2023.09.29

ブルゴーニュワインの基礎知識を解説!製法やボルドーワインとの違いも解説

 

フランスワインの二大産地として知られているのが「ボルドー」と「ブルゴーニュ」です。ボルドーはカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローを中心とした複数の品種をブレンドするタイプが多いですが、ブルゴーニュのワインのほとんどは単一品種のみで造られます。白はシャルドネ、赤はピノ・ノワール(ボジョレー地区ではガメイ)を使用するのが特徴です。同じブドウを使っていても、村や畑、造り手によって味わいや風味に大きく差が出るのがブルゴーニュならではの特徴といえます。
今回はブルゴーニュワインについて、基礎知識や使われるブドウの品種、おすすめのワインなどを解説していきます。

ブルゴーニュワインの基礎知識

フランスのブルゴーニュ地方で造られたワインは、特に畑ごとに味わいの違いが表れるのが特徴です。それは土壌や気候条件、造り手の哲学などに起因しています。ここではブルゴーニュワインを語るうえで知っておきたい基礎知識を解説していきます。

フランス・ブルゴーニュ地方の地理と気候

ブルゴーニュはフランス東部の地域で、冷涼な気候と大陸性気候の性質を持っています。北はシャブリ地区、南はボジョレー地区まで名高いワインが数多くあり、南北に280kmある長い地域です。土壌はジュラ紀由来の粘土石灰質が多く、ボジョレー地区は北部が花崗岩質、南部が粘土石灰質となっています。

ブルゴーニュワインの特徴

ブルゴーニュのワインは、単一ブドウを使用するにも関わらず、味わいの奥深さや多様性、繊細さが表れるのが魅力の一つです。単一品種でここまで余韻が長く、味わいの多様性が出るのは、ブルゴーニュならではの土地の個性(テロワール)が色濃く出ることに起因しています。

ブルゴーニュワインの製法

ブルゴーニュのワインは単一の品種のブドウで造られることが多く、ほとんどは赤はピノ・ノワール100%、白はシャルドネ100%で造られています(ボジョレー地区を除く)。
単一品種での醸造は、その品種の特徴をワインに反映させやすく、土地のテロワールやヴィンテージ生産者の哲学を表しやすいというメリットがあります。
なかでもブルゴーニュのワインは繊細で余韻が長く、官能的な味わいが特徴です。

ボルドーワインとの違い

フランスの二大生産地として知られるボルドー地方は、ブルゴーニュと違い、複数の品種をブレンドして造られるため、ブレンドならではの味わいの複雑さが表現できます。また、ボトルの形状にも違いがあり、ブルゴーニュは「なで型」ですが、ボルドーは「いかり肩」の形状をしています。ボルドーのワインは濃厚なものが多いため、グラスに注ぐ時、澱がグラスに入らずにボトルの肩の部分でとまるようにするため、いかり肩のデザインになっています。
また、生産者の呼び名にも違いがあり、ブルゴーニュは「ドメーヌ(Domaine)」と表現しますが、ボルドーでは「シャトー(Chateau)」と呼んでいます。

ブルゴーニュワインの代表的なブドウの品種

ブルゴーニュで作られるブドウは、黒ブドウはピノ・ノワールとガメイ、白ブドウはシャルドネとアリゴテです。なかでも主要なブドウ品種は、ピノ・ノワールとシャルドネ。ボジョレー地区を除くと、この2つの品種が合計で栽培面積の90%を占めています。
ここではブルゴーニュの代表的な品種について、味や香りも含めて解説していきます。

ピノ・ノワール

ブルゴーニュを代表するブドウ品種で、タンニンが少なく、程よい酸味があり、バランスの取れた口当たりの良い赤ワインが生まれます。長期熟成にも向いており、熟成するにつれて丸み、複雑さ、豊潤さが出てくる特徴があります。赤果実のアロマを持ち、気品のある味わいに仕上がります。
ブルゴーニュのピノ・ノワールは特に味わいの繊細さや奥行きの深さが唯一無二で、世界中のワイン愛好家を魅了しています。

ガメイ

ガメイはボジョレーヌーヴォーに使われる品種で、早期に発芽し成熟するポテンシャルを持っています。フレッシュな果実味と酸味が特徴で、フルーティに仕上がり、イチゴやラズベリーなどの甘酸っぱい果実を思わせる香りがあります。アルコール度数は低めで、程よい酸味を持つワインになるため、ライトな飲み口で親しみやすい仕上がりになります。

シャルドネ

シャルドネは世界中で最も栽培されている白ワインを代表する品種です。産地や醸造フローによって味わいやアロマが大きく変わる品種で、ブルゴーニュにおいては北部のシャブリではキレのあるシャープな酸味とミネラルを感じられ、南部のマコンでは凝縮した果実味が感じられるといった特徴があります。なかでもブルゴーニュの中心地であるコート・ドール県の南部、コート・ド・ボーヌの「モンラッシェ」は、世界屈指のシャルドネの銘醸地であり、世界的にも高い評価を受けています。
シャルドネについての詳しい解説はこちらをご覧ください。
https://www.cavederelax.com/blogs/column/chardonnay

 

アリゴテ

アリゴテはブルゴーニュで古くから根付く品種で、病害虫に強く、丈夫で育てやすいのが特徴です。シャルドネ以外で唯一ブルゴーニュの村でA.O.Cが認められている品種でもあります。酸味の強いすっきりとした味わいがあり、一昔前は酸っぱさだけが際立つなどのイメージがありましたが、近年では酸と果実味のバランスが取れた辛口白ワインが多く生産されています。

おすすめのブルゴーニュワイン3選

ブルゴーニュワインを楽しんでみたい方におすすめのワインを3本に厳選して紹介します。スパークリング、白、赤とそれぞれセレクトしたのでぜひ参考にしてみてください。

エヴィダンス by LVHB クレマン・ド・ブルゴーニュ ブラン・ド・ブラン NV

シャルドネ100%のブラン・ド・ブラン仕立て。リンゴや柑橘類を思わせるほのかに甘く香ばしいアロマがあり、豊富なミネラルと爽やかな果実感が味わえます。品の良い辛口で幅広い料理に合わせられます。ちょっと贅沢したい日にもぴったりのクレマンです。


ドメーヌ・ド・ラ・ボングラン マコン・ヴィラージュ テヴネ・カンテーヌ 2020

ビオロジック農法で栽培され、手収穫されたドメーヌのブドウだけを使って造られています。レモンの蜂蜜漬けやハーブの香りを感じられ、まろやかでクセがなく飲みやすいのが特徴。ブルゴーニュの南の地域らしい味わいと、豊かな果実味を感じられる1本です。

ピエール・ダモワ ブルゴーニュ・ルージュ 2012

ダークベリーの華やかな果実味に豊かなボリュームと長い余韻が感じられます。ブルゴーニュらしい上品なやわらかい酸とタンニンを感じられる1本です。軽やかさの中にも奥行きのある味わいが楽しめます。


まとめ

ブルゴーニュは世界的にも高品質のワインが生まれる名産地の一つで、地区によって味わいが大きく変わるのが魅力です。ブルゴーニュワインを飲み比べてみたい方や、他にもおすすめのブルゴーニュワインが知りたい方は、ぜひカーヴドリラックスのサイトをご覧ください。

THE CELLAR online store

この記事を書いた人

吉川 大智

吉川 大智

JSA認定 ソムリエ

バーテンダー、ワインバーのマネージャーを経てワインのPRライターに。過去には40カ国200都市の酒場とワイナリーを訪問した経験あり。