ビルカール サルモン
ビルカール・サルモンは、1818年にニコラ・フランソワ・ビルカールと妻であるエリザベス・サルモンによって、マレイユ・シュル・アイ村に設立されました。その歴史は約200年・7世代に渡り、一族経営を続けつつ、世界的ブランドとしての地位を確立してきた由緒正しいメゾンです。
家族経営ならではの「妥協なき品質追及」「独自の手造り製法」「少量逸品主義」をモットーとして、高品質なシャンパーニュを造り続けています。ブドウは自社畑と自社管理畑で80ヘクタールを所有し、異なる40のクリュ、計220ヘクタールから供給されています。
ブドウの質を第一に考え、収穫して時間が経つことで酸が低下することを防ぐ為にブドウ畑の近くに4つものプレスハウスを設けています。また、コールド・スタビライゼーションによるダブル・テブルバージュ技法を導入、これはベルギーでビールを製造していた祖父から学んだ麦汁清澄技術を応用したもので、プレスのあと果汁を6時間静置して澱引きをし、タンクの中で4度に冷やし2日置くというプロセスが行われています。アルコール発酵の後5ヶ月間にわたってバトナージュを行うなど、手間暇を惜しみません。
こういったこだわりの追求が確固たるメゾンとしての地位を築いてき、唯一無二の味わいと評価を高めていきました。
伝統厳守の醸造は、ブルゴーニュの小樽で行います。 ピノ・ノワールの樽熟成は小規模生産者の一部が手がけているのみで、ビルカールのような中規模のメゾンではとても稀なことです。また近年は、デブルバージュから醗酵まで低温で管理する最新技術を導入するなど、新技術の導入を積極的に進めています。これには、2005年までセラー・マスターを務めたフランソワ・ドゥミ氏の手腕が発揮されています。
瓶熟の期間は、ノン・ヴィンテージで3~4年、ヴィンテージ・ワインは約10年。大規模なメゾンにはできないこうした細かな積み重ねがさらなる高品質を生んでいるのです。
生産量は約15万ケース。RM(レコルタン・マニュピュラン)並の少なさで、「高品質・少量生産」を貫いています。5000以上あるといわれるシャンパン・ハウスの中でも「品質は超一流、規模は中程度」とも言われる所以です。
1999年にストックホルムで行われた20世紀を代表するシャンパーニュを選ぶ「ミレニアム・ブラインド・テイスティング」で1位、2位に輝くという快挙と栄誉をも獲得しました。早20年が経つ今もなお、家族経営で「少量逸品主義」を崩さないメゾン。それがビルカール・サルモンです。