南アフリカワインの歴史

2025.12.23

現地渡航情報を交えて徹底解説!
南アフリカワインの魅力

THE CELLAR JOURNAL 09.2025 ---
writer : Haruko Yamamoto

南アフリカワインの歴史

東京からケープ・タウンまで約15,000キロ。飛行機を乗り継ぎ、片道約1日必要なので、日本からは遠い場所です。一方、東ヨーロッパと同じタイムゾーンに位置し、西ヨーロッパ諸国とも時差は1、2時間しかありません。アクセスの良さゆえ、大航海時代からヨーロッパの影響を受けてきた結果、他の「ニュー・ワールド」と呼ばれるワイン産地に比べ、ワイン造りの歴史が長いです。具体的に見ていきましょう。

ワインの歴史は、1652年のオランダ人によるケープ・タウンへの入植からスタートします。その後、1655年にブドウが植えられ、1659年に初めてワインが完成します。数十年後には、宗教迫害を受けたフランスのユグノー(プロテスタント教徒)が南アフリカに移り住み、ワイン醸造技術をもたらした結果、ワインの質が大きく向上し産業として発展します。

アフリカ大陸最南端の港としても知られるケープ・タウン港
大航海時代から続く、大西洋とインド洋を結ぶ航路の要衝だ。
▲ アフリカ大陸最南端の港としても知られるケープ・タウン港。大航海時代から続く、大西洋とインド洋を結ぶ航路の要衝だ。

長くオランダの統治が続きましたが、19世紀初頭にイギリスの統治に変わり、1910年に独立を果たします。しかしながら、白人政権によるアパルトヘイトが実施され、これに反発した国際社会が経済制裁を科した結果、ワインの輸出が著しく低下すると共に、国際社会から孤立することに。また、19世紀末にはフィロキセラの猛威でブドウ畑は壊滅的な被害に遭います。復旧後のブドウ畑は量を重視したため、今度は過剰生産に陥ります。そこで、ブドウ栽培協同組合(KWV)が権限を持つ形での供給量の制限やブドウの買取価格の低下が進み、長く苦しい時期が続きました。

1991年のアパルトヘイト撤廃を受け、徐々にワイン産業が息を吹き返します。多くのワイン醸造家が、海外で経験を積み、ワインの品質向上に貢献。その結果、輸出量も増え、世界的な注目を集める市場になっていったのです。

在ケープ・タウンのコンベンション・センターで開かれた「Cape Wine
      2025」。
南アフリカのジョン・スティーンハイゼン農業大臣による挨拶で開幕した。
▲ 在ケープ・タウンのコンベンション・センターで開かれた「Cape Wine 2025」。南アフリカのジョン・スティーンハイゼン農業大臣による挨拶で開幕した。本イベントは3年に1度開催される特別なイベントで、300を超える南アフリカワイン生産者が一堂に会し、南アフリカワインの多様性や品質の高さなどを世界中に周知する機会となっている。
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山本 暖子

THE CELLAR online store ライター

日本ワインコラム、生産者コラム等執筆担当
資格:日本ソムリエ協会認定ワイン・エキスパート、WSET Level4 Diploma

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