2023.12.18

お正月におすすめのお酒は?大吟醸酒と純米酒の違いやおいしいワインも紹介

 

2023年も残すところあとわずかとなりました。年末年始をどう過ごすか悩ましいところですが、おせちや豪華な料理を肴に美味しいお酒を飲もうと考えている人も多いのではないでしょうか。今回はお正月に飲むお酒の知識をはじめとして、お正月におすすめのワインなどを紹介していきます。お正月に飲むお酒にまつわる基礎知識を知っておけば、お正月をより楽しめるかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。

お正月に飲むお酒の基礎知識

一年が新たにはじまる新年は、世界的に見ても「めでたい」イベントとして催事や行事が行われています。日本の場合は、1年の幕開けを祝って健康や長生きを願うために日本酒を飲む文化や風習があります。お正月に日本酒を飲む風習は古くからありますが、樽酒(たるざけ)、お屠蘇(おとそ)、お神酒(おみき)といった言葉の意味を知らない人も多いかと思うので、以下で詳しく解説していきます。

樽酒(たるざけ)とは

地域や企業によっては正月に樽酒が振舞われることがあります。樽酒とは、日本酒を杉やヒノキの樽に詰めておき、お酒に木の香りをつけたものを指します。
樽酒を木槌で割って開ける儀式のことを「鏡開き」と言いますが、鏡開きは新たな出発や区切りに際し、健康や幸福を祈願するという意味があります。もともと鏡開きはお供えしていた鏡餅を下げて、お雑煮やお汁粉にして食べることを指しますが、樽酒の丸い蓋が鏡に似ていることから樽酒の蓋を開けることを鏡開きというようになったと言われています(諸説あり)。樽酒の鏡開きは、蓋を割って開くことから「運を開く」という意味を持ち、古くから伝統的に縁起の良いお酒としてお正月に飲まれるようになりました。また、酒樽を皆で分け合って飲むことから、「幸せを分かち合う」という意味合いも持ち、正月=樽酒という風習ができたと言われています。

お屠蘇(おとそ)とは

お屠蘇は一年の無病長寿を願って新年に飲むお酒のことを指します。伝統的に、お屠蘇は日本酒に薬草を加えて作られます。屠蘇散(とそさん)と呼ばれる5~10種類の生薬を配合して、日本酒やみりんに漬け込みます。地域や造られるメーカーによって配合される生薬は異なりますが、山椒や陳皮、桂皮、桔梗、八角、、白朮、防風といった生薬が使われることが多いです。お屠蘇を飲むタイミングは元旦(元日の午前中)、おせちを食べる前にいただくのが正しいとされています。

お神酒(おみき)とは

お神酒は、その名の通り神様にお供えするお酒で、お神酒をいただくことで、神様のご利益があるとされてきました。本来は御神酒に使われるお酒は「白黒醴清」と呼ばれる、白酒、黒酒、醴酒、清酒の4種類をお供えするのが正式とされています。以下に簡単に解説します。
・白酒(しろき):麹、蒸米、水で造ったもろみを醸造した濁酒。白濁しているのが特徴。
・黒酒(くろき):白酒に植物の枝を焼灰にして加え、黒色に着色したもの。
・醴酒(れいしゅ):醴酒は一夜酒ともいわれ、蒸し米に麹を加え一晩寝かせて造ったお酒。アルコールが1%未満であることから、甘酒に分類される。
・清酒(せいしゅ):清酒は「すみざけ」ともいい、一般的に日本酒のことを指す。

お正月に飲みたいおすすめの日本酒

日本酒は原料や醸造方法によってさまざまなタイプがあります。日本酒用の酒米は米全体のわずか2%前後と言われていますが、品種は90種類以上もあります。特定名称の清酒は、吟醸酒、純米酒、本醸造酒を指し、所定の要件に該当するものにその名称を表示することができます。それぞれの違いを以下の表にまとめましたので参考にしてください。

特定名称

使用原料

精米歩合

麹米使用割合

香味等の要件

吟醸酒

米、米麹、醸造アルコール

60%以下

15%以上

吟醸造り、固有の香味、色沢が良好

大吟醸酒

米、米麹、醸造アルコール

50%以下

15%以上

吟醸造り、固有の香味、色沢が良好

純米酒

米、米麹

 

15%以上

香味、色沢が良好

純米吟醸酒

米、米麹

60%以下

15%以上

吟醸造り、固有の香味、色沢が良好

純米大吟醸酒

米、米麹

50%以下

15%以上

吟醸造り、固有の香味、色沢が良好

特別純米酒

米、米麹

60%以下または特別な製造方法(要説明表示)

15%以上

味、色沢が特に良好

本醸造酒

米、米麹、醸造アルコール

70%以下

15%以上

味、色沢が良好

特別醸造酒

米、米麹、醸造アルコール

60%以下または特別な製造方法(要説明表示)

15%以上

味、色沢が特に良好

引用:国税庁 「清酒の製法品質表示基準」の概要

親族や友人との集まりに日本酒を持っていくなら、純米大吟醸のような高い日本酒は喜ばれますし、日本酒に飲みなれていない方や、宴会のような場なら上品かつゆっくりと楽しめる低アルコールの日本酒もおすすめです。

温度で変わる!おいしい飲み方

 日本酒は冷やしたり温めたりと、幅広い飲み方ができることも大きな魅力の一つです。
ここでは基本ともいえる「冷酒」「常温(冷や)」「燗酒」の飲み方について解説します。

・冷酒:日本酒を冷たい状態で飲むのが「冷酒」です。一般的には冷蔵庫で冷やした5~15度あたりを指します。冷酒にすると香りの広がりが穏やかになり、飲みやすくなります。また、すっきりとした飲み心地になるため、生酒や生貯蔵酒のようなさわやかな味わいの日本酒に適した飲み方です。

・常温(冷や):
冷やは冷や酒ともいい、冷やさず、温めず、そのまんまの温度である常温(20~25度)状態の日本酒を指します。
常温の日本酒は口あたりがなめらかでお酒の本来の特徴がよく分かります。冬は少し冷やしめに、逆に夏は少しぬるめにと、季節によって温度帯が微妙に変わる飲み方でもあります。純米酒や吟醸酒などは、常温でおいしく飲むことができます。ややこしい呼び方ですが、昔は冷蔵庫などの冷やす技術がなく、常温かお燗で飲む習慣があり、お燗していない状態=
「冷や」となりました。この名残で今も常温の日本酒を「冷や」といいます。

・燗酒:
燗酒は「お燗」などと呼ばれ、湯煎や電子レンジなどであたためて30~55度あたりの温度帯の状態を指します。
燗酒はお酒が持つ本来の味わいや香りが楽しめる飲み方の一つです。香りが広がりやすく、冷酒や常温では分からないような繊細な味わいや、深いコクを楽しめます。
燗酒は純米酒や本醸造酒のような、しっかりとした味わいの日本酒が向いています。香り豊かな大吟醸酒などは香りが飛んでしまうため、お燗には不向きといえます。

お正月はワインもおすすめ

お正月といえば日本酒のイメージが強いですが、ワインもおすすめです。日本で栽培されたぶどうで造られた国産ワインの辛口は、和風のおせち料理や刺身などと非常に相性が良いです。今回はお正月に飲みたいおすすめのワインを3本に厳選してご紹介します。

酒井ワイナリー バーダップ白 2022

山形にある老舗ワイナリーの酒井ワイナリーが造る、ろ過器を一切使わないこだわりの製法を続けている国産白ワイン。丸みのあるやさしい酸が全体を引き締めており、さわやかな飲み心地に仕上がっています。デラウェアを主体に、シャルドネ、甲州も加わり、芳醇でみずみずしいブドウをほおばったような、フレッシュでフルーティーな味わいが感じられます。年ごとに収量や原料ブドウ比率が異なるため、毎年違った味わいが楽しめるのも魅力の一つです。

フロムファーム 津軽スパークリング・グリーン 2020

青森のワイナリー「フロムファーム」のスパークリングワインです。シャルドネとピノ・ノワールを使用し、青リンゴのようなさわやかな香りと豊かな酸味があり、糖度と酸度のバランスが取れた飲みやすい辛口に仕上がっています。おせち料理はもちろん、魚や肉を使ったメインのお料理にも合わせやすい一本です。

Kisvinワイナリー シャルドネ レゼルヴ 2022

高級レストランのシェフも熱烈なラブコールを送るKisvinの白ワイン。ナッツのような上質な樽の香りの余韻が長く続き、お正月のような特別な日に開けるのにピッタリな1本です。
来年開ける場合はキャンタージュとスワリングをしっかりしてゆっくり楽しんでください。長期熟成にも向くので、じっくりセラーで寝かせて特別な日に楽しむのもおすすめです。


まとめ

お正月に日本酒を飲むのは1年の幕開けを祝い、健康や長生きを願うためとされています。現在ではお屠蘇を振舞う家庭は少ないかもしれませんが、来年のお正月は特別にふるまってみるのも良いでしょう。また、日本酒だけでなくお正月はワインも楽しみたい!という方は
ぜひカーヴ・ド・リラックスのオンラインサイトをご覧になってください。

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この記事を書いた人

吉川 大智

吉川 大智

JSA認定 ソムリエ

バーテンダー、ワインバーのマネージャーを経てワインのPRライターに。過去には40カ国200都市の酒場とワイナリーを訪問した経験あり。