スパークリングワインとは?
スパークリングワインとは?

基礎知識を解説!種類や製法、シャンパンとの違いも紹介

基礎知識を解説!種類や製法、シャンパンとの違いも紹介

THE CELLAR JOURNAL Dec.2023 --- writer : Daichi Yoshikawa

シュワシュワした飲み心地で幅広い料理に合わせられることから、世界中のさまざまなシーンで親しまれているスパークリングワイン。ただ、一言にスパークリングワインといっても、産地や使う品種で名称が違ったり、醸造過程も多種多様です。今回は各国のスパークリングの呼称や特徴を踏まえたうえで、スパークリングワイン基礎知識、種類などを解説していきます。
シュワシュワした飲み心地で幅広い料理に合わせられることから、世界中のさまざまなシーンで親しまれているスパークリングワイン。ただ、一言にスパークリングワインといっても、産地や使う品種で名称が違ったり、醸造過程も多種多様です。今回は各国のスパークリングの呼称や特徴を踏まえたうえで、スパークリングワイン基礎知識、種類などを解説していきます。

スパークリングワインの基礎知識を解説!種類や製法、シャンパンとの違いも紹介

基礎知識を解説!種類や製法、シャンパンとの違いも紹介
スパークリングワイン2024.07.19

1. スパークリングワインの基礎知識

スパークリングワインを飲むうえで知っておきたい基礎知識を紹介していきます。まずは各国のスパークリングの名称や特徴、シャンパンとの違い、製法について解説していきます。

スパークリングワインの特徴

スパークリングワインの特徴

スパークリングワインとは、3気圧以上のガス圧を持った発泡性のあるワインを指します。(3気圧以下のものは「弱発泡性ワイン」と呼ばれます)スパークリングワインは、世界各国で造られていて、産地によって名称や特徴もさまざま。白、ロゼ、赤とありますが、最も一般的なのは白のスパークリングワインです。料理に合わせやすく、さっぱりした食材だけでなく、脂のあるボリューミーな食材まで幅広く合わせることができます。

スパークリングワイン造りが盛んな国と呼び名

フランスのシャンパーニュ、スペインのカヴァ、イタリアのプロセッコが世界三大スパークリングワインと言われていますが、他にもさまざまな呼称のワインがあるので、スパークリングワイン造りが盛んな国を中心にピックアップし、以下表にまとめました。

産地 呼称 代表するスパークリング
フランス クレマン
ヴァン・ムスー
シャンパーニュ
(シャンパン)
イタリア スプマンテ アスティ
プロセッコ
フランチャコルタ
スペイン エスプモーソ カヴァ
ドイツ シャウムヴァイン ゼクト

フランスのシャンパーニュ(シャンパン)は、
フランスのシャンパーニュ地方で、シュンパーニュ方式と呼ばれる醸造方法を用い、AOC法の規定を満たしたもののみが、シャンパーニュを名乗ることができます。

イタリアのプロセッコ
ヴェネト地方で造られる「グレラ」という品種をメインに使用し、大きなタンクで短期間発酵して造られます。フレッシュ&フルーティーな味わいとお手頃な価格で世界中で親しまれているスパークリングワインです。

スペインのカヴァ
シャンパンと同じく瓶内に時二次発酵で造られるスパークリングワインで、日本市場にもリーズナブルな価格で多く流通しているため、馴染み深い方も多いかと思います。

ドイツのゼクト
炭酸の気圧が温度20度の状況で3.5以上、アルコール度数が10%以上のスパークリングワインのことを指します。

スパークリングワインとシャンパンとの違い

スパークリングワインとシャンパンとの違い

シャンパンとは、スパークリングワインのうちの1つで、フランスのシャンパーニュ地方で造られ、なおかつフランスのワインの法律に規定された条件を満たしているワインだけを指します。同じ製法で作られたスパークリングワインでも、地域やブドウの品種、栽培などが違えば別のスパークリングワインになります。
シャンパンを名乗るためには産地、ブドウ品種、醸造方法、アルコール度数、熟成期間によって厳しい規定が定められています。

スパークリングワインの製法

スパークリングワインの製法は、瓶内二次発酵方式、トランスファー方式、シャルマ方式、炭酸ガス注入方式、田舎方式(リュラル)と5種類あります。それぞれの特徴を以下の表にまとめてご紹介します。

製法 概要
瓶内二次発酵方式 最初のアルコール醗酵(一次醗酵)はタンクや樽で行い、瓶詰めした後二度目の醗酵を瓶内で行う方法です。別名「シャンパン方式」「トラディショナル方式」と呼ばれています。
瓶口に沈殿される澱を集めたり、澱を取り除いたり、数ある醸造方法の中でも最も手間と時間がかかります。きめ細やかで舌触りの良い泡がワインに溶け込むのが特徴です。フランスのシャンパン、イタリアのフランチャコルタ、スペインのカヴァなどがこの方式で造られています。
トランスファー方式 瓶内で二次醗酵させたワインを加圧したタンクに入れ、ワインの中にある澱を除去してからボトルに詰める方法です。圧力をかけたタンクに移してまとめてろ過、その後再度瓶詰めを行うという意味では瓶内二次発酵方式の澱を取り除く作業を簡略化したものといえます。
シャルマ方式 大きな密閉タンクを使って二次醗酵させる醸造方法です。別名「密閉タンク方式」とも呼ばれます。大きなタンクを使用するため、一回の作業で大量に生産することが可能になります。
ブドウ本来の香りが残りやすく、フルーティで飲みやすいタイプのスパークリングワインに仕上がります。
炭酸ガス注入方式 瓶詰したスティルワインに炭酸ガスを注入する方法です。少ない工程でコストもかけずに大量に生産できるため、リーズナブルな価格で仕上げることができます。
田舎方式(リュラル) 一次醗酵の際にワインの糖分を残した状態で瓶詰めし、瓶内で続きの醗酵を行う方法です。糖は追加せず、ブドウが持っている糖分のみで醗酵させるのが特徴です。産地によって違いはあるものの、一般的にはガス圧とアルコール度数は低めになる傾向があります。

2.スパークリングワインの種類

発泡性のあるワインの総称を「スパークリングワイン」と言いますが、産地や原料、製法で呼称が変わります。ここではスパークリングワインの代表的な種類について解説していきます。

スパークリングワインの種類

シャンパーニュ
フランスのシャンパーニュ地方で、シャンパーニュ製法で造られ、AOC法の規定を満たしたものだけをシャンパーニュ、あるいはシャンパンと呼びます。高品質で、世界最高峰のスパークリングワインとして世界中から認知されているスパークリングワインです。きめ細やかな泡立ちと品のある飲み心地で、特別な日の乾杯や贈り物にも最適です。

クレマン
クレマンはシャンパーニュ地方以外のフランス国内で、認められた地域のみで造られるスパークリングワインです。シャンパンと同様に瓶内二次発酵で醸造されているため、高品質ながらも比較的リーズナブルな価格帯で楽しめるのが特徴です。 1. クレマン・ダルザス(アルザス)
2. クレマン・ド・ブルゴーニュ
3. クレマン・デュ・ジュラ
4. クレマン・ド・ボルドー
5. クレマン・ド・ロワール
6. クレマン・ド・リムー(ラングドック)
7. クレマン・ド・ディー(ローヌ)
8. クレマン・ド・サヴォワ
と上記8つがA.O.C.として認定されています。産地によって使う品種が違うため、味わいや飲み口にも多様性が感じられるのが魅力といえます。

アスティ
イタリアのピエモンテ州で造られているスパークリングワインで、イタリアではポピュラーなモスカート種を用いられており、マスカットのさわやかな香りと甘さがあり、通常のワインに比べてアルコール分が低く、口当たりが優しいのが特徴です。甘口微発泡の「モスカート・ダスティ」と、スパークリングの「アスティ・スプマンテ」2種類あり、どちらも世界中で親しまれています。ワインに飲み慣れていないエントリークラスの方でも飲みやすい味わいです。

カヴァ
スペインのカタルーニャ州のブドウ品種を中心に造られているスパークリングワインです。シャンパーニュと同じく伝統的製法(瓶内二次発酵方式)で造られていますが、シャンパーニュに比べると酸味は穏やかで、ふくよかな果実味が感じられるのが特徴です。日本でも多く流通していて、価格もリーズナブルなことから、デイリーに楽しめるスパークリングワインとして親しまれています。

ゼクト
ドイツのスパークリングワインの呼称は「シャウムヴァイン」ですが、そのなかでも高品質なカテゴリに分類されるのが「ゼクト」です。ドイツの冷涼な気候を生かしたすっきりとした酸味、そして品種由来の華やかな香りが感じられる個性的な味わいが最大の魅力です。ほかのスパークリングワインに比べると知名度はやや低いですが、高品質でドイツらしい味わいが表現されていて近年注目されつつあるスパークリングワインです。

3. おすすめのスパークリングワイン3選

おすすめのスパークリングワインを3本にしぼって紹介します。デイリーに楽しめるリーズナブルなカヴァや、特別な日にあけたいシャンパンなど、用途やシーンに合わせて参考にしてください。

オリオル・ロッセール グラン・レゼルヴァ NV

オリオル・ロッセール グラン・レゼルヴァ NV

瓶内二次発酵で30~48ヶ月の長期熟成を経た極上の風味をもつスペインのカヴァ。舌触りのなめらかなバブルで幅広い料理に合わせられるすっきりとした辛口に仕上がっています。 ¥2,000円代で買えるお手頃な価格なので、まずはこの一本から試してみるのもおすすめです。

白ワイン・スパークリングワイン
オリオル・ロッセール グラン・レゼルヴァ NV

原産国 スペイン / ペネデス
品種 チャレッロ、 マカベオ
度数 12%

アンリオ ブリュット・スーヴェラン NV

アンリオ ブリュット・スーヴェラン NV

200年の歴史を持つシャンパーニュメゾン「アンリオ」が手がけるNVのシャンパン。上品なアロマとキリッとした酸が印象的な味わいです。前菜やサラダ、魚料理にメインなど、一本あればさまざまな料理と合わせることができます。

スパークリングワイン
アンリオ ブリュット・スーヴェラン NV

原産国 フランス / シャンパーニュ
品種 シャルドネ、 ピノ ノワール、 ムニエ
度数 12%

アンリオ ロゼ・ブリュット ミレジメ 2012

アンリオ ロゼ・ブリュット ミレジメ 2012

6年以上の熟成を経てからリリースされるロゼタイプのシャンパンです。ベリーや野イチゴのようなフレッシュで繊細な香りがあり、美しいサーモンピンクの色調が食卓を華やかに彩ります。芳醇なアロマとしっかりとした骨格を兼ね備えた味わい深いスパークリングワイン・ロゼです。豚肉のローストやグリルチキンのようなボリューミーな肉料理に合わせるのにぴったりです。クリスマスやお祝い事にもおすすめです。

ロゼワイン,スパークリングワイン
アンリオ ロゼ・ブリュット ミレジメ 2012

原産国 フランス / シャンパーニュ
品種 ピノ・ノワール、シャルドネ
度数 12%

4. まとめ

スパークリングワインは国や産地によって使うブドウ品種や製法が異なり、名称も違います。各国の特徴を理解したうえで飲み比べをしてみると新たな発見があり面白いかもしれませんね。カーヴ・ド・リラックスのオンラインサイトでは各国のスパークリングワインを幅広いラインナップで取り揃えています。ワイン選びにお悩みの方はぜひご覧になってください。