マルヴァジアは、地中海沿岸を中心に広く栽培される古代起源の白ブドウ品種で、数十ものクローンや亜種が存在します。マルヴァジアという名称は、これらの亜種を含めた総称として用いられます。
ギリシャのクレタ島が原産で、当時は「モヌムヴァジア」と呼ばれていました。海上貿易を通じて広まり、現在ではイタリアやフランス、ドイツ、スペイン、アメリカ、オーストラリアなどの世界各地で栽培されています。
品種によって酸味や特徴などが異なりますが、マルヴァジアから造られたワインは、新鮮なフルーツを思わせる華やかな香りと重厚感のある味わいが特徴で、優しく広がる舌触りを楽しめます。
また、イタリアを代表するワイン産地であるラツィオ州では、マルヴァジアの1つである「マルヴァジア・デル・ラツィオ」が栽培されています。この品種から造られるワインは、キリッとした爽やかな酸味が特徴で、すっきりとした味わいを求める方におすすめです。
マルヴァジアはイタリアワインの奥深さと地域性を映す品種として、今なお愛され続けています。
栽培地によって味わいが異なるため、イタリアワインや世界各地のテロワール(土地特有の自然環境)を比較したい方は、ぜひマルヴァジアで造られたワインを試してみましょう。