コレクション: 長野ワイン
日本ワインの生産量2位、ワイナリー数2位(62軒)(2022年国税庁発表データ)。
GI Nagano (2021年取得)
日本ワインの生産量で山梨、北海道と並ぶ主要産地の一つです。2023年は北海道に抜かれて3位でしたが、それまでは常に山梨に次ぐ日本2位の生産量を誇って来ました。ワイナリーの数も75軒と2位で、かつ2014年の25軒から10年で3倍に増加しています。さらにワイナリー設立を目指して既にぶどう園を開設している生産者も多く、まだまだワイナリーが増えていく見込みです。あと数年でワイナリー数は100軒を超す見込みで、山梨県を抜いてワイナリー数で日本一になる事も現実味を帯びて来ました。
周囲を3,000m級の山々に囲まれ、全体的に標高が高く、内陸性の気候を持つのが長野県です。この気候は雨が少なく冷涼で乾燥したヨーロッパのワイン銘醸地に近く、大きな気温の寒暖差も持つため、特にメルロやシャルドネなどのワイン用ぶどうの産地として高いポテンシャルを持っています。
長野県は元々は赤玉スイートワインなどの甘味果実酒の原料ぶどうの産地として発展したため、現在でも生産量が多いのはコンコードやナイアガラなどのアメリカ系ぶどうですが、近年はワイン専用種であるヴィニフェラ系ぶどうの栽培面積が急激に増加しています。特に他の主要産地と比較するとメルロやカベルネ・フラン、シラーなどの赤ワインの評価が高いのが特徴です。また、山岳県らしく、同じワイン産地の中に500mを超えるような大きな標高差がある事も稀ではなく、幅広い気候帯を持つ事から、多彩なぶどう品種で成功が可能な事も長野県の魅力の一つです。
長野県は2013年に「信州ワインバレー構想」を発表し、県としてワイン産地の形成を支援する事を宣言しました。この構想では県内を4つのワインエリアに分類し、産地化を目指しています。4つのバレーは北から「千曲川」「日本アルプス」「桔梗ケ原」「天竜川」ですが、特に千曲川ワインバレーのワイナリーの増加が顕著で、歴史的な産地である桔梗ケ原ワインバレーと並んで、2大産地を形成しつつあります。特に小諸から東御を経て上田・坂城に至る上流部の斜面エリアと、須坂市と高山村周辺の下流部にぶどう畑が集約され、新しい生産者が次々と登場しています。ワインバレー構想10周年の2023年には「信州ワインバレー構想2.0」が発表され、5つ目のワインバレーである「八ヶ岳西麓ワインバレー」が追加されました。このエリアは標高1000m近い冷涼な産地で、近年の気候変動の中で新たなワイン産地として浮上してきました。同じく標高1000mの軽井沢でもワイン生産がスタートしています。
大消費地である東京との物理的・心理的な距離も近さもアドバンテージであり、ますますの発展が予測されています。