大陸の影響を強く受ける気候のハンガリーでは、西部から東北部までさまざまな地域でワイン造りが行われており、それぞれ異なる土壌で多様なワインが生み出されます。
ハンガリーワインの魅力を語るうえで欠かせないのが、世界的にも広く認知されている貴腐ワイン「トカイワイン」です。
ユネスコの世界遺産にも登録されているトカイ地方は、歴史的にも価値の高い醸造地です。ブダペストの北東約230kmに位置し、ボドログ川とティサ川の合流地点に広がる類まれな地形と気候が、ワインの味わいにも反映されています。
トカイワインは、主に糖度と酸のバランスがとれたフルミントというブドウ品種を用いて造られます。辛口から甘口まで幅広いワインが造られ、非常に糖度が高いリッチな風味に仕上がります。
なかでも「トカイ・アスー」は、世界三大貴腐ワインの1つに数えられるほど、多くの人に愛される極甘口のワインです。貴腐菌の作用で凝縮したブドウから造られるその味わいは、蜂蜜やメロンを思わせる香りと上品な酸が絶妙に調和しています。
甘く濃厚な味わいのトカイワインを食事と楽しむ場合は、しっかりと冷やし、フルーツを使ったスイーツや、塩味の効いたブルーチーズなどと一緒に味わうと絶妙です。希少性と伝統が詰まったトカイワインを、特別な日の1本や、大切な方へのギフトでお楽しみください。