カリフォルニアのブドウ品種「ジンファンデル」とは?
カリフォルニアのブドウ品種「ジンファンデル」とは?

特徴やおすすめワインを紹介

特徴やおすすめワインを紹介

THE CELLAR JOURNAL --- writer : Wataru Iwata

ジンファンデルとはカリフォルニアを代表するブドウ品種の一つです。イタリアでは同品種をジンファンデルではなくプリミティーヴォと呼ばれます。
本記事では、ジンファンデルの特徴や味わい、そして一緒に合わせたい料理などを紹介させていただきます。
合わせてジンファンデルのおすすめワインも紹介しますので興味がある方はぜひチェックしてください!
ジンファンデルとはカリフォルニアを代表するブドウ品種の一つです。イタリアでは同品種をジンファンデルではなくプリミティーヴォと呼ばれます。
本記事では、ジンファンデルの特徴や味わい、そして一緒に合わせたい料理などを紹介させていただきます。
合わせてジンファンデルのおすすめワインも紹介しますので興味がある方はぜひチェックしてください!

カリフォルニアのブドウ品種「ジンファンデル」とは?特徴やおすすめワインを紹介

特徴やおすすめワインを紹介
2024.08.19

1. ジンファンデルとは

ジンファンデルとはアメリカのカリフォルニア州を主な産地とする赤ワイン用のブドウ品種です。イタリアを産地とするプリミティーヴォと呼ばれるブドウ品種と同じ品種であることが、1990年代に分りました。
以下ではジンファンデルの特徴とジンファンデルから造られたワインの香り、味わいについてそれぞれ紹介させていただきます。

特徴

ジンファンデルは中ぐらいの果粒の大きさをもち、薄い果皮、そして凝縮感が強いという特徴を持つ黒ブドウです。また、粒同士がくっついているため、カビの病害にかかりやすいのも特徴です。
ブドウが成熟する際に、一粒ずつばらつきがあり、房単位での成熟度合いを見極めるのが難しい品種でもあります。そのため、一房の中に熟していない青いブドウとレーズン状のブドウが混ざることも多くあります。レーズン状になったものは多量の糖分を蓄積するため、アルコール度数が高いワインが生まれることもあります。

上記の点を理由に、栽培や醸造に関しても他のブドウ品種以上に手間のかかる品種の1つでもあります。
アメリカのカリフォルニア州では、白ワインと同じような製法で造るロゼワインの「ホワイト・ジンファンデル」も人気があります。

香り・味わい

ジンファンデルは育った地域によって味わいが大きく異なる、テロワールがしっかりと感じられる品種です。

・涼しい地域:アメリカンチェリーやラズベリーのような赤い果実のフレーバーとジューシーな酸味
・温暖な地域:ブラックベリーや甘草、クローブなどのスパイスが豊富に感じられるワイン
共通しているのはいずれも力強さと豊潤さ、果実の凝縮感を感じる味わいになるということです。収穫が早いとフレッシュな赤い果実味を多く感じ、収穫が遅いと熟した果実味や濃厚なフレーバーを多く感じるようになるなど、収穫するタイミングによってもスタイルが大きく異なります。

果皮が薄いことからタンニンによる渋みは控えめです。ホワイト・ジンファンデルと呼ばれるロゼワインはフルーティーでみずみずしく、心地よい味わいになるのでフルボディなワインが苦手な方にもおすすめです。

2. ジンファンデルの産地

ジンファンデルの主な産地はアメリカのカリフォルニア州とイタリアのプーリア州です。
それぞれの産地について紹介いたします。

アメリカ・カリフォルニア州

ジンファンデルの産地

プレステージクラスの高級なジンファンデルの産地はナパ・ヴァレーやソノマ、そしてベイエリアなどがあります。
近年ジンファンデルは古木が注目されていますが、古木で有名なエリアで言うとシエラ・フットヒルズやローダイがあります。中でもローダイはカリフォルニア州の高級ジンファンデルの約4割を生産、「ジンファンデルの首都」を自称することでも知られています。
ホワイト・ジンファンデルで使用されるブドウは内陸にあるセントラル・ヴァレーです。

イタリア・プーリア州

ジンファンデルの産地

イタリアではジンファンデルではなく、プリミティーヴォと呼ばれます。
プーリア州はイタリアの南東部に位置し、温暖で乾燥した気候が特徴です。その中でも有名な産地が南部のマンドゥリアです。

干しブドウ状のプリミティーヴォから造られる甘口の赤ワイン「プリミティーヴォ・ディ・マンドゥリア・ドルチェ・ナトゥラーレ」は2011年にD.O.C.G.(イタリアワインの最上級呼称)に認定されています。
プリミティーヴォをアメリカで販売する場合は、ジンファンデルとは別品種として表示しています。

3. ジンファンデルのワインの選び方

ジンファンデルのワインの選び方

一言にジンファンデルと言っても、ワインによって様々な違いがあるため、どれを選んでいいか迷うこともあります。
ジンファンデルの選び方に迷ったら、ワインの種類、産地、価格で選ぶのがおすすめです。

ワインの種類から選ぶ

ジンファンデルは赤ワインやホワイト・ジンファンデルというロゼワインがあります。

・赤ワイン:果実味が豊富で、まろやかかつ重厚感のある味わいが特徴
└ジンファンデルの個性的な味わいを楽しみたい方におすすめです。

・ロゼワイン:みずみずしくやや甘口のソフトな味わいが特徴
└アルコールが高いワインやフルボディのワインが苦手な方におすすめです。

合わせる料理によって赤ワインとロゼワインのどちらを選ぶかを決めるのもおすすめです。

産地で選ぶ

ジンファンデルは栽培される産地によってもそのスタイルが大きく変わります。

・カリフォルニア州(アメリカ):アルコール度数が高く、濃厚で力強いジンファンデルのフレーバーと甘いスパイスの香りが調和するスタイルが特徴

・プーリア州(イタリア):ソフトな酸味があり、ジャムのような甘い果実の風味とまろやかさが特徴

上述した寒冷、温暖な地域での味わいの違いについてもあわせて参考にするとより選びやすくなるかと思います。

価格で選ぶ

ジンファンデルのワインを美味しく楽しく味わいたいからこそ、価格で選ぶことも大切です。

・3,000円未満の低価格帯
└初めてジンファンデルのワインを飲む方やデイリーワインを求めている方におすすめ

・3,000円〜10,000円の中価格帯
└プレゼント用や来客にジンファンデルのワインを求めている方におすすめ

・10,000円以上の高価格帯
└誕生日やパーティー、特別な記念日などのイベントで味わうジンファンデルのワインを探している方におすすめ

4. ジンファンデルのワインに合う料理

ジンファンデルのワインに合う料理

果実味が豊かなジンファンデルのワインは甘味のあるソースと相性物群のため、焼肉やお好み焼き、照り焼きといった和食におすすめです。また、チョコレートを使ったデザートとも相性が良いのでぜひ試してみてください。

・スパイシーなジンファンデルのワイン:個性的な味わいのため、ジビエやラムを使った肉料理などにおすすめ
└家庭料理の場合はハーブやスパイスを加えると相性が良くなります

・ホワイト・ジンファンデル:ほんのりと甘い味わいのスタイルのためデザートともおすすめ
└軽いおつまみと合わせてアペロ(食前酒)として楽しんでも○

5. ジンファンデルから造られたおすすめワイン5選

そんなジンファンデルに興味を持っていただいた方に向けて、以下におすすめのワインを紹介させていただきます!

ジョエル・ゴット カリフォルニア ジンファンデル 2022

ジョエル・ゴット カリフォルニア ジンファンデル 2022

冷涼な地域と温暖な地域のジンファンデルをブレンドして造った赤ワインです。
豊かな果実味と引き締まったボディと、それぞれの産地の特徴が素晴らしく調和する味わいが特徴です。アメリカンオークで熟成されているので、樽由来の甘やかなスパイスの風味も感じられます。

ノヴィー ロシアン・リヴァー・ヴァレー ジンファンデル 2017

ノヴィー ロシアン・リヴァー・ヴァレー ジンファンデル 2017

3つの異なる畑のブドウをそれぞれ醸造した後にブレンドし、フレンチオークで熟成させた本格的なジンファンデルです。
樹齢の高いブドウならではの凝縮感と冷涼な地域特有のフレッシュな酸味が溶け込むバランスが絶妙です。赤いプラムやアメリカンチェリー、シナモンやバニラといった香りが多層的に感じられます。

カストロ・セラーズ エステート ジンファンデル パソ・ロブレス 2021

カストロ・セラーズ エステート ジンファンデル パソ・ロブレス 2021

ジンファンデルに少量のプティ・シラーをブレンドした赤ワインです。
オーク樽の香りと濃厚な果実味に加えて、ジャムのようなフレーバーと黒胡椒のスパイシーさを楽しむことができます。
ブドウは全て自社畑から造られるエステートワインです。

ナパ・グレン レッド・ワイン・ナパ・ヴァレー 2015

ナパ・グレン レッド・ワイン・ナパ・ヴァレー 2015

メルロやシラー、ジンファンデルなどナパ・ヴァレー各地のブドウをブレンドした赤ワインです。
ブラックチェリーやダークプラムを彷彿とさせる香りと、熟成によるマッシュルームや枯れ葉などの土っぽい香りを楽しむことができます。まろやかなタンニンの渋みとコーヒーやスパイスのフレーバーが余韻に長く続きます。

カリフォルニア・ルーツ ロゼ カリフォルニア 2020

カリフォルニア・ルーツ ロゼ カリフォルニア 2020

ジンファンデルにこちらもシラーやメルロなどのブドウ品種をブレンドしたロゼワインです。
フレッシュなベリー系のフレーバーと柑橘の風味が爽やかで親しみやすい味わいです。
手頃な価格のため、日常的に楽しむデイリーワインを探している方におすすめです。

6. まとめ

ジンファンデルはカリフォルニア州を主な産地とするブドウ品種です。力強さと芳醇さ、果実の甘いフレーバーを楽しんでいただくことができるワインですが、地域によっても香りや味わいが異なります。
ジンファンデルのワインに興味を持った方はぜひこちらのサイトもご確認ください!

※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。また、まとめサイト等への引用を厳禁いたします。
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岩田渉 氏

THE THOUSAND KYOTOシェフ・ソムリエ

1989年愛知県生まれ。同志社大学に在学中、留学先のニュージーランドでワインに魅了され、4年間ワインの勉強に没頭する。
2019年に現職、THE THOUSAND KYOTOシェフ・ソムリエに就任。

◆主な受賞歴
2017年 「第8回全日本最優秀ソムリエコンクール」優勝。
2023年「第17回A.S.I.世界最優秀ソムリエコンクール」へ日本代表として出場しセミファイナリストに選出(第5位)