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Cave de Relax 本店

カーヴ ド リラックス本店

  • 店休日無休 (正月三箇日を除く)
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    東京都港区
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カーヴ ド リラックス
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  • 所在地〒100-0006
    東京都千代田区
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ザ・セラー六本木

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  • 所在地〒106-0032
    東京都港区
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The Cellar Akihabara

ザ・セラー秋葉原

  • 店休日無休 (正月三箇日を除く)
  • 所在地〒101-0021
    東京都千代田区
    外神田4-14-1
    秋葉原UDXビル 1F
    FUKUSHIMAYA
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  • TEL03-5295-2992
The Cellar Ginza

ザ・セラー銀座

  • 店休日月曜日
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    リーデル銀座店内
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The Cellar Toranomonhills

ザ・セラー虎ノ門ヒルズ

  • 店休日無休 (正月三箇日を除く)
  • 所在地〒105-6490
    東京都港区
    虎ノ門1-17-1
    虎ノ門ヒルズ
    ビジネスタワーB1F
    FUKUSHIMAYA内
  • TEL03-6550-9993
 

トップ>日本ワインコラム>栃木 ココ・ファーム・ワイナリー


日本ワインコラム ココ・ファーム・ワイナリー

急斜面・強風という状況下でも、こころみ学園の園生は休まず畑に立っている。

急斜面・強風という状況下でも、こころみ学園の園生は休まず畑に立っている。

元々は松が自生するようなやせた土壌を、川田昇さんが切り拓いた。

元々は松が自生するようなやせた土壌を、川田昇さんが切り拓いた。

リースリング・リオンとは思えないほどの厚みと奥行をもった「 のぼ ブリュット 2016」を開拓畑山頂で。

リースリング・リオンとは思えないほどの厚みと奥行をもった「 のぼ ブリュット 2016」を開拓畑山頂で。

1958年開墾のマルサン(下部)と、1988年開墾の開拓園(上部)は、2.6haのワイナリーのアイコン的な畑。

1958年開墾のマルサン(下部)と、1988年開墾の開拓園(上部)は、2.6haのワイナリーのアイコン的な畑。

栽培部長 石井秀樹さん。

栽培部長 石井秀樹さん。

剪定枝は園生たちの手で纏められ、炭や木工細工に加工される。

剪定枝は園生たちの手で纏められ、炭や木工細工に加工される。

樹の皮の下に害虫が卵を生みつける可能性があるため、1本1本手作業で取り除かれる。

樹の皮の下に害虫が卵を生みつける可能性があるため、1本1本手作業で取り除かれる。

カーテンレールのように水平に伸びるGDC仕立て

カーテンレールのように水平に伸びるGDC仕立て

砕屑岩(さいせつがん)類や頁岩に富んだ土壌は、葡萄の根が深くまで侵入しやすい。

砕屑岩(さいせつがん)類や頁岩に富んだ土壌は、葡萄の根が深くまで侵入しやすい。

樽発酵のワインも多いココ・ファーム・ワイナリー。木製の発酵槽や大きいサイズの木樽など、設備も充実

樽発酵のワインも多いココ・ファーム・ワイナリー。木製の発酵槽や大きいサイズの木樽など、設備も充実

ルミアージュ(動瓶)も全て園生たちの手作業。衝撃的なまでに、瓶底の印の向きが揃っている。

ルミアージュ(動瓶)も全て園生たちの手作業。衝撃的なまでに、瓶底の印の向きが揃っている。

シャンパーニュ地方のカーヴに触発された、川田昇さんが自身で掘削を始めたという貯蔵庫。あまりに危険なので、周囲に止められたそう。

シャンパーニュ地方のカーヴに触発された、川田昇さんが自身で掘削を始めたという貯蔵庫。あまりに危険なので、周囲に止められたそう。

ドザージュも手作業で。「ちょっと手作業で間に合うような生産量でもないのですが。」と、柴田さん

ドザージュも手作業で。「ちょっと手作業で間に合うような生産量でもないのですが。」と、柴田さん

「日本のクヴェヴリ」こと益子焼の甕。割らないように慎重に作業が行われる。

「日本のクヴェヴリ」こと益子焼の甕。割らないように慎重に作業が行われる。

併設のショップは、ワインだけでなく、自家栽培のシイタケ、チーズなど地域の農産物などバラエティ豊かな品揃え。

併設のショップは、ワインだけでなく、自家栽培のシイタケ、チーズなど地域の農産物などバラエティ豊かな品揃え。

併設のカフェで試飲。デギュスタシオン・コースや、季節のコースなど、食事のメニューも充実している。

併設のカフェで試飲。デギュスタシオン・コースや、季節のコースなど、食事のメニューも充実している。

10種どれも非常にレベルが高い。それぞれのラベル上のQRコードから閲覧可能なデータシートも非常に緻密な内容。

10種どれも非常にレベルが高い。それぞれのラベル上のQRコードから閲覧可能なデータシートも非常に緻密な内容。

製造部長 柴田豊一郎さん。

製造部長 柴田豊一郎さん。


我々は一般に
「優れた葡萄産地にあるワイナリーで、優れたワインは造られる。」
と考えることを好む傾向にある。

「ロンドンにある自社畑のリースリングからワイン造りました。」
「ブルゴーニュのピノ・ノワールをパリで醸造しました。」

なんて言われても、なんだか得心がいかない。どんなに完璧な味わいでも、「何か入れてるんじゃないの?」なんて不確かなことを言い始めるのがオチで、どうにも腑に落ちないのである。おそらく。

欧州を例に出した。日本の場合はどうだろう。

「北海道の葡萄を北海道でワインにしました。」
「山形県の葡萄を山形県でワインにしました。」

いわゆるドメーヌだ。 優れた産地が生んだ葡萄が、その優れた産地でワインになる。
では、これはどうだろう。

「北海道の葡萄を栃木県でワインにする。」
「山梨県の葡萄を栃木県でワインにする。」

栃木県は北関東で、山梨県は中部、あるいは南関東で、北海道は言うまでもない。パリとブルゴーニュの距離の例はさほど大袈裟ではない。
これはどうか。

「栃木県の葡萄を栃木県でワインにする。」

栃木県が葡萄の産地として知られているかといえばそうではない。ロンドンの例は流石に誇張だが、実際に葡萄生産量では全国上位10番までにも入っていない。

名産と言えば「とちおとめ」「餃子」「レモン牛乳」。
「とちおとめ」は果実だが葡萄ではないし、「餃子」は皮と身があっても果実じゃない。
「レモン牛乳」はもうよくわからない。

冗談ではあるが、欧州の伝統を重ねるならば「我々がちょっと腑に落ちない」あり方でワイン造りを行っているのが、ココ・ファーム・ワイナリーだ。
一方で、我々はココ・ファーム・ワイナリーに関して、実際にそのような違和感を抱くことはない。優れたワインを造るワイナリーとして認識しており、その人気も高い。 我々の優れたワインに対する緩やかな常識とは、異なる在り方であるにもかかわらず、 優れたワインを生み続けるココ・ファーム・ワイナリー。
そこにあるものはなにか。

「上からマスカット・ベーリーA、リースリング・リオン、ノートン、プティ・マンサン。他の圃場には、プティ・ヴェルド、ヴィニョール、トラミネットなどを植えています」

栽培部長の石井秀樹さんは、セキュリティ・ソフトの名前を言ったのではない。

「マスカット・ベーリーAや、リースリング・リオンは、他の地域でも聞く名前かもしれませんが、あまり日本で栽培されることのない品種がほとんどですよね。」

栃木県足利市。

東武伊勢崎線特急「りょうもう」が停車する足利市駅から、車で20分。 23区内では観測されない、「街が途切れる」という現象の先に、ココ・ファーム・ワイナリーはある。

1950年代、栃木県足利市の特殊学級の中学生たちとその担任教師である川田昇さんによって開墾された山の急斜面の葡萄畑がワイナリーを象徴する光景だ。

平均斜度38度。断崖絶壁とも言える、というのが誇張だとすれば、これを崖と呼ぶか、畑と呼ぶかと聞かれたら、「崖だ」と答えたくなる、と形容してもいいだろう。 その頂上へ向かう道中。専務取締役の池上知恵子さん、広報の越知翔子さんは、絶叫マシンほどに傾いた車内で「私たちは慣れてるから。」と笑っていた。車のエンジン音はその声をかき消そうとするかのように、低く叫ぶ。振り上がるタコメーターに反して、速度は17/hしかでていない。耳をすませば「無理、無理、無理」と言っているに違いない。

ココ・ファーム・ワイナリー「開拓畑」。
松が自生するこの土地は、海底が隆起したことによる砂質の土に加え、叩けば崩れるほど脆い砕屑岩類、頁岩類などが入り混じった痩せた土壌。平らな農地が手に入らず、やむなく開墾した急斜面は水捌けという点で、果樹栽培に優れた条件だ。しかし、熊谷や高崎などの「ザ・ホッテスト・シティ」達を擁する北関東の気候は必ずしも、醸造用葡萄に適しているとは言えない。

「いくら急斜面で水捌けがいいと言っても、ここの標高は180m位なんです。いわゆる高標高ではない。南西向きの斜面ですから、日照も多く、気温も高い。夏は猛暑日が30日以上もあります。その中で、黒葡萄で言うとカベルネ・ソーヴィニヨン、白葡萄ならシャルドネなどは、高い品質のものが得られません。」

高貴種の葡萄はこの土地では、大きな成果を得られない。そう言った環境中で、ココ・ファーム・ワイナリーが取り組むのは、欧州品種とアメリカ品種を掛け合わせた「ハイブリッド」や、主に南仏で栽培される品種だ。

「果皮が厚い品種の方が、この土地ではいい果実をつけます。そこで採用したのが、プティ・マンサンやノートンといった品種です。」

カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、ピノ・ノワールといった著名なブドウ品種は、商品価値の軸になりえるとなりうる。ラベルにピノ・ノワールと書いてあれば、市場では圧倒的に受け入れられやすい。しかし、必ずしもそういった品種に適しているとは言えない栃木県足利市という土地で、ココ・ファーム・ワイナリーはそこに固執をしない。

「適地適作」

ワインにあった土地であるということよりも、 土地にあった葡萄を栽培し、土地にあったワインを造ることが重要だという考えだ。
ココ・ファーム・ワイナリーが掲げる重要な思想のひとつと言えるだろう。

「3名の栽培スタッフで6haの自社畑の面倒を見ていますが、急斜面の畑では、同じ作業でも平地の3倍の時間と手間がかかってきます。機械の入れない土地ですから、全てが手作業。そういった中で、ここでの葡萄の栽培は、園生と協力し合いながら行っています。」

市場よりも土地への適性を重視した葡萄品種の選択には、収穫の品質向上を目指すという強い意思が詰まっている。いいワインはいい葡萄から。その実現の為に欠かすことが出来ないのが、こころみ学園の園生による丁寧な仕事だ。

ワイナリーに隣接する「こころみ学園」は、1969年に設立された障がい者支援施設。現在140人の利用者が、ココ・ファーム・ワイナリーでの葡萄の栽培やワイン造りに携わりながら生活している。取材当日、強風吹き荒れる急斜面の葡萄畑の上にも、黙々と働く彼らの姿が見られた。

「現在は剪定の時期なので、剪定した枝の運搬や、木の皮を剥く作業などをやってもらっています。中には紐を結べなかったり、数を数えられなかったりする園生もいるのですが、畑での単純な作業であれば、楽しく丁寧にやってくれます。こういった作業が、彼らの訓練、手を動かしたり、頭を使う機会があってほしいと思っています。」

園生達と協力しながらの葡萄作りを行う中で、自社畑の多くの葡萄にはGDCという個性的な仕立て方法が採用されている。

「元々は生食用葡萄で一般的な、X字長梢剪定で仕立てていたのですが、それでは色々なところに葡萄の実が付いてしまうので、園生が行う作業に漏れが出てしまうことが多くありました。それに加えてここは、いくら水はけがいいとは言っても、年間1000个旅濘緡未ある土地です。葡萄の葉で地面が覆われてしまう仕立て方法では、湿気がたまりやすく、病気が出やすくもありました。その中で、著名な栽培家の勧めもあり、2000年頃から始めたのが、このGDC仕立てです。」

段々畑の道の両脇、目線の高さでカーテンレールのように枝を伸ばす葡萄。生育期には、新梢がカーテンのように垂れ下がり、その上部に、ほとんど高さを揃えて実をつける。

収穫から剪定後の作業に至るまで、直線的な動線を導くこの仕立て方法は、園生たちの作業をよりシンプルで正確なものにしてくれる。

「夏の時期は果実の重みで新梢の先が地面につくほどに垂れ下がます。私たちは、開墾以来、除草剤をまいたことがなく、その代わりに年に5〜6回園生たちと手作業で草刈りを行うのですが、その作業の中で自動的に摘芯を行うことが出来ます。」

またそういった環境の改良は、通常のワイナリーでは考えられない細やかな作業を実現させることにもつながっている。

「「第一楽章」というワインに使うマスカット・ベーリーAについては、徹底的に収量を制限しています。新梢には2つの房が付きますが、手作業で1つを落とし、実の数も詰めて減らします。一般的には、収量10t/haでもかなり少ないのですが、うちの場合は5t/haです。また、栃木の夏場は暑いですから、葡萄の房一つ一つに傘をかけて保護します。去年は、165,000枚の傘をかけました。これらの作業も園生が中心となって行っています。」

これがどういうことかというと、
1tの葡萄からは、おおよそ7hlの果汁が得られるので、5t/haは約35hl/ha。 つまり、大雑把にドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティの収量と同じくらいと言える。
恐らくここまでの収量制限を行っているワイナリーは他にないだろう。

「適地適作」と「園生との協力」によって、栃木という土地での高品質な葡萄造りへの挑戦を続けるココ・ファーム・ワイナリー。その挑戦のフィールドは、葡萄畑の上に留まらない。

「「ここの葡萄とそこの葡萄を混ぜちゃうのか」なんて言われることもあります。」

製造部長の柴田豊一郎さんはそう言って微笑む。

ココ・ファーム・ワイナリーでは、自社畑の原料だけでなく、北海道、山形、長野、山梨、埼玉、そして栃木の契約農家の葡萄を使用したワインを多く製造している。
自社畑の個性的な品種ラインナップに留まらず、各地の契約農家から届けられる葡萄も様々。自社の葡萄を含め、多くの産地から多様な品種、状態の収穫を扱うなかで、可能な限りの自然な醸造と、上質な味わいを実現するために、醸造プロセスなどは、毎年微妙に変更、改良され、常に進歩を続けている。

「スタッフ全体で、契約農家の葡萄についても、経験を積んでいく中で、パターンが見えてきていて、こういう状態の葡萄については、こういうような醸造のアプローチをするだとか、ここまでの痛みは使わないだとか、葡萄を見る目がついてきていると感じます。また、スタッフから新しいアイディアも多く生まれていて、そういった中で、品質も上がってきていると思います。」

そういった改良への挑戦を支えるのが、数あるラインナップの中でも、個性的なワインを多く生み出している「こころみシリーズ」だ。
「ベストなワインを造るための私たちの試み」と称される当シリーズでは、柴田さんをはじめ、ココ・ファーム・ワイナリーの醸造スタッフのセンスが光る、常識を超えたワイン達がリリースされる。

「可能性が見えているものを、すぐに製品化するのではなくて、「こころみシリーズ」で2〜3年試しています。中には、5年経っても納得する品質や、量にならず辞めてしまうものもあります。」

そんな試行錯誤のシリーズのなかから、試飲したのは 長野県のタナ種から造られるロゼ ワイン「こころみシリーズ タナロゼ 2018」だ。
タナ種と言えば、フランス南西部原産、「タンニン」が語源となったと言われる、渋みの強い葡萄品種。一般的には、力強い赤ワインが造られるか、その渋みの強さから補助品種として用いられることが多い。そんな品種から、柴田さんはエレガントなロゼワインを造り出す。

「タナは果皮成分を抽出しすぎると、どうしても野暮ったくなってきてしまうんです。以前タナの白ワイン(ブラン ド タナ)を出しました。それもよい出来だったのですが、今回のヴィンテージは、もう少し色を付けてロゼにしています。 タナ種のいいところは、赤系の果実味だと思っています。それに対して、渋みのギャップが強いので、その渋みをどれだけ抽出しないで造れるかが重要です。」

タンニンが取り払われた「タナロゼ」は、確かに鮮やかなアセロラなどの酸味のある赤果実に満ち満ちている。タナ種がこんなフレッシュな酸を持っていたことに驚きを隠せない。

「タナの本当の魅力を引き出せたらと思っています。本当の魅力と言ったら赤ワインがかわいそうですが。」

実験的な思考と優れたセンスは、日本を代表する葡萄品種の「甲州」の取り扱いにも表れている。「甲州F.O.S. 2018」は、ココ・ファーム・ワイナリーが2004年から醸造を開始した、甲州の醸しワイン。今でこそ、甲州種の果皮からの抽出を強くしたワインを造る生産者も増えたが、ココ・ファーム・ワイナリーはこの先駆者と言える。
山梨県でも、高品質の葡萄が出来る畑を指定し、そこの原料のみを使って造られる「甲州F.O.S.」。渋みや酸味など味わいのバランスを取るのが難しいワインだが、2018年ヴィンテージは、原料の中でも最も遅摘みの甲州を「日本のクヴェヴリ」の中でじっくりと発酵させた。

「県内の益子焼の工房で甕を造りました。その中で、甲州の醸しをすると味わいが円くなって、渋みも軽くなるような気がしています。また、ここ2年は粒を潰さないで、マセラシオン・カルボニックのような状態を造り、葡萄の粒の中で発酵が始まるようにしています。2-3か月ゆっくりと醸しをするのですが、醸しの時間を長く取ると、あまり渋みが出ない気がしています。一回(果皮の成分が)全て出切った後に、ほかの固形物がそれを吸着しているんじゃないかなぁ、なんて都合よく考えたりもしているんですが。」

びわのような、柔らかい甘さを感じるフレーバーと、酸、渋みのバランスが心地よく広がり、ほんのりと感じる苦みと旨味の余韻が味わい深い。
さすがは甲州種のオレンジワインのパイオニア、と言える、他とは一線を画す境地に至っている。

「最近はなんでもかんでも、「こころみシリーズ」にし過ぎだ。なんて、(同社取締役のブルース・ガットラヴさんに)言われてしまうこともあるんですけど。」

そう言って、笑う柴田さんの語り口からは、醸造におけるチャレンジを楽しみ、ワイン造りを愛する姿勢が伺える。そして、そういった姿には、どこかブルース・ガットラヴさんと符合するような影がある。

北関東の山肌で、ココ・ファーム・ワイナリーは、その土地でのワイナリーの在り方を開拓してきた稀有な生産者と言えるだろう。新しい品種の栽培への挑戦、新しい醸造法への挑戦、そういった「こころみ」が生みだす魅力的なワインの数々。歴史と経験を重ねながらも、常に変化を続けるその姿は、不動の老舗にはない、タフネスを纏っているように感じられた。今後も、我々の生温い常識を打ち破る、たくさんの試みが詰まったワインを届けてくれることに期待して、「長すぎる」と言われそうな本稿の筆をおきます。

P.S. 頂いた椎茸すごくおいしかったです。ありがとうございました。

インタビュー:人見 / ライティング:山崎 / 訪問日:2021年2月16日


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