ニュージーランドワインの特徴や主な品種、産地を解説!
ニュージーランドワインの特徴や主な品種、産地を解説!

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THE CELLAR JOURNAL --- writer : Wataru Iwata

ニュージーランドワインはヨーロッパやその他のニューワールドの国々と比べて歴史は浅いものの、幅広いエリアで造られている、高いクオリティと多様性を持ったワインです。
本記事では、ニュージーランドワインの基礎知識や主な産地を解説するとともに、おすすめのワインを3本紹介させていただきます。さまざまな産地や品種をご紹介いたしますので、ニュージーランドワインに興味のある方はぜひご覧くださいませ!
ニュージーランドワインはヨーロッパやその他のニューワールドの国々と比べて歴史は浅いものの、幅広いエリアで造られている、高いクオリティと多様性を持ったワインです。
本記事では、ニュージーランドワインの基礎知識や主な産地を解説するとともに、おすすめのワインを3本紹介させていただきます。さまざまな産地や品種をご紹介いたしますので、ニュージーランドワインに興味のある方はぜひご覧くださいませ!

ニュージーランドワインの特徴や主な品種、産地を解説!おすすめ商品3選も紹介

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2024.06.07

1. ニュージーランドワインの基礎知識

それでは早速ニュージーランドワインの特徴を見ていきましょう。

ニュージーランドワインの特徴

ニュージーランドワインの味わいの特徴は、「鮮やかでピュアな果実味」と「ナチュラルな酸が溶け込んだ、自然な調和が感じられる」ところです。
高い日照量を誇り、1日の寒暖差が大きい産地で造られるワインは、特に芳醇な香りを持つとともに、フレッシュな酸による輪郭のはっきりとしたエレガントなワインとなります。
ニュージーランドで最も有名なブドウ品種はソーヴィニヨン・ブランです。ソーヴィニヨン・ブランを中心に、生産されるワインの70%が白ワインとなっています。
また、2013年末の時点では、99%以上のワインにスクリューキャップが採用されている点も大きな特徴です。2001年8月に「ニュージーランド・スクリューキャップ・ワイン・シール・イニシアティブ(NZSWSI)」が結成されたのも、その普及に大きく貢献しました。スクリューキャップは気密性や安全性に優れているため、ナチュラルコルクの代用として広く国内で浸透し、高価格帯のワインにも採用されています。

ニュージーランドワインの特徴

ニュージーランドワインの歴史

ニュージーランドのワインの歴史は、フランスやイタリアに比べるととても浅く、19世紀の初めに、英国人の宣教師によって最初のブドウの木が植えられたのが最初と言われています。1836年に「オーストラリアのブドウ栽培の父」の異名を持つスコットランド人のジェームズ・バスビーによってワイン醸造が始まりました。
そして、1980年代にニュージーランドのマールボロ地区にて造られたソーヴィニヨン・ブランが世界的に高い評価を受けたことで「ニュージーランドワイン」が世界で注目されるようになりました。以降、ニュージーランドという国が一気に世界のワインマップに載り、その評価だけでなく、そのクオリティも一気に世界レベルに押し上げられていきました。
現在では、ニュージーランドの各地でワイン造りが行われており、その品質は高く評価されています。

2. ニュージーランドワインの主なブドウ品種

ニュージーランドワインの主なブドウ品種は、白ワインはソーヴィニヨン・ブラン、
そして赤ワインはピノ・ノワールとなります。これらの品種はどちらも冷涼な気候での栽培が向いている品種です。

ソーヴィニヨン・ブラン

ニュージーランドの約60%の栽培面積を誇るのがソーヴィニヨン・ブランです。

爽やかなハーブ香に、グレープフルーツやトロピカルフルーツの果実味、
そして生き生きとした酸味が味わいの特徴となります。

ソーヴィニヨン・ブランはフランスのロワール地方原産のブドウ品種です。
より詳しくソーヴィニヨン・ブランについて知りたいという方は、ぜひこちらのコラムもご覧くださいませ!
(ワインの豆知識:ソーヴィニヨン・ブランはみずみずしさと酸味が魅力!)

ソーヴィニヨン・ブラン

ピノ・ノワール

ニュージーランドの黒ブドウを代表する品種はピノ・ノワールです。
ソーヴィニヨン・ブランの約4分の1ほどの栽培面積を占めています。

ニュージーランドのピノ・ノワールのクオリティは非常に高く、
原産地であるブルゴーニュの赤ワインとも比べられることもある程、高い品質を誇ります。
バラやスミレといった華やかなアロマとともに、
イチゴやチェリーなどの赤い果実の香りが溶け込んだワインに仕上がります。

ピノ・ノワールについて、詳しくはこちらのコラムでご紹介しておりますので併せてご覧ください。
(ピノノワールはエレガントな雰囲気の赤ワイン!特徴やおすすめワインもご紹介)

ピノ・ノワール

その他のブドウ品種

ソーヴィニヨン・ブラン、そしてピノ・ノワール以外にも数多くのブドウ品種が植えられており、
どの品種からも、品質の高いワインが造られています。

主なブドウ品種としては下記に挙げられます。
・シャルドネ
・リースリング
・ピノ・グリ
・メルロー
・シラー
・ゲヴュルツトラミネール

それぞれの品種についても下記のリンクにて詳しくご紹介しておりますので、ぜひ覗いてみてください。
シャルドネ
リースリング
ピノ・グリ
メルロー
シラー

3. ニュージーランドワインの主な産地

ニュージーランドの主なワイン産地をみていきましょう。
ニュージーランドは南北2つに分かれた島国で、南半球に位置しています。日本と同じように海で囲まれているため海洋性気候の影響を受け、年間を通じて気温が安定しています。
赤道に近い北島は温暖な気候、南極に近い南島は1日の気温差が大きく冷涼な気候環境となっています。
それでは以下により詳しいニュージーランドワインの主な産地を紹介させていただきます。

ニュージーランドワインの主な産地

オークランド

北島に位置する大都市「オークランド」。
暖かい気候によって、高品質ワインがこの都市の近郊で多く生み出されています。大手ワイナリーの本社のほとんども、このオークランド市内に集結しています。高品質を生み出す、カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネ、そしてメルロはオークランドでも数多く栽培されています。
オークランドは、「クメウ」、「マタカナ」、「ワイヘケ・アイランド」の3つの小地区に分かれています。
マタカナにある「プロヴィダンス」は著名なワイン評論家であるステファン・タンザー氏に賞賛されたことをきっかけに、ニュージーランドの高級赤ワインとして確固たる地位を築いたワインです。マタカナは降水量が少なく、そして日照時間も長いので、赤ワインを造るのに理想的な環境です。
プロヴィダンスに関しては、化学肥料などに頼らずに、完全なオーガニック栽培でワイン造りを行います。天然酵母のみで発酵させた、奥深い味わいが特徴です。

ホークス・ベイ

同じ北島の中でも、最大ワイン産地であるのが「ホークス・ベイ」です。ここはマールボロに次いで、ニュージーランドで2番目に大きいワイン産地となっています。
ニュージーランドの中で最も暖かく、日照時間も長いのが特徴で、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロが歴史的にも長くこの土地で栽培されています。
近年はシラーがとても注目されており、ホークス・ベイにてニュージーランドのシラーの約4分の3が生産されています。

ワイララパ

北島の南端に位置する首都ウェリントンからも近い「ワイララパ」。小規模なブティックワイナリーが数多くあります。
エレガントスタイルのピノ・ノワールで知られているマーティンボロ地区が有名です。この地区は特にブルゴーニュとのテロワールの類似性でも知られており、赤系果実主体のアロマとスパイスのトーンが調和した深みのあるワインが造られます。

ネルソン

自然の景色が美しく、リゾート地として人気のある「ネルソン」。ピノ・グリが有名なワイン産地です。
豊富な日照量から「サニーネルソン」とも言われ、果実味主体のワインが生み出されます。

マールボロ

ニュージーランドのブドウ栽培面積のほぼ約7割を占める最大の産地「マールボロ」。世界的に名声を得るようになったソーヴィニヨン・ブランが最も多く栽培されているのもこの産地です。
冷涼な気候を特徴とするこの産地では、生き生きとした清涼感ある酸味に、長い日照時間がもたらす芳醇なフルーツのアロマが溶け込む、高品質なソーヴィニヨン・ブランが造られます。

セントラル・オタゴ

世界で最南端に位置すると言われているワイン産地「セントラル・オタゴ」。ニュージーランド国内で唯一の大陸性気候を持つ産地です。
日照量が多く標高も高いことから、果実味が強く厚みのある味わいのピノ・ノワールが造られます。またそれ以外にもシャルドネやピノ・グリ、リースリングなどの白ブドウ品種も数多く栽培されています。

4. ニュージーランドワインに合う料理

ハーブの香りとトロピカルフルーツの果実味が特徴のソーヴィニヨン・ブランは魚介類全般のお料理ととても相性がよく、バターよりもオリーブオイルなどでサラッと軽やかに仕上げたものと合わせやすいです。
例えば、帆立のカルパッチョや、海老とレモンのリゾット、またはお寿司(手鞠ずしなど)との相性が良いです。フレッシュで爽やかな風味を楽しむことができる山羊のミルクのチーズともおすすめです。
ピノ・ノワールはさまざまなタイプのお料理に合わせて楽しむことができるフードフレンドリーなワインです。もちろん和食とも合わせやすいですし、最近の流行でもある韓国料理のチーズダッカルビなどにもセントラルオタゴの力強いスタイルのピノ・ノワールはおすすめです。

ニュージーランドワインに合う料理

5. おすすめのニュージーランドワイン3選

それではこちらに、皆様にお試しいただきたいおおすすめのニュージーランドワインを3つ紹介いたします。

ツイン・アイランズ ソーヴィニヨン・ブラン 2022

ツイン・アイランズ ソーヴィニヨン・ブラン 2022

マールボロでも屈指の家族経営ワイナリーが造るソーヴィニヨン・ブランです。自社畑のブドウに、長期契約農家さんから仕入れる、しっかりと熟したブドウを加えて造る本格的なワインです。
ステンレスタンクで醸造し、フルーツのピュアな風味を活かした爽やかでフレッシュなスタイル。
最初の口当たりはドライな印象。シトラスやフレッシュハーブ、トロピカルフルーツの香りにグレープフルーツの果実味が感じられる、マールボロのテキストブックのようなスタイルのソーヴィニヨン・ブランです。

インヴィーヴォ マナ・バイ・インヴィーヴォ・ピノ・ノワール 2022

インヴィーヴォ マナ・バイ・インヴィーヴォ・ピノ・ノワール 2022

華やかなか香りとピュアな果実味が特徴のピノ・ノワール。チェリーなどの赤系果実の風味を中心に、ピノ・ノワールらしいきめ細かいタンニンがもたらすシルキーなテクスチャーがワインの上品さをハイライトします。
自然酵母で発酵し、フレンチの古樽で約24ヶ月間樽熟成。シンプルな肉料理と気楽に合わせて楽しみたい一本です。

プロヴィダンス プライベート・リザーヴ 2013

プロヴィダンス プライベート・リザーヴ 2013

ニュージーランドのワインの中でもアイコン的なワインであり、プロヴィダンスの中でも力強さやエレガンスを備えたグレートヴィンテージの一本。良質なブドウが収穫された年にしかワインを造らないことでも有名な造り手です。
このキュヴェはカベルネ・フラン55%、メルロ25%、そしてマルベック20%がブレンドされたもの。
黒系果実のアロマが中心に、チョコレートやバニラ、甘いスパイスの香りが溶け込みながら、味わいにはしっかりとしたタンニンが力強い骨格を作ると共に、持続性のある酸がとても長い余韻を演出します。

6. まとめ

ニュージーランドの主なブドウ品種は、白ブドウはソーヴィニヨン・ブランで、黒ブドウはピノ・ノワールです。
穏やかな海洋性気候と長い日照時間が、果実味溢れるワインを生み出します。
ニュージーランドのワインを飲んでみたい!と思っていただけた方はぜひTHE CELLAR online storeで探してみてください♪

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岩田渉 氏

◆主な受賞歴 2017年 「第8回全日本最優秀ソムリエコンクール」優勝。 2023年「第17回A.S.I.世界最優秀ソムリエコンクール」へ日本代表として出場しセミファイナリストに選出(第5位)

1989年愛知県生まれ。同志社大学に在学中、留学先のニュージーランドでワインに魅了され、4年間ワインの勉強に没頭する。
2019年に現職、THE THOUSAND KYOTOシェフ・ソムリエに就任。