シャトー・サンミッシェル
2023.08.07

シャトー・サンミッシェル

 

シャトー・サンミッシェル

シャトー・サンミッシェル

ヘッドワインメーカーのボブ・バートゥー氏
ヘッドワインメーカーのボブ・バートゥー氏

 1912年バロン・フレデリック・スティムソンが農場を設立した場所に、シャトー・サンミッシェルはあります。1934年に設立したナショナル・ワイン・カンパニーが合併により1954年にアメリカン・ワイン・グローワーズを設立し、カリフォルニアワインのカリスマと言われるアンドレ・チェリスチェフ氏のコンサルタントを受けて1967年にシャトー・サンミッシェルをリリース。1974年にリースリングのワインが『ロサンゼルス・タイムズ』主催のテイスティングでトップ評価を受け、一躍全米の注目を集めました。

ボトルにも描かれるシャトー・サンミッシェルを象徴する建物
サンミッシェルのシャトー

 1983年にワシントン州初のAVA「ヤキマ・ヴァレー」、87年に「コロンビア・ヴァレー」「ワラワラ・ヴァレー」が認証され、世界中から同州への関心が高まる最中、名声を確立していきました。 1998年にはトスカーナのマルケージ・アンティノリとのコラボレーションにより「コル・ソラーレ」を設立、1999年にはドイツのモーゼル、エルンスト・ローゼン博士とのコラボレーションにより「エロイカ」をリリースし、2012年のWine & Spiritsでは「アメリカで最も力強く、複雑味のあるリースリング」と称されるなど、常に前進し続けるワシントン州のリーディングワイナリーです。
 

 畑の気候は、ラインガウ、ブルゴーニュに次いで、低い生育期間の平均気温で、稀にみる少ない降水量と長い日照時間に恵まれています。最大で17時間に及ぶ生育期の日照時間があり、収穫期には、アイスワインの生産も可能な程の大きな寒暖差が生まれます。暖かい日中の気温+涼しい夜間の気温によって、熟度とバランスのとれた酸の両方を兼ね備えたブドウが育ちます。
 

ワイナリーの所在地と畑の位置
地図
カベルネ・ソーヴィニョンが植わる畑
畑

 醸造に関しては、16年間ソノマでワイン造りを経験したボブ・バートゥ氏が2004年にヘッドワインメーカーに就任。2011年に赤ワイン醸造責任者にレイモン・マッキー氏、2015年に白ワイン醸造責任者にデイヴィッド・ロゼンタル氏が就きました。
レッドワインメーカーとホワイトワインメーカーをそれぞれ任命し、他のワインメーカー達を率いる「サンミッシェル スタイル」を伝承し、高い技術を持つエキスパート集団によるサステイナブルなワイン造りを行っています。 

 醸造所は製造色に分けて2つ所有しています。

 1つはシアトル郊外ウッデンヴィルのスティムソン卿の邸宅を改築した白ワイン専用の醸造所です。ウッディンヴィルの「シャトー」で、低温のステンレスタンク醗酵、樽醗酵の両方を行っています。
シャルドネの大半は、複雑味と優しい口当たりに仕上がるように樽醗酵させています。MLFはワインのスタイルに応じて実行い、果実味を前面に出すために、約10%をステンレスタンクで醗酵させ、シュールリーで熟成します。樽にはフレンチ・アメリカンオークをミックスし使い、ロットに応じて4-10ヶ月熟成に用います。

リースリングは酸味と糖度の絶妙なバランスを図ることを念頭に、畑や酸・糖度の違いで毎年10種程の異なるワインを造ります。アロマの複雑さを求め、15-20の異なる酵母を使用し、細かくロットに分けて様々な方法で醗酵を行います。
 

 また、ワシントン州南部ホース・ヘブン・ヒルズには赤ワイン専用の醸造所、カヌーリッジ エステート ワイナリーがあります。こちらのワイナリーでは、北米最大(もしかしたら世界最大?)の選果台導入し、60-70トン/時の選果能力で、果実以外の部位を取り除く(MOGシステム)で、過度な苦味や渋みなどを抑えるよう働きかけています。品質とスタイルを最大限表現するため、400-500の異なるロットに分けて醗酵を行い、ロット毎に各工程の調整を行い醸造し、その後ブレンディングする手法を取っています。MLFによって樽熟成による表現を綺麗に出し、色を安定させ、複雑味を増すようにしております。毎年25,000個の樽をモニターしながら、スタイルや位置づけの違う20のワインを生産しており、大きな労力を掛けて造り上げていることが伺えます。
販売ページ