2020.01.01

カーヴドリラックスが造り手のホンネに迫る?質問状

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カーヴドリラックスが造り手のホンネに迫る?質問状

カーヴドリラックスが造り手のホンネに迫る?質問状

我々カーヴドリラックスが、国産ワインの生産者の取材を始めるにあたり、生産者の実像に迫るべく用意した「質問状」があります。

生産者の人間像に迫る「造り手」編と、マジメにワインの造り方を根掘り葉掘り尋ねる「栽培・醸造編」。

生産者の熱量がすごいのと、文字ばかりで読みずらいところもありますが、他では目にしない生産者の素顔が垣間見ることが出来るかと思います。 多分。
是非ご一読下さい。

今後も取材を続けるたびに、回答が積み重なっていきます。
ブックマークをお忘れなく。
 

【質問状】

造り手編

 

Q1. 好きな映画、本、音楽は? 好きなアーティストをお教え下さい。

Q2. 今までにあった人生転機になったような事柄はありましたか?

Q3. 自分自身をワインで例えると、どんな感じでしょうか?(品種、味わいなど)

Q4. 小さい頃の夢はなんでしたか?

Q5. 自分自身が大切にしている事を教えてください。

Q6. 休暇はどのように過ごされてますか?

Q7. 絶対に食べたくない食べ物はありますか?理由もお聞かせ下さい。

Q8. お酒を飲んだ後の〆ご飯を教えて下さい。

Q9. ワイン以外で好きなお酒はありますか?お酒を飲まない場合はノンアルコール飲料でも構いません。
※好きな銘柄があればそれもお教え下さい。

Q10. 好きな郷土料理はありますか?

Q11. 最後の質問です。人生においてご自身が理想とする状態を100点としたら、現在点数をつけるとすると何点でしょうか。

栽培・醸造編


Q1. 北海道・道央の気候、土壌、歴史などを踏まえて、ワインを造るうえで重要だと思われる土地の特色を教えてください。

Q2. 所有している畑や、栽培を委託している契約・提携先農家さんの畑の、土壌、風向き、斜面の斜度やその向きなど、テロワールの特色・個性を教えてください。

Q3. 栽培されている品種を選んだ理由や、その土地にその品種を植えるメリットやご自身が持っている栽培品種を選んだ動機などがありましたら教えてください。

=栽培についてこだわりを教えてください。=
>例えば、自社畑を持つ際、または契約・提携先農家さんの畑を選んだ際に感じた魅力や、畑作りにおいて工夫・重視したポイントがありますか?

>また 選定や耕作、カバークロップなど、品種や環境に合わせて与えている条件で、工夫をしている点は何でしょうか?

>発芽から収穫までの畑仕事で、重視しているプロセスやこだわりがあればその理由と合わせて教えてください。

>現在のブドウの品質に対する(出来、完成度などの)思いと、将来へ期待する(ブドウの品質に対する)展望などがあれば教えてください。

=醸造についてのこだわりも教えて下さい。=
>ワイナリーの設備等、こだわりのポイントはありますか。

>選果、除こう、破砕、などの収穫した果実へのアプローチでのこだわり、または特に気を使っている点は何ですか?

>浸漬、発酵や抽出など果汁に対して行う作業で、重要だと考えている点があればその理由と合わせて教えてください。

>熟成やボトル詰めまでのワインを扱う過程で、重視していることはありますか。

>これまで造ってきたご自身のワインに関して感じている思いや、今後ご自身のワインに期待している可能性や展望などがあればぜひお聞かせ下さい。

【回答】

北海道編

Q1. 北海道・道央の気候、土壌、歴史などを踏まえて、ワインを造るうえで重要だと思われる土地の特色を教えてください。

A1. 余市は果樹の産地として長い歴史を持っている丘陵地ですので、気候・土壌から栽培のノウハウまで、しっかりとした土台があるのが利点だと思います。
また、土地としては日本海に面しているため、霜害が少なく生産量の安定を見込めるのが魅力です。
気候としては、いわゆる「リージョン1」と呼ばれる冷涼な気候帯。ブドウ産地として、北限ともいえる位置にあるので、フランスのアルザス品種や、ブルゴーニュ品種の栽培に優れています。

Q2. 所有している畑や、栽培を委託している契約・提携先農家さんの畑の、土壌、風向き、斜面の斜度やその向きなど、テロワールの特色・個性を教えてください。

A2.自社畑は日本海を望む山谷の中、10度ほどの斜度がある東向きの斜面上に位置しています。
内陸から吹く南西の風や、海のほうから吹く北からの風が入ってくる土地です。

Q3. 栽培されている品種を選んだ理由や、その土地にその品種を植えるメリットやご自身が持っている栽培品種を選んだ動機などがありましたら教えてください。

A3. 北限の土地ですので、有効積算温度からブドウを絞っていくこととなります。
そうするとアルザス、ブルゴーニュ系統の品種から選んでいくこととなりますが、私自身が、ドメーヌ・タカヒコで研修をしたこともあり、ピノ・ノワールの系統の品種を扱いたいという思いがありました。それで選んだのがピノ・グリです。
海に近いという地理的性質上、一定の湿度があるため貴腐ブドウが出やすいことも、興味深いポイントです。
冷涼地であるためアルコール度数は13度未満に抑えられていますが、一方でピノ・グリに貴腐菌が付着する。こういった状況は珍しいと思うので、それが一つのメリットかもしれません。

=栽培について=
Q4. 自社畑を持つ際、または契約・提携先農家さんの畑を選んだ際に感じた魅力や、畑作りにおいて工夫・重視したポイントがあれば教えてください。

A4. 大きな魅力は東向きの斜面であるという点です。
この周辺では朝露が出て、それが病気のもとになりやすいのですが、東向き斜面では日昇時からしっかりと畑の温度が上がるので、朝露が残る時間が短く抑えられます。

Q5. 選定や耕作、カバークロップなど、品種や環境に合わせて与えている条件で、工夫をし ている点などあれば教えてください。

A5. 長梢選定(ギュイヨ・サンプル)をしていることは、余市の中でも珍しいことだと思います。おそらく、うちを含めて2~3軒ほどです。
積雪のある北海道では、傾いた短梢選定で幹を雪の中に埋め凍傷を避けますが、長梢選定だと雪の上に梢が出てくる格好になるため、梢ごとダメになってしまうリスクは多少あります。その代わり、長梢選定は高樹齢を目指したときに優れた選定です。
北海道のブドウ栽培における常識は、樹齢20~30年での植え替えですが、この選定方法をとることによってより高樹齢のブドウを育て続ける可能性が上がります。ブルゴーニュ品種の魅力を引き出すことにもつながるので、あえて長梢選定を選択しています。

Q6.発芽から収穫までの畑仕事で、重視しているプロセスやこだわりがあればその理由と合 わせて教えてください。

A6. 有機栽培です。ボルドー液のような銅剤の散布を抑えたり、殺虫剤、除草剤などを使わないことにはこだわっています。
そうすることで、ブドウの状態の微妙な差異や畑の様子を察知する農家としての感性が必要だと考えています。
レイチェル・カーソンの『沈黙の春』のような状態になってはならないと、自然が発する声が聞こえないようなことではいけないと思っています。薬品を多用するとやはりその感覚は鈍りますし、畑も自然な姿を見せてくれなくなります。

=醸造について=
Q7.ワイナリーの設備等、こだわりのポイントはありますか。

A7. できるだけ安く済ませることです。
樹脂のタンクを使ったり、最初はプレス機も曽我さん(ドメーヌ・タカヒコ)から借りたものを使用していました。新規就農してワイナリーをやっているところは多いのですが、ブドウ農家がワイナリーになるという例はまだ一軒もありません。
もともといた土着の農家さんがワイナリーを始めていかないと、例えばブルゴーニュのようなワイン産地は生まれないと思っています。
うちが少ない設備投資でしっかり経営できれば、「お金をかけないでできるのであれば、うちもやろう。」と思ってくれる農家さんが必ず出てくると思っています。
なので、可能な限り安く済ませることはとても重要なポイントです。

Q8.選果、除こう、破砕、などの収穫した果実へのアプローチでのこだわり、または特に気 を使っている点はありますか。

A8. もしかしたら、曽我さんと大体同じ話になるかもしれませんが、選果は畑のみ、選果台はありません。徐こう、破砕はしません。
気を使っている点は、可能な限りシンプルにすることです。徐こう、破砕はすごく大変ですから、農家さんがワイナリーをやろうと思ったら、栽培面積が大きいので徐こう、破砕ができないと思います。なので、そういったプロセスを経なくてもいいワインが作れるという前例を作らなければいけないという理由もあります。
すべて全房発酵させて、プレスは雨の日にするような感じです。

Q9.浸漬、発酵や抽出など果汁に対して行う作業で、重要だと考えている点があればその理由と合わせて教えてください。

A9. 北海道は収穫が終わってからも、雪が降る前に選定を追わらせなくてはいけないんです。
なので、収穫が終わってからも忙しい。ピノ・グリをプレスするのは選定が終わるころですが、それまでは樹脂タンクの中で放置しています。
北海道ですと気温が低く、温度管理をしなくても低温浸漬の状態を作れるのですが、発酵のスタックを防ぐために暖房をつけて、15℃くらいには保つようにしています。

Q10.熟成やボトル詰めまでのワインを扱う過程で、重視していることはありますか。

A10. ポンプは使わないようにしています。
また、亜硫酸を入れていないので、ウイヤージュを1週間に2回こまめにやっています。
ウイヤージュをしっかりやると、しっかりと空気の層を取り除けますので、亜硫酸無添加でも品質を維持することができると感じています。

Q11.これまで造ってきたご自身のワインに関して感じている思いや、今後ご自身のワインに 期待している可能性や展望などがあればぜひお聞かせ下さい。

A11. まだ、ファーストヴィンテージが出たばっかりなので、何とも言えないですが、 どんぐりのファーストヴィンテージは、自分の中でよくできたと思っています。
また、先ほどと重なりますが樹齢を重ねることでワインがさらに凝縮感を持ってくれたらと思います。
あとは、私自身が長生きすることです。現在48歳なのですが、100歳まで生きたいと思っています。
他の農家さんの中には4時や5時から仕事を始める方もいらっしゃるんですが、私は8時-17時と労働時間を決めています。
畑仕事って、やっぱり大変なのであまり長い時間働くとモチベーションが持たなくなるのではないかと思っています。一般的なサラリーマンと同じ時間であれば、大変な仕事でも頑張ろうと歯を食いしばれるというか。
あとは、うちの子は娘なので、お婿さんをもらってこなくてはいけなくて。8時-17時の労働時間であれば、まぁいっかと思ってうちに来てもらえるんじゃないかと持っています。
 

Q1. 好きな映画、本、音楽は? 好きなアーティストをお教え下さい。

A1. 沖縄音楽が好き、あのゆるい感じが。夏川りみとかBOOMとか、沖縄民謡とか。(意外と兄と共通の価値観だった。)
まぁでも色々聞く派です。

Q2. 今までにあった人生の転機になったような事柄はありましたか?

A2. 大学に入ってそこの教授に出会ったこと(微生物の研究)。三年半の充実した期間だった。
そのあとココファームでブルースとの出会い。若手生産者との情報交換をしていた時代。

Q3. 自分自身をワインで例えると、どんな感じでしょうか?

A3. ピノノワールでありたい。濃すぎず繊細でありたい。日本人としての「美」にこだわりたい。

Q4. 小さい頃の夢はなんでしたか?

A4. 学芸員

Q5. 自分自身が大切にしている事を教えてください。

A5. 地域の人たちを含めた、また子供たちも含めてこの地域の活性化であったり謙虚な姿勢であったり。

Q6. 仮に1週間休みがあったら、どのように過ごしますか。

A6. 子供と遊ぶ

Q7. 絶対に食べたくない食べ物はありますか?理由もお聞かせ下さい。

A7. 生きているものをその場で絞めて食べるものとか。

Q8. お酒を飲んだ後の〆ご飯を教えて下さい。

A8. あっさりしたものがよい。最近だと〆パフェなるものがはやっているらしく、2回ほど食べたことある。

Q9. ワイン以外で好きなお酒はありますか?お酒を飲まない場合はノンアルコール飲料でも構いません。 ※好きな銘柄があればそれもお教え下さい。

A9. 小布施の日本酒。

Q10. 好きな郷土料理はありますか?

A10. おしんのべ。長野の郷土料理でいわゆるすいとん。

Q11. 理想の姿を100点とすると、現状、何点を付けますか?

A11. 60点
 

Q1. 北海道・道央の気候、土壌、歴史などを踏まえて、ワインを造るうえで重要だと思われる土地の特色を教えてください。

A1. 私たちワイン業界では“古木”(つまり)“オールドヴァイン”でなんぼ。ではそれがどうやって出来るのか、となると10年で出来上がる世界ではなく、100年スパンで出来る事を考えると、10年後上手くいかなくなるようでは難しい。
それを踏まえるとワイン造りを続ける上で“確実”な事とは、その土地がもともと産地として歴史がある事が重要になる。
この点に於いて余市は北海道果樹の産地として広く認知されています。
またヴィニフェラ種のぶどうを育ててきた40年の歴史もありながら、未だ大手メーカーが進出しておらず、“真っ白な可能性”(色々な可能性に挑戦出来る)そんな「伸びしろ」がある場所だと思う。

Q2. 所有している畑や、栽培を委託している契約・提携先農家さんの畑の、土壌、風向き、斜面の斜度やその向きなど、テロワールの特色・個性を教えてください。

A2. 自社畑のナナツモリは安山岩に由来する砂礫に富んだ火山性土壌です。一般的にワイン造りは石灰岩土壌でおこなう事が多いが、日本特有であるこの土壌だから生まれた食文化や出汁文化があるので、同じ土壌からワインを造ってそのテロワールを表現する事が大事だと思います。
北海道は秋まで比較的降雨量が少ないが、収穫時期の秋はどうしても秋雨前線の影響を受けます。この「秋のどんよりとした天気」によりアルコール度数は上がりすぎず、独特の「繊細さ」と「複雑味」を表現出来きます。

Q3. 栽培されている品種を選んだ理由や、その土地にその品種を植えるメリットやご自身が持っている栽培品種を選んだ動機などがありましたら教えてください。

A3. 「繊細さの究極を目指そう」が目指す味わいのテーマ。この「繊細」というテーマで品種を考えた際に、ピノノワールを含め、その他マスカットベーリーAや、プールサールなどいくつかの可能性を考えました。
その中で最も理想に近かったのがピノノワール。もともと余市で栽培の歴史があり、味わいの表現も「繊細さ」に加えて「複雑味」も持っています。プールサールが持つ独特の味わいである、「旨味」には惹かれたのですが、香りも含めて考えるとピノノワールを最終的に選択しました。

=栽培について=
Q4. 自社畑を持つ際、または契約・提携先農家さんの畑を選んだ際に感じた魅力や、畑作りにおいて工夫・重視したポイントがあれば教えてください。

A4. 地元の農家の方々がワイン造りをする事が風土(テロワール)になる、それが私の取り組みたい一つ大きなテーマ。余市の一番の魅力は日本一のヴィニフェラ種の産地でありながら、当時ワイナリーが1軒しかなかった、その真っ白な可能性の“伸びしろ”にある。
私たちの多くが伝統産地のワインに惹かれる理由はやはり歴史・(食)文化であり、それらの風土に魅力を感じているのではないでしょうか。
土地に根付いた食文化の中でどのようにワインを造り、その風土を形成していくのかを考えると、やはりその主役は農家であると思います。日本にある味噌、醤油、漬物のような固有の食文化は農家が地元で造り上げてきて、広がった分かりやすい例。
余市は工業化、大量生産をするような産地ではなく、農家単位でワイン造りを実践して風土を形成していける可能性を残しています。
それには先ず農家の方々にも実践出来るようなワイン造りのスタンダードが一番必要な事。無理なく出来るスタイルを確立する事が私たち世代のミッションなので、よく休んで頑張れる範囲で出来るワイン造りを目指しています。

世界の標準や常識となっている事をそのままおこなうのではなく、まずは自分たちの土地に何が合っているのかを実際検証しながら考える事が大事。 例えばぶどうの木の根は一般的に下に向かって成長していくものだと考えられていますが、実際は横に向かって伸びているのではないかと感じています。ナナツモリの畑では横に広がって浅根が出るので、畑を耕起するようになりました。キャノピーマネージメントではなく、ルートマネジメントという考え方ですね。
畑を耕起する際も手作業では、手間もかかり農家の方では出来ないので、トラクターを畑に入れて行って極力作業を効率化して再現性の高い事業モデルを意識しています。
その際にもトラクターを畑に入れると土を踏み固めてしまうので、地面への圧力を分散する為にキャタピラーを装着して工夫をして取り入れています。

北海道は灰色カビ病のリスクが一番高いです。一方有機栽培で使える灰カビに対しての有効な試薬がない。では対策として何をしているのか。花かす落としです。
灰色カビ病の一番の原因として考えられるのは花びらだったり、結実しなかった実だったり植物の死骸。まずはこれらを除去すれば灰カビのリスクを大幅に下げる事が出来ます。
他のワイナリーの方々がやっている事を色々と試しましたが、一番効率がよかったのが ブロアー(落ち葉を飛ばす機械)での対処方法。
灰色カビ病の発生率が一番酷いときの80%から50%まで低減、2回ブロアーを使ったら今度は5%程度まで発生率を抑える事が出来ました。
その上作業量としては3人で1日半から2日程度で出来ます。あとは除葉を少しだけして、風通しを良くしてあげる、やはり目的は灰色カビ病の予防ですね。

=醸造について=
Q5.ワイナリーの設備等、こだわりのポイントはありますか。

A5.農家の人が再現できる、コストを掛けない設備と安定的な量を造れるためのスタンダード造りを目指しています。
ブドウを収穫したらそのままタンクに入れておけばよい。除梗をするのはやはり農家にとって手間がかかるので、結果全房発酵をしています。全房発酵をスケルトン(透明)のポリタンクで行っている為、目視で状態を確認出来きます。合理的だし管理もし易いですよね。
またうちは発酵を分析するのではなく、液体の(比重)重さで計測しています。発酵の状態により重さが変わるので完璧なタイミングでプレスをして、終える事が出来る。また重量を計測して判断をしているのでデータとしてもかなり正確です。

澱引きはしたくないですね、何故ならやはり手間なので。
澱引きすると還元香が出やすいと言われているが原因は亜硫酸塩にあるのではないかと考えており、その理由からワインへの(亜硫酸塩の)添加する量を少なくするようになりました。また農薬を使ったブドウは還元香が出やすいですね。
特に買いブドウだと出る事が多かったので、減農薬や収穫前に農薬を使用する量を減らしてもらった所、香りが出にくくなった経験があります。やはりポイントは酵母が気持ちよく沈んで心地よく発酵する事が大事なのだと思います。

「果実味」をどうとらえるのか?強い果実味は目指す姿ではないので、どこまで果実味を出す事を目指すべきなのかが今の課題ですね。
一つ言える事としては古木だと確実に均一に熟してくるので若木とはやはり違います。酸化しづらいという点でポテンシャルが上がってくるように感じています。
あとは日本のワインの魅力は四季と合わせた食材とどう合わせるのか、その中でどう味わいが変化していくのかだと思います。
欧米のように50年100年という熟成を期待するのではなく、もっと短い期間で四季(味わいの)変化を表現出来た方が日本らしいのではないか。季節とともに変化する出汁のような味わいと香りを楽しむ。じわっと沁みるような日本人の世界観を目指したいです。

醸造責任者 アンジェロさん(以下ア)プーリア州出身
ワイナリー長 伊藤さん(以下伊)

Q1. 好きな映画、本、音楽は? 好きなアーティストをお教え下さい。

A1.
ア:ブレードランナー、映画監督のリドリー・スコットが好き

伊:私はジョニーデップ大好きなので、彼がでている映画は一通り好きですね

Q2. 今までにあった人生の転機になったような事柄はありましたか?

A2.
ア:哲学を大学で学んでいました。そのときの大学の教授がワインが大好きで、その影響をうけてワインが好きになった。
そのあとワインバーをひらいていたが、その中で実際に醸造してみたいという興味が沸いて醸造家に転身した。
母が教師だったので、小さい頃はイタリア各地を転々とした経験があります。

伊:私は大学卒業のときが就職氷河期のときだったんですけど、ずっと楽しいことしたいと思っていて、たまたま手にとった求人誌をみていたら勤務地がドイツというのがあって、それに飛びついて4年間ドイツのレストランで働いたときに人生観がかわりましたね。世界って広いなと感じて、やっぱり行動にうつすようになって、やらないよりやって後悔したいという風に考え方がポジティヴになりましたね。

Q3. 自分自身をワインで例えると、どんな感じでしょうか?

A3.
ア:たぶんプリミティーヴォ。プーリアのブドウで、ストラクチャがしっかりしていて、甘くて、酸もなくてアルコリックだから

伊:自社のピノノワール。うちのピノノワールは非常に病気に強いクローンなんです。いまスパークリングにして二次発酵にしたり、スティルにしたり色々な可能性があると思うので。私もいい年になったけど、まだまだ可能性が自分にあると思っているので。

Q4. 小さい頃の夢はなんでしたか?

A4.
ア:本当に小さいころは海沿いに住んでいたので、サーファーとか漁師とかになりたかった。やっぱり自分が海に近い環境に生まれ。その生活の中で、海というのが欠かせないものだったので。

伊:記憶にある限りの一番小さいころの夢は、クレイ粘土のアニメーター。クレイアニメが大好きで、あのコマ撮りしていろんな形になっていくのをみて、すごい衝撃をうけたんです。いまでも好きです。ちなみに今も携帯カバーはひつじのショーンをつけてます。

Q5. 自分自身が大切にしている事を教えてください。

A5.
ア:毎日、今日の一日を良い人生として過ごせるように、毎日違うことにチャレンジしていくこと。たとえばランニングして頭の回転をよくしたり。

伊:アンジェロさんと一緒ですね。歳を取れば取るほどですけど、毎日生きることがあたりまえじゃないので。だから毎日全力で生きるということ。

Q6. 仮に1週間休みがあったら、どのように過ごしますか。

A6.
ア:波がよかったらサーフィン、波がよくなかったらランニング、あとはクロセフィット。アメリカの海軍とかがやるスポーツです。体を動かして限界を目指す、倒れるまで動くというもの。

伊:本を読むのも大好き。マンガも含めて。行く当てもなくドライブしながら音楽をガンガンかけて大熱唱したり。ほかの人に見られても私は全然平気!

Q7. 絶対に食べたくない食べ物はありますか?理由もお聞かせ下さい。

A7.
ア:チーズ!匂いがまずだめ。熟成したものはもうほんと無理。自分の息子たちは食べるけど。モツァレラはギリギリOK。

伊:アンジェロほど絶対だめってわけじゃないけどツナ缶。小さいころからずっと。においとか油とか食感も。だから私ツナおにぎり買ったとないです。

Q8. お酒を飲んだ後の〆ご飯を教えて下さい。

A8.
ア:その時に何を飲んでいたか、食べていたものによりますね。ラーメンも好き、とくに九州の豚骨ラーメン好き

伊:私〆ないんです。ずっと飲んでいるので〆ないです。

Q9. ワイン以外で好きなお酒はありますか?お酒を飲まない場合はノンアルコール飲料でも構いません。 ※好きな銘柄があればそれもお教え下さい。

A9.
ア:いっぱいある!日本のだったらエビスビール、あの苦みが好き。ニッカ竹鶴、バーボンはアメリカの甘いやつも好き。スコッチはあんまり飲まない。

伊:私はビール以外。ドイツ行ってたんであれなんですけど、あのビールの麦と炭酸のコラボレーションがどうしてもわからない。普段は本絞りグレーフルーツ。レモン派だったんだけど、リキュール入るようになっちゃったって味が変わったからグレープフルーツを最近のんでます。

Q10. 好きな郷土料理はありますか?

A10.
ア:イタリアでいえばピッツァ、タリアテッレ。日本だと寿司、とくにマグロとサーモン。

伊:私出身埼玉なのであんまり郷土料理ないんです。北海道きて美味しいなとおもったのはきりこみ。干したニシンを米麹で発酵させたものなんですけど、日本酒のつまみには最高ですよ。ワインには合わないけど。

Q11. 理想の姿を100点とすると、現状、何点を付けますか?

A11.
ア:イタリアにいたときは90-95点、日本にきてからは0点からのスタートだから、いまは0・5か1点くらいかな。
日本語がまだ全然わからないので点数低いです。

伊:難しい質問だと思ったんですけど、100です。ただ明日になればまたそれが上がると思いますが、今日の時点では100です。まあでも人からみたら20点て言われるかもしれないけど、私としては100点です。
 

Q1. 北海道・道央の気候、土壌、歴史などを踏まえて、ワインを造るうえで重要だと思われる土地の特色を教えてください。

A1.四季の移り変わりがブドウのボディや酸、皮など全てに良い影響を与える。

Q2. 所有している畑や、栽培を委託している契約・提携先農家さんの畑の、土壌、風向き、斜面の斜度やその向きなど、テロワールの特色・個性を教えてください。

A2. 南北に垣根が広がり朝から晩まで太陽のエネルギーを受けることができる。
海からの風と山からの風が畑を吹き抜け、畑にとって良い環境を整えてくれる。
雪、風、太陽、海、山、自然のエネルギーがあふれている。

Q3. 栽培されている品種を選んだ理由や、その土地にその品種を植えるメリットやご自身が持っている栽培品種を選んだ動機などがありましたら教えてください。

A3. レンベルガーやツヴァイゲルトなどの赤ぶどうは粘土質な土壌に向いている
気候はシャンパーニュやブルゴーニュように冷涼なためシャルドネやピノノワールが向いている

=栽培について=
Q4. 自社畑を持つ際、または契約・提携先農家さんの畑を選んだ際に感じた魅力や、畑作りにおいて工夫・重視したポイントがあれば教えてください。

A4. 先代の藤本毅さんが30年かけて作り上げた素晴らしい畑と栽培技術を継承し、併せてコタレッラ氏から世界基準の栽培技術を学んでいる。

Q5. 選定や耕作、カバークロップなど、品種や環境に合わせて与えている条件で、工夫をしている点などあれば教えてください。

A5. 雨が多いので草生栽培をおこなっている、除草剤不使用。

Q6. 発芽から収穫までの畑仕事で、重視しているプロセスやこだわりがあればその理由と合わせて教えてください。

A6. 毎日ブドウを観察する、その年ごとの余市やその他の地域でのブドウ栽培の様子を知ることも大切ですが、まずは自分の畑を知ることが何よりも重要と考える。

Q7. 現在の葡萄の品質に対する(出来、完成度などの)思いと、将来へ期待する(葡萄の品質に対する)展望などがあれば教えてください。

A7. 年々、ブドウの品質は良くなってきている。
今後は同品種においても区画ごとの個性を把握し、ワイン造りへと繋いでいきたい。


=醸造について=
Q8.ワイナリーの設備等、こだわりのポイントはありますか。

A8.サニテーションが何よりも重要と考える。

Q9.選果、除こう、破砕、などの収穫した果実へのアプローチでのこだわり、または特に気を使っている点はありますか。

A9.どの作業においても温度管理の徹底。

Q10.浸漬、発酵や抽出など果汁に対して行う作業で、重要だと考えている点があればその理由と合わせて教えてください。

A10.適時のブドウ収穫。

Q11.熟成やボトル詰めまでのワインを扱う過程で、重視していることはありますか。

A11.定期的にテイスティングを行い、常にワインの状態を把握する。

Q12.これまで造ってきたご自身のワインに関して感じている思いや、今後ご自身のワインに期待している可能性や展望などがあればぜひお聞かせ下さい。

A12.一つのボトルにチームの様々な思いや努力が詰まっている。
今後もチーム一人一人がプロフェッショナルを目指し、チームで楽しくブドウ栽培、ワイン醸造を行っていきたい。

Q1. 好きな映画、本、音楽は?好きなアーティストをお教え下さい。

A1. 特段ないですね、映画とかも見ますけど、好きというところまでたどり着かない。
無音が好き、静かなほうが良いので音楽あんまりきかないですね。
本はビジネス本とか経済の本とかは好きです。

Q2. 今までにあった人生の転機になったような事柄はありましたか?

A2. 大学を辞めて実家で働いているときに苦しい時期が2回ぐらいあって、ワインのテイスティングを社内でしたとき、あとは海外のセミナーが外国語で全然わからなっかたことがあって、己の無力さを知ってしまった。ワインの作業をしているときは気づかなかったんですよ、それで海外にいくことにしたんですよね。
20代前半のころに化学の勉強のためにカリフォルニアにいってたんですよ、言葉がわからないストレスはありましたね。サンフランシスコとかサンフォゼに7年弱住んでました。
そんなときにある日突然父がアメリカにきて、日本に帰ってこいという話になって、ビザの更新とかのタイミングもあったので帰ってきました。

Q3. 自分自身をワインで例えると、どんな感じでしょうか?

A3. 難しいですね。日本のピノノワールですかね。まず気難しくて、派手さがない、あんまり華やかでない、そこまで評価が高くないとか、まだ世界にみとめられていないとことか。
ひと時は自分を売ろう売ろうとしてたときもありましたが、今は一歩ずつコツコツやっていくという考えにかわりましたね。

Q4. 小さい頃の夢はなんでしたか?

A4. いっぱいあるんですよね。覚えてるのはパン屋かな。
→その次は動物が好きだったので、そういう世話をする人
→次は博士、白衣をきた研究者みたいな人ですね。子供のころ顕微鏡のおもちゃをかってもらって、それが楽しかったんですよね。
→ハンドボールの選手かな。食べていけないとわかって諦めましたけど。

Q5. 自分自身が大切にしている事を教えてください。

A5. むずかしいですけど、和の心。日本人の精神性みたいな。たとえば人に優しくとか思いやりとか細部にこだわるとことか

Q6. 仮に1週間休みがあったら、どのように過ごしますか。

A6. 休みがないんですけどね。けどもし行くとしたらお取引のあるお客様のところかな。温泉旅館とか。仕事と微妙なところですけど。

Q7. 絶対に食べたくない食べ物はありますか?理由もお聞かせ下さい。

A7. 結構あります、好き嫌い多くて。美味しくなさそうなもの、見栄えの悪いもの、辛いものは食べたくないですね。
だから虫とか絶対むりですね、ケーキの派手なやつとか、あのアメリカのああいうやつ。

Q8. お酒を飲んだ後の〆ご飯を教えて下さい。

A8. 千歳限定でいえばぶたしゃぶみたいなの昔いってましたけど、でも最近いってないですね。そもそも〆のご飯はあんまりいまは食べたくないですね。

Q9. ワイン以外で好きなお酒はありますか?お酒を飲まない場合はノンアルコール飲料でも構いません。 ※好きな銘柄があればそれもお教え下さい。

A9. ないですね、ワインしか基本のまないです、選べるのであれば。もともとそんなに酒量が多くないので、飲みたいのだけ飲むとすればワインですね。基本的に苦いのが好きじゃないんですよね。

Q10. 好きな郷土料理はありますか?

A10. ほうとうしかないですよ。それ一択じゃないですか僕の場合。別にすきじゃないけどそれしかないから。
千歳らしいのでいえばヒメマスの塩焼きですかね。

Q11. 理想の姿を100点とすると、現状、何点を付けますか?

A11. 難しいですねそれは。おそらく100点というのは自分の作ったワインをのんで満足するということだと思うんですよね。
自分のワインを最高だと感じるときがきたら山奥とか海に面したところでのんびり隠居したいですね。
だからいまは30点もいってないですね。

Q1. 北海道・道央の気候、土壌、歴史などを踏まえて、ワインを造るうえで重要だと思われる土地の特色を教えてください。

A1. 中央葡萄酒としては1988年に千歳ワイナリーが開設するんですけど、その時の生い立ちは千歳市の農業自体が代わろうとしていく中で、ハスカップという果物を広めてくための起爆剤としての酒造り。それと同時に中央葡萄酒が欧州系のブドウ品種にチャレンジしていくなかで、冷涼系のものがうまくいっていなかった。その中で北海道でハスカップをつかって酒を造るということで醸造所をつくるきっかけをいただいた。
畑は同時進行で探していて、畑は1988年から探し始めたんですが、1992年にようやくたどり着いたのが余市町の木村さんでした。木村さんはすでにピノノワールを植えていて、余市で契約してくれたのは木村さんだけでした。
余市は冷涼ですが、北海道内では温暖です。もともと果樹の栽培地でした。そして当時ピノノワールの栽培をうけてくれたのが木村さんだった。ピノノワールを造るうえで、寒すぎてもいけないし、晩熟でも霜にやられてしまうので、余市は適していた。

Q2. 所有している畑や、栽培を委託している契約・提携先農家さんの畑の、土壌、風向き、斜面の斜度やその向きなど、テロワールの特色・個性を教えてください。

A2. いまハスカップ以外はすべて木村さんのブドウなので、畑は一つで土壌は凝灰質砂岩がメインです。
場所によっては小高い丘になっていて、南向斜面と北向斜面がありますが、東向斜面もあり、やや複雑な地形です。
しっかりとした酸が残りながら、熟度も高いブドウが取れる場所かと思います。

Q3. 栽培されている品種を選んだ理由や、その土地にその品種を植えるメリットやご自身が持っている栽培品種を選んだ動機などがありましたら教えてください。

A3. ピノノワールをやりたいという父の想いから。
涼しい地域なのでリースリングもやりたかったけど、木村さんから難しいのではないかという話があり、ケルナー、ミュラー、バッカスが候補にあがったんです。が、この品種のなかではケルナーが一番ボディがのる品種だったのと、純粋に好みだったので。
ピノで夢を追って、ケルナーで採算性をとるような形をとりました。

=醸造について=
Q4.ワイナリーの設備等、こだわりのポイントはありますか。

A4. 設備は至ってシンプルで、建物自体は札幌軟石という石をつかった石倉で文化的価値はありますが、あまりアドバンテージは感じていないですね。どっちかっていうとクラシックですかね、良いふうに表現すれば(笑)マンパワーでがんばります!
その分職人のクラフトマンシップが表現しやすいのかなと。細かいところでいえばプレス機とか密閉型のものを導入したりして近代的な設備もいれています。アロマティックな品種をあつかっているので。
建物自体は60年以上前につくられたもので、我々がはいったころに改修して、補修などしてつかっています。

Q5.選果、除こう、破砕、などの収穫した果実へのアプローチでのこだわり、または特に気 を使っている点はありますか。

A5. 除梗は8割以上はしています。
破砕は若干しています。とにかくやわらかく繊細なスタイルに仕上げていきたいので、たとえば空気にふれさせないとか。

Q6.浸漬、発酵や抽出など果汁に対して行う作業で、重要だと考えている点があればその理由と合わせて教えてください。

A6. ケルナーとピノノワールとでは違うと思いますが、通じて言えるのはピュアにつくっていくかということだとおもいます。果汁の扱い方にはとくに気を付けています。果実の状態をみて色々とやり方を変えています。その判断を収穫前にしています。
重要なのはケースバイケースで対応できるかということだと考えていて、必ず何かをしなくちゃいけない、という風には考えてないです。
ピジャージュとかもふくめて手作業でやっていますが、時代には合わないかもしれないけど、その分ワインに寄り添ってやっている、という感じです。

Q7.熟成やボトル詰めまでのワインを扱う過程で、重視していることはありますか。

A7. 当たり前ですけど、樽熟成のワインはコンディションチェックをしっかりしています。
最終的なバレルテイスティングによって商品の構成を変えています。

Q8.これまで造ってきたご自身のワインに関して感じている思いや、今後ご自身のワインに 期待している可能性や展望などがあればぜひお聞かせ下さい。

A8. ヴィンテージ評価って一定基準があって上下するんでしょうけど、北海道の場合まだ時間的な問題なのでしょうけど、まだそういうものがないですよね。ただその中でも特段喜びを感じる節目の年ってあったんですよね、2008とか2014とか、2019も良いという人もいますね、余市の話ですけど。そういう機会を経験することによって、やっぱり可能性という言葉から少しだけ現実味を帯びた喜びが得られるんですね。
2000年代前半まではただ苦しい、しんどいだけというのが続いていましたが、2008、2014を経験したことで、我々も一定程度のものがつくれた。いかにボトムラインをそういうものに近づけていくか、安定的にそういうところに達するようにつくる
。 また、気候変動がおこっています。これからの北海道において気候が変わっていくことも考慮した部分も必要と考えてる。
雨がふらない、と思っていた季節にふったりしてますから。台風とか。
何度か経験した良いといわれたヴィンテージを基準にして、さらに良いもの、ビックヴィンテージというようなさらに高い目標をもってやっていきたいです。
 

Q1. 好きな映画、本、音楽は? 好きなアーティストをお教え下さい。

A1. ルドルフ・シュタイナーの「いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか」(いかちょう)
彼が書いた4大秘書の中の一つなんですが、
ビオディナミを理解するにはシュタイナーを理解しなければだめだと思って読み始めたんです。
それで読んだら、ビオディナミよりもシュタイナーのほうにはまってしまって。
そのきっかけとなった本です。

Q2. 今までにあった人生の転機になったような事柄はありましたか?

A2. 北海道旅行をしたことです
北海道なんて何の興味もなかったのに、友達に連れられて。
それから北海道に住みたいと思うようになって、その体験がなければいまここにいませんからね。
計画も何も立てずに、宿も決めずに車で旅をしたのも最初で最後だと思います。
それは、自分にとって大きな自信になったし、それがなければ、今この仕事もしていません。

Q3. 自分自身をワインで例えると、どんな感じでしょうか?

A3. 難しすぎますね一言で自分の性格を言うと、最近もう「偏屈」なんですよ。
でも、偏屈なワインってないですよね。偏屈とかへそ曲がりとか、そういうことしか思い浮かばないから。
それをワインに例えるのは難しいですね。

Q4. 小さい頃の夢はなんでしたか?

A4.電車の運転手さんになりたかったですね。
由紀子さん:電車が来ると「あ、何系」とか言うんですよ。イラッっとします。

Q5. 自分自身が大切にしている事を教えてください。

A5. 今出てこないのでパスで。

Q6. 仮に1週間休みがあったら、どのように過ごしますか。

A6. 自分たちで休暇は設定して、旅にでます。先日は函館にいってきました。
3泊4日で行ったんですけど、周りの葡萄農家の仲間には、「あいつなにやっているんだ。」とか言われてましたけど。

Q7. 絶対に食べたくない食べ物はありますか?理由もお聞かせ下さい。

A7. 食べられないのは、サトイモですね。あの触感がだめで、けんちん汁を食べていて、サトイモを大根だと思って食べた時の衝撃は。体に電気が走りました。食べたことなくて食べたくないのは「ホヤ」です。

Q8. お酒を飲んだ後の〆ご飯を教えて下さい。

A8. 炭水化物がないと生きていけないので、必要ですね。ラーメンでもなんでも。
燃費が悪いので、いくら食べても太らないんですよね。いいんだか悪いんだか。

Q9. ワイン以外で好きなお酒はありますか?お酒を飲まない場合はノンアルコール飲料でも構いません。 ※好きな銘柄があればそれもお教え下さい。

A9. ビールですね。好きな銘柄は、細かく言うと志賀高原ビールのペールエールです。
単純に飲んでおいしいから。

Q10. 好きな郷土料理はありますか?

A10. なんかあるんだろうけど、今浮かばないですね。

Q11. 理想の姿を100点とすると、現状、何点を付けますか?

A11. 65点ぐらいじゃないですかね。
収穫量が当初予定していた量を下回っているので、思うような本数ができていなくて、ほしいという人に届いていないのが課題です。味のほうは大変満足しているので、その面ではもっと高得点をあげてもいいかと思うのですが、何分量を作れていないので。50点とかもっと辛口でもいいのかもしれませんが、甘目で65点ですかね。
 

Q1. 北海道・道央の気候、土壌、歴史などを踏まえて、ワインを造るうえで重要だと思われる土地の特色を教えてください。

A1. 歴史なんてほとんどないんであれなんですけど、葡萄栽培の北限に当たるという特徴があって、北限だからこそできる、ここでしか出来ないワインを作りたいと思っています。

Q2. 所有している畑や、栽培を委託している契約・提携先農家さんの畑の、土壌、風向き、斜面の斜度やその向きなど、テロワールの特色・個性を教えてください。

A2. 一つは、南向きの斜面であるということです。北限の土地では条件の良い場所でないと、葡萄は育たない。もうひとつこの土地を見て思ったことは、空が広いこと。遮るものがないので、一日中陽が当たります。そんなにはないんですね。

Q3. 栽培されている品種を選んだ理由や、その土地にその品種を植えるメリットやご自身が持っている栽培品種を選んだ動機などがありましたら教えてください。

A3. 北限というギリギリの環境では、栽培できる品種が限られる。その選択は慎重にやらなければなりません。私の場合は北海道ワインで栽培をしていたので、そういった条件に合う品種は大体わかっていました。あとは、まだ誰も植えていない品種を作りたかった。それがゲヴェルツであり、ピノグリであり、シルヴァネールであったということです。この土地においては、特にゲヴェルツが重要であると思っていて、北海道以外、なかなか国内では難しい、よほど涼しいところでないと。ですが、この辺であれば普通に出来てしまうんです。単位面積あたりの収量が上がらないことを嫌ったり、香りが強すぎると言って避けたりする傾向もあって、周囲ではあまり植えられていないのですが。

=栽培について=
Q4. 自社畑を持つ際、または契約・提携先農家さんの畑を選んだ際に感じた魅力や、畑作りにおいて工夫・重視したポイントがあれば教えてください。

A4. そんなにはないんですね。そんなに自由度はないんです。たとえば垣根なら南北に取れるなら南北に取るものなので。ここは風向きも南北に吹くので、自分のこだわりというよりも、必然でした。そういうことの積み重ねで、畑を設計する段階では、何か信念があってこうしたというようなことはなかったと思いますね。

Q5. 選定や耕作、カバークロップなど、品種や環境に合わせて与えている条件で、工夫をしている点などあれば教えてください。

A5. うちは見ての通り雑草草生というやり方なんです。そこに生えている草を生かして、いろいろな草が生えているような状況で葡萄を育てたいと思っています。土は基本的に起こしません。

Q6. 発芽から収穫までの畑仕事で、重視しているプロセスやこだわりがあればその理由と合 わせて教えてください。

A6. 基本のポリシーが「余計なことはしない」なんです。あまり徐葉をしないのも余計な作業だと思っているからで。最低限の作業で、あまり手をかけすぎないで、本当に葡萄が必要としている作業のみをすることが大事だと思っています。

Q7. 現在の葡萄の品質に対する(出来、完成度などの)思いと、将来へ期待する(葡萄の品 質に対する)展望などがあれば教えてください。

A7. 葡萄に関する出来完成度は難しいのですが、結果的にできてきているワインは、自分たちの想像以上のものができています。ということは、はそれなりの良い葡萄ができているのだろうという認識でいます。自分たちの植えた品種が本当にこの土地に適しているのか、それ以上適した品種がほかにあるのではないかという可能性は残っているので、そういったことを、少しずつやっている。今植えているものでいえば、ソーヴィニヨンブラン や サヴァニャンが、その例です。少しずつ試験栽培をしながら、他品種の可能性を探り続けていきたいと思っています。

=醸造について=
Q8. ワイナリーの設備等、こだわりのポイントはありますか。

A8. 自分たちのこだわりはそんなにない。
ごく普通です。作業がしやすい、清潔が保ちやすい。楽しそうな話は、うちからはでてこないですよ。

Q9. 選果、除こう、破砕、などの収穫した果実へのアプローチでのこだわり、または特に気 を使っている点はありますか。

A9. 選果は畑でやる。選果を含めて一つの一つの作業を丁寧にやる。
除梗機を使わず、網で行うのも「丁寧にやる」ことの一環。とにかく葡萄を傷つけないようにします。
触れば触るだけ傷んでいくから、できるだけ葡萄に触りたくないんです。
収穫した段階で、もう絞ってもいいようなきれいな状態の葡萄が欲しい。

Q10. 浸漬、発酵や抽出など果汁に対して行う作業で、重要だと考えている点があればその理由と合わせて教えてください。

A10. ないですよね。丁寧に絞ってきれいな果汁を得る。きれいな果汁っておかしいんですけど、発酵に適しているのが、透き通ったきれいな果汁なわけでもない。そこは最終的なワインの姿を見極めながら、絞っています。
発酵についても、うちは自然発酵なので、見守るだけです。発酵が始まってしまえば、心配ないので、特に自分たちが何か手を加えたりはしない。人によっては、果汁を酸化させないでボトリングまでいきたいという方もいますが、設備もそこまでのものがないし、以前と比べても酸素を恐れていません。なので、無理に酸化はさせないけど、過剰に守ったりもしない。

Q11. 熟成やボトル詰めまでのワインを扱う過程で、重視していることはありますか。

A11. ないなぁ・・・。やるべきことをひとつひとつやっているだけなので。
醸造は基本的に引き算なんですよ。もともと葡萄が持っているものが100だとしたら、その100のまま、どれだけ引き残を少なくしてにボトルまでもっていくか。特別なことをしようとすると、引き算が大きくなるんですよ。多分。
 

Q1. 好きな映画、本、音楽は? 好きなアーティストをお教え下さい。

A1. A1. STAND BY ME ですね。
田舎に住んでいることもあって、映画内で描かれる郷愁であったり、時代感が好きですね。
子供の頃が懐かしいという感覚を今も抱えていることもあります。

Q2. 今までにあった人生の転機になったような事柄はありましたか?

A2. SF小説で『銀河英雄伝説』というタイトルがあるのですが、僕はそれを読んで社会構造を知りました。
シンプルに言えば、腐った民主主義と卓越した帝国主義はどちらが優れているかという話なのですが、それを読む中で、世の中の表と裏であったり、あとは結局、民主主義って派閥という少数による多数支配じゃないですか。そういったことも学びました。
今でも読みますし、僕が言っていることの90%は『銀河英雄伝説』で出来上がっています。

Q3. 自分自身をワインで例えると、どんな感じでしょうか?

A3. シャルドネかな、と思います。割と変化があり、ニュートラルで、生まれた環境で変わりますから。
僕は就職活動も経験しているのですが、元々仕事に関しては何でもよかったんです。公務員でも営業職でも、なんでもやる自信がありました。一番競技人口が少なくて自分が輝ける場所がワイン造りだったというだけです。
植えられた場所の特徴を反映しやすく、手を掛けただけ結果が出やすいところも何か共通するかもしれません。

Q4. 小さい頃の夢はなんでしたか?

A4. 総理大臣ですね。
小学生の頃ですが、通学路にゴミが落ちていたんです。
それらをなくすにはどうしたらいいのかを突き詰めて考えた結果、総理大臣になりたいと思いました。
この地域のゴミだけが無くなればいいのか、なんてことも考えて、段階を踏んだうえで辿り着いた夢です。
ちなみに、まだ諦めてはいません。可能性は0ではありませんから。
でも、政治家はやりたくないんですよね。
そもそも総理大臣は政治家でなくていい、寧ろ政治家がやるべきではないと思っています。

Q5. 自分自身が大切にしている事を教えてください。

A5. 一撃で答えられますよ。「家内安全」です。
これ無くして、いい仕事はできない。
家庭内の平和のためであれば、どんなことでも笑ってやり過ごせる自信があります。

Q6. 仮に1週間休みがあったら、どのように過ごしますか。

A6. 大井競馬場へ行きます。JRAは土日しかやっていないので、平日もずっとみられるという点で。
競馬という運動会の中には、展開というものがあります。
タイムトライアルで明確に遅い馬でも、何頭かと一緒に走ると速い馬に勝つことがある。
レース展開を見ることは、戦略をもったステップを踏めば力のないものが力のあるものに勝ることがあることを教えてくれるといいますか、経営をする意味でもブドウを造る意味でも鍛錬されるものがあると思っています。
田舎で農業をやっている僕でも、東京の皆さんに何か影響を与えられるのではないかという思いにもなるんです。
他にそういうレースはあまりないでしょう。100m走は純粋にタイムの世界ですから、なかなかひっくり返らないし。
それに、馬たちは勝てなかったら殺されてしまうわけですよね。一方、勝てば種馬として長く生き続けることができる。
そして、数百万の馬もいれば数十億の馬もいる。究極のマネーゲームですよ。
そんなわけで、いつか競馬場へ行ってみたいですね。

Q7. 好きな郷土料理はありますか?

A7. 逆に、山菜とか山から取ってきたようなものは食べませんね。
野生の中で何が起こったかわからないもの、完璧に毒がないかもよくわからないものを食べるなんてリスクが高いでしょう。
この飽食の我が国で、その辺に生えているものをわざわざ食べる必要があるのか疑問です。
そもそも農業従事者である以上、農作物を栽培して売るということを職としているのに、そこから最も離れた食べ物を好き好んで取りに行って食べるというのが受け入れがたい。

Q8. お酒を飲んだ後の〆ご飯を教えて下さい。

A8. 最近、酔わないようにしていて。
というのも、ろくなことがなかったんです、今まで。酔ってよかったことが僕の飲酒人生で一度もなかったんですよ。記憶をなくすなんてもっての外ですけど、「お酒を飲んだから言ってしまった。」と後悔するような言動に至るまでの量は飲まないようにしています。
あとこれは『銀河英雄伝説』で学んだのですが、
「大人になることとは、自分の酒量を知ることだ。」
という台詞があるんです。
僕も大人になりたいなと思って、飲み会の場などでも、自分の酒量を常に考えるようにしています。
要するに締めって、酔って胃が阿呆になっている状態じゃないですか。なので、お酒を締めることが先ですね。
そして、輝く明日を夢見ながら颯爽と帰ります。

Q9. ご自身やワインナリーについて、仮に理想の姿を100点とすると、現状へ何点を付けますか?

A9. 100点ですね。
本来、ここまでの結果を出したり、色々なことを任せていただけるようなポテンシャルは、僕にはなかったと思います。
環境や出会った人の数でここまでのことができていて、自分のポテンシャルに対して出来過ぎです。
こんなことを言うのは烏滸がましいのですが、政界や芸能界の方からも連絡をいただくことがあります。
自分の小中高大を振り返って、そういった人間になる資質があったかといえば、間違いなくありませんでした。

 

山形

Q1. 好きな映画、本、音楽は?好きなアーティストをお教え下さい。

A1. Love PsychedelicoとかEgo-Wrappinとか昔きいてましたね。

Q2. 今までにあった人生の転機になったような事柄はありましたか?

A2. 前に働いていたワイナリーで日本ワインコンクールで金賞をはじめてとったときに、もっと上を目指せるという自信になった。あとは研修にいったときにセイズファームの田向さんとかたくさんいて、すごい刺激になったことです。

Q3. 自分自身をワインで例えると、どんな感じでしょうか?

A3. メルロー、山形のやつ!

Q4. 小さい頃の夢はなんでしたか?

A4. パイロット

Q5. 自分自身が大切にしている事を教えてください。

A5. センス。
独立した後はとくに自分の好きなものにかこまれていたいなと思うようになった。

Q6. 仮に1週間休みがあったら、どのように過ごしますか。

A6. できたばかりの自分のショップを仕上げたい。

Q7. 絶対に食べたくない食べ物はありますか?理由もお聞かせ下さい。

A7. ホヤ。見た目が気持ち悪い…

Q8. お酒を飲んだ後の〆ご飯を教えて下さい。

A8. お茶漬け。

Q9. ワイン以外で好きなお酒はありますか?お酒を飲まない場合はノンアルコール飲料でも構いません。 ※好きな銘柄があればそれもお教え下さい。

A9. ビール。ずっとのめなかったけど農業をしたあとにのんで、おいしいと感じたことがありました。
プレミアムモルツが好き!

Q10. 好きな郷土料理はありますか?

A10. 芋煮(牛肉、しょうゆ)、冷たい肉そばというのがあって、肉は親鳥のちょっと堅めのものをいれた蕎麦です。

Q11. 理想の姿を100点とすると、現状、何点を付けますか?

A11. 50点
 

Q1.山形県・かみのやまの気候、土壌、歴史などを踏まえて、ワインを造るうえで重要だと思われる土地の特色を教えてください。

A1. 気候は育成期間が長くて、降水量がすくなく、日当たりがよいこと。あとはヨーロッパ系品種の歴史が長いことで、栽培のテクニックが皆さんレベルが高いことです。

Q2. 所有している畑や、栽培を委託している契約・提携先農家さんの畑の、土壌、風向き、斜面の斜度やその向きなど、テロワールの特色・個性を教えてください。

A2. 小さな丘のような畑で、北側斜面にはピノノワール、ピノグリ、ソーヴィニヨンブランを植えています。南向きにはカベルネソーヴィニヨンとメルローなどのボルドー品種。土壌は強粘土で、昔は陶芸用につかっていたくらいです。丘なので、水があまり溜まらずに下にながれていくが、粘土なので干ばつにも強い。あとは風通しがよいです。

Q3. 栽培されている品種を選んだ理由や、その土地にその品種を植えるメリットやご自身が持っている栽培品種を選んだ動機などがありましたら教えてください。

A3. ピノノワールやピノグリはすでに糖度20度をこえているので、手ごたえを感じている。ボルドー品種は自分がもともと好きで、しっかりしたワインをつくりたいために植えています。

=栽培について=
Q4. 自社畑を持つ際、または契約・提携先農家さんの畑を選んだ際に感じた魅力や、畑作りにおいて工夫・重視したポイントがあれば教えてください。

A4. 元々技術も意識も高い農家の方が多く、ぶどうの品質が高いこと。自社畑は、日当たりがよくて、風通しがよくて、“ 何より見晴らしがよかった ”ので選びました。

Q5. 選定や耕作、カバークロップなど、品種や環境に合わせて与えている条件で、工夫をしている点などあれば教えてください。

A5. 非耕作。除草剤もないギヨのダブル、草生栽培です。

Q6.発芽から収穫までの畑仕事で、重視しているプロセスやこだわりがあればその理由と合わせて教えてください。

A6. 樹勢をおさえるために工夫をすることです。

Q7.現在の葡萄の品質に対する(出来、完成度などの)思いと、将来へ期待する(葡萄の品質に対する)展望などがあれば教えてください。

A7. 3,4年目くらいなのでまだデータもないのですが、いいものは取れているかなと思います。糖度と酸度のバランスがとくによいかなと思います。そして将来はもっと良くなるはず!

=醸造について=
Q8.ワイナリーの設備等、こだわりのポイントはありますか。

A8.動線に無駄が無いようにしたこと。大きい冷蔵部屋は品質のために必要。コストもおさえつつ広さもとりたかったので、四角いレイアウトになっています。

Q9.選果、除こう、破砕、などの収穫した果実へのアプローチでのこだわり、または特に気を使っている点はありますか。

A9.ぶどうが入ってきた状態をいかに保っていくかを意識しています。選果はしません。畑でやっているので…

Q10.浸漬、発酵や抽出など果汁に対して行う作業で、重要だと考えている点があればその理由と合わせて教えてください。

A10.タンクを可動式にして、グラビティシステムに近い形をとれるようにしました。

Q11.熟成やボトル詰めまでのワインを扱う過程で、重視していることはありますか。

A11.なるべくさわらない、ワインを移動しない。
うまみを活かした造りをしたいと思っています。

Q12.これまで造ってきたご自身のワインに関して感じている思いや、今後ご自身のワインに期待している可能性や展望などがあればぜひお聞かせ下さい。

A12.ペティアンがほとんどだったので、ぶどうの味わいをストレートに表現できてきたかなと思います。自社醸造になったので、数多くの種類のワインがつくれるようになったので、テロワールの表現ができるようになってくると思います。

Q13.ワイナリーについて。

A13.ものづくりをしていく中でこだわりを突き詰めていったときに、自分で育てたぶどうで造りたいという思いが強くなりました。醸造、栽培、販売までたずさわれるというので独立しました。

Q1. 好きな映画、本、音楽は?好きなアーティストをお教え下さい。

A1. スターウォーズ。

Q2. 今までにあった人生の転機になったような事柄はありましたか?

A2. 元々日本酒をつくっていましたが、17年くらい前にここで甲州シュールリーをつくったことです。

Q3. 自分自身をワインで例えると、どんな感じでしょうか?

A3. 甲州、芯があって冷涼感がある感じです。

Q4. 小さい頃の夢はなんでしたか?

A4. ものをつくったりするのが好きだったので、農家です。

Q5. 自分自身が大切にしている事を教えてください。

A5. 『ワイン造りは誠実であること。』

Q6. 仮に1週間休みがあったら、どのように過ごしますか。

A6. 家族と過ごす時間が長いと思います。無趣味なので…

Q7. 絶対に食べたくない食べ物はありますか?理由もお聞かせ下さい。

A7. みょうが、味も食感もだめ…

Q8. お酒を飲んだ後の〆ご飯を教えて下さい。

A8. ラーメン!! 酒田市の満月というお店のワンタンメンはとくに好き!!

Q9. ワイン以外で好きなお酒はありますか?お酒を飲まない場合はノンアルコール飲料でも構いません。 ※好きな銘柄があればそれもお教え下さい。

A9. ウイスキーかな。でも何でも飲みます。

Q10. 好きな郷土料理はありますか?

A10. 魚はこのあたりは新鮮なものがとれるので、どういうふうにしても好きですね。あとは芋煮(豚肉、みそ)、あと米も水もおいしいので好きです。

Q11. 理想の姿を100点とすると、現状、何点を付けますか?

A11. 50点
 

Q1. 好きな映画、本、音楽は?好きなアーティストをお教え下さい。

A1. レヴィ・ストロースの「野生の思考」、あとは押井守監督の作品。意識と無意識について勉強になりました。

Q2. 今までにあった人生の転機になったような事柄はありましたか?

A2. 中学生の時に見た、押井守監督の作品。あとは九州のビオディナミの農場「ぽっこわぱか農園」にいったことです。

Q3. 自分自身をワインで例えると、どんな感じでしょうか?

A3. 自社のまぜこぜワイン。いろんなものが混ざった赤湯の個性が表現されているから。

Q4. 小さい頃の夢はなんでしたか?

A4. あまりなかった。小さいころから5代目としてやるものだと思っていました。自然と関わるのが好きなんです。

Q5. 自分自身が大切にしている事を教えてください。

A5. 人生に勝利条件があるのか。常に変化しながらも不変であること。

Q6. 仮に1週間休みがあったら、どのように過ごしますか。

A6. ワイン仕事ではなく生活。

Q7. 絶対に食べたくない食べ物はありますか?理由もお聞かせ下さい。

A7. 『絶対』というほど嫌いなものはない。

Q8. お酒を飲んだ後の〆ご飯を教えて下さい。

A8. ラーメン!塩っ気の多いものを好むDNAがあるのではないかと思う。

Q9. ワイン以外で好きなお酒はありますか?お酒を飲まない場合はノンアルコール飲料でも構いません。 ※好きな銘柄があればそれもお教え下さい。

A9. あまり飲まないけどビールです。インドの「青鬼」とか。でもやっぱり、自分のところのワインをよく飲みます。

Q10. 好きな郷土料理はありますか?

A10. 芋煮(牛肉と出汁しょうゆ)。うま味で育ったので、自分のワインもそっちなのかなと思っています。

Q11. 理想の姿を100点とすると、現状、何点を付けますか?

A11. 100点。自分のやるべきことがわかったんです。苦労はあってもそこさえあれば問題ないです。
 

Q1. 好きな映画、本、音楽は?好きなアーティストをお教え下さい。

A1. 強いて言うなら最近孫と鬼滅の刃をみた。あとスターウォーズはみてきたかな。

Q2. 今までにあった人生の転機になったような事柄はありましたか?

A2. ずっと醸造をやって来たけれども、営業に行けといわれたとき。

Q3. 自分自身をワインで例えると、どんな感じでしょうか?

A3. ブラッククイーン!酸っぱくて愛想がないけど、コクがあるから。

Q4. 小さい頃の夢はなんでしたか?

A4. プロ野球の選手。大きくなってからは甲子園で審判をしたいなと思うようになって、結局指導員にまでなりました。

Q5. 自分自身が大切にしている事を教えてください。

A5. まじめにワインをつくることです。

Q6. 仮に1週間休みがあったら、どのように過ごしますか。

A6. 実家のリンゴづくりです。

Q7. 絶対に食べたくない食べ物はありますか?理由もお聞かせ下さい。

A7. 東南アジア料理のとりが孵化する直前のものを食べるやつ...。

Q8. お酒を飲んだ後の〆ご飯を教えて下さい。

A8. ラーメン!! 山形市の有頂天の味噌ラーメンです。天童市のとり中華、あとは冷たい肉そばです。

Q9. ワイン以外で好きなお酒はありますか?お酒を飲まない場合はノンアルコール飲料でも構いません。 ※好きな銘柄があればそれもお教え下さい。

A9. なんでも飲みます。日本酒だと『而今』が好きです。和食にあう辛口でうまみがあるから!

Q10. 好きな郷土料理はありますか?

A10. 芋煮(牛肉、しょうゆ)ベーリーAと合うんです。

Q11. 理想の姿を100点とすると、現状、何点を付けますか?

A11. 100点。
 

Q1.山形県・朝日町の気候、土壌、歴史などを踏まえて、ワインを造るうえで重要だと思われる土地の特色を教えてください。

A1. 朝日町は山形県の中央部に位置し、磐梯朝日国立公園の主峰、大朝日岳の東部山麓地域にあります。 町の中心部を、最上川が 21km にわたって南北に流れ、町土の 76 %ほどが、国立公園をはじめとする山林で占められている自然豊かな町です。
最上川の両岸に広がる河岸段丘は、傾斜地で腐植に乏しい粘土質の土壌であり、この事がぶどう・りんごをはじめとする農産物の栽培に適しているとされています。気候は、内陸性のため夏は蒸し暑い日が多く、冬は寒い日が多い積雪地帯で気温の寒暖の差が大きく、国内でも四季をはっきりと実感できる気象条件となっています。

Q2. 所有している畑や、栽培を委託している契約・提携先農家さんの畑の、土壌、風向き、斜面の斜度やその向きなど、テロワールの特色・個性を教えてください。

A2. 自社畑:田んぼを土壌改良して70a作付け。昨年よりカベルネソーヴィニヨンには土壌のミネラル分と酸性度の中和の為、 天然貝化石を散布する。葡萄の葉の枚数を維持しながら摘芯します。
契約栽培町内:1130a:最上川沿いの畑、平地標高150mの畑、標高330mのぶどう畑と斜面や向きも様々です。

Q3. 栽培されている品種を選んだ理由や、その土地にその品種を植えるメリットやご自身が持っている栽培品種を選んだ動機などがありましたら教えてください。

A3. 昭和27年頃からサントリーの要請で町内にマスカットベーリーA種を作付けしましたが、このぶどうを使用したワインで「日本一」を目指しました。

=栽培について=
Q4. 自社畑を持つ際、または契約・提携先農家さんの畑を選んだ際に感じた魅力や、畑作りにおいて工夫・重視したポイントがあれば教えてください。

A4. -----

Q5. 選定や耕作、カバークロップなど、品種や環境に合わせて与えている条件で、工夫をしている点などあれば教えてください。

A5. 栽培は棚仕立てで、一文字の長梢選定です。一部に「ハヤシスマート法」を応用した単梢選定のぶどう園もあります。

Q6.発芽から収穫までの畑仕事で、重視しているプロセスやこだわりがあればその理由と合わせて教えてください。

A6.近年の温暖化でマスカットベーリーA種の色づきが悪いこと。大粒にならないように房造りの時期を変えながら試行錯誤をしています。

Q7.現在の葡萄の品質に対する(出来、完成度などの)思いと、将来へ期待する(葡萄の品質に対する)展望などがあれば教えてください。

A7.栽培嘱託指導士共にJAと年4回園地巡回をし、栽培 状況を把握し栽培指導をしています。年末に来期の防除歴を県の農業普及課と共に「朝日町ぶどう生産組合」の役員と作成しています。

=醸造について=
Q8.ワイナリーの設備等、こだわりのポイントはありますか。

A8.製造より:密閉式(クローズとオープンが出来る)タイプのプレス機を2019年導入。 白系、特にソーヴィニヨンブランなどの酸化に弱い品種を守ることができるようになり、品質の向上に繫がっています。 8月から仕込みを開始するが夏場は冷蔵庫を完備しているので5℃まで冷やしてから仕込みをしています。 平成29年3月スパークリング充填機械設備導入しました。国内3台目のインライカーボネーター、手詰めで1日700本から1時間1300本の生産能力があり、スパークリングワインの量産化を図っています。

Q9.選果、除こう、破砕、などの収穫した果実へのアプローチでのこだわり、または特に気を使っている点はありますか。

A9.製造より:ブドウの多くは契約農家からの買い入れブドウであり、毎年一定のクオリティ以上のものを栽培して頂いています。しかしながら年によって「良い畑」「そうでない畑」が違ってきます。糖度・色、房の状態など様々な観点から 見極めてキュヴェの選別を行うようにしています。

Q10.浸漬、発酵や抽出など果汁に対して行う作業で、重要だと考えている点があればその理由と合わせて教えてください。

A10.製造より:「良いブドウがなければ良いワインはうまれない」を当社のモットーとして醸造を行っているため、農家さんが丹精込めて作ったブドウのポテンシャルを最大限引き出すことを常に意識しています。ブドウのその力を引き出すことが最大の使命であり面白みでもあります。ブドウの力、その土地の個性を出来るだけ 多く1本のボトルに凝縮できるよう心掛けているんです。
また、ロゼワインはすべてセニエ法です。

Q11.熟成やボトル詰めまでのワインを扱う過程で、重視していることはありますか。

A11.------

Q12.これまで造ってきたご自身のワインに関して感じている思いや、今後ご自身のワインに期待している可能性や展望などがあればぜひお聞かせ下さい。

A12.製造より:当然でありながら、常にクリーンで安全安心して飲んで頂けるワイン造りを心掛けています。今年自社畑の一部をカベルネソーヴィニヨンに改植。今まで生産量も少なく安定的な生産が難しかったのですが、数年後は「ドメーヌ朝日町ワイン」として、新境地となる赤ワインが出来ることを期待しています。
赤ワインの一部に20%~30%セニエ法を使用しています。

Q13.組織について、ワイナリー設立の経緯など、差し支えない範囲でお聞かせください。

A13.昭和19年9月4日創業 社名「山形果実酒製造有限会社」ワインの成分の酒石酸から電波探知機に使う軍需物質ロッシェル塩を取り出すことを目的に、政府が全国の葡萄生産地に命じてワイン工場を造らせたのが始まり。
・昭和27年大手ワインメーカーの下請けとしてポートワインの原酒を造る。
・昭和48年農協の援助を受けて自社ワインの製造を始め、「サンワイン」と命名。
・昭和50年折からのワインブームにのり販売量が順調に伸び、山形朝日農協と朝日町の共同出資で、第三セクター方式の会社運営とし、新たなワイン造りがスタート。
・昭和54年様々な苦労を重ねて、マスカットベリーA、セーベル9110、リースリング・リオン、リースリングフォルテ種を原料とした新製品「朝日町ワイン」が誕生。
・平成2年社名を「有限会社朝日町ワイン」に変更。
・平成11年昭和60年より試験蒸留を始めたブランデー、朝日町ブランデー
・エスポワール「高野(たかの)」として発売。
・平成12年花と緑のうるおい空間整備事業により、見本ぶどう園とふれあい広場、ビン詰め設備と試飲・売店など工場見学が無料で出来る「ワイン城」が完成、かぐわしき花と緑の観光ワイナリーとして歩みはじめる。
・平成26年冷凍冷蔵庫・発酵タンク導入
・平成29年3月スパークリング充填機械設備導入。
・手詰めで1日700本から1時間1300本の生産能力。
・スパークリングワインの量産化を図る。
・現在年間35万本(720ml換算)の出荷で、売上高3億3千万円を超えるまでに至っています。
 

山梨

Q1. 好きな映画、本、音楽は?好きなアーティストをお教え下さい。

A1. 本は科学史とか好きです。音楽は幼少の頃からクラシックが好きですね。

Q2. 今までにあった人生の転機になったような事柄はありましたか?

A2. 大阪の大学に行ったこと。あとは醸造試験場に三年間いたことが人生のベースになっていると思います。あとは勤めていた会社を1994年にやめて実家に帰ってワイナリーを継いだことですね。

Q3. 自分自身をワインで例えると、どんな感じでしょうか?

A3. カベルネソーヴィニヨンの白ワイン。色々なものに対して執着心がないという意味で。

Q4. 小さい頃の夢を教えて下さい。

A4. 町の電気屋さんになりたかったです。機械とかいじるのが好きだったので。

Q5. 自分自身で大切にしている事は何ですか。

A5. 人間にはそれぞれの環境や立場によって役割があると思います。それを理解して全うする、ということを大切にしています。

Q6. 仮に1週間休みがあったら、どのように過ごしますか。

A6. 月並ですが本読んだり、散歩したりかな。そんなに休んだことないからわからないですね。(笑) その他には同じ業界の人たちと旅行に行ってみたいですね。あと醸造試験場時代の人たちに会いに行きたいです。

Q7. 絶対に食べたくない食べ物はありますか?理由もお聞かせ下さい。

A7. とくにないです。

Q8. お酒を飲んだ後の〆ご飯を教えて下さい。

A8. あんまり外で飲まないので、ないかな。家で飲むときはとくに〆とかは食べないです。

Q9. ワイン以外で好きなお酒はありますか?お酒を飲まない場合はノンアルコール飲料でも構いません。 ※好きな銘柄があればそれもお教え下さい。

A9. 日本酒。最近のはやりのタイプではなく、骨太の昔のタイプのが好き。あと大関のワンカップとか。

Q10. 好きな郷土料理はありますか?

A10. 自分の家でつくるほうとうです。煮干しで出汁をとるやつ。

Q11. 理想の姿を100点とすると、現状、何点を付けますか?

A11. 65点くらい。なかなか思い通りにいかないことも多いので。
 

Q1. 気候、土壌、歴史などを踏まえて、ワインを造るうえで重要だと思われる土地の特色を教えてください。

A1. 一般論ですが、気候条件としては生育期の日照多く降水量が適度に少ないこと、土壌は水はけ良好で地力中庸なこと、歴史から学べることが多い地域は恵まれたところといえると思います。

Q2. 所有している畑や、栽培を委託している契約・提携先農家さんの畑の、土壌、風向き、斜面の斜度やその向きなど、テロワールの特色・個性を教えてください。

A2. 自家農園は甲府盆地の北東から南西に流れる笛吹川の左岸扇状地上にあり、なだらかな南傾斜で礫混じりの砂質土壌です。水はけ良好でぶどうの生育は旺盛になる傾向があると思います。栽培農家も東山梨地域に点在しており、笛吹川、重川などの流域や周辺の傾斜地に位置しています。

Q3. 栽培されている品種を選んだ理由や、その土地にその品種を植えるメリットやご自身が持っている栽培品種を選んだ動機などがありましたら教えてください。

A3. 甲州やブラッククイーンなどは先代から引き継いたものですが、日本の品種として自社、あるいはワイン産地のアイデンティティを示す上で重要と思います。

=栽培について=
Q4. 自社畑を持つ際,または契約・提携先農家さんの畑を選んだ際に感じた魅力や,畑作りにおいて工夫・重視したポイントがあれば教えてください。

A4. 自家農園では効率よくやるべきことができるように心がけていますが、特段の工夫はありません。

Q5. 選定や耕作、カバークロップなど、品種や環境に合わせて与えている条件で、工夫をしている点などあれば教えてください。

A5. 自家農園では効率よくやるべきことができるように心がけていますが、特段の工夫はありません。

Q6. 発芽から収穫までの畑仕事で、重視しているプロセスやこだわりがあればその理由と合わせて教えてください。

A6.近年ベト病や晩腐病が多発しており、健全な果実を得るために結実後の雨除けは必須で、房への傘掛けなどが遅れないように留意しています。

Q7. 現在の葡萄の品質に対する(出来、完成度などの)思いと、将来へ期待する(葡萄の品質に対する)展望などがあれば教えてください。

A7. ここ数年生育期の日照時間が短い傾向を示す年が続いており、果実のフレーバーの充実や糖度の上昇が十分でないケースが増えています。ワインのスタイルも変わってくるのかもしれませんが、補糖や補酸なども今まで同様必要に応じて施しつつ、その年の自然条件を受け入れるようにしていきたいと思います。

=醸造について=
Q8. ワイナリーの設備等、こだわりのポイントはありますか。

A8. 古い建屋や器具類も残っていますが、清潔に保ち必要な作業がスムースにできるような設備にしたいと考えています。

Q9. 選果、除こう、破砕、などの収穫した果実へのアプローチでのこだわり、または特に気を使っている点はありますか。

A9. ワイナリーでの選果は労力と時間がかかりすぎるのでしません。白品種も赤品種も基本的にすべて除梗します。白品種で全房プレスなど試していますが、納得できる結果が得られていません。一連のプロセスが短時間でスムースに終わるように作業の段取りには気をつけています。

Q10. 浸漬、発酵や抽出など果汁に対して行う作業で、重要だと考えている点があればその理由と合わせて教えてください。

A10. 白品種での果皮の浸漬はしません。また赤品種の抽出も過度にならないように関与は最低限に留めるようにしています。また発酵にはすべて市販の培養酵母を使用しますがある種のフレーバーを強調するような株は避け、基本的な発酵性能に優れたものを選択しています。果実の良い性質がワインに反映されることが重要と考えています。

Q11. 熟成やボトル詰めまでのワインを扱う過程で、重視していることはありますか。

A11. 健全な状態で貯酒し、微生物的な安定性を高めてボトルに充填して消費者が栓を開けるまで品質が安定していることが重要と考えています。

Q12. これまで造ってきたご自身のワインに関して感じている思いや、今後ご自身のワインに期待している可能性や展望などがあればぜひお聞かせ下さい。

A12. ワイン造りは地域に支えられているので、地域を支えることが出来るようなワイン造りでありたいと思っています。


Q13. ワイナリー設立の経緯など、差し支えない範囲でお聞かせください。

A13. 昭和5年、祖父が始めたワイナリー。甲府の駅前から石炭商をしていたそうです。世界恐慌で石炭がだめになってから始めたそうです。
 

Q1. 好きな映画、本、音楽は?好きなアーティストをお教え下さい。

A1. 基本的になんでも好きです。特定の拘りとか、こうじゃなきゃいけない、というのが無くて。本は実学書を読みます。

Q2. 今までにあった人生の転機になったような事柄はありましたか?

A2. フランスに行ったこと。23歳くらいのときです。南仏でおいしいワインを飲んで感動したことがワイナリーを継ぎたいと思ったきっかけです。

Q3. 自分自身をワインで例えると、どんな感じでしょうか?

A3. Nシリーズの当社ワインですかね。よく野沢酵母って言われています、誉め言葉で。

Q4. 小さい頃の夢を教えて下さい。

A4. 小さい頃はお医者さん、中学校あたりからF1、アイルトン・セナに憧れていました。

Q5. 自分自身で大切にしている事は何ですか。

A5. 自然とか人間関係とかですかね。どちらも自分の思い通りにならない事なので、大切にしたいと思っています。

Q6. 仮に1週間休みがあったら、どのように過ごしますか。

A6. コルシカ島に行きたいです。島のあちこちにハーブが自生していて島全体がハーブの香りに包まれているんですよ。一回いったことありますが、最高だったのでまた行きたいです。

Q7. 絶対に食べたくない食べ物はありますか?理由もお聞かせ下さい。

A7. 添加物のたくさん入っているものは全体的に。

Q8. お酒を飲んだ後の〆ご飯を教えて下さい。

A8. 一時期ラーメンでしたが、もたれるので最近はパスタが多いです。麺類が多いです。

Q9. ワイン以外で好きなお酒はありますか?お酒を飲まない場合はノンアルコール飲料でも構いません。 ※好きな銘柄があればそれもお教え下さい。

A9. なんでも好きだけど、黒ビールとか。甘い日本酒はのまないです。ビールだとキリンの一番搾り。

Q10. 好きな郷土料理はありますか?

A10. 甲州地どり

Q11. 理想の姿を100点とすると、現状、何点を付けますか?

A11. 50点くらい。品種も系統選抜してもっと糖度の高い物をつくりたいし、畑も斜面のところが欲しいし、施設も本当は全部やりなおしたい。あとは現在自社畑が30%位しかないので、出来ればそれも100%にしたいと思っています。
 

Q1. 気候、土壌、歴史などを踏まえて、ワインを造るうえで重要だと思われる土地の特色を教えてください。

A1. 一般的に考えて、生育期間中の降水量が少ないこと、昼夜の寒暖差が大きいこと、日照時間が長いこと、傾斜地など水はけが良いこと、肥料は最小限にすること、あたりかと思います。

Q2. 所有している畑や、栽培を委託している契約・提携先農家さんの畑の、土壌、風向き、斜面の斜度やその向きなど、テロワールの特色・個性を教えてください。

A2. 勝沼は、海洋プレートと大陸プレートが衝突した四万十帯と花崗岩類が交じり合う場所で、そこに日川などの河川により山からの堆積物が積もった扇状地で、礫や砂のある水はけの良い土地です。自社畑の中でも鳥居平では甲州を栽培していて南西向き斜面で水はけよく、糖度が高く小粒のブドウが出来ます。大善寺近くの柏尾では礫が多くタナを栽培していて南向きの急斜面で水はけよく、糖度が上がり酸も残ります。

Q3. 栽培されている品種を選んだ理由や、その土地にその品種を植えるメリットやご自身が持っている栽培品種を選んだ動機などがありましたら教えてください。

A3. 気候風土に合う品種でないと、農薬散布を多くするなど人為的な介入を多くしなければブドウが腐りやすいですし、補酸なども必要となります。甲州やマスカット・ベーリーAは勝沼の気候風土に合っています。また欧州系もヴィオニエやタナなどに植え替えを進めていて、勝沼のような暖かい地域でも色づきや酸味の残りも良くなります。

=栽培について=
Q4. 自社畑を持つ際,または契約・提携先農家さんの畑を選んだ際に感じた魅力や,畑作りにおいて工夫・重視したポイントがあれば教えてください。

A4. 不耕起、肥料は最小限(腐葉土などたまに撒くのみ)、最小限のボルドー液と硫黄のみで栽培しています。人の介入を最大限に減らし、土壌の特徴(テロワール)が出るよう栽培しています。

Q5. 選定や耕作、カバークロップなど、品種や環境に合わせて与えている条件で、工夫をしている点などあれば教えてください。

A5. 剪定は樹勢を見ながら決めています。新梢の太さや成長度合いが揃うこと、樹勢が抑えられていること、が熟度が揃った品質の高いブドウを収穫するには必須です。

Q6. 発芽から収穫までの畑仕事で、重視しているプロセスやこだわりがあればその理由と合 わせて教えてください。

A6. 除葉、摘房、摘粒などにより房周りの風通しをよくして湿度を下げることで、病害の発生を減らすことです。補酸をしないので、収穫日を決める時に重視しているのは糖度と酸のバランスと食べた時の風味です。

Q7. 現在の葡萄の品質に対する(出来、完成度などの)思いと、将来へ期待する(葡萄の品質に対する)展望などがあれば教えてください。

A7. 特に甲州種の品質に満足していません。勝沼全体で、系統選抜、ウィルスフリー化、栽培技術向上により、品質向上を進めていきたいと思います。また温暖化に適した品種の栽培促進(シラー、タナやプティヴェルドなど)も必須です。

=醸造について=
Q8. ワイナリーの設備等、こだわりのポイントはありますか。

A8. 冷却水の循環をしたり、アルゴンガスや炭酸ガスにより好酸菌の繁殖防止や酸化の防止をしています。

Q9. 選果、除こう、破砕、などの収穫した果実へのアプローチでのこだわり、または特に気を使っている点はありますか。

A9. 選果により腐敗果を排除するのは最重要です。除梗や破砕は、茎や種の余計な雑味を入れないようソフトに行っています。

Q10. 浸漬、発酵や抽出など果汁に対して行う作業で、重要だと考えている点があればその理由と合わせて教えてください。

A10. 滓臭を防ぐため適度なデブルバージュを行います。発酵温度管理は微生物管理と同様に必要です。自社畑の白用にはスキンコンタクトも行っています。

Q11. 熟成やボトル詰めまでのワインを扱う過程で、重視していることはありますか。

A11. ベーリーAには茎も使うなど抽出を重視しています。酵母の風味を強くつけてしまうのでシュール・リー(タンク)は行いませんし、樽の風味が前面に出ないような樽熟成になるよう気を使っています。ろ過は軽度にするか無濾過にしています。

Q12. これまで造ってきたご自身のワインに関して感じている思いや、今後ご自身のワインに期待している可能性や展望などがあればぜひお聞かせ下さい。

A12. 勝沼と言えば甲州種ですが、甲州の品質向上や勝沼らしさの追求、また勝沼の気候風土にあった欧州系品種の追及をしていきたいと思います。

Q13. ワイナリー設立の経緯など、差し支えない範囲でお聞かせください。

A13. 1913年に創業して元々自家醸造していたのが、その後近隣の農家さんが集まって協同組合になりました。その後昭和37年(1962年)に私の親の時代に農家さんの株を買い取って有限会社「山梨ワイン醸造」になり、その後株式会社化。2013年に社名を「くらむぼんワイン」に変更して今に至ります。
 

Q1. 好きな映画、本、音楽は?好きなアーティストをお教え下さい。

A1. 中島みゆきを醸造のときにきいて、気持ちを奮い立たせます。本はスティーブンキングとか好きだけど、最近は老眼で本は読まなくなりました。

Q2. 今までにあった人生の転機になったような事柄はありましたか?

A2. フランス留学にいったとき。27-30歳のとき。

Q3. 自分自身をワインで例えると、どんな感じでしょうか?

A3. ワインビネガー、味が変わらないという意味で。

Q4. 小さい頃の夢を教えて下さい。

A4. 冒険野郎マクガイバーとか特攻野郎Aチームとかそういうのが好きだった。あとはパリダカとか出たかったけど、砂だらけになるのが嫌でやめましたね。昔からバイクは好きでした。

Q5. 自分自身で大切にしている事は何ですか。

A5. 健康ですね、酒をおいしく飲むために。

Q6. 仮に1週間休みがあったら、どのように過ごしますか。

A6. スペインのガリシアに行ってアルバリーニョのんでタコ食べます。

Q7. 絶対に食べたくない食べ物はありますか?理由もお聞かせ下さい。

A7. 茗荷、春菊、あと うに。

Q8. お酒を飲んだ後の〆ご飯を教えて下さい。

A8. お米類が好きですね。よく行っているSUNKINGカフェで豚のもつ煮の残った汁にごはん入れて食べたりよくします。

Q9. ワイン以外で好きなお酒はありますか?お酒を飲まない場合はノンアルコール飲料でも構いません。 ※好きな銘柄があればそれもお教え下さい。

A9. ギネスとかマーフィーズとかビール、もともとビール党だったんですが、最近は量を減らしています。あとは焼酎(お茶割、牛乳割)、モルトのほうじ茶割とか。なんでも飲みます。

Q10. 好きな郷土料理はありますか?

A10. 郷土料理はとくにないですが、好きな食べ物は蕎麦、焼き鳥、ヤギのチーズ。あとは米もすき。

Q11. 理想の姿を100点とすると、現状、何点を付けますか?

A11. 30点ぐらい。目指すところはロマネコンティのような付加価値のついたワインをつくりたい。
 

Q1. 気候、土壌、歴史などを踏まえて、ワインを造るうえで重要だと思われる土地の特色を教えてください。

A1. 勝沼は野音が下がりやすい場所と言われてきました。笹子おろしという風が山の上から冷たい空気を運んできてくれるので。ただ最近は温暖化の影響を感じています。このあたり(岩崎)はとにかく水はけがよいです。日川が近くにあって砂が多いのはそれが理由です。ベーリーAを買っている穂坂は粘土が多いです。

Q2. 所有している畑や、栽培を委託している契約・提携先農家さんの畑の、土壌、風向き、斜面の斜度やその向きなど、テロワールの特色・個性を教えてください。

A2. 勝沼の甲州に関しては農家さんにお任せしています。穂坂は標高の高いところに注目しています。やはり平均気温があがっていてきているので。テロワールというと土壌と天候だけと捉えがちですが、ブルゴーニュではそこに人も加わり、三角形の関係だと思っています。土壌や天候は与えられたもので変えられませんが、人間は改善できますから。

Q3. 栽培されている品種を選んだ理由や、その土地にその品種を植えるメリットやご自身が持っている栽培品種を選んだ動機などがありましたら教えてください。

A3. 選んだことはないです。

=栽培について=
Q4. 自社畑を持つ際,または契約・提携先農家さんの畑を選んだ際に感じた魅力や,畑作りにおいて工夫・重視したポイントがあれば教えてください。

A4. 基本的に契約栽培農家さんを選ぶっていう事は出来ないですね。結局人の繋がりなので。 契約農家さんから相談を受けてアドバイスをする事はありますが、それ位です。最終判断はそれぞれの農家さんにお任せしています。

Q5. 選定や耕作、カバークロップなど、品種や環境に合わせて与えている条件で、工夫をしている点などあれば教えてください。

A5. ぶどうの葉が生い茂るので、草がそんなに生えないです。

Q6. 発芽から収穫までの畑仕事で、重視しているプロセスやこだわりがあればその理由と合 わせて教えてください。

A6. 農家さんにお任せします。ただその中でも摘房を遅くする、房膨れを遅くする、その方が良い結果になっている気がします。

Q7. 現在の葡萄の品質に対する(出来、完成度などの)思いと、将来へ期待する(葡萄の品質に対する)展望などがあれば教えてください。

A7. 気候環境が良いワインを造るのにあたって少しずつ厳しくなってきていると感じています。勝沼であればブラッククィーンとか色づきの良い系統の品種を試してみるとか等考えていかなければいけませんね。あと穂坂のマスカットベーリーAであればより標高の高い所に植えていくとかでしょうか。

=醸造について=
Q8. ワイナリーの設備等、こだわりのポイントはありますか。

A8. 特にありません。しいて言えばリーファーコンテナで初期低温発酵をする位かな。 あと樽熟する場合、今はほとんどが450リットルの中樽に切り替えして、ゆっくりと熟成させるようにしていて、ほとんどのワインが24か月熟成です。冷却水の循環をしたり、アルゴンガスや炭酸ガスにより好酸菌の繁殖防止や酸化の防止をしています。

Q9. 選果、除こう、破砕、などの収穫した果実へのアプローチでのこだわり、または特に気を使っている点はありますか。

A9. 全房発酵で下岩崎甲州とかやってます。最後に研修した所がシモンビーズでやっていたので、そういうやり方なのだなと思って。マスカットベーリーAは遺伝的に青っぽい香りの元となるピラジンの生成力が弱いので、全房発酵や、長期の醸しは理にかなっている、という事をメルシャンの小林さんから言われました。

Q10. 浸漬、発酵や抽出など果汁に対して行う作業で、重要だと考えている点があればその理由と合わせて教えてください。

A10. ベーリーAについてはゆっくり時間をかけていくこと。穂坂のベーリーAは皮がしっかりしているので、3か月浸漬しても皮がドロドロにならない。

Q11. 熟成やボトル詰めまでのワインを扱う過程で、重視していることはありますか。

A11. 醸造と同じでじっくりと時間をかけて行う事です。うちは基本的にフィルターをかけないし濾過剤なども一切使用していません。それなので自然清澄を待つしかない。

Q12. これまで造ってきたご自身のワインに関して感じている思いや、今後ご自身のワインに期待している可能性や展望などがあればぜひお聞かせ下さい。

A12. 良い年、悪い年、どちらもそれぞれ特徴が出ますよね。2009年が凄く良い年で、その出来を超えるワインをここ10年造れていない、危機感やもどかしさ(絶望感)みたいなものを感じています。

Q13. ワイナリー設立の経緯など、差し支えない範囲でお聞かせください。

A13. もともと勝沼も岩崎も同じだと思いますが地元の農家さんたちが個々に極少量ワイン造りをしていた土地なのです。それが自然と敷地の広い家や地主さんの所にブドウを集めて造るようになり、そのワイン造りの権利を地元の農家さんから買い取って会社を設立したのが始まりです。
 

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