微発泡ワインとは?
微発泡ワインとは?

主な産地や製造方法、料理、飲み方をわかりやすく解説

主な産地や製造方法、料理、飲み方をわかりやすく解説

THE CELLAR JOURNAL Jan.2024 --- writer : Rui Ichikawa

微発泡ワインってどんなワイン?スパークリングワインとどう違うの?
スティルワインよりのどごしが良く、スパークリングワインより優しい味わい。
そんな微発泡ワインの魅力を解説いたします!
微発泡ワインってどんなワイン?スパークリングワインとどう違うの?
スティルワインよりのどごしが良く、スパークリングワインより優しい味わい。
そんな微発泡ワインの魅力を解説いたします!

微発泡ワインとは?主な産地や製造方法、料理、飲み方をわかりやすく解説

主な産地や製造方法、料理、飲み方をわかりやすく解説
スパークリングワイン2024.07.18

1. 微発泡ワインとは

微発泡ワインとは、泡の量が比較的少なく、繊細な泡を持つワインを指します。
スパークリングワインほど強い泡を持たず、小さな泡がグラス内に均等に広がる穏やかな泡立ちが特徴です。その軽やかな味わいはアペリティフや軽食との相性も抜群です。柔らかい泡立ちと軽快な味わいから、気軽に楽しめるワインとして人気があります。また、微発泡ワインのアルコール度数は比較的低い傾向があります。フレッシュな飲み口を持ち、低アルコールなこともカジュアルに楽しまれる理由です。

微発泡ワインとスパークリングワインの違いは?

微発泡ワインとスパークリングワインの違いは?

微発泡ワインとスパークリングワインは、泡の強さや生産方法などに違いがあります。
微発泡ワインは、少量の二酸化炭素がワイン中に残ることで細かな泡を発します。この泡はワインの発酵中に生じるもので、生産地や醸造方法によって泡の程度は異なります。泡が柔らかく、軽い口当たりなのでカジュアルなデイリーワインとして用いられることの多いワインです。

一方スパークリングワインは、強い泡を持つのが特徴です。瓶内発酵やタンク発酵によって二酸化炭素を発生させたり、発酵後のワインに高い圧力で二酸化炭素を添加してつくります。有名なものにはシャンパーニュ、プロセッコ、クレマンなどがあり、一般的に華やかで祝福的な場面で楽しまれます。

2.微発泡ワインの製造方法

微発泡ワインの製造方法

微発泡ワインの製造方法は、一般的なスパークリングワインとほとんど同じです。発酵する過程で生じる二酸化炭素を発生させる方法、二酸化炭素を注入する方法などがあります。発酵過程で二酸化炭素を発生させる場合にはこのような手順で行われます。

微発泡ワインの製造方法

【ブドウの圧搾】
収穫されたブドウを圧搾し、ジュースを得ます。この段階で、果皮や種子などが取り除かれます。

【冷却と清澄】
ジュースを冷却し、不純物や澱を取り除くために清澄化が行われます。これにより、クリアで清澄なジュースとなります。

【発酵】
清澄されたジュースに酵母を添加すると発酵が始まります。この時、アルコールと二酸化炭素が生成されます。発酵が進む過程でアルコール濃度が上がり、同時に微細な泡が生じます。

【瓶詰め(発酵中)】
発酵が完了する前にワインを便に詰めます。この時点ではワインの発酵は未完全で、糖や酵母が残っている状態です。

【発酵の完了】
瓶の中で発酵が完了します。ワインが完全に発酵すると、残糖が少なくなり酵母が沈殿してワインがクリアになります。

【澱引きと調整】
発酵過程で沈殿した酵母等の固形物を取り除きます。減った分はワインを足して調整し、最終的な味わいやバランスを整えます。

【瓶詰め】
発酵が完了すると、微発泡ワインは新しい瓶に詰め替えられます。この際瓶内に残った炭酸ガスが細かな泡を生み出します。

こうして、スパークリングワインよりも泡が控えめで、飲みやすく軽いスタイルの微発泡ワインが仕上がります。

微発泡ワインの製造方法2

3. 微発泡ワインの主な産地

微発泡ワインの主な産地

微発泡ワインはフランスのペティアンや、ドイツのパールヴァイン、イタリアのフリッツァンテなどが有名です。

微発泡name

ペティアン(Petillant)
フランス語で「微発泡」、「パチパチはねる」、「きらめく」などの意味を持ちます。ロワールなどの地域で特に生産が多い、柔らかい泡と軽やかな飲み心地を特徴とするワインです。

パールヴァイン(Perlwein)
微発泡ワインのドイツでの呼び名です。二酸化炭素を添加してつくるタイプが多いようです。

フリッツァンテ(Frizzante)
こちらはイタリアの微発泡ワイン。強すぎない柔らかい泡立ちがワインの持つ自然な味わいを引き立てます。

いずれもガス圧は2.5気圧以下。軽やかで飲みやすいワインとして楽しまれています。

【現地取材】スペインの微発泡ワイン「チャコリ」の魅力

【現地取材】スペインの微発泡ワイン「チャコリ」の魅力

チャコリ(Txakoli)は、スペイン/バスク地方で生産される微発泡ワインの一種です。
少なくとも800年前からバスク地方の農村で親しまれてきた飲み物とも言われており、バスク人にとってなじみの深いワインです。「D.O.ゲタリア」「D.O.ビスカイア」「D.O.アラバ」の3つのD.Oで生産されており、微発泡タイプとスティルタイプがあります。

微発泡タイプは古くよりバスクで造られてきた伝統的なスタイルのチャコリ。
スティルタイプは、近年の国外需要に向けてつくられた現代的なスタイルのチャコリです。このため、バスクの人にとって『チャコリ』と言えば『微発泡』のもの。微発泡のチャコリをフレッシュなうちに(熟成させずに)飲むというのが一般的です。国外への輸出に向けてスティルタイプのチャコリもつくられ、熟成を前提としたチャコリも生まれていますが、バスクで消費されるチャコリの主流はやはり『微発泡タイプ』です。

微発泡タイプのチャコリのフレッシュで軽快な味わいはシーフードや軽めの前菜、和食にもよく合います。
酸がたっぷりとあるので、濃い味付けのお料理や脂ののったお料理に併せてもさっぱりと美味しくいただけます。一言で言ってしまえば、何にでも合わせやすいオールラウンダー。日常になじむ使い勝手の良さが魅力です。アルコール度数も比較的低いため、食前~食中酒としてよく用いられます。 しっかりと冷やしていただくと、よりその爽やかさが引き立ちます。

高い位置から泡立てるように注ぐ『エスカンシア』というサーブスタイルも有名です。グラス近くから注ぎはじめ、徐々にボトルを上に持ちあげていくのがコツ。高い位置からサーブすることでチャコリの鋭い酸味が和らぎ、ワインの香りと果実味を開かせる効果があります。こちらは微発泡タイプのチャコリをより楽しむ為の注ぎ方で、スティルタイプには不要と言われています。

4. 微発泡ワインに合う料理

微発泡ワインに合う料理

軽やかでフレッシュな微発泡ワインには軽めの料理や爽やかな食材がよく合います。

◆オリーブ、ナッツ、生ハム、ブルスケッタ、ピンチョスなど、軽い前菜やタパス
◆生牡蠣、エビ、ムール貝などの新鮮なシーフード
◆リーフ野菜を使用したシンプルなサラダ
◆オリーブオイルやトマトベースのソースを使用した軽めのパスタ。
◆鶏肉や白身魚のグリルや蒸し料理
◆ゴートチーズやフレッシュチーズ、軽いクリーミーなチーズ ・・・etc

基本的にはお食事の序盤から中盤に合わせやすいワインです。微発泡ワインのフレッシュな特性とマッチするかどうかがポイントですね。

5.微発泡ワインのおすすめの飲み方

微発泡ワインのおすすめの飲み方

微発泡ワインを最大限に楽しむためのいくつかのポイントをご紹介します。

1.適切な温度
微発泡ワインはしっかりと冷やして飲みましょう。一般的な冷蔵庫の温度帯である7〜10℃が適しています。適温でサーブすることで、ワインの持つフレッシュでクリーンな味わいが引き立ちます。

2.適切なグラス
スパークリングワイン用のグラス、特にフルート型のグラスを使用すると、泡の持続性が良くなり、香りがより良く感じられます。グラスの形状は泡立ちと香りの引き立て役となります。

3.やさしく注ぐ
微発泡ワインは穏やかな泡立ちが特徴です。注ぎすぎないように注意深く注ぐと、グラス内に泡が美しく立ち上り、口当たりも滑らかに感じられます。

4.アペリティフとして楽しむ
微発泡ワインの爽やかで軽快な味わいは、アペリティフ(前菜としての軽い飲み物)として最適です。食前酒として、軽い料理やオードブルと一緒に楽しむのもいいですね。

5.食事とのペアリング
軽めの料理やシーフード、サラダ、軽いパスタ、白身魚などとのペアリングがおすすめです。素材の味わいと微発泡ワインの爽やかな特性が調和します。

6.おすすめの微発泡ワイン

ドネリ ランブルスコ・レッジャーノ・アマービレ NV

ドネリ ランブルスコ・レッジャーノ・アマービレ NV

ランブルスコはイタリア、エミリア・ロマーニャ州の微発泡ワイン。赤ワインのスパークリングと聞くと珍しいですが甘口タイプのものから食事にも合わせやすい辛口タイプのものまで幅広く生産されています。 ドネリ社は1915年創業でこちらの1本は甘口(アマービレ)タイプ。プチプチと優しい炭酸が心地よく、ぶどうジュースのようなフレッシュな果実味が特徴です。エミリア・ロマーニャ州の名物であるパルマハムやサラミ、チーズのパルミジャーノ・レッジャーノとの相性は抜群です!

赤ワイン・スパークリングワイン
ドネリ ランブルスコ・レッジャーノ・アマービレ NV

原産国 イタリア / エミリア・ロマーニャ州
品種 ランブルスコ、 ランチェッロッタ
度数 9%

丹波ワイン てぐみ 白 NV

丹波ワイン てぐみ 白 NV

京都にある丹波ワインで造られる微発泡のスパークリングワイン。
デラウェアらしい華やかでブドウそのものの香りがダイレクトに広がります。優しい泡立ちで口当たりも穏やか。果実味だけでなくほのかに酸味も感じられ心地よくスルスルと飲めてしまえそうです。

白ワイン,微発泡白ワイン
丹波ワイン てぐみ 白 NV

原産国 日本 / 京都府
品種 デラウェア
度数 10%

アストビサ アラバコ・チャコリーナ ピルピル 2022

アストビサ アラバコ・チャコリーナ ピルピル 2022

こちらも天然微発泡を楽しめるチャコリ。明るく透明感のある色調。
梨やりんご、グレープフルーツなどさまざまな完熟したフルーツの香りやフェンネルのようなハーブの香り。酸は、いきいきとフレッシュでバランスよく、口に含むとクリスピーな泡が食欲を刺激するワインです。炭火焼の魚介類等との相性もよく、エダムやゴーダなどのチーズともおいしく召し上がっていただけます。D.Oアラバ】のチャコリは、基本的にスティルタイプが多いのですが、輸入元のいろはわいんからのリクエストで新しく天然微発泡を楽しめるチャコリをつくってもらったそうです。

白ワイン,スパークリングワイン
アストビサ アラバコ・チャコリーナ ピルピル 2022

原産国 スペイン / バスク
品種 オンダラビ・スリ、 オンダラビ・スリ・セラティエ(プティ・クルヴュ

7.まとめ

まとめ

いかがでしたでしょうか。 微発泡ワインはスパークリングワインよりももっと気軽に楽しめるワインです。
ワイン選びに迷った時には、ぜひ微発泡ワインも試してみてください♪

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