現地渡航情報を交えて徹底解説!
南アフリカワインの魅力
THE CELLAR JOURNAL 09.2025 ---
writer : Haruko Yamamoto
南アフリカのアレコレ、
こぼれ話
最後に、南アフリカに実際に行って頻繁に見聞きしたフィンボス、そして社会的取組の2点について、纏めておきます。
フィンボス!フィンボス!フィンボス!
上段の「オーガニック・ワイン・プロジェクト」の段落で、ケープ植物区保護地域群について説明をしましたが、この場所で多く生息しているのが「フィンボス」と総称される植物です。フィンボスの多くが細い針状の葉を持つことに由来し、アフリカーンス語で「細い灌木」を意味する言葉です。
現地でワインをテイスティングした際、「フィンボスの香りがある」という表現を何度も聞きました。乾燥したハーブのようなニュアンスのある香りを指していて、地中海産のワインが「ガリーグ」の香りと表現されると同様の使われ方です。実際、西ケープ州のワイナリーを訪問した際に、沢山のフィンボスがそこかしらにありましたし、テーブル・マウンテンを散策した際にもフィンボスがあちらこちらに!南アフリカの人々にとっては馴染みの植物なのです。
フィンボスの中でも、特に目立つ花が「キング・プロテア」です。南アフリカの国花でもあります。可憐な色味の花の周りを濃い色の総苞片(花を包む葉)が縁取っているので、特徴的でゴージャスな印象です。ワイナリーのお庭などにも植えられていて、見つけると嬉しくなるお花です!
環境保護だけではない!社会的取組も進む
上段の「オーガニック・ワイン・プロジェクト」の段落で南アフリカは環境面でのサステナビリティに注力しているという話をしましたが、サステナビリティには、環境に加え、経済、社会と3つの柱があります。つまり、環境面だけでなく、経済的な持続可能性や従業員やコミュニティといった社会面での持続可能性も得られて初めて、持続可能性が達成したと言えるのです。
南アフリカでは、労働環境の改善が進んでいます。2002年にワイン産業倫理貿易協会(WIETA:Wine Industry Ethical Trade Association)が設立され、労働者の待遇と労働環境を監督しています。現在、南アフリカのブドウ畑の77%、ワイン総量の72%が認証を受けていて、ワインボトルにも認証シールが貼られています。アパルトヘイト政策により、黒人が冷遇される時代が長く続いていましたが、待遇の改善も図られてきています。SAWISの2024年データでは、黒人がオーナーとなっている農園は81、ブランドでは107まで増加していると公表されています。全体の数から言えばまだまだ少ないのは否めませんが、産業として注力しているという点は注目に値するかと思います。ぜひ、皆さんもワインを飲む際に、環境サステナビリティだけではなく、社会サステナビリティにも思いを馳せてみませんか?
- 写真のおまけ -
忘れられない皆既月食
9月7日(日)夜、非常にラッキーなことに、ヘルダーバーグの山の麓にあるワイナリー、カヴァリ・エステートから皆既月食を見ることが出来ました。徐々に月が欠けていく様子は神秘的!そして、赤茶色を帯びた満月も必見です!
夜明け前からスタートしたテーブル・マウンテンへのハイキング
眠たい目をこすりながら始めたテーブル・マウンテンへの早朝ハイキング。曇り空だったため頂上まで行くことは叶いませんでしたが、夜明け前の暗いところから日の光を浴びたケープ・タウンの移り変わりや、ごつごつした岩肌を歩く感触、フィンボスの香り、朝露がかかった植物の姿…などなど五感をフルに使った体験は忘れられません!ハイキング後に飲んだ、ノンアルスパークリング+オレンジジュースのミモザの味も最高でした~。
【参照】
Winart No.94 Spring 2019 巻頭特集『南アフリカ 開花宣言!』
Winart No.117 Summer 2024 巻頭特集『ブドウ品種にフォーカス 南アフリカ
いま飲むべきその理由』
産地詳細 - WOSA JAPAN
ブドウ品種と主な産地|南アフリカ - MASUDA
今、グイグイ、キテる南アフリカの注目ワインvol.1 赤ワイン編 -
アカデミー・デュ・ヴァン ブログ
Guide to Hemel-en-Aarde
Old Vine Project
Organic Wines South Africa
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