ナチュラルワインとは?
ナチュラルワインとは?

特徴や美味しい飲み方、おすすめ商品5選も紹介!

特徴や美味しい飲み方、おすすめ商品5選も紹介!

THE CELLAR JOURNAL --- writer : Wataru Iwata

本記事では、現在人気を博しているナチュラルワインについてご紹介いたします。
ナチュラルワインは健康志向の方々や、環境への配慮などサステナブルやエシカル的な観点からも多くの消費者からの注目が高まっています。
今回はそれらのナチュラルワインの特徴やおすすめのワインなど解説いたします!
本記事では、現在人気を博しているナチュラルワインについてご紹介いたします。
ナチュラルワインは健康志向の方々や、環境への配慮などサステナブルやエシカル的な観点からも多くの消費者からの注目が高まっています。
今回はそれらのナチュラルワインの特徴やおすすめのワインなど解説いたします!

ナチュラルワインとは?特徴や美味しい飲み方、おすすめ商品5選も紹介!

特徴や美味しい飲み方、おすすめ商品5選も紹介!
2024.09.11

1. ナチュラルワインの特徴

ナチュラルワインの特徴

まずはナチュラルワインとはそもそもどのようなワインなのか、その特徴をいくつか挙げていきます。

「ナチュラルワイン」とは英語での呼び名であり、日本語では主に「自然派ワイン」、フランス語になると「ヴァン・ナチュール」と呼ばれます。ナチュラルワインを名乗るための厳密な条件は設けられておりませんが、以下のような傾向があります。

有機栽培

ナチュラルワインに用いられるブドウは、基本的には化学肥料や農薬などを使用しない、有機栽培、つまりはオーガニックなアプローチにて育まれたブドウが使用されることが多いです。
自然の堆肥や有機肥料などを活用しながら、自然の力を活かして栽培されたブドウで造られたワインを指します。

無添加

また、ナチュラルワインを醸造する際には、一般的なワインに用いられるようなSO2といった酸化や望まない微生物の繁栄などを抑える添加物はほとんど使われることはありません。
使用されたとしても極少量であり、基本的には多くの人の手を加えるようなアプローチは避け、極力非介入主義にて行われ、基本的には無添加で、自然酵母を生かした発酵を行います。そのため、より自然らしい素朴で深みあるような香りを感じられることも多いです。

2. オーガニックワインやビオワインとの違い

オーガニックワインやビオワインとの違い

オーガニックワインやビオワインと呼ばれるワインに関しては、ワインに使われるブドウの「栽培方法」を元に、主に定義付けられます。(近年では醸造に関してもEUのルールでは規定があります)

有機栽培されたブドウを用いて醸造されたワインをオーガニックワインやビオワインと一般的には呼びます。
特にオーガニックワインを名乗るには、日本で言うところのJAS規格のような専門機関の認証を受ける必要があります。
 ∟認証基準をクリアしたオーガニック認定のブドウのみを使用しているのが「オーガニックワイン」です。

ビオワインは、アメリカやヨーロッパではオーガニック認証を受けたワインを指しますが、日本では認証不要で自由に名乗ることができるなど、まだまだその明確な線引きはされていないのが現状です。

一方のナチュラルワインはワインの「醸造方法」に注目されます。
 ∟ナチュラルワインに関しても一部の生産者団体や組合を除いては明確な基準は設けられていません。ただし、一般的な理解としてはその「醸造工程」がナチュラルである、つまりは非介入であることが重視される傾向があります。
 ∟一般的には人の手を加えずに、自然の力を活かして造られたワインをナチュラルワインを呼ぶことが多いですが、まだまだ何を持ってナチュラルというのかも、造り手によって、そして消費者によって線引きは曖昧なことが多いのも現状であります。

3. ナチュラルワインの味わい

ナチュラルワインは、自然な状態で造られているというのは前述しましたが、よりブドウ本来の素朴な美味しさが感じられるようなワインが多いです。
また、産地の気候や風土など、それらの土地の特性が色濃く反映されやすいため、味わいにもその土地ならではの個性が出やすいのも特徴の1つとも言えます。

清澄や濾過をせずに造られた、ボトルの底に澱の溜まったナチュラルワインも珍しくないため、ブドウの果皮や酵母のニュアンスなども楽しむことができるワインも多いにあります。
亜硫酸塩や二酸化硫黄などの添加物を極力使用しないことで、よりブドウの「ナチュラル」な味わいも楽しめます。

4. ナチュラルワインの保管方法

ナチュラルワインの保管方法

それではそんなナチュラルワインを美味しく飲むための保管方法を紹介させていただきます。

購入後はしばらく休ませる

特に、無濾過・無清澄のナチュラルワインは、ボトルの底に澱が溜まっていることが多いため、買ってすぐに飲むのはやめておきましょう。
購入後は、しばらくボトルを立てた状態で休ませて、澱がボトルの底に沈むまで待つのがおすすめです。そうすることで、グラスに注いだ時にも澱が入ってくることを防ぐことができます。

温度変化を避ける

化学物質が基本的には無添加で造られるナチュラルワインは、温度変化に伴う品質の劣化にはとても敏感であり、注意が必要です。そのため、12~15℃程度に保たれた、冷暗所で保管するのがおすすめです。
ワインセラーがあればベストですが、ない場合は新聞紙などに包んで冷蔵庫内の野菜室での保管もおすすめです。

5. ナチュラルワインを美味しく飲む方法

ナチュラルワインを美味しく飲む方法

ナチュラルワインをより美味しく飲みたい方は、以下の点を意識していただくと、本来の美味しさを最大限に引き出し、その魅力を存分に味わうことができます。

適温で飲む

一般的なワインと同様に、ナチュラルワインも温度を下げるとキリッと引き締まった酸味が際立ち、逆に温度を上げるとその酸の質感が和らぎ、まろやかなテクスチャーを感じることができます。

白ワインならば7~9℃に冷やすのがおすすめです。
逆に赤ワインならば14℃程度が数多くのナチュラルワインを美味しく飲むことができると思います。豊かなタンニンを持つフルボディなタイプの赤ワインには 16〜18℃が目安となります。

ゆっくり優しく注ぐ

サービスの方法にも少し気を配ると、より美味しくそのワインを召し上がっていただけると思います。特に、ボトルの底には澱がある無濾過・無清澄のナチュラルワインを勢いよく注ぐのは厳禁です。
澱が浮上しないように、ボトルを大きく傾けずに、優しくゆっくりグラスに注いで下さい。
ボトルの底に残ったワインは、澱が混じって味や口当たりが良くないので、飲まずに残していただいて結構です。

6. おすすめのナチュラルワイン・オーガニックワイン5選

それではここでおすすめのナチュラルワインやオーガニックワインを厳選して5本ほど紹介させていただきます!

フリッツ・サロモン ペット・ナット 2022

フリッツ・サロモン ペット・ナット 2022

添加物無添加で造られるスパークリンワインのペットナット。
繊細で柔らかい口当たりの泡立ちが特徴できて、フレッシュな酸味と生き生きとした果実味が両立したスパークリングワインです。
ワイナリーのブドウ畑は2010年からデメテールの認証も受けています。

タケダワイナリー サン・スフル 赤 2020

タケダワイナリー サン・スフル 赤 2020

無添加・無濾過・非加熱のナチュラルワインである「サン・スフル」。(Sans Soufreとはフランス語で亜硫酸無添加の意味)
フレッシュな酸味と赤い果実のジューシーな味わいを心地よく楽しむことができるミディアムボディな味わいです。
「良いワインは良いブドウから」をモットーに、高品質で厳選したブドウを使って造られる日本を代表するワイナリーです。

ヴァインバック ピノ・グリ クロ・デ・カプサン 2022

ヴァインバック ピノ・グリ クロ・デ・カプサン 2022

1612年に設立された歴史あるワイナリーで現在のオーナーになってからは2005年以降オーガニックの一種であるビオディナミ農法を全面実施しています。
クロ・デ・カプサンはヴァインバックが単独所有する畑で様々なブドウ品種が植えられています。

可能な限り遅摘で収穫するのでブドウの熟度が高く、凝縮感のある味わいになります。洋ナシや白桃、バターのようなリッチなコク。スパイスのニュアンスも広がり複雑で長い余韻が特徴です。

ファミーユ・ジョリー(クレ・ド・セラン) サヴニエール・レ・ヴュー・クロ 2021

ファミーユ・ジョリー(クレ・ド・セラン) サヴニエール・レ・ヴュー・クロ 2021

1980年代からビオディナミを取り入れていた先駆者的存在。ビオディナミの団体「Return to Terroir」の設立、啓蒙活動の実施などビオディナミの伝道師とも呼ばれています。
陽当たりの良い東向き斜面に畑があるためブドウが良く熟します。心地よくエレガントな酸味と旨味のバランスが良いミディアムボディのワインです。
アーモンドやナッツ、フレッシュフルーツのニュアンスも感じられます。

マス・デル・ペリエ カオール レ・ゼスキュール 2021

マス・デル・ペリエ カオール レ・ゼスキュール 2021

ビオロジック栽培にて育まれ、手摘みにて収穫されたブドウを使用したオーガニックワインです。
フルーツのフレーバーが前面に出てくるようなフルーツフォーワードのスタイルが特徴です。
チェリー、カシスといったフレッシュな赤黒いフルーツと共に複雑なスパイスのアロマがあり、味わいはとてもまろやかで優しい口当たりを持ちます。

7. まとめ

本記事では、ナチュラルワインの特徴や美味しい飲み方、保存方法などをご紹介させていただきました。
おすすめのナチュラルワインやオーガニックワインも数々ピックアップしているので、是非気になる方は参考にしていただければと思います!
なお、ナチュラルワインをもっと知りたい方はぜひ下記のリンクもご参照下さいませ!

※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。また、まとめサイト等への引用を厳禁いたします。
※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。また、まとめサイト等への引用を厳禁いたします。

岩田渉 氏

THE THOUSAND KYOTOシェフ・ソムリエ

1989年愛知県生まれ。同志社大学に在学中、留学先のニュージーランドでワインに魅了され、4年間ワインの勉強に没頭する。
2019年に現職、THE THOUSAND KYOTOシェフ・ソムリエに就任。

◆主な受賞歴
2017年 「第8回全日本最優秀ソムリエコンクール」優勝。
2023年「第17回A.S.I.世界最優秀ソムリエコンクール」へ日本代表として出場しセミファイナリストに選出(第5位)