1. シードルとは?
「シードル」は、「りんご」から造られた醸造酒のことを指し、語源はラテン語で「果実を醗酵させてできた酒」を意味する「シセラ(Cicera)」からきています。リンゴの果汁のみで造られ、飲みやすくアルコール度数が低めなことから、お酒に弱い方にもおすすめです。
2. シードルの歴史
リンゴ果汁100%で造られるシードルはワインと同じくらい古い歴史があり、11世紀になって、フランスのノルマンディー地方に定着し、19世紀初期頃にアメリカ・ペンシルバニア州にシードル文化が広がってからは世界各国で造られるようになりました。
現在ではフランスをはじめとして、アメリカ、イギリス、ドイツ、スペイン、スイスなどで盛んに造られています。
ちなみに日本では1956年に発売された『アサヒ シードル』が日本で最初の商業用シードルと言われています。
3. シードルの造り方
シードルの製法はブドウで造るワインと似ていています。 選果、果実の洗浄が行われた後、細かく砕かれ果汁のみが絞り出されます。搾汁には、液圧プレスやスクリュープレスといった方法を用います。絞り出された果汁はタンクに移され、酵母を入れて発酵します。リンゴの糖分をどれくらい残すかによって、シードルの味わいが決まります。
原料となるリンゴは9月から11月にかけて収穫されます。シードルに熟したリンゴを使用する場合は、リンゴが樹から落下するのを待って収穫することもあります。
発酵は最低でも3カ月〜で、じっくりと熟成させてシードルが完成します。原料はりんごのみなので甘い印象が強いかもしれませんが、甘口から辛口まで味のバリエーションは多様です。
4. シードルに用いるりんごの種類
生産国によって、シードルに使用するりんごの種類は異なります。日本では生食用のりんごを使うのが主流ですが、ヨーロッパではシードル用のリンゴを原料にしています。
特に日本では、日本人になじみ深い品種の生食用りんごをもとに生産しています。栽培量の多い「ふじ」のような酸味が少なく香り高いものや、紅玉・つがる・スターキング デリシャスなどがよく使われる傾向があります。
一方でヨーロッパのシードル用りんごは、1個あたり100g前後と小さめのサイズが多く、タンニンの量や酸度をもとに「Sweet(スイート)」「Sharp(シャープ)」「Bitter Sweet(ビタースイート)」「Bitter Sharp(ビターシャープ)」の4種類に分類されます。
5. 【生産国別】シードルの特徴
シードルは、生産する国によって、呼び方や味わいが異なります。以下に国別に特徴をまとめていきます。
フランス
フランスのノルマンディー地方やブルターニュ地方は、世界でもトップクラスのシードル生産地として知られています。なかでもノルマンディー地方には「シードル街道」と呼ばれるリンゴ農園が密集したエリアが有名です。また、ノルマンディー地方では、シードルを元にして造られる「カルヴァドス」というアップルブランデーも有名です。
アメリカ
アメリカでは、シードルを「ハードサイダー」と呼びます。クラフトビールでも有名なアメリカでは、近年クラフトサイダーや、泡感を楽しめるクラフト・ハード・サイダーも盛んに造られています。りんごだけでなく、ベリーやアプリコット、ホップなどを使ったハードサイダーも人気です。
イギリス
イギリスでも「サイダー」と呼ばれ、とくに発泡感のあるタイプが好まれています。味の種類は、甘口から辛口まで多種多様です。イギリスではビールと同じように、大きなグラスにたっぷり注いで楽しむことが多いです。
スペイン
スペインではシードルは「シドラ(Sidra)」と呼ばれます。スペイン北部が主な産地で、「シドレリア」というシードル専門のバルがあります。本場のバルでは、シードルを高い位置から勢いよく注ぐ独特なスタイルが有名です。
ドイツ
ドイツではシードルは「アプフェルヴァイン(Apfelwein)」と呼ばれています。ドイツでも指折りの観光都市であるフランクフルトでは、毎年お祭りが行われるほど地域で愛されているお酒です。
ドイツと言えばビールのイメージが強いですが、シードルも古くから親しまれています。
日本
日本で造られるシードルは、ふじや紅玉など、日本人になじみのある品種を用いることが多いです。青森や長野・北海道といった、リンゴの名産地を中心に醸造され国内でも徐々に浸透してきています。
高品質な日本産のシードルは、海外からも注目を集めているので、今後も目が離せません。
6. おすすめの国産シードル3選
ここではおすすめの国産シードルとして、日本を代表するリンゴの産地である、長野県のシードルを3本に絞って紹介していきます。
ドメーヌ長谷 ヒカル・ファーム 和シードル・リザーヴ 2021
シナノゴールド・紅玉・サンふじを絶妙なバランスでブレンドしたシードル。3種類のリンゴからじっくり丁寧に果汁を絞り、低温で長期間発酵した後、1年以上かけて熟成させています。
やさしい泡立ちと、リンゴ本来のフレッシュな味わいが感じられる一本です。
リュードヴァン シードル エピス ルビー
ふじリンゴ100%で造られ、ホップやフルーツなどで香り付けされたスパイシーなシードルです。ルビーの美しい色合いと、ラズベリーの香りが特徴的で、爽やかでライトな味わいに仕上がっています。
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シードル
リュードヴァン シードル エピス ルビー
シードル日本/長野県通常価格2,200 円 (税込)通常価格単価 あたり残り1個
750ml、ふじリンゴ、ライトボディ 750ml、ふじリンゴ、ライトボディ
リュードヴァン シードル エピス
長野県東御市産のふじリンゴのみを使用した爽やかなシードル。香り付けにはホップやフルーツが使われていて、程よいスパイシーさがクセになります。ホップが使われていますが、ビールの苦みが苦手な方にもおすすめできるシードルです。
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シードル
リュードヴァン シードル エピス
シードル日本/長野県通常価格1,980 円 (税込)通常価格単価 あたり残り3個
750ml、ふじリンゴ、ライトボディ 750ml、ふじリンゴ、ライトボディ
7. まとめ
シードルは、ワインと同じくらい古い歴史を持ち、ヨーロッパをはじめ、アメリカ・カナダ・オーストラリアなどで親しまれている醸造酒です。アルコール度数が低いため、お酒が苦手な方にもすすめやすい飲み物です。
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