2023.12.18

おせち料理に合うお酒の選び方を解説!日本酒から焼酎、ワインまでわかりやすく紹介

 

年に一度、お正月ならではの特別感があるおせち。おせち料理は多彩な食材を使って彩りを豊かにしているので、おせち料理に合わせるお酒もさまざま。今回は新年を迎えるうえで欠かせないおせち料理とお酒の合わせ方について解説していきます。今のうちにおせちに合うお酒を用意して、良い新年を迎えてみてはいかがでしょうか。

おせち料理とは

「おせち」とは、漢字では「御節」と書くように、季節の節目に当たる「節の日」を指す言葉です。本来は3月3日や5月5日のような節句の日に出す料理を「おせち」と呼んでいましたが、現在は家事で忙しくしている主婦が正月の3日間ぐらいは料理をしなくても良いように、保存の効く料理をおせち料理としてふるまうという意味合いになりました。
一方で現代では、洋風おせちをはじめとして中華風などのオードブルスタイルも増えています。冷凍技術が向上したことにより、料亭や有名なレストラン、ビストロのおせちが通販で楽しめるようにもなりました。古くから親しまれている伝統的なおせちにはそれぞれ由来があります。以下でおせちに使われる代表的な食材とその由来をまとめました。

料理名

由来

田作り

カタクチイワシの子どもを干したもの。昔はイネを植える時に田んぼにコイワシを細かくきざみ、灰にまぜて肥料にしたことから、「今年もいいお米がとれますように」という願いをこめて「田作り」という名前で呼ばれるようになりました。

数の子

ニシンのことを「カド」と呼ぶことから、「カドの子」がなまって数の子になったという説があります。たくさんの卵がついていることから「数多い子」とたくさん生まれて代々栄えますようにという意味があります。

きんとん

きんとんは「金団」と書き、金の集まったもの、財宝(ざいほう)という意味。今年も豊かな生活が送れるようにという願いが込められています。

野菜の煮物

・れんこん

れんこんは昔から清らかでけがれのない植物とされています。根に穴が空いていることから、見通しがよいという意味があります。

・ごぼう

根菜のごぼうは一家の土台がしっかりするようにとの願いがこめられています。

・里芋 

親イモになると根もとから子イモが出て育つので、子どもがたくさん生まれるように願うお祝いの意味があります。

海老

熱を加えると海老の背が丸くなることから、腰が曲がるまで健康で長生きできますようにという願いが込められています。

おせち料理に合うお酒の選び方

おせち料理は元々保存を効かせるために味つけを濃くしていたことから、しっかりした味付けの料理が多いです。そのため、一般的には辛口のお酒の方が合わせやすいと言われています。ただおせちのスタイルやジャンルによって合わせるお酒も変わってくるので、日本で親しまれている日本酒、焼酎、ビール、ワインといった代表的なお酒の合わせ方を順番に解説していきます。

おせち料理に合う日本酒

まずはお正月に飲むお酒の定番とも言える「日本酒」。濃い味わいのおせち料理に合わせるなら、日本ならではの食材を使った和のおせち料理にはスッキリとした辛口の日本酒が好相性です。熱燗にして飲むなら甘口の日本酒も良いでしょう。また、きんとんや伊達巻といった甘みのある料理には、ほんのりとした甘みのある日本酒が合います。

おせち料理に合う焼酎

日本の伝統的なお酒の代表格である「焼酎」もおせち料理に合わせやすいお酒です。焼酎は料理に合わせて水割りや炭酸割り、お湯割りと飲み方のバリエーションが豊富なのも大きな魅力といえます。香りが優しく、軽やかな風味で飲みやすい麦焼酎は、かまぼこや黒豆と合わせるのにぴったりです。甘みのあるおせちには、コクのある芋焼酎と合わせると良いでしょう。また、おせちと一緒に正月に楽しまれることの多い「鍋料理」にも焼酎はおすすめです。水炊きやぶりしゃぶ、海鮮鍋など幅広く合わせられます。

おせち料理に合うビール

ビールはオールマイティに合わせられるので、お正月に飲む定番のお酒です。ビールとおせち料理を合わせる場合も、基本は辛口で、甘い料理には甘口のビールを選択するのがいいでしょう。普段からビールを飲む習慣がある人は、いつも飲まないタイプのビールや地域の特色がでたクラフトビールを飲んでみるのもおすすめです。
普段ピルスナーやラガーを飲んでいる方は、苦味のあるIPAやフルーティなヴァイツェン、深いコクのあるポーターなどを選んでみてはいかがでしょうか。

おせち料理に合うワイン

おせち料理とワインを合わせるなら、食材の産地や味付けから考えるのが良いでしょう。
たとえば、伝統的な日本のおせち料理なら日本のブドウで造られた国産ワイン、洋風のおせち料理やローストビーフ、スモークサーモンなどは濃厚な味わいでフルボディの赤ワインが合います。近年ではフレンチやイタリアン、スパニッシュなど多国籍な要素を取り入れたおせちがあるので、泡は乾杯、またはオールマイティに、白は魚介類や野菜のおつまみ、赤は肉料理にと泡、白、赤と一通り揃えて優雅に三ヶ日を過ごすのもおすすめです。

おせち料理におすすめのワインを紹介

おせち料理に合わせたいおすすめのワインを3つ紹介します。今回は伝統的な和のおせちを想定して、国内で栽培、醸造された日本ワインのなかからセレクトしました。泡、白、赤とあるので、おせちのタイプに合わせてぜひ参考にしてください。料理に合わせて3本用意して楽しむのもおすすめですよ。

中央葡萄酒 グレイス グリド甲州 2022

勝沼を代表するワイナリーが造る辛口の白ワイン。中央葡萄酒は日本の風土や勝沼の個性を反映するワイン造りを行っていて、国際的なコンクールでも評価されているワイナリーです。フルーティーな香りや爽やかな酸味などが感じられ、海鮮系のおつまみや白身や貝類の刺身などと合わせるのにおすすめです。日本原産の品種である「甲州」の特徴がうまく表現されています。

ココ・ファーム・ワイナリー のぼ ブリュット 2018

日本で開発された品種「リースリング・リオン」を主体にプティ・マンサンをわずかにブレンドして造られた辛口のスパークリングワインです。柑橘類やミネラルを感じさせるエレガントな味わいが特徴で、前菜はもちろん、揚げ物や肉料理との相性も良いです。グラスの底から立ちのぼる美しい泡が正月の華やかさに合います。

サントリー登美の丘ワイナリー 登美 赤 2017

プティ・ヴェルドとメルローを中心にカベルネ・ソーヴィニヨンを絶妙にブレンドした登美の丘ワイナリーのフラッグシップワイン。樽香と果実香のバランスがよく、エレガントな味わいに仕上がっており、熟度の高い黒紫系フルーツや白コショウなどの豊かな香りが口中に広がります。洋風おせち料理やローストビーフといった特別感のあるお正月にぴったりです。熟成にも向いているワインなので、2017年ヴィンテージはそろそろ飲み頃と言えます。


 

まとめ

おせちは料理や食材のタイプによって日本酒や焼酎、ビール、ワインとさまざま楽しめます。おせち料理にお酒を合わせるなら、基本的には辛口のお酒で、甘めの黒豆や伊達巻のときは甘口を試してみるのがおすすめです。和風のおせち料理にはビールや日本酒も合いますが、もしワインをセレクトするなら、ぜひ日本ワインを選んでみてください。おせち料理にピッタリなワインを探している方はカーヴ・ド・リラックスのオンラインサイトをご覧ください。

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この記事を書いた人

吉川 大智

吉川 大智

JSA認定 ソムリエ

バーテンダー、ワインバーのマネージャーを経てワインのPRライターに。過去には40カ国200都市の酒場とワイナリーを訪問した経験あり。