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南アフリカワインの魅力
THE CELLAR JOURNAL 09.2025 ---
writer : Haruko Yamamoto
南アフリカワインの歴史
東京からケープ・タウンまで約15,000キロ。飛行機を乗り継ぎ、片道約1日必要なので、日本からは遠い場所です。一方、東ヨーロッパと同じタイムゾーンに位置し、西ヨーロッパ諸国とも時差は1、2時間しかありません。アクセスの良さゆえ、大航海時代からヨーロッパの影響を受けてきた結果、他の「ニュー・ワールド」と呼ばれるワイン産地に比べ、ワイン造りの歴史が長いです。具体的に見ていきましょう。
ワインの歴史は、1652年のオランダ人によるケープ・タウンへの入植からスタートします。その後、1655年にブドウが植えられ、1659年に初めてワインが完成します。数十年後には、宗教迫害を受けたフランスのユグノー(プロテスタント教徒)が南アフリカに移り住み、ワイン醸造技術をもたらした結果、ワインの質が大きく向上し産業として発展します。


長くオランダの統治が続きましたが、19世紀初頭にイギリスの統治に変わり、1910年に独立を果たします。しかしながら、白人政権によるアパルトヘイトが実施され、これに反発した国際社会が経済制裁を科した結果、ワインの輸出が著しく低下すると共に、国際社会から孤立することに。また、19世紀末にはフィロキセラの猛威でブドウ畑は壊滅的な被害に遭います。復旧後のブドウ畑は量を重視したため、今度は過剰生産に陥ります。そこで、ブドウ栽培協同組合(KWV)が権限を持つ形での供給量の制限やブドウの買取価格の低下が進み、長く苦しい時期が続きました。
1991年のアパルトヘイト撤廃を受け、徐々にワイン産業が息を吹き返します。多くのワイン醸造家が、海外で経験を積み、ワインの品質向上に貢献。その結果、輸出量も増え、世界的な注目を集める市場になっていったのです。

