2023.10.27

ピノ・ノワールはエレガントな雰囲気の赤ワイン!特徴やおすすめのワインも紹介

 

赤ワインの代表的な品種の一つであり、黒ブドウの女王とも呼ばれる「ピノ・ノワール」。
華やかさや官能的な香りが特徴的で、エレガントなワインを生み出します。
フランス-ブルゴーニュで作られる高級赤ワインのほとんどは、ピノ・ノワールから造られており、最高級ワインとして知られるロマネ・コンティもその1つです。
非常に繊細なブドウでもあるので、栽培の難易度も高いと言われていますが、
その魅力から近年では世界中で栽培がおこなわれ、各国でワインが造られています。
世界を魅了し続けるピノ・ノワール。その特徴や、他品種との違いを知ると、ワイン選びがさらに楽しくなるのではないでしょうか。この記事ではピノ・ノワールの基礎知識や、おすすめの1本をご紹介します。

 

ピノ・ノワールとは?

ピノ・ノワールは、フランス原産のヴィティス・ヴィニフェラ種の黒ワイン用ブドウ品種です。 フランス最古のブドウのひとつで、1世紀頃からブルゴーニュのシトー会修道士によって栽培されてきました。 黒葡萄の中でも果皮が薄く、繊細なブドウです。
ブルゴーニュの中でも、有名なグランクリュの畑で収穫されたピノ・ノワールは特に繊細で、上品さ・優雅さを有し、長期熟成に耐えうるワインとして高く評価されています。
世界で最も高価なワインの一つ、ロマネ・コンティもピノ・ノワールから造られています。
栽培に関しては、気候や土壌との相性が重要であり、かつてはブルゴーニュ以外での栽培は難しいと言われていましたが、現在では世界のさまざまな産地で高品質のピノ・ノワールが栽培されており、国際的な品種として知られています。

生産地

フランス・ブルゴーニュ

ピノ・ノワールの聖地と呼ばれるのが、フランス・ブルゴーニュ地方。
ピノ・ノワールの栽培に最も適した条件である冷涼な気候、そして石灰粘土質の土壌を持ち合わせた産地です。
ブルゴーニュで生産されている赤ワインの大半は、ピノ・ノワールから造られます。
ロマネ・コンティの畑もこのブルゴーニュのコート・ドールに位置します。
熟成型のワインが多く、長期熟成を経たピノ・ノワールはベリーなどのフルーティーな香りに留まらず、土やキノコ、スパイス、ハーブなどの複雑味を持つ高貴で官能的なワインとなります。

アメリカ

オレゴン州はその気候がブルゴーニュと似ていると言われており、安価ながらも高品質なピノ・ノワールが生み出されています。
また、近年注目を浴び始めているのが、カリフォルニアです。冷涼なソノマコースト、温和なロシアンリバーヴァレーと、様々な気候のタイプから、幅広いスタイルのピノ・ノワールが生産されています。

ニュージーランド

ニュージーランドの黒ブドウで、栽培面積が第一位なのはピノ・ノワールです。
果実味が豊かで、フレッシュなタイプのピノ・ノワールはニューワールドなスタイルとして世界的にも評価されています。

オーストラリア

シラーズが有名なオーストラリアですが、近年ではヤラヴァレーやタスマニア島をメインに、その冷涼な気候をいかしてピノ・ノワールも盛んに栽培されています。手ごろなデイリーワインから、高値で取引されるカルト的な人気を持つものまで幅広いタイプのワインが造られます。

香りや味わい

若いうちは野苺、ラズベリーやチェリーなど赤い果実系の香りが特徴的で、熟成してくるとキノコや腐葉土など妖美な香りに少しずつ変化していきます。
果皮が薄いこともあり、タンニンは控えめで軽やかさと程よい酸味を持ち合わせています。

※タンニンとは・・・ワインに含まれる天然の化合物で、特に赤ワインで感じられる。口の中で渋みや引き締まった感じを与える(参考:https://www.cavederelax.com/blogs/column/tannin

※酸味とは・・・ワインの爽やかさやフレッシュさを引き立てる要素。白ワインやロゼワインに特に重要だが、赤ワインにも必要な要素

 

メルローやカベルネ・ソーヴィニヨンとの比較

ピノ・ノワールは基本的に渋みが控えめで、
フレッシュな果実味や、繊細な香りを楽しめる味わいと言えます。

 

酸味

渋み

香り

ピノ・ノワール

フレッシュな酸

柔らかく繊細

赤果実(苺・ラズベリー)・バラ

メルロ―

おだやか

まろやかでシルキー

赤・黒果実(プラム)・ミント

カベルネ・ソーヴィニョン

適度な酸味

しっかりと力強い

黒果実(カシス)・青南蛮

ピノ・ノワールに合う料理

繊細で軽やかな味わいが特徴のピノ・ノワールは、食中酒として様々な料理と合わせやすいワインです。お肉と合わせる場合は、鴨肉、鶏肉など、キメの細かい肉質とのペアリングがお勧めです。

最近では和食とのペアリングもよく見かけます。滋味深さのあるピノ・ノワールは、マグロの漬けやぶりの照り焼き、焼き松茸など、繊細な和食にも寄り添ってくれます。

また、ワインの色と食材を合わせるのもお勧めです。
ピノ・ノワールと同系色=淡い赤色の食材
たとえばローストビーフや生ハム、ビーツ、ザクロや苺などを使った料理は、相性抜群です。

 

おすすめのピノ・ノワール3

今では世界各国でワインが造られているピノ・ノワール。
何から飲み始めたら良いか迷っているあなたへ、おすすめのワインをご紹介します。

ブシャール・ペール・エ・フィス ブルゴーニュ ピノ・ノワール ラ・ヴィニェ 2020

まずは王道、フランス-ブルゴーニュのピノ・ノワールからご紹介します。
ビンテージごとにぶれが少なくその安定した味わいは、ブルゴーニュ、コート・ドールに130haもの自社畑を所有する大規模ドメーヌだからこそ。
フレッシュな赤系のベリーとミネラル感のある一本です。
果実味、タンニンと酸味のバランスの取れた味わいで、
ブルゴーニュのピノ・ノワールの特徴が良く表現された、お手本のようなワインです。


クルーガー・ファミリー・ワインズ パーリー・ゲーツ ピノ・ノワール 2020

南アフリカの冷涼産地で標高500mの畑のブドウから作られるこのワインは、
凝縮感のあるベリーの果実味に加え、バラやミントのような清涼感を感じることができます。
しっかりとした酸味が特徴的で軽やかな飲み口ですが、同時に果実味のふくよかさも感じられます。
複雑味があるので食事とも合わせやすく、脂ののった魚やお肉などとも相性が良いです。

ベティッグ ヴィーノ・デ・プエブロ ピノ・ノワール 2021

チリワイン界で数々の偉業を成し遂げてきた天才醸造家フランシスコ・ベティッグ氏が始めた小規模ブティックワイナリー「ベティッグ」のベーシック・キュヴェ。
ナチュラルな農法で手摘みでの収穫を行い、自然酵母のみでの発酵。徹底された管理から生み出された高品質なワインです。
透明感のあるラズベリーや野苺などの赤い果実を中心に、丸みのあるタンニンが特徴的。コストパフォーマンスが高く、デイリー使いに楽しめるピノ・ノワールです。

 

まとめ

ピノ・ノワールの特徴としては、ベリー系の酸味があり、フレッシュな状態での早飲みも楽しめますし、熟成を経て生まれるエレガントで複雑な味わいも人々を魅了します。
赤ワインの中ではタンニンが控えめなので、渋みを抑えた爽やかなワインが好きな方にもおすすめです。
ピノ・ノワールを飲み比べてみたい、試してみたいという方はぜひ、
カーブドリラックスの厳選したラインナップをご覧になってみてください。

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この記事を書いた人

高松 亨

高松 亨

CMS認定 マスターソムリエ

オーストラリア・シドニー出身。当時24歳にして世界最難関とも呼ばれるマスターソムリエに最年少、日本人として初めて合格。
現在は地域おこし協力隊として北海道・余市のドメーヌ・タカヒコにて研修中。