1950年代、計算や読み書きが苦手な少年たちとその担任教師が急斜面の山を切り開き、600本あまりのブドウの苗木を植えました。このブドウ畑では開墾以来、除草剤を一切撒いたことがありません。
現在、除草剤も化学肥料も使用しないこのブドウ畑の頂上に、｢第一楽章｣のブドウが育っています。立っているだけでも困難な山頂の急斜面の自家畑。この急斜面では1年中空の下で、手間をおしまぬ農作業が行われています。
手除梗したブドウを軽く破砕してステンレスタンクへ。15℃の室温を保持しながら、1日1～2回ピジャージュを行い、十分な色素と風味を抽出します。2週間醸した後マストを搾り､ワインを果皮と種から分け、その後､古樽内で野生乳酸菌によるマロラクティック醗酵を続けます。熟成は500Lのフランス産オークの古樽で約10カ月熟成。澱引き後、清澄せず無濾過で瓶詰め。
イチゴジャム、無花果、ブラットオレンジの熟した果実の滑らかな香りにナツメグ、クローブなどのスパイス、鉱物的なニュアンスも加わり複雑。
味わいはフレッシュなこまかい酸と同時に、上品なタンニン、果梗などからくる旨味も重なりタイトな余韻が長く続きます。