造り手のホンネに迫る。

THE CELLAR ワイン特集
コリソン 派手さではなく、エレガンスをコリソンの哲学

コリソン 派手さではなく、エレガンスをコリソンの哲学

1987年にキャシー・コリソン氏がナパ・ヴァレーの中心地セント・ヘレナに設立した家族経営の小規模なワイナリー。 セント・ヘレナは力強いカベルネ・ソーヴィニョンが造られる土地として知られるが、コリソンはその中で、エレガンスを表現し、まさに易しい味わいのカベルネ・ソーヴィニョンを追求。熟度よりもバランスを重視したワインメイキングを行っている。 派手さではなく、エレガンスを コリソンの哲学 2025.08.25 --- writer Yamabayashi web サイト https://www.corison.com/ 目次 ワイナリーの歴史 母と娘が紡ぐ、少量生産のナパ・ワイン クロノス&サンバスケット―畑ごとの個性を楽しむ テイスティング 1.ワイナリーの歴史 1987年にキャシー・コリソン氏がナパ・ヴァレーの中心地セント・ヘレナに設立した家族経営の小規模なワイナリー。 セント・ヘレナは力強いカベルネ・ソーヴィニョンが造られる土地として知られるが、コリソンはその中で、エレガンスを表現し、まさに易しい味わいのカベルネ・ソーヴィニョンを追求。熟度よりもバランスを重視したワインメイキングを行っている。 2.母と娘が紡ぐ、少量生産のナパ・ワイン 2人の娘さんがおり、現在は長女のグレース氏がアシスタント・ワインメーカーとしてキャシー氏のもと、修行をしている。母娘で丁寧にワイン造りを行っています。 ▲ “コラゾン”と書かれたロゼワイン。選果台からこぼれ落ちたブドウのみで造られた現地消費のみの極少量生産。 ナパ・リバーサイドになだらかな台地(ベンチランドといい、栄養分を多く含んだ土壌。)が広がっている。ナパヴァレーの中で最も温暖な気候を生かし、キャノピーを広めに取るなど、果実のフレーバーを残す工夫をしています。 ブリックスは22~24°で果実が熟し、フレーバーを残すよう工夫されている。収穫を早め、アルコール度数13.6%前後のバランスの良いワインに仕上げている。 ▲ こちらの若樹は豊富に実っている。毎日ブドウの実を食べてみて、最適な収穫のタイミングを測っている。 ▲ 古樹は房の実りが少ない。ナパで最も古いカベルネ・ソーヴィニョンの樹をもつワイナリーの一つ。 3.クロノス&サンバスケット―畑ごとの個性を楽しむ...

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コリソン 派手さではなく、エレガンスをコリソンの哲学

1987年にキャシー・コリソン氏がナパ・ヴァレーの中心地セント・ヘレナに設立した家族経営の小規模なワイナリー。 セント・ヘレナは力強いカベルネ・ソーヴィニョンが造られる土地として知られるが、コリソンはその中で、エレガンスを表現し、まさに易しい味わいのカベルネ・ソーヴィニョンを追求。熟度よりもバランスを重視したワインメイキングを行っている。 派手さではなく、エレガンスを コリソンの哲学 2025.08.25 --- writer Yamabayashi web サイト https://www.corison.com/ 目次 ワイナリーの歴史 母と娘が紡ぐ、少量生産のナパ・ワイン クロノス&サンバスケット―畑ごとの個性を楽しむ テイスティング 1.ワイナリーの歴史 1987年にキャシー・コリソン氏がナパ・ヴァレーの中心地セント・ヘレナに設立した家族経営の小規模なワイナリー。 セント・ヘレナは力強いカベルネ・ソーヴィニョンが造られる土地として知られるが、コリソンはその中で、エレガンスを表現し、まさに易しい味わいのカベルネ・ソーヴィニョンを追求。熟度よりもバランスを重視したワインメイキングを行っている。 2.母と娘が紡ぐ、少量生産のナパ・ワイン 2人の娘さんがおり、現在は長女のグレース氏がアシスタント・ワインメーカーとしてキャシー氏のもと、修行をしている。母娘で丁寧にワイン造りを行っています。 ▲ “コラゾン”と書かれたロゼワイン。選果台からこぼれ落ちたブドウのみで造られた現地消費のみの極少量生産。 ナパ・リバーサイドになだらかな台地(ベンチランドといい、栄養分を多く含んだ土壌。)が広がっている。ナパヴァレーの中で最も温暖な気候を生かし、キャノピーを広めに取るなど、果実のフレーバーを残す工夫をしています。 ブリックスは22~24°で果実が熟し、フレーバーを残すよう工夫されている。収穫を早め、アルコール度数13.6%前後のバランスの良いワインに仕上げている。 ▲ こちらの若樹は豊富に実っている。毎日ブドウの実を食べてみて、最適な収穫のタイミングを測っている。 ▲ 古樹は房の実りが少ない。ナパで最も古いカベルネ・ソーヴィニョンの樹をもつワイナリーの一つ。 3.クロノス&サンバスケット―畑ごとの個性を楽しむ...

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オーパス・ワン・ワイナリー フランス×アメリカ夢のコラボ 特別な瞬間に、至福の一杯

オーパス・ワン・ワイナリー フランス×アメリカ夢のコラボ 特別な瞬間に、至福の一杯

オーパス・ワンは、1978年に、カリフォルニアワインの父と称されるロバート・モンダヴィ氏と、ボルドーの名門シャトー・ムートン・ロスチャイルドのバロン・ド・ロスチャイルド伯爵により誕生しました。 ▲ ワイナリー正面の改装工事風景。地下のエイジングルーム環境向上のため、芝生から多様な植物への植え替えを実施しています。2025年12月完了予定(2025年8月取材時) フランス×アメリカ夢のコラボ 特別な瞬間に、至福の一杯 2025.08.24 --- writer Yamabayashi web サイト https://jp.opusonewinery.com/ 目次 ワイナリーの歴史 ナパ・ヴァレーとボルドーの融合 偉大な畑:ト・カロン ヴィンヤード 一つの畑に”早熟から晩熟まで”異なる個性が共存 テイスティングルームでの体験 熟成の舞台裏―バレル・ルーム 1.ワイナリーの歴史 オーパス・ワンは、1978年に、カリフォルニアワインの父と称されるロバート・モンダヴィ氏と、ボルドーの名門シャトー・ムートン・ロスチャイルドのバロン・ド・ロスチャイルド伯爵により誕生しました。 2. ナパ・ヴァレーとボルドーの融合 ワイナリーが位置するのは、カリフォルニア州ナパ・ヴァレーの中心地オークヴィル。 ナパとボルドーの気候の類似性に着目し、カベルネ・ソーヴィニョンを主体とするボルドースタイルのワインを生み出しています。 3. 偉大な畑:ト・カロン ヴィンヤード ▲...

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オーパス・ワンは、1978年に、カリフォルニアワインの父と称されるロバート・モンダヴィ氏と、ボルドーの名門シャトー・ムートン・ロスチャイルドのバロン・ド・ロスチャイルド伯爵により誕生しました。 ▲ ワイナリー正面の改装工事風景。地下のエイジングルーム環境向上のため、芝生から多様な植物への植え替えを実施しています。2025年12月完了予定(2025年8月取材時) フランス×アメリカ夢のコラボ 特別な瞬間に、至福の一杯 2025.08.24 --- writer Yamabayashi web サイト https://jp.opusonewinery.com/ 目次 ワイナリーの歴史 ナパ・ヴァレーとボルドーの融合 偉大な畑:ト・カロン ヴィンヤード 一つの畑に”早熟から晩熟まで”異なる個性が共存 テイスティングルームでの体験 熟成の舞台裏―バレル・ルーム 1.ワイナリーの歴史 オーパス・ワンは、1978年に、カリフォルニアワインの父と称されるロバート・モンダヴィ氏と、ボルドーの名門シャトー・ムートン・ロスチャイルドのバロン・ド・ロスチャイルド伯爵により誕生しました。 2. ナパ・ヴァレーとボルドーの融合 ワイナリーが位置するのは、カリフォルニア州ナパ・ヴァレーの中心地オークヴィル。 ナパとボルドーの気候の類似性に着目し、カベルネ・ソーヴィニョンを主体とするボルドースタイルのワインを生み出しています。 3. 偉大な畑:ト・カロン ヴィンヤード ▲...

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ドメーヌ デ ロッシュ ヌーヴ - ボルドーからロワール、そしてビオディナミへ
優しさとフィネス感じる、エモーショナルなワイン

ドメーヌ デ ロッシュ ヌーヴ - ボルドーからロワール、そしてビオディナミへ

ボルドーからロワール、そしてビオディナミへ。元々、ボルドーのヴィニュロン家系に生まれ育ったティエリー・ジェルマン氏がビオロジックを志して移り住んだのが、ロワールという歴史ある地。風景、土壌、光、そしてロワール川に惹かれ、「ドメーヌ・デ・ロッシュ・ヌーヴ」を引き継ぐ提案があったのも幸いしソミュールの地でヴィニュロンになることを決意した。クロ・ルジャールのシャルリー・フコーや、著名なビオディナミコンサルタントのフランソワ・ブーシェ、そしてルーションのドメーヌ・ゴビーのジェラール・ゴビーに出会ったのがきっかけで、ビオディナミを実践していくこととなった。 ボルドーからロワール、そしてビオディナミへ 2022.11.10 --- writer Honna web サイト https://rochesneuves.com/ 目次 「ぶどう樹を対等な存在として敬意を払い理解する」という哲学 醸造の過程もぶどうに対して愛があふれる 丁寧な仕事ぶりとロワールのエモーションを感じるワイン 現地の評価の高さから、日本でもいずれ人気になることは間違いない 造り手のホンネに迫る?|質問状 元々、ボルドーのヴィニュロン家系に生まれ育ったティエリー・ジェルマン氏がビオロジックを志して移り住んだのが、ロワールという歴史ある地。風景、土壌、光、そしてロワール川に惹かれ、「ドメーヌ・デ・ロッシュ・ヌーヴ」を引き継ぐ提案があったのも幸いしソミュールの地でヴィニュロンになることを決意した。クロ・ルジャールのシャルリー・フコーや、著名なビオディナミコンサルタントのフランソワ・ブーシェ、そしてルーションのドメーヌ・ゴビーのジェラール・ゴビーに出会ったのがきっかけで、ビオディナミを実践していくこととなった。 1. 「ぶどう樹を対等な存在として敬意を払い理解する」という哲学 ぶどうの樹に愛を注げば注ぐほど、ぶどう樹はその愛に応えてくれると語るティエリー氏。 発芽前には、樹液の流れを妨げないように、樹の生え方などに応じて樹の語りかけを聞きながら選定。発芽の時期はぶどう樹が垂直に育つよう、新梢が重ならないよう、自由に呼吸できるよう、自然な流れで育てる。そして、夏季はぶどうの蔓を伸ばし、ぶどう自身の生育サイクルを妨げず、実が育つよう導く。なにより、ポジティヴな気持ちで仕事をすること。 彼のぶどうに対する考え方はまるで大切な我が子を育てているかのよう。畑仕事は流麗であり、それがワインの味わいにも反映されている。自然の力を秘めた、美しいワインができあがる。 2. 醸造の過程もぶどうに対して愛があふれる 一番驚き、なるほどと思ったのが「育ったテロワールに合わせて、醸造・熟成する容器を選択していること。」 粘土質豊かな土壌はスペースが必要であり、力強さがある土壌だから広さが必要で、円形の幅の広い樽で熟成させる。一方で、石灰質豊かな土壌は垂直的だから、楕円形の縦型の樽を使用する。土壌=容器と考えている生産者は世界中を見回してもそういないだろう。 この話を聞くだけで、彼の土壌違いのワインを試したくなるのは私だけではないはず。 3.丁寧な仕事ぶりとロワールのエモーションを感じるワイン 洗練されたブルゴーニュのようなピノ・ノワールと、ピュアでエレガントなドイツのリースリングと表現されるように、ロッシュ・ヌーヴのワインにはフィネスと洗練された奥行きのある味わいが感じられる。 カベルネ・フランは、口にいれてから余韻までの様々なストーリー性のある立体的な味わいであり、旨味と酸の高さがハイレベルで、飲み手を飽きさせることがない。胡椒のスパイシーなニュアンスもアクセントとなり、幅広い料理と合わせることができる。シュナン・ブランは、ピュアで丸く、懐の広い温かみのあるテクスチャ。旨味も重すぎず詰まっており、気づけばワインが空になってしまう軽快さも併せ持つ。 4.現地の評価の高さから、日本でもいずれ人気になることは間違いない...

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優しさとフィネス感じる、エモーショナルなワイン

ドメーヌ デ ロッシュ ヌーヴ - ボルドーからロワール、そしてビオディナミへ

ボルドーからロワール、そしてビオディナミへ。元々、ボルドーのヴィニュロン家系に生まれ育ったティエリー・ジェルマン氏がビオロジックを志して移り住んだのが、ロワールという歴史ある地。風景、土壌、光、そしてロワール川に惹かれ、「ドメーヌ・デ・ロッシュ・ヌーヴ」を引き継ぐ提案があったのも幸いしソミュールの地でヴィニュロンになることを決意した。クロ・ルジャールのシャルリー・フコーや、著名なビオディナミコンサルタントのフランソワ・ブーシェ、そしてルーションのドメーヌ・ゴビーのジェラール・ゴビーに出会ったのがきっかけで、ビオディナミを実践していくこととなった。 ボルドーからロワール、そしてビオディナミへ 2022.11.10 --- writer Honna web サイト https://rochesneuves.com/ 目次 「ぶどう樹を対等な存在として敬意を払い理解する」という哲学 醸造の過程もぶどうに対して愛があふれる 丁寧な仕事ぶりとロワールのエモーションを感じるワイン 現地の評価の高さから、日本でもいずれ人気になることは間違いない 造り手のホンネに迫る?|質問状 元々、ボルドーのヴィニュロン家系に生まれ育ったティエリー・ジェルマン氏がビオロジックを志して移り住んだのが、ロワールという歴史ある地。風景、土壌、光、そしてロワール川に惹かれ、「ドメーヌ・デ・ロッシュ・ヌーヴ」を引き継ぐ提案があったのも幸いしソミュールの地でヴィニュロンになることを決意した。クロ・ルジャールのシャルリー・フコーや、著名なビオディナミコンサルタントのフランソワ・ブーシェ、そしてルーションのドメーヌ・ゴビーのジェラール・ゴビーに出会ったのがきっかけで、ビオディナミを実践していくこととなった。 1. 「ぶどう樹を対等な存在として敬意を払い理解する」という哲学 ぶどうの樹に愛を注げば注ぐほど、ぶどう樹はその愛に応えてくれると語るティエリー氏。 発芽前には、樹液の流れを妨げないように、樹の生え方などに応じて樹の語りかけを聞きながら選定。発芽の時期はぶどう樹が垂直に育つよう、新梢が重ならないよう、自由に呼吸できるよう、自然な流れで育てる。そして、夏季はぶどうの蔓を伸ばし、ぶどう自身の生育サイクルを妨げず、実が育つよう導く。なにより、ポジティヴな気持ちで仕事をすること。 彼のぶどうに対する考え方はまるで大切な我が子を育てているかのよう。畑仕事は流麗であり、それがワインの味わいにも反映されている。自然の力を秘めた、美しいワインができあがる。 2. 醸造の過程もぶどうに対して愛があふれる 一番驚き、なるほどと思ったのが「育ったテロワールに合わせて、醸造・熟成する容器を選択していること。」 粘土質豊かな土壌はスペースが必要であり、力強さがある土壌だから広さが必要で、円形の幅の広い樽で熟成させる。一方で、石灰質豊かな土壌は垂直的だから、楕円形の縦型の樽を使用する。土壌=容器と考えている生産者は世界中を見回してもそういないだろう。 この話を聞くだけで、彼の土壌違いのワインを試したくなるのは私だけではないはず。 3.丁寧な仕事ぶりとロワールのエモーションを感じるワイン 洗練されたブルゴーニュのようなピノ・ノワールと、ピュアでエレガントなドイツのリースリングと表現されるように、ロッシュ・ヌーヴのワインにはフィネスと洗練された奥行きのある味わいが感じられる。 カベルネ・フランは、口にいれてから余韻までの様々なストーリー性のある立体的な味わいであり、旨味と酸の高さがハイレベルで、飲み手を飽きさせることがない。胡椒のスパイシーなニュアンスもアクセントとなり、幅広い料理と合わせることができる。シュナン・ブランは、ピュアで丸く、懐の広い温かみのあるテクスチャ。旨味も重すぎず詰まっており、気づけばワインが空になってしまう軽快さも併せ持つ。 4.現地の評価の高さから、日本でもいずれ人気になることは間違いない...

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ドメーヌ・ブシャール・ペール・エ・フィス - ヴィンテージの個性、テロワールの個性
テロワールを忠実に再現した王道スタイル

ドメーヌ・ブシャール・ペール・エ・フィス - ヴィンテージの個性、テロワールの個性

ドメーヌの創業は1731年。もともとアルプスで織物商だったブシャール家がこのボーヌの地で、ワインの魅力に取りつかれる。 そして、ここブルゴーニュのワインを買い付けて売ってくれという依頼があった。それが本業の織物よりも爆発的に売れたことがきっかけで、毛織物業をたたみ、ブルゴーニュに拠点を構えてワイン業になる。 ワイン業で大きな財力を得たのち、貴族である市長の一人娘を妻として娶る。ブシャールの象徴であるつがいの狼の家紋は嫁入り道具の代わりとして授かったものだ。 カルノという大統領を生んだ名家でもある。 ヴィンテージの個性、テロワールの個性 すべてをクリアに、そしてバランスよく表現するブルゴーニュの王道ドメーヌ。 2023.08.26 --- writer Honna web サイト http://www.bouchard-pereetfils.com/ 目次 名誉職の象徴である狼の家紋 テロワールを忠実に再現した王道スタイル 造り手のホンネに迫る?|質問状 ドメーヌの創業は1731年。もともとアルプスで織物商だったブシャール家がこのボーヌの地で、ワインの魅力に取りつかれる。 そして、ここブルゴーニュのワインを買い付けて売ってくれという依頼があった。それが本業の織物よりも爆発的に売れたことがきっかけで、毛織物業をたたみ、ブルゴーニュに拠点を構えてワイン業になる。 1. 名誉職の象徴である狼の家紋 ワイン業で大きな財力を得たのち、貴族である市長の一人娘を妻として娶る。ブシャールの象徴であるつがいの狼の家紋は嫁入り道具の代わりとして授かったものだ。カルノという大統領を生んだ名家でもある。 かつてブルゴーニュではオオカミが多くおり、それを退治するのは街の上層部にしか許されていない名誉職だったようで、それを誉として両脇にオオカミを退治するという意味合いを込めてこの紋章にした。 2. テロワールを忠実に再現した王道スタイル 所有畑はコート・ドールを中心に、グラン・クリュを12ha、プルミエ・クリュを74ha、総面積130ha。 2005年からグラヴィティシステム(重力を利用したぶどうにストレスのかからない方法)を導入した新醸造所を稼働。この年以降、飛躍的に品質が向上した。ブシャールでは一人の醸造担当の裁量で味わいが変わることはない。チームで伝統ある味わいを守っており、毎年安定した安心感のある味わいが魅力的だ。 例えば2015年のような暑いヴィンテージは除梗率を下げるなどし、果実味が強く出ることを抑える。ヴィンテージの特徴とブシャールのバランスのとれた味わいをチームでうまく調整している。チームで造ることによって、造り手の個性を表に出さず、その年のぶどうの個性と、テロワールの個性を上手に表現するのがブシャールの特長。 2026年までにすべての自社畑を有機農法に移行するという大きな挑戦があるが、ブシャールの更に進化した新たな姿が必ず見られるだろう。 THE...

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テロワールを忠実に再現した王道スタイル

ドメーヌ・ブシャール・ペール・エ・フィス - ヴィンテージの個性、テロワールの個性

ドメーヌの創業は1731年。もともとアルプスで織物商だったブシャール家がこのボーヌの地で、ワインの魅力に取りつかれる。 そして、ここブルゴーニュのワインを買い付けて売ってくれという依頼があった。それが本業の織物よりも爆発的に売れたことがきっかけで、毛織物業をたたみ、ブルゴーニュに拠点を構えてワイン業になる。 ワイン業で大きな財力を得たのち、貴族である市長の一人娘を妻として娶る。ブシャールの象徴であるつがいの狼の家紋は嫁入り道具の代わりとして授かったものだ。 カルノという大統領を生んだ名家でもある。 ヴィンテージの個性、テロワールの個性 すべてをクリアに、そしてバランスよく表現するブルゴーニュの王道ドメーヌ。 2023.08.26 --- writer Honna web サイト http://www.bouchard-pereetfils.com/ 目次 名誉職の象徴である狼の家紋 テロワールを忠実に再現した王道スタイル 造り手のホンネに迫る?|質問状 ドメーヌの創業は1731年。もともとアルプスで織物商だったブシャール家がこのボーヌの地で、ワインの魅力に取りつかれる。 そして、ここブルゴーニュのワインを買い付けて売ってくれという依頼があった。それが本業の織物よりも爆発的に売れたことがきっかけで、毛織物業をたたみ、ブルゴーニュに拠点を構えてワイン業になる。 1. 名誉職の象徴である狼の家紋 ワイン業で大きな財力を得たのち、貴族である市長の一人娘を妻として娶る。ブシャールの象徴であるつがいの狼の家紋は嫁入り道具の代わりとして授かったものだ。カルノという大統領を生んだ名家でもある。 かつてブルゴーニュではオオカミが多くおり、それを退治するのは街の上層部にしか許されていない名誉職だったようで、それを誉として両脇にオオカミを退治するという意味合いを込めてこの紋章にした。 2. テロワールを忠実に再現した王道スタイル 所有畑はコート・ドールを中心に、グラン・クリュを12ha、プルミエ・クリュを74ha、総面積130ha。 2005年からグラヴィティシステム(重力を利用したぶどうにストレスのかからない方法)を導入した新醸造所を稼働。この年以降、飛躍的に品質が向上した。ブシャールでは一人の醸造担当の裁量で味わいが変わることはない。チームで伝統ある味わいを守っており、毎年安定した安心感のある味わいが魅力的だ。 例えば2015年のような暑いヴィンテージは除梗率を下げるなどし、果実味が強く出ることを抑える。ヴィンテージの特徴とブシャールのバランスのとれた味わいをチームでうまく調整している。チームで造ることによって、造り手の個性を表に出さず、その年のぶどうの個性と、テロワールの個性を上手に表現するのがブシャールの特長。 2026年までにすべての自社畑を有機農法に移行するという大きな挑戦があるが、ブシャールの更に進化した新たな姿が必ず見られるだろう。 THE...

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ポール・ジャヴレ・エネ - 目指すは、フィネスあるエレガントなワインの形

ポール・ジャヴレ・エネ - 目指すは、フィネスあるエレガントなワインの形

ローヌ河左岸の3つのコミューンに広がる、「エルミタージュ」のアペラシオンは、全部で約140ヘクタール程しかない。この小さなアペラシオンの中に、ポール・ジャヴレ、シャプティエ、シャーヴ、デュラスの4社が全体の60%弱の畑を所有。基本的に造られる赤ワインはシラー、白ワインはマルサンヌ、ルーサンヌを使用した、長期熟成型のワインとなる。

造り手のホンネに迫る。

ポール・ジャヴレ・エネ - 目指すは、フィネスあるエレガントなワインの形

ローヌ河左岸の3つのコミューンに広がる、「エルミタージュ」のアペラシオンは、全部で約140ヘクタール程しかない。この小さなアペラシオンの中に、ポール・ジャヴレ、シャプティエ、シャーヴ、デュラスの4社が全体の60%弱の畑を所有。基本的に造られる赤ワインはシラー、白ワインはマルサンヌ、ルーサンヌを使用した、長期熟成型のワインとなる。

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ティボー・リジェ・ベレール - 茶目っ気たっぷりの哲学者的思考の生産者

ティボー・リジェ・ベレール - 茶目っ気たっぷりの哲学者的思考の生産者

恐らく村の規模(人口)からいうとコート・ド・ニュイで一番大きいのではないだろうか。さてそのニュイ・サン・ジョルジュ村の畑は、他のニュイのアペラシオン同様、赤の畑がほとんどだ。全体では約310ヘクタールあるが、そのうち約97%にあたる約300ヘクタールが赤ワインの畑だ。 茶目っ気たっぷりの哲学者的思考の生産者 2024.06.21 --- writer Kasahara web サイト https://m.thibaultligerbelair.com/28PSHZSBKB/ 目次 ニュイ・サン・ジョルジュ村の概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 2023年バレル・テイスティング 2022年ボトル・テイスティング 1. ニュイ・サン・ジョルジュ村の概要 ニュイ・サン・ジョルジュ村 恐らく村の規模(人口)からいうとコート・ド・ニュイで一番大きいのではないだろうか。さてそのニュイ・サン・ジョルジュ村の畑は、他のニュイのアペラシオン同様、赤の畑がほとんどだ。全体では約310ヘクタールあるが、そのうち約97%にあたる約300ヘクタールが赤ワインの畑だ。ほぼ毎年話題になっているグラン・クリュへの昇格についての話題に付随する話だが、現状はグラン・クリュが無いアペラシオンとなっている。ただしプルミエ・クリュの数は約40近くあり、これはどこよりも多い。 ヴォーヌ・ロマネに接する北側と中央に村があり、南側に広がるのがプレモー・プリセ地区と、南北に長い。その為ワインの味わいについてもニュイ・サン・ジョルジュの南側なのか、北側なのか、で特徴が変わるので、ワインの味わいを話す際には畑の区画がどこなのか、という所からスタートするのが通例だ。 一般的なイメージで言うと堅牢なタンニンと黒系の果実味、重厚な味わいで、これまた好き嫌いの分かれるエリアでもある。 ▲ オフィスのティボーさん自室の扉に飾ってあった似顔絵、本人の特徴をよく捉えた絵! 案内人:ティボー・リジェ・ベレール氏 2. ワイナリーの歴史 リジェ・ベレール家のブルゴーニュ 「リジェ・ベレール家のブルゴーニュでの歴史は1720年まで遡ります。当時はネゴシアン業をしていました。」 と話し始めるティボー・リジェ・ベレール氏。正直このドメーヌの歴史がそんなに長いとは思ってもいなかった。HPにも「1720年にニュイ・サン・ジョルジュでC.マレイ社とリジェ・ベレール伯爵家が設立され、1923年にリヨン証券取引所に上場した。両社はブルゴーニュで最も重要なワイン生産・貿易会社のひとつであった。」とある。現在のドメーヌの名称となっている、リジェ・ベレールの名前がワイナリーの歴史に登場したのは、1852年ルイ・リジェ・ベレール氏が相続した時だ。ちなみにヴォーヌ・ロマネのグラン・クリュ「ラ・ロマネ」は同氏の所有。現在同畑を所有している「コント・リジェ・ベレール」のルイ・ミッシェル・ベレール氏は親戚にあたる。さて現ドメーヌの当主ティボー・リジェ・ベレール氏の話に戻ろう。本人はパリ育ちと実は?都会っ子だったが、休暇等の際に、ブルゴーニュには子供の頃から遊びに来ていたそうだ。そして14歳の時にワインの仕事に就く事を志し、16歳の時には父親にボーヌのワイン学校で学びたいと相談。そこからティボー・リジェ・ベレール氏のワイン・キャリアがスタートした。「2001年に実家の全ての畑を引き継いでドメーヌをスタートしたのです。当時全ての畑はブルゴーニュに特有の分益耕作(メタヤージュ)です。土地のオーナーと畑のグローワーでその畑で出来たブドウを50:50でシェアする仕組みです。」...

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ティボー・リジェ・ベレール - 茶目っ気たっぷりの哲学者的思考の生産者

恐らく村の規模(人口)からいうとコート・ド・ニュイで一番大きいのではないだろうか。さてそのニュイ・サン・ジョルジュ村の畑は、他のニュイのアペラシオン同様、赤の畑がほとんどだ。全体では約310ヘクタールあるが、そのうち約97%にあたる約300ヘクタールが赤ワインの畑だ。 茶目っ気たっぷりの哲学者的思考の生産者 2024.06.21 --- writer Kasahara web サイト https://m.thibaultligerbelair.com/28PSHZSBKB/ 目次 ニュイ・サン・ジョルジュ村の概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 2023年バレル・テイスティング 2022年ボトル・テイスティング 1. ニュイ・サン・ジョルジュ村の概要 ニュイ・サン・ジョルジュ村 恐らく村の規模(人口)からいうとコート・ド・ニュイで一番大きいのではないだろうか。さてそのニュイ・サン・ジョルジュ村の畑は、他のニュイのアペラシオン同様、赤の畑がほとんどだ。全体では約310ヘクタールあるが、そのうち約97%にあたる約300ヘクタールが赤ワインの畑だ。ほぼ毎年話題になっているグラン・クリュへの昇格についての話題に付随する話だが、現状はグラン・クリュが無いアペラシオンとなっている。ただしプルミエ・クリュの数は約40近くあり、これはどこよりも多い。 ヴォーヌ・ロマネに接する北側と中央に村があり、南側に広がるのがプレモー・プリセ地区と、南北に長い。その為ワインの味わいについてもニュイ・サン・ジョルジュの南側なのか、北側なのか、で特徴が変わるので、ワインの味わいを話す際には畑の区画がどこなのか、という所からスタートするのが通例だ。 一般的なイメージで言うと堅牢なタンニンと黒系の果実味、重厚な味わいで、これまた好き嫌いの分かれるエリアでもある。 ▲ オフィスのティボーさん自室の扉に飾ってあった似顔絵、本人の特徴をよく捉えた絵! 案内人:ティボー・リジェ・ベレール氏 2. ワイナリーの歴史 リジェ・ベレール家のブルゴーニュ 「リジェ・ベレール家のブルゴーニュでの歴史は1720年まで遡ります。当時はネゴシアン業をしていました。」 と話し始めるティボー・リジェ・ベレール氏。正直このドメーヌの歴史がそんなに長いとは思ってもいなかった。HPにも「1720年にニュイ・サン・ジョルジュでC.マレイ社とリジェ・ベレール伯爵家が設立され、1923年にリヨン証券取引所に上場した。両社はブルゴーニュで最も重要なワイン生産・貿易会社のひとつであった。」とある。現在のドメーヌの名称となっている、リジェ・ベレールの名前がワイナリーの歴史に登場したのは、1852年ルイ・リジェ・ベレール氏が相続した時だ。ちなみにヴォーヌ・ロマネのグラン・クリュ「ラ・ロマネ」は同氏の所有。現在同畑を所有している「コント・リジェ・ベレール」のルイ・ミッシェル・ベレール氏は親戚にあたる。さて現ドメーヌの当主ティボー・リジェ・ベレール氏の話に戻ろう。本人はパリ育ちと実は?都会っ子だったが、休暇等の際に、ブルゴーニュには子供の頃から遊びに来ていたそうだ。そして14歳の時にワインの仕事に就く事を志し、16歳の時には父親にボーヌのワイン学校で学びたいと相談。そこからティボー・リジェ・ベレール氏のワイン・キャリアがスタートした。「2001年に実家の全ての畑を引き継いでドメーヌをスタートしたのです。当時全ての畑はブルゴーニュに特有の分益耕作(メタヤージュ)です。土地のオーナーと畑のグローワーでその畑で出来たブドウを50:50でシェアする仕組みです。」...

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