常、酵母の働きによってアルコールと二酸化炭素へと分解されますが、ブドウの糖度が高いと発酵が完了しても糖分が残るため、甘い味わいのワインに仕上がります。
2つ目は、アルコール発酵を途中で止める方法です。発酵途中でワインを冷却したり、二酸化硫黄を加えたり、高アルコール度数のブランデーなどを添加して発酵を強制的に停止させることで、糖分を残した甘口ワインが造られます。
ただし、どちらの方法でもワインに糖分が残るため、瓶詰め後に再び発酵がはじまってしまうリスクがあります。これを防ぐために、細かいフィルターを使ったり、保存料を使用したりといった安定化処理が行われます。
デザートワインの種類
以下で代表的なデザートワインを紹介します。
風味
デザートワインは、造り方やブドウの品種、産地によって異なる多彩な風味を持っています。
いずれもブドウ本来の自然な甘さが凝縮されており、ワインの渋みや酸味が苦手な方にも試しやすい味わいとなっています。
デザートワインに合うおつまみやスイーツ
デザートワインは、同じ甘さのあるもの、または甘さと塩味が組み合わさったものと特に相性が良いです。以下におすすめのおつまみをご紹介します。
デザートワインの楽しみ方
デザートワインは、食後に飲むイメージが強い方が多いかと思いますが、とくに決まりはなく、ワイン愛好家のなかでは主に以下のタイミングで楽しまれます。
また、飲む際はよく冷やして(目安温度7℃前後)楽しむのがおすすめです。冷やすことで甘みが抑えられ、全体的にバランスの取れた味わいになります。
保存についても、未開封なら冷暗所で、開封後は冷蔵庫で保存し、数週間以内を目安に飲みきると良いでしょう。
デザートワインに合うおつまみやスイーツ
デザートワインは、同じ甘さのあるもの、または甘さと塩味が組み合わさったものと特に相性が良いです。以下におすすめのおつまみをご紹介します。
とくに、貴腐ワインのような濃厚なタイプは、チョコレートケーキといったリッチなデザートとの相性が抜群です。デザートワインは甘いだけでなく、奥深い味わいと楽しみ方が詰まった魅力があります。ぜひ日常のご褒美タイムに取り入れてみてはいかがでしょうか。