
世界が認めた畑64区画で生まれる 繊細で力強いピノ・ノワール
2025.08.24 --- writer Yamabayashi
- web サイト
- https://hirschvineyards.com/
1.ワイナリーの歴史
1980年、デイヴィット・ハーシュ氏がソノマコーストのフォートロス・シー・ヴューの地に初めてピノ・ノワールを植樹。
最初はキスラー、フラワーズ、ウィリアムズ・セリエムなど他のワイナリーへのブドウ供給から始めたが、後に自社ワインの醸造で成功を収める。2019年からは娘のジャスミン氏がワインメーカーとして参加。家族ぐるみで日本を愛し、ラベルにも東洋的なエッセンスを反映している。
▲ テイスティングルームの入口には、赤を基調とした可愛いテラス。
▲ 手に持っているワインは市場にほとんど出回らず、家族で飲むために造られるもの。ラベルには、創業者のデイヴィット・ハーシュ氏が描かれている。
2.冷涼な海岸気候が育む、唯一無二のピノ・ノワールの畑
海岸線に近く、冷涼な気候と複雑な地質を活かしたブドウ栽培を展開してきました。所有する30ヘクタールの畑は64区画に分けられ、土壌、標高によりそれぞれ異なる栽培が行われている。ブルゴーニュのクリマのような緻密な区画管理により、テロワールの個性を最大限に表現している。
▲ 約30ヘクタールの畑を64区画に分けている。左からマリ・タイム、ウエスト・リッジ、ブロック・エイト、ラッシェン、イースト・リッジの土壌。
▲ 畑が位置する場所は海岸線に非常に近く(3キロ程しか離れていない!)、複雑に入り組んだ断層があるためさまざまな土壌が存在している。
3.世界トップ30の畑に選出
製造は全て自社畑のブドウを使用し、ビオディナミを採用している。海洋性気候で、早朝から深い霧に包まれているが、午後にはすっきりと晴れ渡り、豊富な日照量を確保できる、複雑な地形の各区画のブドウを別々に仕込み、熟成させ、透明感ある果実味と複雑さ、繊細さと力強さを併せ持つ。発酵は自然酵母を主に使用し、過度な抽出を避けることで、透明感ある果実味、繊細な酸、しなやかな骨格を表現。
こうして生まれるワインは、エレガントでありながら力強さを備えたピノ・ノワールです。

4.テイスティング
この日は、以下のワインをテイスティング
①エステイト シャルドネ 2023
ハーシュ ヴィンヤーズで生産される唯一の白ワイン。わずか1.6ヘクタールの自社畑から造られるシャルドネは極少量のみ。フランス産とヨーロッパ産のオーク樽を使用している。
冷涼な気候と霧の影響でタイトな酸とミネラル感は後味に塩気のニュアンス、余韻も長く、気品あるテクスチャーを感じさせる。
②サン・アンドレアス フォルト エステイト ピノ・ノワール 2023
34の区画から収穫したブドウをブレンド。ハーシュを代表するワイン。
透明感と複雑さ、凝縮感を兼ね備えている。
③ウエスト・リッジ エステイト ピノ・ノワール 2021
標高の高い畑から収穫され、繊細で、透明感と同時に力強さも併せ持つ。
④リザーヴ エステイト ピノ・ノワール 2021
透明感のある果実味、繊細な酸、複雑なスパイス、ミネラルのニュアンスが調和、ベルベットのような舌触りで、深みと丸みがある味わいが楽しめる。
⑤ブロック・エイト エステイト ピノ・ノワール 2021
ウエスト・リッジ内の区画の一部で、赤い土壌が特徴。スイス発祥のヴェーデンスヴィル・クローンを使用している。ブルゴーニュでいう、グラン・クリュの位置づけで、柔らかさ、エレガントな酸、繊細なスパイス香が特徴。非常に希少性が高い。

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