2024.03.01

ポルトガルワインとは?基本知識や製法、種類とともにヴィーニョ・ヴェルデも紹介

 

ポルトガルは古くからワイン造りが盛んな国で、豊富な土着品種とさまざまな気候風土の産地の組み合わせにより、オリジナリティ溢れるワインが特徴です。産地によって味わいが異なるので、今回はポルトガルワインの基礎知識やヴィーニョ・ヴェルデをはじめとする代表的なワインを解説し、ポルトガルの特徴が楽しめるおすすめのワインも3本に厳選してご紹介していきます。

ポルトガルワインの基本

ポルトガルには250種を超える土着品種があり、多種多様な気候と土壌が特徴です。国際的な評価も高く、世界遺産に登録されている「ドウロ」や「アレンテージョ」はワイン産地の観光地としても人気で、ワインツーリズムの観点からも支持を受けている場所です。以下にポルトガルワインの特徴や製法について解説していきます。

ポルトガルとは

ポルトガルは南北に560km、東西に160kmの小さな国で、国土は日本の約4分の1の大きさです。北部は丘陵地帯で南部は平地が広がっているため、南北で平均気温や降水量が大きく異なります。また、西は大西洋、南は地中海の影響を受け、内陸は大陸性気候となっている ため、決して広大な土地があるとはいえないものの、地方によって気候や土壌が異なり多様性が豊かです。そのため、同一地域でも土壌タイプは異なり、土着品種も非常に多いことから、オリジナリティ溢れるワインが多いのが特徴です。また、ワインに必要不可欠な天然コルクは、全世界の約半分がポルトガルで生産されていることでも有名です。

ポルトガルワインの特徴

ポルトガルは古くからワイン造りが盛んな土地で、ポルトガルの土着品種はイタリアやスペインよりも多く、現在では約250種あると言われています。

ポルトガルの最北部、大西洋寄りの「ヴィーニョ・ヴェルデ」は完熟前の緑色のブドウを収穫しています。比較的アルコール度数が低くフルーティーな味わいが特徴です。

また、ポルトガルの北部のポルト市からスペイン国境までのドウロ川に沿った地域を「ドウロ」と呼び、ここではポートワインが長年造られていましたが、最近では力強く重厚なステイルワインが造られる産地になっています。

ポルトガル中北部の内陸部にある「ダン」は標高の高い地域にブドウ畑が広がっており、ゆっくりと熟したブドウを使い、酸味とアロマにあふれたワインが造られています。

ポルトガル南部の大半を占める「アレンテージョ」では近代的なワイン造りが行われており、大西洋の海岸沿いに位置する「バイラーダ」は粘土の地区と呼ばれるほど粘土質の多い土壌が広がっています。赤ワインが主流で、果実味がありしっかりとタンニンを感じられるポルトガルワインが楽しめます。ポートワインの産地である「ポート」は寒暖差が激しく乾燥した地域で、伝統的な美しいブドウ畑が広がっており、世界遺産にも登録されている場所として知られています。

ポルトガルワインの製法

ポルトガルでは伝統的にブドウをブレンドする製法が行われています。とはいえ近年では単一のブドウ品種から造られるワインもあり、ワインごとに製法が異なります。また、ポルトガルといえば昔ながらの手法で造られている「酒精強化ワイン」が有名です。酒精強化ワインとは、ワインを発酵させる途中の段階でスピリッツを添加してアルコール度数をあげたワインです。酒精強化ワインは発酵を途中で止めることでワイン中の残糖度を調整し、甘口から辛口まで造ることができます。ポルトガルで造られているマデイラワインとポートワインの造り方や味わいは後述します。

ポルトガルワインの種類

ポルトガルワインは固有品種の種類が豊富で、多彩な気候や土壌との組み合わせにより、さまざまなワインがあります。ここではポルトガルワインの代表格と言える世界三大酒精強化ワインのポートワインとマデイラワイン、そして弱発泡の低アルコールで人気のヴィーニョ・ヴェルデについて解説していきます。

ポートワイン

ポートワインはドウロ川上流域で造られる酒精強化ワインで、「ポルトガルの宝石」とも呼ばれています。アルコール発酵中に77%のグレープスピリッツを添加して発酵を止めるため、甘口のワインに仕上がります。残糖量のレベルである甘さの段階は5段階あります。また、短期間の樽熟成を行ったものをルビー、長期間の樽熟成を行ったものをトゥニー・タイプと分類します。ルビータイプは赤果実やチョコレートのようなアロマがあり、スパイシーな酸味が感じられ、トゥニー・タイプはオーク樽で何年も熟成させるので、ナッツのような香ばしい独特のアロマが生まれます。

マデイラワイン

マデイラワインは、ポルトガル領マデイラ島で造られる酒精強化ワインです。アルコールを強化した後に加熱を行うことで、独特の香ばしい風味が生まれます。ポートワインと違い、発酵途中で96%のグレープスピリッツを添加します。個々のブドウ品種の個性を活かし、品種や醸造法、熟成年数によって辛口から甘口まで幅広くあります。

マデイラワインの造り方は、タンクに入れたワインを加熱装置に入れた短期間加熱する「エストゥファ方式」と、タルに入れたワインを貯蔵庫の2Fなど太陽熱で高温になる場所で自然に温める「カンテイロ方式」の2種類あります。

ヴィーニョ・ヴェルデ

ヴィーニョ・ヴェルデとは、ポルトガル北部のスペインとの国境地帯に位置する、ミーニョ地方の産地の名前です。ヴィーニョはワイン、ヴェルデは緑で「緑のワイン」という意味になります。完熟する1ヶ月~2ヶ月ほど早く収穫したブドウを使用しているため、アルコール度数は低めで酸味が鋭く、微発泡のワインになります。新鮮な魚介類を使った前菜やサラダ、揚げ物などにも相性が良く、現地ではビールの代わりに氷を入れてロックスタイルで飲むのが主流です。

おすすめのポルトガルワイン3選

おすすめのポルトガルワインを3本をご紹介します。ポルトガルの個性的な味わいが感じられるワインを中心にセレクトしたのでぜひご参考にしてください。

アデガマイン ピンタ・ネグラ ブランコ 2021

アリント60%、フェルナン・ピレス40%とポルトガルの土着品種をブレンド。フレッシュな柑橘系やトロピカルな風味を感じられる白ワインで、心地よい酸味が魚介類を使った料理と好相性です。2000円以下で購入できるリーズナブルさも魅力。デイリーに楽しめるカジュアルさが好評です。

カーザ・ダ・パッサレーラ エンシェルティア ジャエン 2016 2020

黒コショウのスパイスや野菜を思わせる香りが特徴の赤ワインで、柔らかいタンニンに、フレッシュな果実味と酸味のバランスに優れており、ポルトガルワインのエントリーワインとしてもおすすめです。使われている品種「ジャエン」。聞き慣れない名称ですが、スペインのメンシア種と同じと言われています。ジャエンを使ったワインは日本ではなかなか流通しない品種なので、ぜひ試していただきたい一本です。

アンセルモ・メンデス クルチメンタ アルバリーニョ 2020

果皮と共に醸す「クルチメンタ・スタイル」で造られたポルトガルのオレンジワインです。アルバリーニョらしい力強いアロマとやや強い酸味により、長い余韻を感じられるのが特徴です。アーモンドやヘーゼルナッツ、スパイスやドライアプリコットなどのニュアンスが感じられ、業界料理をはじめとしてアジアン料理やエスニック料理などとの相性も良いです。


まとめ

ポルトガルワインは250種を超える土着品種とさまざまな気候や風土との組み合わせにより、オリジナリティ溢れる味わいが魅力です。産地ごとに味わいが異なるので飲み比べてみると面白いですよ。ポルトガルワイン固有の土着品種を飲み比べてみたい方は、カーヴドリラックスのオンラインサイトをぜひご覧ください。

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この記事を書いた人

吉川 大智

吉川 大智

JSA認定 ソムリエ

バーテンダー、ワインバーのマネージャーを経てワインのPRライターに。過去には40カ国200都市の酒場とワイナリーを訪問した経験あり。