ワイナリーの歴史
ドメーヌの歴史は、19世紀にフレデリック グロフィエが創業し、1933年に息子のジュールがボンヌ・マールなどの優良な畑を入手したことから始まります。初代当主のジュールは自社畑を所有しつつネゴシアンとして活動していましたが、1973年に2代目当主のロベールが自らの手で瓶詰するようになりました。現在はロベールの孫の二コラが4代目として2007年よりドメーヌを率いており、妹のジュリーも参画。家族でワイン造りを行っています。
シャンボール・ミュジニーとジュヴレ・シャンベルタンに多くの畑を所有していますが、2つの間の村のモレ・サン・ドニにドメーヌを構える生産者です。
所有畑
レ ザムルーズ
わずか5.4haしかないシャンボール・ミュジニーの偉大な一級畑「レ ザムルーズ」。グロフィエはその約20%に相当する1.07haもの区画を所有しています。2021年ヴィンテージまでは1つのキュヴェとして仕込んでいましたが、区画の上部と下部でテロワールが異なるため、2022年から2つのエリアに分けて醸造を行っています。上部の<ラ デリカテス デ サーブル>は、その名の通り砂や石が多く、ドライで繊細な酸とミネラルを思わせる風味が魅力のスタイル。より日照に恵まれる下部に位置する<ラ グラース デ ザルジル>は赤土の粘土質土壌で、豊かな果実味に加えスパイスのニュアンスが楽しめる、エレガントで高貴な印象です。
ボンヌ・マール
特級畑「ボンヌ・マール」のシャンボール村側に0.97haの区画を所有。ブラックベリーやダークチェリーの華やかな香り、きめ細かいシルキーなタンニンが特徴。ボンヌ・マールでありながらも近寄りがたさを感じない見事な仕上がりです。2023年ヴィンテージからは、斜面上部の粘土石灰質土壌の区画のブドウだけを使用したキュヴェ<ボンヌ・マール レ テール ブランシュ>も造っています。
シャンベルタン・クロ ド ベーズ
0.42haの区画で上から下まで14畝所有。2022年ヴィンテージから2つのキュヴェに分かれ、こちらは下部のブドウを使用して造られています。バラの花びらのヒントを感じる上品で華やかなアロマが感じられ、緻密なテクスチャーのバランスが良く、まさにグロフィエらしさが表現された逸品です。上部のブドウを使用したワインは別で醸造し、<シャンベルタン>としてリリースしています。
ワイン造り
ヴィンテージやキュヴェによってその割合は変動するものの、一部全房を使用しています。
基本的には5-6日間の低温マセレーションの後、野生酵母を利用して発酵。約12ヶ月の樽熟成の後、ステンレスタンクにて3ヶ月間熟成。新樽率はヴィンテージによって変わりますが、豊かな果実味に加え、シルキーなタンニンやスパイスなどの複雑味が感じられる、まるで芸術品のようなエレガントで美しいスタイルのワインに仕上がります。
熟成後は清澄、濾過をせずに瓶詰。果実本来の味わい、テロワールごとの個性を最大限表現することを大切にしたワイン造りを行っています。
味わいのスタイル
低温発酵によって引き出されるアロマは優しく、クセのない味わいが魅力。力強さよりもしなやかさが際立ち、全キュヴェに共通する高い果実味のポテンシャルを感じさせます。「フルーティー」という言葉では収まりきらない奥行きと幅があり、高価格帯でありながら赤ワイン初心者さえも虜にする“モンスター”と称される所以が、ここにあります。
コメント
どのキュヴェを手に取っても、驚くほどバランスが整い、閉じた印象が皆無。飲み頃を待つ必要もなく、いつ、どのタイミングでも素直に楽しめる懐の深さがあります。このクラスでありながら肩肘張らず、知識や経験を誇示することなく味わえるワインは、実はそう多くありません。不思議なほど自然体で完成度が高い存在です。