
1.ワイナリーの歴史
1987年にキャシー・コリソン氏がナパ・ヴァレーの中心地セント・ヘレナに設立した家族経営の小規模なワイナリー。
セント・ヘレナは力強いカベルネ・ソーヴィニョンが造られる土地として知られるが、コリソンはその中で、エレガンスを表現し、まさに易しい味わいのカベルネ・ソーヴィニョンを追求。熟度よりもバランスを重視したワインメイキングを行っている。
2.母と娘が紡ぐ、少量生産のナパ・ワイン
2人の娘さんがおり、現在は長女のグレース氏がアシスタント・ワインメーカーとしてキャシー氏のもと、修行をしている。母娘で丁寧にワイン造りを行っています。

ナパ・リバーサイドになだらかな台地(ベンチランドといい、栄養分を多く含んだ土壌。)が広がっている。ナパヴァレーの中で最も温暖な気候を生かし、キャノピーを広めに取るなど、果実のフレーバーを残す工夫をしています。
ブリックスは22~24°で果実が熟し、フレーバーを残すよう工夫されている。収穫を早め、アルコール度数13.6%前後のバランスの良いワインに仕上げている。
▲ こちらの若樹は豊富に実っている。毎日ブドウの実を食べてみて、最適な収穫のタイミングを測っている。
▲ 古樹は房の実りが少ない。ナパで最も古いカベルネ・ソーヴィニョンの樹をもつワイナリーの一つ。
3.クロノス&サンバスケット―畑ごとの個性を楽しむ
約3ヘクタール程の畑を所有していて、以下のような特徴があります。
・クロノス・ヴィンヤード(古木、粘土質)
セント・ジョージという台木にクローン2を使用、完熟に時間がかかり収穫は遅め。サンバスケットの畑に比べ、収穫量は1/3程度と少なめ。
・サンバスケット・ヴィンヤード(小石が多い土壌)
110Rという台木にクローン7を使用、実が詰まっており、収量も多めで赤系果実の特徴がでやすい。

醸造においては、創業以来キャシー氏が担っており、すべてカベルネ・ソーヴィニョン100%使用でフレンチオークのみ使用の新樽率は50%となっている。瓶詰は小規模な生産者ならではの方法で行い、横づけトラックにそのままボトリングする。年に一度の作業としては、非常に効率的とのこと。

4.テイスティング
この日は、以下のワインをテイスティング
①コラゾン カベルネ・ソーヴィニョン ロゼ 2024
豊かな果実味を備えつつ、軽やかで爽快な口当たりでバランスの良いロゼワイン。
カラッと澄み渡った青空が広がるカリフォルニアの地にバッチリの味わい。
②ナパヴァレー カベルネ・ソーヴィニョン 2021
クロノス、サンバスケットなど3つの畑のブドウをブレンド。凝縮感のある果実味と滑らかなタンニンが特徴で、フレッシュハーブのニュアンスも感じる。力強さとエレガンスが共存する1本。
③サンバスケット・ヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニョン 2021
石の多い土壌で育ったブドウから造られた赤系果実のジューシーな果実味が豊かな味わい。飲みごたえがありながらも滑らかな口当たり。
サンバスケット・ヴィンヤードに関しては、日本ではまだ流通されていないワインとなっています。
④クロノス・ヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニョン 2021
古木の深い根から得られる、深みと複雑さを備えた1本。サンバスケットとは対照的に黒系果実の凝縮感ある香りと、緻密なタンニンと長い余韻で、ゆっくり楽しむワインに最適。
⑤ナパヴァレー カベルネ・ソーヴィニョン 2010
熟成を経て、果実味とタンニンが見事に調和しており柔らかい口当たり。ダークフルーツやスパイスの香りがあり、エレガントで深みのある味わい。

ナパのエレガンスを体現するコリソンを次の1杯にぜひお選びください。
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